就業規則

休職中の社員はどのくらいまで回復すると職場復帰になるか?

ラグのうえに置かれたパソコンのキーボード、コーヒーの入ったマグカップ。ページが開かれた白紙のノートとボールペン。クッション。観葉植物のグリーン。

休職とは、社員側の事情により業務に従事することが「できない」または「不適当な事由」が生じた場合に、社員との労働契約関係を維持しながら、会社が一定期間の就労義務を免除する処分のことをいいます。

 

長期にわたって正常な勤務ができないのであれば、本来なら直ちに普通解雇事由にあたるところを、退職を猶予して休職期間に傷病が回復することを待って、社員を保護することが目的です。(社員には解雇を猶予される代わりに、療養に専念する義務があるといえます。)

 

ただ問題となるのは、休職期間が満了したときの社員の回復状況です。無理な職場復帰によって、症状が悪化することにでもなれば、元も子もありません。

 

そこで今回は、会社として社員がどの程度の状態まで回復すれば復職できると判断するべきなのか、詳しく確認していきたいと思います。

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何か月もの給料カットは社員の減給処分として有効なのか

レトロな銀の置時計。白紙のメモ帳と銀の万年筆。小さな花のブーケ。

「“役員報酬を〇か月にわたって減俸する”といったことを企業の不祥事による謝罪会見などで見聞きします。こういった処分は、役員ではないフツーの社員にも適用されますか?」

 

不祥事に対する経営陣の責任の取り方として「報酬額〇%カット〇か月間」といった報道発表があると、冒頭のような疑問が頭に浮かぶことはないでしょうか。コンサルティングのなかでの雑談でも話題にあがることがあります。

 

労基法では、就業規則で減給の制裁を規定する場合において、その減給の最高限度を定めています減給の額があまりに多額となって、社員の日常生活を脅かすことがないようにするためです。

 

では、社員に対する減給処分「月給〇%カット〇か月間」は有効になるのでしょうか、それとも認められないのでしょうか。さっそく詳しく確認していきましょう。

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出向先での不正発覚、懲戒処分を行うのはどっち?

白とゴールドの文房具。パソコンのキーボード、トレイに入ったボールペン。白紙のノートとボールペン。ダブルクリップ、腕時計、ガラスの器に入ったゼムクリップ、ストライプと水玉のマスキングテープ。

ある企業では、経理部の社員を関連会社の経理部に出向させていました。ところが、その出向社員が出向先企業で帳簿などの経理関係書類を不正操作していたことがわかりました。

 

横領の事実が発覚したからには、懲戒処分となるのは明らかです。ですが、これはあくまで出向先企業で起きた事案です。出向元企業としては、懲戒処分の決定に関わることはできないのでしょうか。

 

「懲戒処分を行うのは出向元の当社なのか、それとも出向先の関連会社なのか?」両社間での協議はうまくまとまらず、ごたごたしている状況のままで・・・

 

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出向社員は、出向元企業の社員であると同時に、出向先の社員でもあります。そのため、出向社員に対する懲戒について判断にとまどうケースもみられます。そこで今回は、出向先での違反行為に対する懲戒処分に会社(出向元・出向先とも)はどのように対応すべきなのについて、詳しくみていきたいと思います。

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単身赴任したくない社員、会社の対応はどうする?

2人前前の朝食。新婚生活。サラダ、ミニパン、目玉焼き、ウインナー、フルーツ。コーヒーの入ったカップ&ソーサ。

「結婚したての社員が、地方支社への転勤命令を拒否しています。配偶者は仕事の都合で一緒に行けないそうで、単身赴任をしたくないとのことです。会社は夫婦の事情も考えないといけないですか?」

 

今では夫婦共働きは珍しいことではなく、仕事の都合、こどもの教育、家の管理などのため、家族と別居して単身赴任せざるを得ない場合も十分ありうることです。そのため、冒頭のようなご相談をお聞きすることもあります。

 

会社側としては、「夫婦が別居せざるを得ない転勤命令が、人事権の濫用とみなされないか(転勤命令が無効にならないか)?」ということが、最も気にかかるところではないでしょうか。

 

そこで今回は、単身赴任をしたくないとの理由による転勤命令の拒否は果たして認められるのか(夫婦別居となる転勤命令は人事権の濫用となるのか)、会社のとるべき対応について確認していきましょう。

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リストラのときでもシニア社員の継続雇用は若手より優先される?

マーブル調のテーブルに置かれた資料と手帳、ボールペン。あぶるクリップ、コーヒーの入ったマグカップ。

「企業には65歳までの継続雇用が法律で義務付けられていますよね。経営不振でリストラしなければならないときでも、定年後の高年齢者を再雇用しないといけないのですか?」

 

新型コロナウィルス関連の経営破綻など、世界中に広がる感染は経済活動にインパクトを与えています。そこで、このリストラと高年齢者の継続雇用措置のバランスは、企業として気がかりなところではないでしょうか。このような疑問が生じるのも無理はありません。

 

たしかに、定年後のシニア社員の雇用継続はキープしておき、これからの企業の再建に必要な中堅社員や、会社の将来を担う若手社員をリストラしなければならない、というのでは、企業経営は立ち行かないでしょう。社会一般の雇用制度のあり方としても疑問が残ります。

 

そこで今回は、経営不振によるリストラのなかでもシニア社員を継続雇用しなければならないのか、また、人員整理の優先順位をどう考えるべきなのかについて、詳しく確認していきたいと思います。

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将来の転勤について誓約書をとっておくといいですか

パソコンのキーボードの前に置かれたメモパッド。コーヒーの入ったマグカップ。ノートのうえに置かれた腕時計。観葉植物のグリーン。

「将来の転勤や配置転換について、いざその時になって社員から拒否されないために、誓約書をとっておいたほうがいいですか」

 

働く場所は社員にとって重要なので、コンサルティングのなかでこのようなご質問をいただくことがあります。

労基法では、社員の入社時に絶対的明示事項は書面の交付により明示しなければならないことになっています。「就業の場所・従事業務」もそのうちのひとつです。

 

最近では、新型コロナウィルスの感染防止のためテレワークを実施するのなら、就業の場所などについて労働契約を変更しないといけないのか?、などと疑問に思われた経営者や管理職の方もいらっしゃるかもしれません。

 

はたして社員の労働条件にかかる「就業の場所」をどう考えるといいのでしょうか。そこで、配置転換や転勤に応じる旨の誓約書を入社時にとっておけば、なにか特別な効力が発生するのでしょうか?さっそく詳しく確認していきましょう。

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代休は必ず付与しないとダメですか

デスクに広げられたカレンダーと万年筆。ダリアの花、デイジーの花。

「仕事の都合で社員に休日労働をしてもらうことになりました。代休をいつ取得できるのか、と社員から質問があったのですが、かならず付与しないといけないのでしょうか?

 

以前、企業の管理職の方からこのようなご相談をいただいたことがあります。その方が以前勤めていた会社では代休制度がなかったので、質問に戸惑われたそうです。一方、質問した社員さんのほうでは、必ず保証された権利として代休を取得できる、との認識であったようです。

 

実は、この代休は法律上の制度ではありません。それぞれの企業において定めた任意のものです。会社の就業規則に定めることによって、はじめて社員に代休の付与を求める権利が発生します。

 

ただ、冒頭のようなご相談をいただくことは割合多く、誤解されているケースは多いのかもしれません。

そこで今回は、代休は必ず与えなければいけないのか、について詳しく確認していきたいと思います。

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業績悪化の企業への出向を社員が断りそうで心配です

オフィスの窓辺のフリースペース。ノートパソコン、スマホ、マイボトル、観葉植物の鉢植え。

諸般の事情から縮小営業を余儀なくされてきた、グループ子会社の業績悪化がすすんでしまい、今期の赤字転落は避けられない状況になった。

 

通常営業に向けてさまざまな対策に臨んでいるものの、状況次第では今後の対応に変更を迫られる可能性もある。

 

そこで優秀な社員を親会社から送り込んで、子会社の立て直しを図りたい。・・・とはいえ、「不本意な人事」ということで、社員が拒否してきそうで心配だ・・・

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経営状態の芳しくないグループ子会社への出向命令に対して、社員の拒否が想像に難くないだけに頭を悩ませる経営陣

こんなとき、会社はどのように対応するべきなのでしょうか。また、そもそも社員は出向命令を拒否することはできるのでしょうか。

さっそく確認していきましょう。

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社員が自己破産すると会社のとる対応は解雇or異動?

光の差し込む窓辺に置かれたテーブル。ラナンキュラスが活けられた花びん。白のマグカップ。手帳。陶器でできたサボテンの置物。

「ローンやクレジットなど複数の業者から借金をしていて、返済が困難になって(いわゆる多重債務)自己破産を申し立てる社員が職場にいるとわかったとき、会社としてどのような対応をとるべきでしょうか?」

 

こんなご相談をいただくことがあります。

 

多重債務、自己破産というワードを聞くと「ギャンブル?」「お酒?」「浪費癖?」といったイメージを持たれるかもしれません。

けれど、不況など経済環境の変化に伴う収入の減少によって生活費や教育費などを補うために借金を重ねた・・・というケースは少なからずあるようです。

 

冒頭のお話では、業者(債権者)から職場に電話が頻繁にかかってきたため、本人に確認したところ事情が明らかになったとのことでした。

 

一般的に、社員が自己破産した場合は、企業の信用問題にかかわるので会社としては解雇を含め当然退職になるものと考えられがちです。少なくとも、人事異動は検討するべきでは?と判断に迷われる場合も多いでしょう。

そこで今回は、自己破産した社員への会社の対応について、「解雇」と「人事異動」の場合に分けて詳しく確認していきましょう。

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社員の退職願VS会社による懲戒解雇、どちらが優先される?

デスクのうえに置かれた腕時計。コーヒーの入ったマグカップ。カスミソウが生けられた花びん。

会社には、ビジネスを推し進め、企業を存続させていくために、企業秩序を守ることが必要です。そのため、企業秩序を乱す社員に対して、会社がその回復のために懲戒処分を行うことは当然の権利として認められています。

 

ただし懲戒処分を行うには、あくまでも本人が会社に在籍していることが前提です。したがって、退職した元社員に対する懲戒処分は、法的な根拠を欠くため無効となります。

 

そもそも「元社員」を企業の外に追い出す必要性がないので、懲戒解雇(懲戒処分のなかで最も重い処分)も必要ありません。

 では、社員が退職願を会社に提出してきた後に、本人の違反行為が発覚した場合はどうでしょうか?

 

「すでに退職願を出している社員は懲戒解雇の対象となるのか」という点が問題になります。

そこで今回は、社員の退職願と会社による懲戒解雇では、どちらが優先されるのか、そして会社としてはどのような対応をとるべきなのかについて、詳しくみていきたいと思います。

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法律でいう「配転」「転勤」とはどんな場合のこと?

ひざ掛けのうえに置かれた数冊の雑誌。手帳。りんご。テイクアウトコーヒー。

業務運営上の都合から社員の就業場所や担当業務を変更することは、会社の人事権として認められています

とはいえ、「社員は会社のいうことにはなんでも”YES”と従わないといけない」というわけではありません。

 

つまり、会社の命令による配転や転勤は無制限に許されるわけではなく、その命令権の行使に合理性がなく、権限の濫用にあたるときは無効になります。

 

このようなときは、法律上の争いとして裁判所の審理に従うことになります。ただし、配転や転勤が「労働契約の(要素の)変更」として認められる場合に限られます。(それ以外の場合は裁判所ではねられます。)

 

では、法律上の紛争として扱われる「配転や転勤」とはどんな場合のことをいうのでしょうか?さっそく確認していきましょう。

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入社時に必要書類を出さない社員への対応はどうする?

テーブルの上のピンクのダリア。メモをはさんだピンク色のダブルクリップ。スマホ。

「採用が決まったあと入社時に、所定の必要書類を提出しない者がいた場合、会社としてどのように対応するといいですか?書類の内容は家族関係などプライベートに関わるものなので、強く言っていいものか、対応に悩みます

 

 

就業規則のコンサルティングのなかで、「採用選考時の提出書類」と「採用決定時の提出書類」をきちんと分けておきましょう、といったことをお話ししていると、このようなトピックをお伺いすることがよくあります。

 

企業は採用選考において、選考のため必要となる適正な書類を、応募者に求めることになります。さらに採用決定時には、会社の手続きで必要ないろいろな書類の提出を、追加して求めるのが通常です。

 

そこで今回は、採用選考時と採用決定時の提出書類の区別に触れながら、採用決定(入社)時に必要書類を提出してこない社員への対応について、確認していきましょう。

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遠方への転勤命令、家庭の事情を会社はどのくらい考えるべきか

家庭のキッチン。シンクのうえに並べれられた色とりどりの野菜。オーブンレンジ。冷蔵庫の中をのぞくエプロン姿の女性。

経営状況によるやむを得ない事情から、もしくは合理化をはかるため、事業所を統廃合するとき、現在の人員を他の事業所や工場へ配置転換せざるを得ない場合もあるかもしれません。

 

ただ、その転勤先が遠方にあり、現在の住まいからの通勤が困難だとすれば、社員にかかる負担が会社としては気がかりです。

 

「社員には会社の事情をしっかりと説明して、転勤についての同意を得ようと考えています。でもやはり、本人以上にご家族の心情を思うと、本人の家庭の事情をどの程度まで考えてあげるべきでしょうか?」

 

このように会社として、人事権の濫用とならないよう社員の不利益を軽減するべく、どの程度までの措置をとればいいのか、悩まれることは多いのではないでしょうか。

そこで今回は、遠方への転勤に際して、会社は家庭の事情を斟酌するべきなのか、するとしてもどの程度の措置をとれば権利濫用とならないのか、について詳しくみていきましょう。

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海外出張中のケガに労災保険は使えますか?

広げられた世界地図のうえを飛ぶ飛行機のミニチュア。赤と水色、銀色のフォルム。

テレビ会議やウェブツールなどの導入により、社内会議にまつわる国内出張は一般的に減少傾向にあるようです。一方で、月1回程度~年5回以上の頻度の海外出張は増えてきているそうです。

思い返してみると、今の時期はハイシーズンではないにもかかわらず、ビジネスで海外へ出かけるとのお話を伺うこともあります。

 

そこでよくご質問いただくのが次のようなトピックです。

「社員を海外に出張させたり、海外の支店や現地の企業に派遣する場合で、もしも事故にあったり、ケガをしたときに、国内と同じように労災保険はつかえるのでしょうか?」

 

物理的に遠く離れた赴任途中や赴任先での社員の事故やケガは、経営者や管理職にとって、大変気がかりなことですよね。

 

海外での就労は、大きく区分すると海外出張と海外派遣の2パターンになります。それぞれ海外での労災保険の適用はどうなるのか、詳しく確認していきたいと思います。

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社員の退職後に不正発覚、懲戒処分と退職金はどうなる?

箱から散らばったカラフルなクレヨン。画用紙。

懲戒処分とは、「企業秩序の違反に対して会社によって課せられる制裁罰のこと」として考えられています。企業秩序を乱したことに対するペナルティーですから、あくまでも会社に在籍していることが前提です。

 

では、社員が退職した後にその社員による不正が発覚した場合、懲戒処分はできるのでしょうか。「すでに辞めてしまった社員のことを言っても仕方がない」と思われる経営者や管理職の方もいらっしゃるでしょう。ご心中、察するに余りあります。

 

ただ、退職した社員について「懲戒処分にするべきなのか?」という悩みが深くなるのは、退職金の不支給もしくは返還についての問題があるときです。

 

そこで今回は、社員の退職後に違反行為がわかったとき、会社として懲戒処分と退職金の問題にどう対処するといいのか、について詳しくみていきましょう。

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社員の不正で問われる上司の指導責任

手帳。メモ。黒の革ベルトの腕時計。クリップ。指輪。卓上サイズの観葉植物。

最近、同僚の動きがおかしい。帳簿などの経理関係書類を、どうも不正操作しているような気がする。

だが現場を実際に目撃したわけではないので、はっきりしたことは分からない。こんな状態で上司に報告はできない・・・

 

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同僚の不正行為をうすうす感じていた経理部員のAさん。その後、抱いていた疑念が事実だったことがわかりました。

では、同僚の不正行為を上司に報告や相談をしなかったAさんは、「不正を見逃した」として懲戒処分の対象となるのでしょうか?

 

ここでポイントとなるのは、Aさんがこの不正を行った社員に対して管理監督する職務上の注意義務を負っていたのかどうかです。

 

そこで今回は、職場で不正行為が発覚したときに問題となる管理職の指導責任とはどういったものなのか、について詳しくみていきましょう。

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懲戒処分を決めるまで社員を自宅待機させてもいいですか

白いデスクのうえ。ノートパソコン、マウス、コーヒーの入ったマグカップ、ピンクのペン、メモ帳、クリップ、観葉植物。

少人数のアットホームな経営から人数を増やして規模を拡大していくときなど、会社をステージアップさせる機会に、「懲戒処分の基準を見直したい」とのご相談をいただくことがあります。

 

社内外における態度や姿勢を改めて気を引き締めたい、というのがその意図です。そこで、次のようなご質問をよく伺います。

 

「たとえば重大な違反行為があったとして、会社が懲戒解雇を決めるまでの間、その張本人が出社すると職場の雰囲気がぎくしゃくすると思います。本人もばつが悪いでしょうし、周囲もどう接すればわからないでしょう。そんなときは本人に自宅待機を命じてもいいのでしょうか?」

 

懲戒には、1つの違反行為に対しては1つの処分を下すものとするルールがあります。つまり、同じ違反行為を2回懲戒処分にすることは禁止されているのですが、「出勤停止からの懲戒解雇」という処分は、この二重処分の禁止にあたらないのでしょうか。

 

今回は、懲戒処分を決めるまでの自宅待機は二重処分にあたるのかどうかについて、確認していきましょう。

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社員が退職願を撤回できるのはどんなときか

マーブル調のデスクのうえに広げられたノートパソコンとメモ帳、ボールペン。ピンクのガーベラのコサージュ。

ドラマを見ていると、その終盤で、主人公から預かっていた退職願を上司が「これはもういらないよな」と本人に突き返し、涙ながらに主人公が退職願をビリビリ破り捨てる・・・といったシーンがあります。

 

これをオフィスでの日常に置き換えると、「社員はどんなとき退職願を撤回できるのか?」という疑問がふと浮かんできます。

 

退職願は、社員からの一方的な解約の意思表示である「辞職」と、会社との合意に基づいて雇用契約を解約しようとする「合意解約」の2パターンに分かれます。

 

実は、この「辞職」と「合意解約」では会社のとるべき対応も変わってきます

そこで今回は、この退職願の2パターンの違いについて詳しく確認していきたいと思います。

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出向社員に給料の支払い義務があるのはどっち?

半分に割れた果物。ライムとマンゴー。ノートと鉛筆。カラフルな付箋。

9月に入っても、日中の大阪は夏を思わせるような暑さです。日ごとに空が青く澄んでいるのをみて、かろうじて秋の気配を感じます・・・

さて、秋といえば人事異動の季節。10月からの配置転換・出向を検討している企業もあることだと思います

 

出向社員は、出向元企業に在籍したまま出向先企業で、業務に従事することになります。

では、出向前には出向元企業から支払われていた給料や賞与は、出向後はどちらの企業から支払われることになるのでしょうか?

 

また、出向元企業と出向先企業では、昇給基準も異なるでしょうが、どちらの基準によるのでしょうか?

 

賃金は重要な労働条件のひとつであり、社員の関心も高いトピックです。

そこで今回は、出向社員に対する賃金や賞与の支払い義務はどちらにあるのか、また昇給基準はどう考えるのか、について確認していきましょう。

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列車の遅れや運休で会社の始業時刻を遅らせてもいいですか

朝食のプレート。ライ麦パン、固ゆでたまご、トマト、クレソン、チーズ。

「台風の影響などで悪天候になると、列車やバスが遅れたり、運休になることもたびたびです。始業時刻からだいぶ経ってからでないと、社員がオフィスに出勤できないこともあります。 

とはいえ、仕事の納期が迫っている場合もあるので、そんなときは始業・終業時刻を後ろにずらせないのでしょうか?うちの会社ではフレックスタイム制をとっていないのでダメでしょうか?」

 

最近、コンサルティングでよくいただくご相談です。職場にフレックス制を導入していないと、始業・終業時刻を動かすことはできないのでしょうか?

 

結論からお伝えすると、就業規則に規定すれば、いわゆる就業時間帯の繰上げ・繰下げを実施することができます。これは、変形労働時間制やフレックスタイム制にはあたらないからです。

そこで今回は、就業時間帯の繰上げ・繰下げとはどういったものなのか、詳しくみていくことにしましょう。

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社員の降格は会社の裁量で決めてもいい?

デスクに積まれた書籍。その上にマグカップのコーヒーが置かれている。傍らに電卓、手帳、万年筆。

昇進とは、「係長→課長→部長」などのように、企業内での職務上のポジションが上がることです。昇進にあたっては、企業内における権限と責任を伴います。上のポジションになればなるほど、それらは大きく、重いものとなっていきます。

 

昇進によって、会社から経営権・人事権を分担され、会社と一体となって(もしくは会社の立場にたって)業務の推進と部下のマネジメントを任されることになるからです。

 

このことから、昇進に関する人事は、原則として会社の経営権の裁量にゆだねられていることがわかります。では、降格についてはどうでしょうか。実は、降格については次の3パターンに分かれます。

  1. 企業内のポジション(職位)の降格または解任
  2. 人事制度による資格等級格付けの下位への変更
  3. ペナルティー(懲戒)としての降格処分

今回は、社員の降格は会社の裁量によって決めてもいいものなのか、上記の3つの場合に応じて、確認していきましょう。

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社員に海外勤務を命じるとき注意するべき点とは

世界地図に目的地を赤いピンでとめる指先。スマホ、ノート、えんぴつ。

海外支店の増員のため、社員に転勤命令を出す必要性が生じた。

海外との取引が頻繁に行われるようになり、数人の社員を現地へ派遣しなければならなくなった。

 

このように業務上の都合で、社員に海外勤務を命じなくてはならなくなったとき、どのようなことに注意すればいいのか?と、戸惑われる経営者や管理職の方は多いのではないでしょうか。

 

海外で働くことに憧れや興味を持っている人の割合は、一般的にみても高いようですが、いざとなると「国内とは事情が違う海外転勤に社員が不安になり過ぎて、モチベーションが下がっていて困っている」といったお話を伺うこともあります。

 

そこで今回は、海外勤務を社員に命じるときに留意しなければならないことについて、①海外支店への転勤命令、②海外子会社への出向の2パターンに分けて確認していきたいと思います。

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社員が復職するときOK・NGの判断基準とは

白の一輪挿しが2つ。それぞれに活けられたピンクとブルーのアジサイの花。

6月は梅雨で蒸し暑くどんよりしたお天気の日もありますが、しっとりした空気に緑の香りも漂っていて初夏の訪れを感じます。

 

春先に体調不良で休職した社員の復職について、そろそろ考えなければならない職場もあるかもしれません。

 

「社員が職場に復帰したいと言ってきたとき、本人はきっと『自分はもう大丈夫だ』と主張するでしょう。とはいっても、実際には完全に回復していないケースも多いと思います。会社としてどう対応するべきでしょうか?」

 

よくご相談いただく内容です。会社として社員の健康管理に留意する必要があるので、このように懸念されるのも当然でしょう。

 

社員が復職するにあたって、その可否の判断基準はどうなるのでしょうか。また会社がその判断を行ってもよいのでしょうか。

今回は、これらについて詳しく確認していきましょう。

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社員の親が書いた退職願は有効ですか?

12色のクレヨンと画用紙。

先日テレビをつけると、ドラマをやっていました。たまたま目にしたシーンは、(親が薦める)結婚相手と結婚してほしい父親が、婚姻届にサインしようとしない娘に向かって、「私が(父親が)婚姻届に署名捺印しておく」というようなセリフを放つところでした。

 

そこで思い出したのが、以前にいただいた「社員の親御さんが書いた退職願を会社として受理してもいいのでしょうか?」というご相談についてです。

社員さんが入院されたため、代わりにご家族が退職願をお書きになり、会社へ提出されたとのことでした。

 

ちなみに前述のテレビドラマでは、婚姻届にサインしたのは父親であった(娘の意思ではない)ことが結婚相手の知るところとなり、結果として破談となる(親の書いた婚姻届は無効になる)ストーリーでした。

では、「親が書いた退職願」は有効になるのでしょうか

今回は、退職願をめぐる問題について会社はどう対応するとよいのか、確認していきましょう。

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単身赴任の経済的ダメージを会社はどこまで考えるべきか

テーブルに置かれたキッチン小物。バスケット。白のケトル。アルミ製の缶に植えられた観葉植物のグリーン。

大型連休明けでせわしなかった仕事がひと段落つき、新年度からのスタートもようやく軌道に乗ってきた頃ではないでしょうか。

 

オフィスでは、この春から転勤で新しい環境に身を置く人もいたかもしれません。転勤といえば、以前に、次のようなご相談をいただいたことがありました。

 

「人事異動で転勤する社員が単身赴任することになりました。当社では、引っ越し費用の全額のほか、単身赴任の場合は月額3万円の手当を支給しています。ですが転勤先が都心部のために物価が高くて今までよりも給料の手取りが減る、手当を増額してほしい、との訴えが本人からありましたどう対応するべきでしょうか?」

 

単身赴任する社員の経済的負担について、会社はどこまで考慮するべきなのか、どの企業においても人事担当者が頭を悩ませる問題かもしれません。

今回は、この件について詳しくみていきましょう。

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出向社員に適用される就業規則はどっち?

白紙ページの広げられたノートとボールペン。コーヒーの入った白のマグカップ。オレンジピンクのデイジーとバラの花。

改正法の施行に伴って、この春に就業規則の見直しを行われる企業も多いでしょう。

就業規則を見直すにあたって、少なくとも一度は話題に上るのが出向社員への就業規則の適用についてです。

 

出向社員は、出向元企業の社員であると同時に、出向先の社員でもあります。ですから、出向社員には出向元と出向先のどちらの企業の就業規則が適用されるのか?とのご質問をよくいただきます。

 

ある具体的な事項について出向元と出向先企業の就業規則の規定が異なっている場合、どちらの規定が適用されるかによって、出向社員の労働条件に少なくないインパクトを与えることになるからです。

 

そこで今回は、出向元と出向先企業の就業規則の適用関係について確認していきましょう。

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出向先による再出向の命令はできますか?

オフィスのデスク。ノートパソコンの前に置かれたブルーライトカットの眼鏡。マグカップ、手帳。

とある企業では、関連グループの数社で合同プロジェクトを運営することになりました。

プロジェクト推進担当のAさんは関連会社に出向中です。ところがプロジェクトが進むにつれ、その規模は当初よりも大きなものになっていきました。

 

そこでプロジェクト全体を円滑に進めるため、中心的な役割を担当しているAさんを、さらに別の会社に出向させたほうがよいのではないか?といった話が持ち上がりました。 

Aさんの出向先の人事部では、その話を聞いて大慌てです。

 

プロジェクトを運営する現場では、Aさんをさらに別会社へ出向させることが、ほぼ決定事項としてまさに今、動きだそうとしているとのことだったからです。

 

そこで今回は、「出向してきた社員を他社に再出向させることはできるのか?」について詳しくみていきたいと思います。

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採用内定者に就業規則の適用はアリかナシか

太陽の光いっぱいのガーデン。クロスがかけられたテーブル。分厚い書籍とそのうえに置かれた眼鏡。

みなさんの会社の就業規則の1ページ目を開いてみてください。

 

そこには、「この規定は、就業規則に定める当社の従業員に適用する」と、就業規則の適用範囲が定められていると思います。

 

さて、ここで問題です。

いったい何時の時点から、「当社の従業員」に該当するのでしょうか?

入社してから?それとも試用期間が終わってから?

・・・そこで取扱いに悩むのは「採用内定者」ではないでしょうか

 

採用されることが内定しているとはいえ、「当社の従業員」かというとどうもしっくりこない・・・。 では「当社の従業員」にあたらないのなら、就業規則は適用されないのか?

とはいえ、これから採用されるわけなので「見込みの従業員」として準用されるのだろうか・・・?など、思考が堂々巡りになってしまいますね。

そこで今回は、採用内定者に就業規則の適用はアリなのか、それともナシなのかをみていきたいと思います。

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管理職の役職手当と割増賃金の関係を就業規則に定めていますか?

木目調のデスクに広げられたノートパソコン。そのうえに置かれたべっ甲フレームの眼鏡。バインダーと定規、ボールペン。ピンクのスイトピー。

社内では労基法で定めるところの「管理監督者」として処遇してきたが、労働基準監督官の判断によると「労基法に定める管理監督者には該当しない」とのことだった。

(もしくは裁判で「該当しない」と判決された。)

この社員には、時間外や休日労働の対価的な意味も込めて、今まで役職手当を支払ってきた。管理監督者に該当しないということなら割増賃金の支払いが発生するが、今まで支払ってきた役職手当を割増賃金に充当できるのだろうか・・・

 

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まず、管理監督者に該当するかどうかの具体的な判断基準については、過去記事「どのくらいの役職につくと管理職扱いになりますか」をご覧ください。

 

では、前述の「管理監督者に該当しない」と判断された場合の役職手当を割増賃金に充当できるのかどうかという問題については、賃金関係のコンサルティングをしているとよくいただく質問です。役職手当を割増賃金に充当できないということになると、企業経営に少なくないインパクトを与えることになるからです。今回はこの問題について、就業規則の書き方のポイントとあわせてみていきましょう。

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就業規則に記載がないままの変形労働時間制は要注意

オフィスのデスクでノートパソコンを広げる女性社員の指先。傍らに手帳とスマホが置かれている。

一カ月単位の変形労働時間制を職場で採用するときの要件は、就業規則に定めることです。

 

けれど就業規則に一カ月単位の変形労働時間制のことが書かれておらず、記載なしのままで実施されていて、しかも慣例的に長年にわたって行われている・・・また社員の方からも特に異議が上がっていない・・・。

このようにいわゆる労働慣行として変形労働時間制が実施されているケースも、時にはあることでしょう。

 

就業規則に記載がないまま実施してきた変形労働時間制に関して、次の2点についてご相談がよくあります。

 

  1. 労働慣行となっている変形労働時間制は適法か
  2. 1日8時間、1週40時間をオーバーした分の割増賃金はどうなるか

今回はこれらについて確認していきたいと思います。

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転職オファー殺到のエース社員、引き抜きへの会社の対応は?

分かれ道が示されたアスファルトとスニーカーを履いた足元。

世の中のIT化によって、新しい仕事の枠が広がってきています。

たとえば自社のECサイトなどWebサービスの企画、Webサービスの問い合わせに対応するコールセンターの立ち上げ、IT対応オフィスの提案などがあります。そのため業界を問わず求人ニーズがあり、転職市場も活性化しているようです。

 

会社にとって中核的な業務をこなし、みんなの中心的役割をつとめるエース社員は他社にとっても欲しい人材であることは間違いありません。そこでエース社員が同業他社から好条件の処遇や重要ポストなどの転職オファーをもって「引き抜かれる」ケースも起こりがちです。

 

そこで、「就業規則で引き抜きによる転職を禁止することはできないのか?」とのご相談をいただくこともあります。

 

今回は、引く手あまたなエース社員の引き抜き転職を会社は果たして禁止することができるのか、会社のとるべき対応についてみていきたいと思います。

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妊娠した社員からの相談、会社はどう対応するべきか

ピンクのカーネーションの花束。ピンクのバレエシューズはファーストシューズ。子供服のイラストが描かれたメッセージカード。

最近では、結婚・出産などのライフイベントを迎えても、働き続ける女性社員が多くなりました。

子育てと仕事の両立のため、会社として育児支援制度の充実に取り組まれているケースもあるでしょう。

 

妊娠した社員からこれからの働き方について相談があったとき、「業務が忙しくてバタバタするとやはり身体の負担も大きいだろう」との配慮から、就業時間や休みの面だけでなく仕事内容についても、負担の軽い仕事内容に変更してもらったほうがいいのではないか?と、悩まれる管理職の方もいらっしゃるかもしれません。

 

現場をマネジメントする立場であれば、妊娠した社員本人のやる気と体調を考えながら、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか

 

そこで今回は、女性社員から妊娠の報告を受けたとき、次の2点について、会社として留意すべき点を詳しくみていきましょう。

  1. 負担の軽い仕事への変更や人事異動(配転)
  2. 妊娠の報告を受けたときの対応
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グループ企業間の人事異動で気をつけたい出向と配転の違い

にぎやかなデスクの上。クロック時計、花びん、観葉植物、筆入れ、ペン、メモ書きなどが所狭しと並んでいる。

朝夕はようやく秋らしくしのぎやすい気候になりました。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋・・・と、いろんな楽しみが盛りだくさんの時季ですが、同時に転勤・人事異動のタイミングでもあります。

 

子会社・関連会社への技術指導や、また社員のスキルアップのために親会社から子会社へ人材を送り出すなど、グループ企業間で人事交流が行われている場合もあるでしょう。

 

「プロジェクト運営をはじめグループ企業同士で強いつながりがあるので、人事異動、人事交流をもっと行っていこうという流れにある。この際に転勤(配置転換)と出向の違いをちゃんと理解しておきたい」との質問をいただくこともあります。

 

確かに、グループ企業内の関係性が密接であると、本来出向として対応するべきなのに単なる転勤として取り扱ってしまうなど、出向と配転を混同してしまいがちです。そこで今回は、グループ企業内の人事異動における出向と配転の違いについて、確認していきたいと思います。

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仕事中デイトレードを行う社員にとるべき会社の対応とは

オフィスのデスクで株取引のチャートを眺める。ノートパソコン。卓上サイズの観葉植物の鉢植え。

就業時間中に自分のデスクで、会社のパソコンを使ってデイトレードを行っている社員がどうやらいるらしい、との社内の噂を耳にした。

デイトレードを行うのは、午前中のほんの10分間程度のことだから会社にバレない、と吹聴しているらしい。

また、それなりの利益を出していると周囲に自慢しているそうだ。

就業時間中に、しかも会社のパソコンを使って株取引を行うなんて、相当な懲戒処分にあたるんじゃないのか?

とはいえ、噂が本当なのか確認をとって慎重に事に当たらなければ。

いったい会社としてどんな対応をとるべきなのか・・・

 

***

就業時間中に行われた株取引。もし、それが噂のとおり事実であるなら、懲戒処分を考えるべきなのか、またどの程度のものにするべきなのか。とるべき会社としての対応に迷われることもあるかもしれません。

そこで今回は、次の2点を通じて、会社の取るべき対応についてみていきたいと思います。

  1. 就業時間中の株取引を会社はどう考えるか?
  2. 懲戒処分の程度をどう考える?
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仕事前の机ふき・湯茶準備で気をつけたい男女の扱いと労働時間

緑茶が入れられた白磁の湯飲み茶わんと急須。カスミソウがそばに無造作に置かれている。

いつも始業前に女性社員がみんなのデスクの上を水拭きして、給茶機をセットしてお茶の準備をする・・・ひと昔前では見慣れた朝の職場風景かもしれません。最近では、次のような質問をいただきます。

 

なんとなく昔からの慣例で、以前は女性社員が始業時刻前に簡単な掃除をしたり、お茶の準備をしてくれていました。時代が変わって、男女差別ではないか、との声が聞こえてからはその習慣もなくなりました。

 

すると今や、机には書類が積み上がり、キャビネットの周りも散らかっている状態です。とはいえ昔のように女性社員に任せっぱなしはいけないですよね。今は、ハラスメントやコンプライアンスをきちんと考えておかないといけない時代なので、そのあたりの問題点を確認しておきたいのですが・・・」

 

このお話のなかでハラスメントやコンプライアンスの問題として、整理・確認しておくべきは次の2つです。

  1. 仕事前の机ふき・湯茶準備でハラスメントについて気をつけるべき点は?
  2. その時間は労働時間としてカウントするか?

今回は、これらをしっかりチェックしていきましょう。

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社員の届出ミスvs会社の支払い義務、諸手当の支給はどうなる?

自分のデスクでノートパソコンに向き合って作業する男性社員。

「届出を忘れていたので、要件に合致する手当をずっともらっていなかった。さかのぼって手当をもらえませんか?」

 

多くの企業では、就業規則(賃金規程)で家族手当や住宅手当、通勤手当をはじめとする諸手当の支給条件が規定されていると思います。支給条件に合致した場合には、社員が所定のフォーマットへ記入し、会社へ届出を行うことによって、会社は本人に手当を支払う・・・という流れが通常考えられます。

 

ところが、「こどもが生まれたのに、届出をしてこない社員が多くて。周りの社員のなんとなくの世間話や噂を聞いて、慌ててこちら(担当者)が本人に確認するんです・・・」

といった話もよくお聞きします。社員さんから冒頭のような申出があり、対応に戸惑った経験のある人事担当者の方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

担当者が気を回して本人に確認できたときはいいですが、毎度うまくいくとは限りません。もともと所定の届出を行わなかった社員本人に、落ち度があることは確かです。では、冒頭の例のように本人の届出ミスがあった場合、会社はさかのぼって手当を支給しなくていいのでしょうか?

今回はこのあたりについて詳しくみていきたいと思います。

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残業前の腹ごしらえは労働時間になるのか休憩時間か?

オフィスの休憩スペースでハンバーガーにかぶりつこうとする。アボガドハンバーガー。

朝から夕方までずっと仕事に没頭、気がつけばもう終業時刻。けれど今日は迫った納期のために残業だ。ああ、でも小腹がすいて仕事に集中できない。コンビニでパンでも買って腹ごしらえしよう・・・

 

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みなさんの職場では、残業前にこのようなシチュエーションはみられませんか?

管理職や人事総務担当者の方々にとっては、この腹ごしらえの時間まで労働時間としてカウントするのか、それとも休憩時間として残業申請の時間から差し引くべきなのか、勤怠管理をするうえで対処に困ることもあるかもしれません。

 

残業前に小腹を満たしたい気持ちはとてもよくわかりますが、おいしいおやつをつまむとホッとして、つい時間が過ぎてしまうのもよくあること・・・それで帰る時間が遅くなるのなら、本末転倒ですよね。

仕事のメリハリをつけるためにも、労働時間なのか休憩時間なのか、線引きをきちんとしたほうが時間を有効に活用できそうです。

そこで今回は、残業前の夕食時間は労働時間とするのか、休憩時間として扱うのか、またその線引きはどうすればいいのかについて、みていきたいと思います。

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取れなかった年休への対応策―年休の積立制度とは

デスクに置かれたブタの貯金箱。白の電卓。メモ帳とボールペン。バラのつる。

うちの会社もようやく完全週休2日制に踏み切りました。休みが増えたのは社員にとってもいいと思うのですが、今後は年休を取るのが難しくなってしまって、どうしたらよいものか・・・。

いっそのこと、取れなかった年休を貯金みたいに積み立てることはできないものですかね?」

 

年休の取得率アップ、ましてや完全取得への道は遠くて悩ましい、とのご相談をいただくことがあります。

 

取れずじまいで年休の残日数がたくさん生じたり、かといって完全消化をめざして無理にでも年休を取得させようとすると、「じゃあ仕事が残ったままでもいいと言うんですか?!」と社員からの反論が・・・このような年休をめぐる課題、みなさんの職場ではありませんか?

 

特にいまの時季は夏休みもあるので、仕事を滞りなく進めることを考えると、さらに年休取得が難しくなる、といった事情もあるかもしれません。

このような問題への対応のひとつとして、「年休の積立制度」があります。

今回は、この年休の積立制度の内容や運用上の注意点などをみていくことにしましょう。

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仕事が終わってからの健康診断は残業代の対象?

色とりどりの野菜の上に置かれた白い皿。ナイフとスプーンが握られた手。キャベツ、たまねぎ、にんじん、トマト、パプリカ、トウモロコシ、チンゲンサイ、じゃがいも。

「就業時間内で健康診断を受けることができる社員もいるのですが、業務の都合でどうしても時間外に受けたいという社員がいます。これは時間外労働として残業代の対象となるのでしょうか?残業代が出るなら、就業時間中は仕事をして、時間外に健康診断を受けたいと言い出す社員が出てきそうで、悩みます・・・」

 

社員の健康維持のために、会社には一定の健康診断を行う法律上の義務があります。そのため、このようなご相談をいただくことがあります。

 

ここ最近、地震や台風、局地的な豪雨が相次いで発生しました。雨が上がると今度はジリジリ照り付けるような猛暑で、会社として社員の健康管理がとても心配ですよね。

 

労働時間とは、社員が会社の指揮命令下のもとで仕事を行う、拘束された時間のことです。では、健康診断は残業代の対象になるかどうかの前に、そもそも労働時間としてカウントされるものなのか?との疑問も浮かんできませんか。そこで今回は、健康診断義務にかかる法的な性質を踏まえながら、このあたりについて詳しくみていきたいと思います。

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セクハラと誤解されない生理休暇への対応

デスクトップ型パソコン。傍らにカラフルな背表紙の洋書、白い花の鉢植え、スマホなどが並んでいる。

以前、女性の経営者からいわゆる生理休暇の取扱いについて質問をいただきました。その方の相談案件ではなくて、「先日の交流会で知り合いの男性経営者から、生理休暇の申請への対応に困っているそうでアドバイスを求められて。こういった内容はなかなか聞きにくいみたい。」とのことでした。

 

男性の経営者・管理職にとって、生理休暇に関する取扱いには戸惑いがある、もしくは何か触れてはいけないもの、などといった意識があるのでしょう。最近では、「セクハラとの誤解を受けないか?」「妙な空気が職場に漂わないか?」と伝え方に迷う男性経営者・管理職は多いかもしれません。

 

またコンサルティングをしていると、「他の会社では生理休暇を取る人なんているのですか?周りの人から特別な目で見られそうです」といった声を、参加者の女性社員さんから伺うこともあります。

 

女性からも男性からも何やらタブー視されがちな生理休暇の取扱い。それは、この制度自体をよく知らないがゆえのこともあるのではないでしょうか。そこで今回は、職場で誤解を生まない生理休暇の取扱いについてみていきたいと思います。

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就業時間中でもスマホを使いたい社員、禁止したい会社

とあるメーカーB社さんでは、オフィスで仕事をしながら私物のスマートフォンを使用する社員が多くみられます。

 特に最近、Aさんはスマホの着信があるたびに席を離れることが多く、席にいるかと思いきやスマホを操作してSNSでメッセージのやり取りをしている様子。それを見た課長はイライラを募らせています。

一方、Aさんにもなにやら事情があるようです。

 

【課長の思い】

Aさんは最近スマホばかりいじって落ち着きがない。普段は真面目に仕事をやっているので、みたところ仕事に遅れはないようだが・・・。注意指導したいところだが、スマホを職場で使っている社員は他にもいるし、なんせうちの部長がヘビーユーザーだ・・・。とはいえAさんの振る舞いをみて、スマホで頻繁に席をはずす社員が他にも出て来やしないか心配だ。どうすればいいのか?


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連休明けの体調不良、そのとき休職ルールは万全ですか

ミニチュアのソファとクッション、ライトシェード、鉢植えの観葉植物、窓。

ゴールデンウィークも明けて、5月からいよいよ新生活の本番です。そんななか、4月からの新しい環境での緊張が緩まることで、連休明けに体調不良を訴える社員は職場にいませんか?

 

このゴールデンウィーク明けは毎年恒例の五月病シーズンだといわれています。抑うつや無気力、不眠や疲労感などの症状から欠勤が続く社員に対して、メンタルヘルス不全を原因として会社が「休職」を命じるケースもあるかもしれません。

 

会社としては、休んで療養することで不調をリセットし、仕事に復帰してもらいたいところです。そのため休職制度を設けている企業もあると思いますが、職場復帰だけでなく職場復帰後も継続して働いてもらうための対策を、会社として立てておく必要があります

 

そこで休職に関するルールについて、よくご相談いただくのは次のような内容です。今回は、これらを詳しくみていきましょう。

  • 復帰後にリハビリ勤務する社員の賃金をどう考えるといいのか?
  • 休職期間中の人材マネジメントをどう考えるといいのか?
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2タイプの在宅勤務を知っていますか?

自分の机。ペンスタンドとメモ帳。クラシックな置時計。ガラスの花びん。鳥のぬいぐるみ。青りんごの盛られた器。

新年度のスタートを機会に、この4月から労働時間と勤務場所の柔軟化・多様化に乗り出した企業もみられます。

たとえば、フレックスタイム制や短時間勤務(労働時間)、サテライト・オフィスや在宅勤務制(勤務場所)などの導入です。

 

労働時間や勤務場所を選べるようになると、生活とのバランスを保つ働き方を希望する社員のニーズに対応できますし、時間や場所に制約があって、働きたくても働けなかった人たちにも働き手となってもらいやすくなります。社員だけでなく企業にとっても、潜在的な労働力を掘り起こすというメリットがあります。そのため導入を検討中の企業も多いかもしれません。

 

そんな労働時間と勤務場所の柔軟化・多様化について、コンサルティングのなかで、「在宅勤務になると社員としての身分はなくなり、いわゆるフリーランスになるのですか?」との質問をいただくことがあります。

実は、在宅勤務には次のように2つのタイプの就業形態があります。

  1. 在宅雇用
  2. 在宅就業

似たような言葉で、どこがどう違うんだ?と思われるかもしれません。今回は、この在宅勤務の2パターンの違いについて確認していきましょう。

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名刺やポイント還元は会社vs社員どちらのもの?

英字新聞のうえに広げられたビジネスグッズ。システム手帳と万年筆、腕時計。財布とコインケース。キーケース。アルミ製の名刺入れ。

4月も半ば過ぎ、オフィスでは新入社員が配属されて、慌ただしかった日々もようやく落ち着いてきた頃ではないでしょうか。

 

「新入社員から質問攻めにあったけれど、うまく答えることができなかった・・・」と、返答に困った例として、よくお聞きするのが次のような内容です。

  • 名刺は本人が持つものなのに、肩書は自分で決めることができないのか?
  • 仕事で物品を購入した際、お店のポイント特典を自分のものにしてはいけないのか?

入社したということは、その会社の社員の地位を得たということです。よって、会社と社員との間にはいろいろな法律関係が発生します。

 

そこで日常の仕事をやっていくなかで、「これは会社のものなのか、それとも本人(社員)のものなのか?」と、ふと判断に迷うのはありえることだと思います。そこで今回は、会社と社員の関係性に着目して、名刺やポイント還元は会社のものか、それとも社員のものなのかについて、詳しくみていきたいと思います。

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職場をぎくしゃくさせない懲戒処分への対応

チョコのハートをもった笑顔のひとがたのクッキー。コーヒーの入ったマグカップ。ドライフラワーのバラのブーケ。

部下をもつ人は、仕事の現場で直接メンバーを指揮するので、日頃から人材マネジメントも任されることになります。

したがって、部下をもつ人には、会社の業績を伸ばすために努力やチャレンジを促すよう、部下を教育・指導することが求められます。

そうした上司の活動のひとつに、信賞必罰としてのペナルティー(懲戒処分)があります

 

そこで、ペナルティーに関する知識を備えておくことが大切です。

人材マネジメントにおいて必要な法律上の知識がないために不適切な対応をとってしまい、その結果、職場の人間関係がぎくしゃくする・・・というのはとても残念ですよね。

 

また、そもそもペナルティーは教育的指導として行うもの。本人のプライバシーにも配慮しなければなりません。

そこで今回は、

  • そもそもペナルティー(懲戒処分)とはどういうこと?
  • ペナルティー(懲戒処分)の公表とプライバシーをどう考えるか?

これらについて詳しくみていきたいと思います。新年度もスタートしたばかりです。せっかくの前向きなムードを維持するために、職場の人間関係をぎくしゃくさせないペナルティーへの対応について確認しておきましょう。

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ハラスメントにならない人事評価のポイント

デスクに広げられたピンクの電卓、ホッチキス、カッターナイフ、シャープペンシル。グラフと数値が書かれた資料。飲みかけのコーヒーが入ったマグカップ。

4月に入り、色とりどりの花々も咲き始めて、なんとなく気持ちまでウキウキしますね。オフィスではフレッシュな新入社員に刺激を受けつつも、部下をもつ人は身の引きしまる思いをされていることでしょう。

 

最近は、従来のような管理職でなくとも「チームリーダー」といった肩書で部下をもち、人材マネジメントを行う人が増えてきています

 

そのため、部下をもつにあたって必要な法律上の知識を身に付けさせたい、基本的な事項を押さえてもらいたい、と経営者の方から伺うこともあります。

部下をマネジメントする立場になると、部下の人事評価を行う機会も多くなりますが、知識が足りないためにいわゆるセクハラやパワハラ、マタハラとなってはいけないから、とのことでした。

 

そこで今回は、すっきり新しい年度のスタートをきるためにも、ハラスメントにならない人事評価のポイントとして、次の3点をしっかり確認していきましょう。

  1. 人事評価を正しく行うための条件
  2. 部下の年休をどう取り扱うか?
  3. 妊娠、出産した社員への対応
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新入社員への指導がパワハラにならないか心配です

真心のハートを運ぶ車のクレイ模型がデスク上に載っている。その背面に観葉植物のグリーンが爽やかさを添えている。

新年度のスタートを目前に、新入社員の受け入れ準備で忙しい時季ですね。この季節によくいただくのが、「新入社員への指導がパワハラと受け取られないか、不安感がある」というご相談です。

 

上司や先輩社員は、単に部下へ業務命令をすればよいというものではありません。就業規則を守ってコンプライアンスにかなった命令を出し、職場を円滑にマネジメントする責任と義務があります。

 

また企業社会での通念としても、部下を持つ社員には、新人や後輩社員へ職場における仕事のやり方、職場のルールやマナーについて指導・教育することが求められています。

 

ですから部下のモチベーションを落とさないよう、どんな言動がパワーハラスメントとなるのか、事前に把握しておきたいと思われる管理職、マネジャーやリーダーの方がたくさんいらっしゃるのだと思います。

そこで今回は、部下のマネジメントにまつわる次の3点について確認していきましょう。

  1. なぜ会社がパワハラ対策をしないといけないのか
  2. どこまでが教育指導でどこからがパワハラになるのか
  3. どんな言動がパワハラになるのか
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SNSのリスクを回避するために会社がとるべき対応とは

デスクのうえの手帳とボールペン。各種SNSのステッカー。

SNSは、効果的に利用すれば、自社のブランドイメージや商品の認知度アップに寄与する、低コストでのマーケティングができるなど、ビジネス上のメリットも大きいツールです。

積極的な活用を進める企業は、年々増える傾向にあります。気軽に利用できるので、多くの社員がプライベートでSNSを利用しているでしょうが、それにまつわるトラブルが気にかかります

 

では社員のSNS利用を制限すればいいのでしょうか?

実際にはなかなか難しいですし、会社が規制することで逆にバレなければいい、とトラブルの隠ぺいから対応が遅れてしまうかもしれません。かといって、リスクを恐れて企業がSNSを活用しないのは、ひとつのプロモーションの機会を失うことになります。

 

不適切な投稿から発生するトラブルは、そもそもSNSに対する知識不足によるものです。会社としては、社員にSNSの特性とリスクを正しく理解してもらい、リスクをできるだけ小さくしていくことを考えるほうが現実的ではないでしょうか。

そこで今回は、SNSのリスクを回避するために、会社がとるべき対応についてみていきたいと思います。

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飲み会の強要はパワハラ?それともコミュニケーション?

新緑の中、グラスに注がれたビールで乾杯!

梅雨真っただ中で、太陽が恋しい季節です。

7月に入れば暑気払いなどを名目にして、社員同士の接触を増やして親睦を深めるため、レクレーションを企画する企業も多いのではないでしょうか

いちばん簡単で開催頻度が高いのは、「飲み会」だと思います

 

けれど今や、上司と飲みに行くよりプライベートな時間を尊重したいと思う若手社員がいたり、子育て中の社員にとっては参加しづらかったりと、働き方の多様化や価値観の変化から飲み会の機会は減少傾向にあるようです。

 

飲み会をコミュニケーションの場にしてきた、今の管理職世代にとっては、部下のマネジメントに戸惑うことも多いかもしれません

そのためか、飲み会においてコミュニケーションギャップが発生することもあるようです。

せっかくの交流の機会を無駄にしないために、詳しくみていきましょう。

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会社が研修費用を取り戻せるとき、ダメなとき

ノートパソコンの前でノートを広げてボールペンでメモをとる指先。鉢植えの観葉植物。コーヒーの入った白のマグカップ。眼鏡。

接遇マナーや電話応対、PCスキル・・・今のこの時期、新卒・中途を問わず、新入社員に研修を実施する企業は多いことでしょう。

そのためか、このブログでも研修に関する記事(参考記事「休日の研修は出勤日としてカウントするか」)のアクセス数が、ここ最近伸びています(笑)そこで今回は研修にまつわる、よくあるトピックを挙げたいと思います。それは研修にかけた費用についてです。

 

「うちの会社でもっと頑張ってくれると思ったのに」

「期待していたから研修に行かせたのに」

「こんなにすぐに辞めるなんて・・・」

 

社員にさらなるスキルアップを期待して研修を受講させた。

それはノウハウや技術を学んで、そのスキルを社内の仕事に活かしてほしいから。それなのに、研修終了後すぐに会社を辞めるなんて思いもしなかった。せっかくかけた費用をどうしてくれるんだ、それなら受講費用を返してほしい!!

 ・・・実際、これらはコンサルティングのなかでよくご相談いただく内容です。みなさんの会社ではいかがでしょうか。

そこで今回は、会社が研修費用を取り戻せるときとダメなときについて検証していきましょう。

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メタボ社員をダイエットさせなければいけないですか?

ショッピングバックから飛び出たカラフルな野菜と果物たち。バナナ、かぼちゃ、グレープフルーツ、キャベツ、ズッキーニ、トマト、パプリカ、たまねぎ。

GWも明けた5月。新年度が始まってからの慌ただしさを乗り越えて、環境も気持ちも、ようやく落ち着く頃ですね。

 

この季節、以前なら新入社員に多くみられる5月病についてのご相談をよく受けたものでした。会社には社員への安全配慮義務があるので、人事部門や総務部門では社員の健康問題に関心の高い方も多いでしょう。

 

この社員の健康問題で、最近ご相談をお受けすることが増えたなあ、と思うトピックは「メタボ社員の健康管理」です。

製造業の経営者から、現場社員についてこんなご相談がありました。

 

入社5年目の社員がメタボ気味なんです。入社してきた頃は比較的スリムだったんですが・・・。体形がデカくなった分作業スペースも狭いようで、効率も落ちている。真夏の工場は暑いので、他の社員よりバテやすくて体力の消耗が激しい。もし作業中に倒れたりしたら、事故やケガにつながります。体形のことだけになかなか本人にも言いづらいですが、仕事にかかわることなので強制的に痩せさせる必要がありますよね?

 

今回は、メタボ社員の健康管理を会社としてどのように対応するべきなのか、詳しく確認していきたいと思います。

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就業規則を作って終わる会社、作って活かす会社

木目調のデスク。ノートパソコン、クリップ、メモ帳、コーヒーの入ったマグカップ。

忙しい合間を縫って、やっと就業規則を完成させた。社員にしっかり説明したいが、取引先からのアポがいっぱいだ。「これみんなで読んでおいて」とりあえずデスクのうえに就業規則を置いておこう…。

 

後日、就業規則を読んだ社員から突然「明日休みます。年休とっていいんですよね!」との申し出が。忙しいときに社員に権利主張されて、こんなことなら作らなければ良かった・・・と、就業規則の作成にかけた時間や労力、コストを悔やむ会社

 

一方、就業規則の作成をきっかけに「こういう理由があるから年休取得のルールがあるんですね」「だったらみんなが年休をとれるように、あの仕事はこうしませんか」など、社員からの理解やアイデアを得て、仕事のやり方を見直して生産性がアップした会社

 

10人以上の社員を抱える会社には、就業規則の作成義務があります。ところが、就業規則を作成しても、「作って終わる会社」と「作って活かす会社」があるのですこの2つの会社の違いはどこにあるのでしょうか。今回はこのあたりを詳しくみていきたいと思います。

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就業規則が有効になるとき、無効になるとき

地面に置かれた赤い目覚まし。time for changeの文字。

過去記事「就業規則は作って終わり、と思っていませんか?」では、就業規則の効力が発生するタイミングについてお伝えしました。

 

そのタイミングは社員に説明を行ったときであり、労基署への届出は必ずしも効力の発生要件ではない、ということでした。

ただし、就業規則の合理性を判断する際には、労基署への届出をはじめ手続きの遵守も問われます。

 

場合によっては、効力うんぬんよりも就業規則そのものが無効となってしまいます。

就業規則が有効になるかどうか、気をつけなければならないのは就業規則を変更したときです。

そして、就業規則の変更には4パターンあります

 

この変更パターンを把握して、やるべきことをやっていなければ、就業規則が無効になってしまうのです。

それでは、次から具体的にみていきましょう。

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就業規則は作って終わり、と思っていませんか?

ピンクのテーブルに広げられたノートとペンケース。ガラスの花びんに活けられたピンクと白のガーベラ、カスミソウ。

「社員が常時10人以上いるなら就業規則を作らなければならない」

このことは、経営者や管理職の方なら強く意識されていると思います。

 

けれど、「作って終わり」になっていませんか?

これは、よく見受けられるパターンなのですが、せっかく作成したにもかかわらず、とてももったいないことになってしまっています。なぜなら、就業規則は単に作っただけでは、その効力は発生しないからです。

 

就業規則が有効となるには、次の2つの要件が必要です。

  1. 合理的な労働条件を定めていること
  2. 社員に周知していること

 

つまり就業規則に不備があったり、法改正に対応していない場合はもちろんのことですが、社員へ真摯に説明を行っていないと思わぬトラブルが発生するリスクをはらんでいます。では、せっかく手間暇かけた就業規則を無駄にしないために、会社としてはどうしておけばいいのでしょうか

今回はこのあたりについて詳しくみていきましょう。

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仕事中のインターネット閲覧をどこまで管理する?

オフィスのデスク。ノートパソコンを広げてオンラインショッピング。キーボードの上にショッピングバッグのミニチュア。

インターネットは日常生活だけでなく、ビジネスにおいてもとても便利なツールです。出張のために新幹線の予約や調べもの、備品や資材の購入を検討するとき、ライバル製品の動向を探るなど、なくてはならないものです。たまたま見ていたサイトから、仕事に役立つヒントが見つかることもあるでしょう。

 

けれど昼間はずっとSNSや仕事に関係のないサイトを見ていて、その分毎日遅くまで残業・・・そんな社員が周囲にいたら、いい加減にしろ!と言いたくなってしまいませんか?

 

そこで、インターネットに繋がるパソコンを職場に1台しか置かない、ネットにつながるパソコンを割り当てない、など接続環境を制限する会社もみられます(もちろん仕事へ支障がないことが前提ですが)。

 

一方で、業務効率のため個人へタブレット端末を貸し出す会社もあり、使いやすい分どこまで制限をかけるべきなのか悩む、と経営者や管理職の方からよくお伺いします。今回は、勤務時間中のインターネット閲覧を、会社はどこまで管理するべきなのかについて確認していきましょう。

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派手なネイルを理由に部署異動させることはできるか

ラメの入ったピンクのマニキュアが施された女性の爪先。大きな飾り石の指輪。白いレースの袖口。

ある営業職の女性社員は、「ストーンをあしらった派手で立体的なアートで」「濃色の」「長すぎる」ネイルで毎日仕事をしている。

・・・・取引先を回るのに、爪が派手すぎないか?

あんなに長くて、ゴテゴテした飾りが爪についていて営業車の運転に支障はないか?取引先からも「こんな子に仕事を任せてもいいのか?」と印象も良いとはいえない。

営業職で採用した社員だが、対外的な対応がない他の部署へ異動させたい。異動が無理ならせめて処分(ペナルティー)したい・・・

 

 ***

 

このようなご相談をいただくこともあります。

仕事に関わることとはいえ、今どきのファッションとして許容するべきなのか、注意してもセクハラととられないか、など問題の扱い方について悩みは深くなるようです。

そこで今回は、このご相談の趣旨である、営業職で採用した社員の異動に問題があるのか、ないのかについてみていきたいと思います。

 

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社員の副業、会社の対応をどう考える?

おしゃれなインテリアの部屋。観葉植物。コート掛け。窓からいっぱいの太陽の日差し。

ダブルワークや在宅ワークなどの副業について、最近ではメディアによく取り上げられるようになりました。

 

収入源を増やしたい、幅広いネットワークを築きたい、などキャリアチェンジを目標とした人、自分の趣味や得意なことを活かして収入を得る「週末起業」派、仕事の時間外での株式投資やアフィリエイトで会社の給料以上の収入を得ている人、などなど、副業の業態やその動機は人によってさまざまだと思います。

 

とはいえ、経営者や上司の方にとっては、自社にそんな社員がいることがわかった場合、どのように対応すればいいのか?と思われるのではないでしょうか。2足のわらじで社員が体調を崩さないとも限りません

 

副業をやりたい事情や背景は理解できるけれど、いざその対応に悩まれるケースは少なくないでしょう。そのため、今のところ就業規則で兼業禁止規定を設けている企業の割合は高いと思われます。

そこで今回は、社員の副業について会社はどのように対応するといいのか、詳しく確認していきましょう。

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社員とコミュニケーションを図るポイント

ハートが描かれた赤のマグカップが2つ、積み重ねられている。

社員さんとコミュニケーション、とれていますか?

 

「やることがいっぱいでなかなか・・・」

「いざ話しかけようにも何を話していいのか」

「向こうも身構えるので表面的な話になってしまう」

 

こんなことを思われているかもしれません。

 

しかし、そもそも社員とコミュニケーションを図る目的は、仕事をスムーズにやっていくためです。決してむやみなご機嫌とりではないし、相手の意向を聞きすぎる必要もありません。

改善ポイントのヒントを得るべく、質問からコミュニケーションを始めればいいのです。

社員とのコミュニケーションにはポイントがあります

「社員が動く就業規則」を採用している会社は、このポイントを押さえているコミュニケーション上手な会社なのです

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ビジョンを明らかにするアプローチ

青空を飛ぶ航空機

「社員と意識をひとつにするにはビジョンの共有が大切」

とは、よく見聞きするフレーズです。

 

就業規則を作成するには会社のビジョンが重要、と私もコンサルティングの現場でよくお伝えしています。

 

けれど「ビジョンの共有といってもどうすればよいのかわからない。そもそもビジョン自体をうまく言葉にできない」ということも実際のところ多いのです。

 

ビジョンを自分の言葉で表現し、社員と共有するにはどうすればよいのでしょうか


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就業規則の本当の意図を社員に伝えるには

水玉模様のファンシーなノート。ピンクに白黒のボーダー模様のシャープペンシル。コーヒーカップとチョコレート。

社員のことを考えて社内制度を考えた。

就業規則にもきちんと明記した。

もちろん社員説明会も開催した。

けれど社員の顔はどこか冷めているようだ。

せっかくの制度を利用する社員も出てこないまま月日が過ぎて・・・

 

せっかく就業規則を作成したにも関わらず、ちょっと残念なことになってしまっています。「就業規則なんて作らなければよかった・・・」いえいえ、肩を落とさずに聞いてください。

 

それは、就業規則自体がいけないのではなくて、就業規則作成の本当の意図が社員に伝わっていないだけかもしれません

実は、就業規則を活用して、会社と社員の目標をひとつにして業績を伸ばしている会社は、ここをうまく伝えているのです。では、どう伝えるといいのでしょうか?

そこで今回は、就業規則で社員へ本当に伝えたいことを伝えるコツについて、詳しく見ていきましょう。

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作ってはいけない就業規則

緑がいっぱいの庭に設置されたテーブル。ユリの花が活けられた花びんと赤い背表紙の本が置かれている。

自社の就業規則を開いて1ページ目をみてみましょう。 

「この就業規則はすべての社員に適用する」

こんな条文があったとしたら、それは「作ってはいけない就業規則」である可能性がものすごく高いでしょう。

 

なぜなら、たとえば福利厚生、休職、退職金といった、パートタイマーには適用するつもりのない制度も、パートタイマーに適用されることになってしまうからです。

 

「そんなつもりではなかった」と会社側があとあと言い訳しても、「就業規則に書いてあるのに、なぜパートには適用されないのですか?」と、パート社員に不満を抱かせることになります。仕事へのモチベーションの低下につながるおそれもあります。

 

このように、就業規則や諸規定は、誰に適用するために作成されているのかを確認することがとても大切なのです。

そこで今回は、作ってはいけない就業規則の内容を分析したうえで、本来とるべきであった対応について詳しくみていきたいと思います。

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就業規則を見直すタイミングはいつか

ページが開かれた読みかけの本の上に置かれたカモミールの花。紅茶の入ったカップ&ソーサ。

「就業規則を作成すると、この内容はいつまでもつのだろうか?」と、”就業規則の賞味(?)期限”について疑問に思われたことはありませんか?

 

ときには、前回の改訂日付が20年以上前の平成ヒトケタ年、ガリ版刷りのインクが褪せた年代物の就業規則にお目にかかることがあるもの事実です。ですが、長期間のほったらかしは会社にさまざまなデメリットをもたらすことになりかねません。

 

なぜなら、就業規則は社員のやる気を引き出して行動に導き、会社を伸ばしていくための指針となるものだからです。経済社会の変化に対応して業績を伸ばしていくために、社員に求める具体的な行動が、何十年前とまったく同じであるはずがありませんよね。

 

ですから、「ここぞ」というタイミングを逃さずに見直すことがとても重要になってくるのです。では、そのここぞというタイミングはどんなときなのでしょうか?そこで今回は、就業規則を見直す3つのタイミングについてくわしくみていくことにしましょう。

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就業規則を自力で作成するメリット・デメリット

デスクの上で山積みの書籍。タブレットとノート。マーカーペン。テイクアウトのコーヒー。スマートフォンとスマートウォッチ。

「就業規則は自分で作れるものですか?」

 

経営を軌道に乗せるために何でも自分でこなされてきた、努力家の経営者から多い質問です。

 

「固い決意を持ってすれば、作れなくはないです。ですが何のために就業規則を作るのかを事前によく考えておきましょう」

 

私はこのようにお答えしますが、その理由は3つあります。

今回は、なぜ自力で就業規則を作成するには事前によく考えておかなければいけないのか、その3つの理由についてみていきたいと思います

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【社労士事務所Extension】

社会保険労務士 高島 あゆみ

〒542-0082 大阪市中央区島之内1-13-28 ユラヌス21ビル1F