新年度の準備で気をつけたいパートの年休管理

一面の桜が満開に咲き誇っている。ピンクの花霞。

3月も折り返し地点に差し掛かりました。いよいよ新年度の準備で、総務・人事部門においては大忙しの毎日ではないでしょうか。

 

特にたくさんのパートタイマーが働くオフィスでは、契約更新の手続きが大変、との声をよく伺います。

新年度からの勤務体制や本人の私生活とのバランスを考慮したうえで、勤務日数を変更することもあるでしょう。

 

週所定労働時間が30時間未満のパートタイマーの年次有給休暇の日数は、その勤務日数(週所定労働日数)に応じて比例付与されます。

 

ですから契約変更があると、年休管理に煩雑さを感じられることも多いようです。

 

そこでパートの年休管理について、質問をいただくことがあります。

よくいただく質問の内容は次の2点です。

  1. パートが年休で1日休むと当然「有給」となるが、いくら払うべきなのか、またその計算根拠は?
  2. 新年度の契約を更新するにあたって、パートの週の勤務日数を変更した場合、年休をいくら付与するといいのか?

今回はこれらを詳しくみていきましょう。

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正社員とパートの賞与・諸手当をどう考える?

赤鉛筆と青鉛筆で折れ線グラフの推移を示す

前回の記事(これからの正社員とパートの賃金体系のあり方とは)で、正社員とパートの賃金体系を考えるにあたって、賃金差が単なる「年齢や勤続年数によるもの」という理由しかないのであれば、合理的な説明をもって会社の説明義務を果たすことは難しくなる、ということをお伝えしました。そこで、

「合理的な説明になっていない事例は、他にどんなものがありますか?」

との感想をいただきました。

 

合理的な説明ができていないケースがよくみられるのは、賞与や手当について。確かにこれから同一労働同一賃金の議論が高まってくるなかで、正社員とパートの賞与や諸手当も含めた賃金のあり方について、どのように対応するかを考えておく必要があるでしょう。

現実的かどうは別として、無期雇用フルタイム社員と有期・パート社員の会社への貢献度が同一の場合、賞与も同一に支給するべき、との議論もあります。

ですから、両者の役割や貢献度がどのように違うかについて、明確な説明をできるようにしておきたいですね。

今回は、具体的な事例を交えながら、これからの正社員とパートの賞与や諸手当のあり方についてみていきましょう。

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これからの正社員とパートの賃金体系のあり方とは

デスク上にパソコンのキーボード、マウス、電卓、手帳、スマートフォン、コーヒーカップ、観葉植物が並んでいる。

政府では、「日本の非正規雇用労働者の賃金水準は欧州諸国と比べて低い状況」「不合理な待遇差の解消は重要な政策課題」として、同一労働同一賃金の実現に向けた立法化が検討されています。

 

政府が同一労働同一賃金の目標にあげるヨーロッパ諸国では、職務評価制度が確立されています。産業別労働組合と経営者の間で賃金が決定され、たとえば「受付」という職務について、同じ地域であればどこの企業でも同じ賃金となります。「技能」「努力」「責任」「作業条件」・・・といった職務評価基準がしっかりと運用されているのです。そのため定期昇給はなく、賃金を上げるには職務間の移動(「受付」から「秘書」などへ職務を変更する)を行うことになります。

 

一方、日本ではこのような企業を問わない、横断的な賃金制度は確立されていません。企業ごとに年齢、勤続年数、仕事の内容、学歴、会社への貢献度といったさまざまな要素で、賃金が決定されています。職務別にではなく、新卒を一括採用するケースが多いからです。

また、日本では職務評価基準が確立していないので同一労働同一賃金の原則の適用はない、との判例もあります。

 

では今、検討されている同一労働同一賃金とはいったいどのようなもので、企業はどう対応していくといいのでしょうか。

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無期転換への対応の準備できていますか?

赤いボールペン、緑色の付箋、黄色の鉛筆、三角定規、虫眼鏡。

労働契約法に基づく無期転換制度が来年(2018年)4月からスタートします。新しい制度の開始まで半年を切りましたが、みなさんの会社で対策は決められているでしょうか?

 

無期転換とは、同じ企業において有期労働契約が反復更新されて、通算5年を超えたときに、社員の申込みによって無期労働契約に転換されるルールのことです。

 

「契約社員が多いが、具体的に何をしなければいけないのかわからない」

「法律が変わったからといって、うちのような小規模事業所にどんな影響があるのか」

「正社員しかいないのでうちは関係ない」

 

いろいろな事情が聞こえてきそうです。確かに企業規模によって、無期転換への対応は変わってくると思います。

けれどこれからの人手不足時代において、会社を伸ばすために人材をどのように活用していくのかを考えることは、どの企業にも共通する大切なことだと思います。

制度がかわるこの機会に、ぜひ考えてみませんか?

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社員のモチベーションを高める人事異動とは

洋書が並べられた本棚。壁に貼られたカレンダー。

前回の記事(「理想的な配分を実現する賞与制度とは」)では、これからは右肩上がりで賞与や賃金を用意することが難しいため、お金によらないインセンティブを考える必要があることをお伝えしました。

なかでもやりたい仕事に就かせる(異動希望を実現させる)のは、社員の仕事へのモチベーションをグッと引き上げます。

 

そこで会社としては、社員の働きがいのために中長期的な視点で人事異動を考えていかなくてはなりません。ちょうど今年の下半期を見据えて、10月から新しい人事体制をスタートされる企業もあるかもしれませんね。

 

人事異動とは、社員の力を活かして会社を伸ばしていくために、どのように人材の配置や役割を考えるか?ということです。

 

そのため会社には人事異動についての裁量が広く認められていますが、事前によく考えておかないと、「なぜ今の部署で頑張っている私が異動になるのか」「経験のない仕事を一から始めるのは無理だ」と逆に社員のやる気を削ぎかねません。

そこで今回は、社員のやる気を引き出す人事異動のポイントについて、確認していくことにしましょう。

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専門職コースの活用法

デスクの様子。ノートパソコンにコーヒーが入ったマグカップ。英字新聞のうえにスマートフォン、ボールペン、電卓が置かれている。

変化がめまぐるしい今の時代、顧客の課題がどんどん複雑で高度なものになってきています。企業にはそれらのニーズに的確に応え、課題解決の質とスピードを上げることがこれまで以上に求められます。

 

そんななか、「社員全員を一定水準のプロに育てたい」「高度なプロを一人でも多く育てたい」と人材育成を考えるケースも多いようです。

そこで前回の記事でもお伝えしましたが、社内でのキャリアのひとつに「専門職」を設けることもひとつの方法です。

 

けれど次のような理由から専門職を設置すると、プロをめざす社員を育てる仕組みづくりとは程遠くなってしまいます。

  • 管理職ポストが不足しているから
  • 管理職にするには実績やリーダーシップに欠けるが、昇進させないとモチベーションが下がるから

これらがもとになっていると、特別な専門知識やノウハウを持ち合わせていなくても「専門職」とされるので、周囲にリスペクトされません。

この場合、管理職よりも格下の位置づけとされることも多いのでなおさらです。そのため、専門性は軽視され、やる気を引き出すどころではなくなってしまいます。

そもそも専門職に対する誤解ともいえますが、これは従来の正社員のあり方にもよるものです。

今回は、社員のやる気を引き出し、会社の業績を伸ばす専門職コースの活用法についてみていきましょう。

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出世したくないベテラン社員のモチベーションを上げる方法

階段を駆け上がる男性社員の後ろ姿。

 

新人として入社した時には、作業現場のことなんて右も左もわからなかったが、先輩・上司の指導や本人の努力もあって徐々に力をつけてきた。

経験を積むことで、イレギュラー事態の対応や取引先とのやり取りも難なくこなせるようになった。

後輩も入社してきたが、現場でも彼らに慕われていて、うまくやっているようだ。

入社してはや10年目。平均的な昇格を考えると、そろそろ管理職に昇格して責任を担ってほしい。

 

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頼りになるベテラン社員、周囲からの人望も厚いようです。

けれどそんな社員が管理職への登用を拒否した場合。最近、その理由はさまざまですが、昇進への打診を断る中堅・ベテラン社員も多くみられるようですね。

こんなとき、会社は対象者の処遇をどのように考えればいいのでしょうか。

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役割・仕事内容を考えれば働き方は定義できる

面接官と求職者のクレイアート。

「人手が足りないので数人まとめて正社員として採用しましたが、パートにしておけばよかったな、と後悔しています」

 

正社員にすればやる気をだして働いてくれるはず、とのねらいが期待はずれになってしまった。

実はこのようなことをよく伺います。

 

これは正社員、パートタイマーそれぞれにどんな働き方をしてほしいのか、役割分担をあらかじめきちんと考えておかなかったために起きる問題です。


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正社員とパートタイマーの違いを説明できますか?

美容師、飲食店員、調理師、お花屋さんのクレイアート

正社員とパートタイマーのように雇用形態の違いによって、社員を区分する仕組みを雇用区分といいます。自社においてその違いには、採用の基準、労働時間、休日、給料などいろいろあると思います。

 

では、正社員とパートタイマーのそれぞれの定義を説明できるでしょうか。

 

説明できるような定義がなければ、「パートタイマーを正社員に登用しても思ったような働きをしない、人件費が上がっただけだ」と本来なら無用な悩みが生じることもあります。

一方きちんと定義を説明できると、「あなたの役割はこれこれで求める成果はこうだから」と社員に対して具体的な行動を促しやすくなり、仕事がスムーズに運ぶようになります。


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