パート社員を正社員に登用、試用期間はどうなるの?

パソコンのキーボード。青のクリップで留められたメモ。メモパッド。ゴールドのダブルクリップ。観葉植物の鉢植え。コーヒーの入ったマグカップ。

当社では、新卒でも中途でも正社員採用の場合は、3か月間の試用期間を設けています。パート社員を正社員に登用することを考えているのですが、この場合も試用期間を設けるものでしょうか。

試用期間について就業規則に規定があるので、適用するべきなのか判断に迷います。

 

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パートの戦力化のため、正社員登用制度を導入する企業もみられます。ある程度の責任を伴う仕事を任される正社員をめざす選択肢があるというのは、働き手のモチベーションアップにつながるからです。

 

そのため、冒頭のようなご相談をいただくことがあります。

そこで今回は、パート社員から正社員に登用した場合に試用期間はどうなるのか、設けるべきなのかについて確認していきたいと思います。

試用期間とは

湯気の立つブラックコーヒーが淹れられた白のマグカップ。水色の手帳。白のバラ。

社員を採用するにあたって、多くの企業ではミスマッチを避けるため、採用はしてもすぐには正式の本採用とはしません。

 

つまり、試用期間というのは新入社員側からすると、正式にその会社の社員として本採用される前のテスト期間です。よってその期間の長さは、実務的には3か月から6か月が妥当だといえます。

 

この期間中に、新入社員の行動に特段の問題がなければ、そのまま本採用となります。もし、会社が社員としての適格性に欠けると判断した場合は、解雇することができます

 

試用期間は社員としての適格性のジャッジ期間であり、原則として、不適格性を理由とする解雇権を留保している期間だと考えられています。

 

とはいえ、自由に解雇できるわけではありません。試用期間中の解雇の有効性は、正社員の場合に比べて少々緩やかに判断されますが、「客観的に合理的な理由」がなければ解雇は無効となります。

「パート→正社員」試用期間は?

パソコンのキーボード。レモンティーが淹れられた白のカップ&ソーサ。黄色と白のバラの花。

法律的には「正社員に登用されたパート社員に試用期間を設けてはダメ」とはされていません。

 

よって、パート社員から正社員になった人にあらためて試用期間を適用したとしても、そのことだけで違法とはなりません。就業規則における試用期間に関する規定が、パート社員から正社員になった人にもそのまま適用されることになります。

 

ただ、前段でもお伝えしたように試用期間の目的は、その人となりや能力、勤務態度などを評価して、新しく採用した人に社員としての適格性があるかどうかをジャッジすることです。

 

これまで同じ職場で働いてきたパート社員を正社員として登用するわけですから、会社としてはその人となりや能力、勤務態度などに問題はないと把握しているはず。今までの仕事に取り組む姿勢や頑張りを認めているわけですよね。

 

そこで、今までとは全く異なる職種に就ける、勤務形態をガラッと変えるといった事情がない限り、試用期間を設ける必要性はほとんど考えられないでしょう。

 

まとめると、「(パート社員には求められないが)正社員には求められる適格性を見極めなければならない」といった特別な事情がない限り、パート社員から正社員に登用した場合に就業規則における試用期間に関する規定を適用することは見合わせるほうがよいといえます。

 

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パート社員から正社員に登用された後は、正社員となるのですから、就業規則については正社員のものが適用されます。それゆえ、「(規定があるので)試用期間を適用しないといけないのか?」と悩まれるケースが多いようです。

 

就業規則の試用期間に関する規定は、「設ける必要がある人に適用されるもの」ということで、「パート社員→正社員」のような場合には「設ける必要がない場合に該当」と解釈できるでしょう。

パソコンのキーボードの前に散乱した文房具。ノート、ボールペン、マスキングテープ、トレイに並んだペン、白の腕時計。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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伸びる会社の就業規則作成コンサルティング。ノートパソコン、スマホ、ペン、ピンクの付箋。
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