働くママに変形労働時間制で働いてもらうのはダメですか

本のうえに置かれたフラワーアートの箱。ハート形の箱に真っ赤なバラが詰められている。カフェオレのマグカップ。

「営業部は変形労働時間制ですが、働くママには適用しちゃダメですよね?!あれ、でもAさんは小さいお子さんがいるワーママなのに変形勤務で働いている・・・?

 

人事部に異動してきたBさんはキラキラした瞳で先輩を質問攻めですが、一方の先輩は当惑したような顔で・・・。というのも、Bさんの知識が少々ごっちゃだからです。

 

変形労働時間制がとられる場合にも、妊産婦が請求した場合には適用制限がありますし、育児や介護をしている社員には育児などに必要な時間をとれるよう配慮しなければなりません

 

「その点では、働くママと変形労働時間制の関係について考えてみていいかも・・・」と新人さんへの指導を前向きに考え始めた先輩です。

 

そこで今回は、妊産婦・育児・介護社員等に対する変形労働時間制の適用について、詳しく確認していきたいと思います。

働くママ(妊産婦)と労働時間

レモンの輪切りが浮かんだレモネードを飲みながら新聞を読む女性の指先。傍らにひまわりの花。

妊娠中の女性と産後1年を経過しない女性(←「妊産婦」といいます)には、母性保護の見地から労基法において母性保護規定が定められています。

 

会社は妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働または深夜業をさせてはならないこととされています。

 

職場で1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制がとられることになった場合も、妊産婦が請求した場合には、1日及び1週間の法定労働時間を超えて働かせることはできません(定型の労働時間の範囲内で働かせる)。

 

なお、妊産婦のうち管理監督者に該当する人については、労働時間に関する規定が適用されないため、変形労働時間制の適用の制限、時間外・休日労働の禁止については適用の余地がありませんが、深夜業の禁止については適用されるので、妊産婦の管理監督者が請求した場合にはその範囲で深夜業が制限されることになります。

 

また、育児時間(※)について下記のような旨が通達されており、配慮が必要となります。

  • 労基法第67条に定める育児時間は、あくまでも最低基準を定めたもの
  • 妊産婦が請求しないで変形労働時間制のもとで働き、1日の所定労働時間が8時間を超える場合には、具体的な状況に応じて法定以上の育児時間を与えることが望ましい

※育児時間とは、生後満1歳に達しない子を養育する女性(本人が請求した場合)は、1日に2回、少なくとも各30分の育児期間を請求することができるものです。

育児・介護社員等に対する変形労働時間制の適用

ハンガーに掛けられたコットンのトートバッグ。白色のチューリップが顔をのぞかせている。

会社は、1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制のもとで社員を働かせる場合には、育児を行う社員、高齢者の介護を行う社員、職業訓練や教育を受ける社員、その他特別な配慮を必要とする社員については、これらの社員が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければなりません。

 

つまり、変形労働時間制を導入して1日あたりの所定労働時間が8時間を超えるような場合には、育児を行う社員等に対する配慮に留意しなければならないということです。

 

なお、フレックスタイム制は始業と終業の時刻の両方を社員の決定にゆだねることを要件としているため、妊産婦の保護上も望ましいといえます。そのため、フレックスタイム制は妊産婦にも適用されます(フレックスタイム制は育児を行う社員等への配慮義務もありません)。

 

育児・介護休業法では、子を養育する社員で育児休業しない人や介護休業しない人について、社員の申出に基づく勤務時間の短縮等の措置のひとつとしてフレックスタイム制が規定されています。

このことからも、フレックスタイム制は働くママにとって好ましい勤務制度であることがわかります。

 

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妊産婦の請求は、時間外労働または休日労働についてのみのもの、深夜業についてのみのもの、それぞれについて部分的なものも認められます。

 

また、妊産婦のからだの状況の変化に応じた内容の変更も認められます。

 

そのひとそのひとの事情・状況に応じて、最も有効的な制度の使い方を考えたいですね。

カッティングボードのうえにいちごがトッピングされたババロアのカップ。スプーンとユーカリの小枝。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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伸びる会社の就業規則作成コンサルティング。花びんに活けられた真っ赤なバラ。白の置時計。
社員を伸ばす人事制度構築コンサルティング。談笑するビジネススーツ姿の男女。

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