パートでも正社員並みの年休になるのはどんなとき?

ページが開かれた分厚い洋書の上に無造作に置かれた2輪のひまわり。傍らにコーヒーの入ったマグカップ。

「AさんとBさんはパート社員で、うちの店で働いてくれてもうすぐ半年になります。ふたりとも週30時間未満の勤務なので、まるまる10日の年休は与えなくてもいいですよね?」

 

週所定労働時間が30時間未満のパート社員の年次有給休暇の日数は、その勤務日数(週所定労働日数)に応じて比例付与されることになります。そのため、上記のようなご相談をいただくことがあります。

 

AさんとBさんは週30時間未満の勤務だということですが、「おふたりは週にいったい何日働いているの?」というところが重要になってきます。

もし、週の勤務日数が5日以上なのだとしたら、正社員と同じ日数の年休を付与しないといけないからです。

 

そこで今回は、週30時間未満で働くパートタイマーの年休の取扱いについて詳しく確認していきたいと思います。

1日4時間で週5日働くパートの年休は正社員並み

オフィスのテーブル。壁際に置かれたテイクアウトコーヒー。

会社に入ってから最初に年次有給休暇の権利が発生するのは、入社日から6か月間継続して勤務した場合です。

 

つまり、最初の年休の発生要件は、「6か月間継続勤務して全労働日の8割以上出勤したこと」になります。

 

パート社員をはじめとする所定労働日数が正社員に比べて少ない働き手には、その所定労働日数に応じた日数の年休が比例付与されます。

 

所定労働日数が少ない働き手に対する比例付与と、一般の正社員に対する通常付与の区分がどうなっているかというと、次のように決められています。

【次の働き手には正社員としての年休(初年度10日)を付与すること】

  1. 1週間の所定労働日数が5日以上の者
  2. 年間所定労働日数が217日以上の者
  3. 所定労働日数の長短にかかわらず、1週間の所定労働時間が30時間以上の者

つまり、パート社員であっても、週所定労働時間が30時間以上あるか、週所定労働時間が30時間未満であっても週の勤務日数が5日以上の場合は、正社員と同じ日数の年休を付与しなければなりません。

具体的な事例にあたってみると

オフィスのテーブル。壁際に飾られたバラの花びん。

では、冒頭のAさんとBさんのケースについてはどうでしょうか。まずは、ふたりの働き方をみてみましょう。

 

【Aさん】

・こどもの幼稚園のお迎えがあるので1日あたりの労働時間を短くして働きたい。

・1日4時間、週5日勤務。

 

【Bさん】

・高齢の親の通院のつきそいがあるので金曜日は休みにしてもらいたい。

・1日7時間、週4日勤務。

さて、AさんとBさんの年休付与はどのようになるでしょうか。

【Aさん】

1日4時間、週5日働くパート社員の場合、週所定労働時間は20時間にしかすぎないが(正社員の半分)、週5日以上の所定労働日数があることから、正社員並みの年休(最低でも初年度10日)の付与となる。

【Bさん】

1日7時間、週4日働くパート社員の場合、週所定労働時間は28時間であり、かつ週所定労働日数が週4日以下となるので、正社員としての年休(初年度10日)ではなく、比例付与制度の適用を受ける(初年度7日)。

**

週5日勤務とはいえ、週の勤務時間はわずか20時間、しかし週5日勤務であるがゆえに正社員並みの年休付与となるパート社員。

一方、それよりは長く働く(1日7時間、週4日勤務)けれど、週4日勤務であるがゆえに比例付与となるパート社員。

 

「同時期の入社で同じパートなのに、こんなの理屈に合わない!」という主張もありえますよね。パート社員の労働条件を決める際には、このあたりの事情も考えておきたいですね。

クリームソーダ。アイスクリームと生クリーム、サクランボ、ミントの葉をあしらって。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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