「社員の年休取得率が思っていたより進まないので、年休を取りやすくするために、時間単位年休を導入してみようかと考えています。気をつけておく点はありますか?」
年度末に向けて「社員に年休消化を勧めたい」ということで、先のようなご質問をコンサルティングのなかでいただくことがあります。
時間単位年休の導入にあたって、まず押さえておくべきはその導入要件についてです。
これを踏まえないで、たとえ会社が「これからは時間単位年休を取ってもいいですよ」と認めたとしても、そもそも導入の根拠がないので、法的な年次有給休暇の取得として扱われないからです。
そこで今回は、時間単位年休を職場へ導入するにあたって、押さえておくべき要件とはいったい何なのか、詳しく確認していきたいと思います。
「社員が裁判員として裁判に参加しないといけない場合、年次有給休暇を取得する扱いにしてはダメでしょうか?」
会社には、年10日以上の年次有給休暇が付与される社員に対して、年休日数のうち年5日の年休を取得させることが義務付けられています。そのため、「積極的に年休を消化させたい」ということで、先のようなご質問をコンサルティングのなかでいただくことがあります。
裁判員の仕事は、国民に課せられた公の職務にあたります。
よって労基法の定めるところにより、その職務を全うするために必要な時間について、会社は社員の労働を公民権行使の保障として免除しなければなりません。
とはいえ、会社として有給の休暇とする必要があるかは別の問題です。
そこで今回は、社員が裁判員として裁判に参加するとき、年休との兼ね合いを会社としてどう扱うべきなのか、確認していきたいと思います。
「生理休暇で休んだ日は、法律では出勤扱いにならないそうですが、うちの会社では出勤扱いになると聞きました。それはホントウですか?」
労基法では、所定期間内の全労働日における8割以上の出勤率を年休取得の要件としています。
そこで部下や後輩から、このような年休の付与条件にかかわる質問をされたとき、あなたは経営者・上司・先輩として、彼ら・彼女らがきちんと納得するよう答えることができるでしょうか?
そのため、会社としては法律上の年休付与の出勤率を計算するにあたって、出勤とみなされる日、全労働日から除外される日をきちんと把握しておく必要があります。
冒頭の質問内容でいうと、いわゆる生理休暇で休んだ期間について、労基法上では出勤したものとはみなされません。ただし、当事者(会社と社員)の合意によって出勤したものとみなすことは差し支えありません。
そこで今回は、法律上の年休計算にあたって出勤とみなされる日とはどんな日なのか、詳しく確認していきたいと思います。
「たとえば取引先からの急な納期変更や突然の機械トラブルに見舞われたとき、計画年休日が目前に迫っていると事態に対応できませんよね。そんなとき、計画年休日を変更できるのですか?」
年休の「計画的付与」とは、社員のプライベートな事情で自由に取得できるよう一定の日数を留保しながら、これを超える日数については、会社と社員の間での労使協定によって計画的付与を認めることとしたものです。
欧米諸国と比べて年休取得率がきわめて低い水準になっている状況から、取得率をアップさせるためにできた制度だとはいえ、業務上の突発的な出来事と計画年休日が重なってしまうような事態を考えると、とても悩ましいですよね。
コンサルティングで年休取得率アップの方策を検討していると、冒頭のようなご質問をいただくことがあります。
そこで今回は、会社が計画年休日を変更することは認められるのか、詳しく確認していきたいと思います。
「会社が社員の年休を買い上げることは法律的にダメですよね。でも、有効になるときもあるらしいですね。どんな違いがあるのですか?」
年休の買い上げとは、社員が取得できなかった年休の残日数を会社が一定の金銭で買い取り、行使できなかった年休請求権(年休の残日数)に応じて、会社が補償的な取扱いをすることをいいます。
ただ、年休はそもそも社員の心身の疲労を回復させ、働くためのモチベーションを支えることを目的としています。年休と金銭をバーターにしては、心身の休養と疲労回復は果たせません。
そのため、労基法では買い上げによって年休を実際に与えない行為を禁止しているのですが、年休の買い上げが法律違反になるのは、有効期間内の法定日数分のものについてのみです。
年休の買い上げについてざっとお話しするとこのようになるのですが、やはり実務上ではややこしく感じられることも多いようで、冒頭のようなご質問をよくいただきます。
そこで今回は、年休の買い上げがどんなときに有効になって、また法律違反としてダメなのか、詳しくみていきたいと思います。
「社員が時間単位年休を取得したとき、年休の残日数をどんなかんじで年休管理簿に記録していくといいですか?」
新型コロナウィルスの影響もあって、いまは職場での働き方についても柔軟なスタイルを検討していかなければならない状況です。取得状況の記録がややこしいから、という理由で時間単位年休の導入にためらいがあるとすれば、もったいないと思います。
たしかに、職場に時間単位年休制度を採り入れた場合、年休管理の記録簿の取扱いは、今までのように「年度当初の残日数-取得日数=残日数」というわけにはいきません。
日単位での取得分と時間単位での取得分が入り混じることで従来のように単純ではなくなるので、注意しなければなりません。そのため、コンサルティングのなかで冒頭のようなご質問をいただくわけです。
それではさっそく、時間単位と日単位年休の管理をどのようにしていくとよいのか、確認していきましょう。
年度末に向かって、年次有給休暇の取得にまつわるご相談をよくいただきます。法改正により、年10日以上の年次有給休暇が付与される社員に対して、年休日数のうち年5日の年休を取得させることが会社に義務付けられたことも、理由のひとつかもしれません。
突発的な災害や、事前に想定しえない事象の発生時に、社員にかかる通勤の負担を軽減するため、フレックスタイム制の導入を考える企業もみられます。ご相談のなかには、フレックスタイム社員の年休管理に関するものもありました。
「フレックスタイム社員のなかに、実際に働いた時間が清算期間中の総労働時間に足りない者がいます。年休を取得したことにして、総労働時間に足りない分を穴埋めすることはできますか?」
つまり、フレックスタイム制において、実際に労働した時間が清算期間における総労働時間として決められた時間に比べて不足が生じた場合に、年次有給休暇でそのマイナス時間を清算できるのか?というご質問です。
一見すると理屈に合ったやり方のように思えますが、これは法律的には可能なのでしょうか?さっそく詳しくみていきたいと思います。
寒さもすこししのぎやすくなりました。春の訪れまであと少しのようですね。
春といえば旅立ちのシーズンですが、年休の日数がたくさん残っている社員が年度末に退職することになったとします。
年度末の忙しさで退職前に年休をとることができなかった場合、その社員の年休請求権はどうなるのでしょうか。
年休は原則として社員の希望通りに与えなければなりませんが、退職予定者の場合には、年休の残日数があっても退職日を迎えると行使することができません。
コンサルティングをしていると、退職が予定されている社員に対しては、「年休取得の申出があっても年休を与えなくてもよいのではないか?」との意見を伺うこともあります。
(これにはちゃんと理由があるので後述しますね)
そこで今回は、退職予定者の年休請求を会社は認めなくてもいいのか、どのように対応するべきなのか、について確認していきたいと思います。
「現場を束ねるリーダー社員が、どんなときなら時季変更権をつかっていいのか?と悩んでいます。年休申請を原則すべて認めるとなると、その分をフォローしようとリーダー社員の負担増となっているようです。時季変更権がつかえるときの具体例を知りたいです。」
年休取得の義務化の流れもあってか、コンサルティングをしていると、マネジメントの負担増に悩む管理職のお話を伺うことがあります。
事業運営のため会社に認められた年休の時季変更権は、どんなときでも行使できるものではありません。社員の希望通りに年休を与えることが、年休取得にまつわる基本的な原則だからです。
したがって、時季変更権は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限定して認められます。では、「事業の正常な運営を妨げる場合」とはどんな場合をいうのでしょうか?そこで今回は、時季変更権の行使が認められる「事業の正常な運営を妨げる場合」とはどんな場合なのか、詳しく確認していきたいと思います。
休暇とは、労働義務のある日に「働かなくていいですよ」と就労義務が免除された日のことです。このような休暇は、「法定休暇」と「会社休暇」の2パターンに区別されます。
法定休暇は、法律で社員に必ず付与しなければならないと決められたもので、年次有給休暇や産前・産後休暇などがあります。
会社休暇は、就業規則などに定められることによってはじめて成立する、その会社オリジナルのものです。たとえば冠婚葬祭のための慶弔休暇や、勤続年数の節目に与えるリフレッシュ休暇などが挙げられます。
この法定休暇と会社休暇は、休暇が発生する要件や法律上の効果がそれぞれ異なっています。
特に日常のオフィスで「どう違うのか?」と問題になるのは、法定の年次有給休暇と会社休暇の違いについてでしょう。
そこで、今回はこれらの違いについて詳しく確認していきましょう。
「12/10から産前休暇ですが、いま残っている年休を(12/10から)消化して、そのあとで産前休暇に入りたいのですが・・・」
労基法では、産前産後休暇中における賃金について有給とすべきことを義務付けていません。その取扱いは当事者間の自由にゆだねられ、就業規則に有給の定めがない限り無給になります(ただし健康保険による出産手当金が支給されます)。
生活に影響を与えるため、女性社員から前述のように「産前休暇の一部を年休に替えたい」との申出も少なからずあるようです。
会社としては、「こどもが生まれたあと復職してからのために、年休を残しておいたほうがよいのでは?(年休よりも産前休暇を優先してほしい)」との思いがあり、この女性社員からの年休の申出を断るべきか、とのご相談でした。
そこで今回は、「年休を消化してから産前休暇に入りたい(産前休暇の一部を年休に替えたい)」との社員からの対応に、会社としてどのように対応するべきかについて、詳しく確認していきましょう。
【人事担当者のよくある悩み】
うちの会社では、年休をとるには定型の年休届に記入して、直属の上司に提出することになっている。そして各部署から人事部に年休届の用紙が集約されて、社員それぞれの年休日数を管理している。
ところが、ある部署でこの正規の申請をしないで休んだ社員がいるようだ。直属の上司には口頭で翌日休みたい旨を伝えたそうだが、「届出用紙を提出するように」との上司の注意を無視して、当日休んだらしい。日頃から勤務態度がルーズな社員のようで、その上司は「無断欠勤の処理でいいだろう!!」と怒りが収まらない様子・・・
正規のルートで人事部へ休んだ情報が届かなければ、勤怠管理でミスを誘発しかねない。給料計算にも影響が出てえらいことになる。だからといって、ペナルティーとして無断欠勤にしてしまうのもやりすぎではないだろうか・・・人事担当としてどう対応すればいいんだろうか・・・(休んだ社員と怒りの上司の間で、板挟みになってツラい・・・)。
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このような正規の申請手続きをしないで休んだ社員に、会社としてどのように対応するとよいのでしょうか。
今回はこの件について、詳しく確認していきましょう。
この梅雨の時期、休日でも外出せずに家のなかでのお楽しみタイムが増えます。しとしと雨音に耳を傾けながら、DVDや音楽鑑賞、読書など趣味の時間を過ごすのもいいですよね。
さて、そんな休日について、コンサルティングの中で実はよくいただくご質問に、「休日と年次有給休暇は同じものではないのですか?どう違うのですか?」というものがあります。
確かに「仕事を休む」という行為では、休日と休暇も同じです。
これらに加えて、仕事中の休憩時間についても「仕事を休む」という意味でいっしょです。
これらの本来の意味合いは、実は、まったく違うものですが、たとえばお休みの日が人ごと、週ごとに異なるといったシフト制をとっている職場では、これらの管理が煩雑になりがちではないでしょうか。
けれど、もしも混同してしまうと(特に休日と休暇)、会社の年間休日数をミスカウントしてしまうおそれがあります。
では、休日、休暇、休憩はそれぞれどのように違うのでしょうか?
うっかりミスを防ぐためにも、今回はこれらを詳しく確認していきましょう。
今年は長めのゴールデンウィークでした。仕事の再開にさっそくエンジンをかける人、まだもう少し休んでいたいと思う人、早くも夏休みに向けて仕事のダンドリを始める人・・・休み明けのオフィスの様子をみると、休みに対する考え方は人それぞれであることがわかります。
コンサルティングの中でも「仕事が心底好きで、めったに年休をとらない社員がいます。ちゃんと休みなさい、と本人に伝えても『休んでも家でやることが特にない』と返ってきて、どうするといいのか悩んでいます」という話をお聞きすることが最近よくあります。
この春から、会社には社員に少なくとも年5日の年休を取得させることが義務付けられていますので、このように休もうとしない社員への対応に頭を悩ます管理職、上司の方が増えてきているのかもしれません。
そこで今回は、休まない社員を強制的に休ませてもいいのか?について詳しくみていきたいと思います。
「社員が家族の事情、もしくは自分の体調不良で、前もって年休申請ができずに会社を欠勤することになったとします。そんなとき、この欠勤日を自動的に年休日にして積極的に年休を消化する、というルールにしてはダメですか?」
この4月から、すべての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される社員に対して、年休日数のうち年5日の年休を取得させることが会社に義務付けられています。
ただでさえ週休二日制で会社の営業日が少ないなか、年休の消化をこれ以上進めるのは難しい・・・と悩みを抱える職場も少なくないようです。そこで、コンサルティングのなかで冒頭のようなご相談をいただくことがあります。
そこで今回は、欠勤日を自動的に年休とするルールは法的にOKなのか?について確認していきたいと思います。
最近は日の入り時刻が遅くなり、18時を過ぎてもまだ明るいですね。日(昼)が長くなるにつれて、季節が夏に変わっていくのを感じます。
日といえば、労働時間、休日、年次有給休暇では、同じ「1日」という概念であっても、それぞれ考え方や取扱いが異なることをご存知でしょうか。
もともと勤務シフトに夜間勤務がある場合や、トラブルシューティングのため徹夜勤務が発生した場合など、この「1日」をどう考えるかで社員の働き方が変わってくるのでマネジメント上注意が必要です。
今回は、労基法の「1日」の概念と、労働時間、休日、休暇それぞれの取扱いについてみていきましょう。
みなさんの会社では、半日単位年休の制度をじょうずに運用されているでしょうか。
コンサルティングをしていると、半日単位年休の存在自体を知らないというケースに、意外と多く出会います。
また、半日単位年休と時間単位年休の違いがわからない、といったこともよくお聞きします。
後で詳しくお伝えしますが、時間単位年休は法律上の年休制度ですが、半日単位年休は法律上の制度ではありません。
そのため両者をちゃんと区別する必要はありますが、年休取得に関する選択肢の幅が広がります。
そこで今回は、次の3点についてみていきたいと思います。
この4月から、法改正によって年次有給休暇の取扱いが変わります。そこで最近、年休の取扱いについてのご質問をよくいただきます。
(詳しくは、過去記事「法改正で年5日休むため会社と社員でやるべきこと、捨てること」をご覧ください)
そのなかには、「この春から子会社へ出向する社員の年休日数は、どうカウントすればいいですか?」と、出向社員の年休の取扱いに関するものもあります。
ちょうど今は新年度の人事異動を検討する時期でもあるので、人事担当者の方は「今の会社で発生している年休を出向先の子会社でも使えるのか?」「いったんリセットすることになるのか?」などと、頭を悩ませることもあるかもしれませんね。
そこで今回は、出向社員の年休日数をどうカウントするとよいのか、について詳しく確認していきましょう。
年次有給休暇は、もともと日単位による取得しか認められていませんでした。そんななか、平成22年4月1日施行の改正労基法によって、労使協定による時間単位の年次有給休暇制度が新しく認められました。
制度のスタートから10年近く経ちますが、就業規則のコンサルティングの中で経営者や管理職の方からよくお伺いするのは、次のようなものです。
「社員に『時間単位年休を仕事の合間にとったり、遅刻したときの穴埋めに使ってもいいですか?』と聞かれたら、どう対応していいのか悩みます。職場を出たり入ったりすると職場のセキュリティに支障が出そうなので、できれば仕事の合間に年休をとってほしくない。遅刻の穴埋めに年休を使うことで、職場の規律が乱れてしまわないか心配だ。」
この問題は次のように集約できます。今回は、この2点について詳しくみていきたいと思います。
コンサルティングをしていると、管理職の方から年休の時季変更権について、「どんなときに行使すると正当だと認められるのですか?」「部下から年休の申請があってから、いつまでに行使するといいのですか?」といった質問をよくいただきます。
法定年休は、社員の年休取得の申出によって成立しますが、「事業の正常な運営を妨げる事由」がない限り、会社は社員が希望するその日に年休を付与しなければならないからです。
「事業の正常な運営を妨げる事由」があるときには、その日でない日を年休とするように指示する、会社の時季変更権の行使が認められています。この「事業の正常な運営を妨げる事由」については、個別の具体的な状況において客観的に判断しなければなりません。
ちょうど年末年始のお休みのタイミングにあわせて、年休取得の申請件数も増える時期でしょう。
今回は、年休の時季変更権をどんなときに、またいつまでに行うとよいのかについてみていくことにしましょう。
このほどの労働基準法改正によって、年10日以上の年次有給休暇が付与される社員に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、会社が時季を指定して取得させることが必要となりました。なお、これに違反すると所要の罰則が科されます。来年(2019年)4月からすべての企業において実施となり、中小企業も例外ではありません。
とはいえ年休取得をめぐっては、「自分が休むと仕事が回らない」「ただでさえ毎日残業なのに、休めば納期に間に合わない」「休んだ分だけ成果をあげるチャンスを逃す」といった社員さんの声が現場から聞こえてくるかもしれません。
仕事が増え続ける職場において、年休取得への不安感を捨ててしっかり休みながらも今までと変わらないもしくはそれ以上の結果を出すには、会社と社員の双方が意識を変えていく必要があります。
そこで今回は、法改正の概要をみながら、年5日以上休むため会社と社員でやるべきこと、反対にやらずに捨てることについてみていくことにしましょう。
「うちの会社もようやく完全週休2日制に踏み切りました。休みが増えたのは社員にとってもいいと思うのですが、今後は年休を取るのが難しくなってしまって、どうしたらよいものか・・・。
いっそのこと、取れなかった年休を貯金みたいに積み立てることはできないものですかね?」
年休の取得率アップ、ましてや完全取得への道は遠くて悩ましい、とのご相談をいただくことがあります。
取れずじまいで年休の残日数がたくさん生じたり、かといって完全消化をめざして無理にでも年休を取得させようとすると、「じゃあ仕事が残ったままでもいいと言うんですか?!」と社員からの反論が・・・このような年休をめぐる課題、みなさんの職場ではありませんか?
特にいまの時季は夏休みもあるので、仕事を滞りなく進めることを考えると、さらに年休取得が難しくなる、といった事情もあるかもしれません。
このような問題への対応のひとつとして、「年休の積立制度」があります。
今回は、この年休の積立制度の内容や運用上の注意点などをみていくことにしましょう。
「社員が年休を取るとき、所属長にあてて申請用紙を提出することになっています。問題は、年休の利用目的を社員に書かせる欄があることです。社員がどんな理由で年休をとるのか、その利用目的を聞いてもいいのでしょうか?」
人事担当の管理職の方から、年休の申請用紙の様式について法律的に問題がないのか、ご質問をいただくことがあります。
必ず書かないといけないのか、プライベートのことにまで会社が口を出すのか、と社員さんから少々不満の声もあがっているとのことで、対応に苦慮されているご様子でした。
年次有給休暇の申請用紙における「利用目的」の記入欄。このような年休届のフォーマットを使われている会社は多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、利用目的の記載欄を設けること自体には問題はありませんが、運用次第では違法となることもあります。
そこで今回は、年休の利用目的を社員に書かせてもいいのかどうかについて、詳しくみていきましょう。
4月に入り、色とりどりの花々も咲き始めて、なんとなく気持ちまでウキウキしますね。オフィスではフレッシュな新入社員に刺激を受けつつも、部下をもつ人は身の引きしまる思いをされていることでしょう。
最近は、従来のような管理職でなくとも「チームリーダー」といった肩書で部下をもち、人材マネジメントを行う人が増えてきています。
そのため、部下をもつにあたって必要な法律上の知識を身に付けさせたい、基本的な事項を押さえてもらいたい、と経営者の方から伺うこともあります。
部下をマネジメントする立場になると、部下の人事評価を行う機会も多くなりますが、知識が足りないためにいわゆるセクハラやパワハラ、マタハラとなってはいけないから、とのことでした。
そこで今回は、すっきり新しい年度のスタートをきるためにも、ハラスメントにならない人事評価のポイントとして、次の3点をしっかり確認していきましょう。
強い寒波の影響で、厳しい冷え込みが続く毎日ですね。
冷えや乾燥、室内外の寒暖差から体調を崩す社員が出てくるかもしれません。具合が悪いまま仕事をしていると普段よりもパフォーマンスは落ちますし、何より本人の健康状態が心配です。
休んでしっかり体調を整えてもらいたいところですよね。
けれど次のようなとき、会社としてどんな取り扱いをしてよいのか迷う、とのご相談を受けることがあります。
今回はこれらのように、社員が体調不良で休むとき会社のとるべき対応について確認していきたいと思います。
10月に入りました。今年度の下半期もスタート、4月に新入社員が入社してきてちょうど半年が経過しましたね。
入社後6か月で年休が10日発生することになります。そこでよく年次有給休暇の取扱いについてご相談を受けます。
特に多いのが、「入社日と年休の付与日が異なると管理が面倒なので、これを統一したい」とのことでした。
確かに中途入社の人を合わせると、社員さんの入社日が同じでないことは当然ありうるわけですが、それぞれの入社日から起算して6か月後の年休付与日を管理するのは大変です。
次いで多いご相談が年休の買い上げについて。仕事が忙しかったために取得できなかった分を、会社としてはせめて買い取ってあげたいとうお声をよくお聞きします。
そこで今回は、次の2点についてみていくことにしましょう。
以前の記事(「計画年休で夏休みを大型連休にするときの注意点」)で、計画年休制度を「4人体制チームなら1人休んでも3人で回るチームにする機会」として、仕事のやり方を見直すチャンスにすることをお伝えしました。そこで、次のような質問をいただきました。
「チーム全体の仕事をこなすのに、そもそも何人必要なのかわかっていません。チームには子育て中のメンバーがいるので、不在の時でもみんなでやり繰りしたいのですが、具体的に何から手をつけるといいですか?」
仕事をみんなで把握して、お休みや時短のメンバーがいても、残りのメンバーで主体的に仕事をこなそうとするチームは、とても理想的ですね。
具体的にはどうしていくと、そんなチームが実現するのでしょうか?
そこで今回は、理想的なチームづくりのポイントとなる次の3点について確認していきましょう。
バーゲンやビアガーデンのCMをみると、夏もいよいよ本番!という気分になりますね。
会社によっては、夏休み(お盆休み)とリンクさせて計画年休日を定めている場合もあるかもしれません。その狙いは大型連休を実現することです。まとまった休みを取ることができれば、家族旅行や長期レジャーを楽しめるなど、社員にとって大きなメリットになります。
一方、会社にとっても年休の消化が進んで、社員の年休取得率アップにつながるメリットもあります。このようなことから、計画年休制度を実施している会社もあるのではないでしょうか。
そんななか、夏の大型連休中に急なトラブル発生。事情を詳しく知る社員がいない。夏休みなんて言っている場合ではない、計画年休日にあたっている社員を呼び出して出勤させなければ。さっそく電話しよう!
いえいえ、落ち着いて、ちょっと待ってください。当初定めていた計画年休日を変更して、他の日に振り返ることはできるのでしょうか。
今回は、この件について詳しく確認していきましょう。
みなさん年末年始はしっかり休まれたでしょうか。
昔、「日本を休もう」というCMがありましたが、あれから30年近くたった今も世間的にうまく休めるようになった、とはまだまだいえない状況なのかもしれません。
「自分が休んでいる間に、トラブルが起きていないか心配だ(だから休めない)」
「休んだ分だけ仕事がストップする(だから休めない)」
「他の人が働いているのに、休んで悪いと思う(だから休めない)」
コンサルティングのなかで年休の取得状況を伺うと、このようなお声をよく伺います。
休みにくい理由の一つに「年休取得のルールがないから」ということがあります。ルールがないから遠慮して休めない(遠慮しない人だけが休めてしまう)という事態に陥ってしまう・・・けれどそのルールも硬直的な取り扱いをしてしまうと問題があるのです。
今回は、年休取得のルールの作り方とその運用について詳しくみていきましょう。
会社が人材育成を行う目的は、大別して2つあります。
この目的のため会社は社員へ投資するのです。研修の実施もそのひとつと言えます。
ですから会社側としては、受講による効果を高めるため、実施する研修のカリキュラムについて、その期間、内容、受講対象の範囲、講師など、練りに練られていることでしょう。
そんな準備に労力を費やしてきた研修の実施期間に「年休を取得したい」と参加対象の社員が申請してきたとしたら・・・「おいおい、ちょっと待ってくれよ」と言いたくなってしまうかもしれません。
では、会社としては、どのように対応するといいのでしょうか。今回はこのあたりについて、詳しくみていきましょう。
「こどもが急に熱を出したので・・・」
「ちょっと体調が悪くて・・・」
当日の朝に休みたい旨の電話連絡。
急なことで実のところ、人員配置に支障をきたすのだけれど、事情がわかるだけにどうすればいいのか対応に困る。
しかもたびたびとなると、仕事の進捗にも差し障る。さて、どこまで聞き入れなければいけないのか・・・
社員想いの経営者、部下思いの管理職の方ほどよく悩まれる問題です。
当日朝の年次有給休暇の申請を欠勤扱いにしてもOKなのか、がご相談のポイントです。
会社としてどう対応するとよいのでしょうか。
今回は、このあたりを詳しくみていきましょう。
「退職予定の社員が今まで取っていなかった分、辞める前に年休をまとめて取りたいと言ってきて困っている」
これは、コンサルティングでよくお聞きするご相談です。会社としては、後任の社員に対して仕事の引継ぎをきちんと行ってくれるかどうかが気になるところです。引継ぎがないまま休暇に入られると、残された人に過度の負担をかけることになってしまいます。とはいえ、社員の退職日を超えて、時季変更権を行使することはできません。
では、会社としてどのような対応をとると、仕事に支障をきたすことなく、辞める社員も残る社員も困らず、うまくいくのでしょうか?
今回はこのあたりについて、詳しくみていきましょう。