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出向社員に給料の支払い義務があるのはどっち?

半分に割れた果物。ライムとマンゴー。ノートと鉛筆。カラフルな付箋。

9月に入っても、日中の大阪は夏を思わせるような暑さです。日ごとに空が青く澄んでいるのをみて、かろうじて秋の気配を感じます・・・

さて、秋といえば人事異動の季節。10月からの配置転換・出向を検討している企業もあることだと思います

 

出向社員は、出向元企業に在籍したまま出向先企業で、業務に従事することになります。

では、出向前には出向元企業から支払われていた給料や賞与は、出向後はどちらの企業から支払われることになるのでしょうか?

 

また、出向元企業と出向先企業では、昇給基準も異なるでしょうが、どちらの基準によるのでしょうか?

 

賃金は重要な労働条件のひとつであり、社員の関心も高いトピックです。

そこで今回は、出向社員に対する賃金や賞与の支払い義務はどちらにあるのか、また昇給基準はどう考えるのか、について確認していきましょう。

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ミスした社員からの減給の申出に会社はどう対応するか

イベントの準備。青を基調としたペットボトル、ペーパーナプキン、プラスチックのカトラリー、水玉の紙コップ。

失敗や挫折の経験は、次に進むためのステップです。逆に「失敗がない」というのは、新しいことにチャレンジしていないから、ともいえます。ところが・・・

 

「営業部のエース社員が取引先との大事なイベントでミスをしてしまいました。取引先に迷惑をかけることになり、本人も責任を感じていて『今月の給料から(迷惑料として)引いてほしい』との申し出があったのですが、どう対応するべきでしょうか」

 

仕事上の失敗に思い悩んだ社員からの減給の申出に、「反省も十分しているようだが、『けじめ』として本人の意向を汲むべきなのか・・・?」と、戸惑う経営者や管理職の方からご相談をいただくことがあります。

 

そこで今回は、ミスした社員からの減給の申出に会社はどう対応するべきなのか、減給に関する労基法の規制を確認しながら、詳しくみていきましょう。

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女性社員が育児時間を請求したとき会社のとるべき対応とは

積み重ねられた絵本のうえに置かれた子ども用のマグカップ。赤のストロー。

「妊娠した女性社員から『出産後、1日2回の育児時間を連続してとれますか』と質問されて、そんな制度があるのかと実はびっくりした」

 

就業規則のコンサルティングのなかで、「育児時間」の項目にさしかかると、このようなエピソードを男性の経営者や管理職の方からお伺いすることがあります。

 

かつては結婚・出産などのライフイベントを迎えても、働き続ける女性社員はそう多くありませんでしたから、もちろん育児時間に関する質問を受けることもなくその存在を知らずにいた、というケースは実際のところ多いのではないでしょうか。

 

「育児時間」とは、1歳未満の子どもを育てる女性社員が、昼休みなどの休憩時間のほかに1日2回それぞれ少なくとも30分、授乳など育児のための時間を会社に請求できる、というものです。

 

では、冒頭のような質問を受けたとき、「1日2回を連続してとるのはダメだ」「この時間帯にとってはダメだ」など制限を会社が設けることはできるのでしょうか。今回は、会社の育児時間の与え方について詳しくみていきましょう。

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消費税法改正に伴うご請求に関するお知らせ

緑の芝生上に置かれたお盆。イチゴとミント、氷の入ったガラスのウォーターポット。グラスに注がれたソーダ―。イチゴ、ミント、ストロー。

お客様各位

 

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

 

さて、このたび当事務所では 2019年10月1日に予定されている消費税法改正に伴い、提供サービスの消費税率を【8%適用から10%適用へ】変更いたします。

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2019/8/22吹田商工会議所建設部会「人材採用セミナー」

セミナー登壇中の高島あゆみ

先週8月22日に、吹田商工会議所建設部会の主催による「人材採用セミナー 若者をGETする」に登壇しました。

 

参加者のみなさんは、建設業の経営者や管理職の方々でした。

建設業界では高齢化と若者離れがみられるなか、人材の確保は業界的に大きな課題と言えます。

特に重視したいのは、若年層の人材です。

 

そこで「欲しい人材を獲得するための採用コンセプトの作り方」をテーマに、具体的な事例を交えてお話しさせていただきました。

 

というのも、採用コンセプトの作り方と伝え方を知らないせいで、せっかく魅力のある企業なのに、広告費のロスや採用のミスマッチといった問題が起きているからです。

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列車の遅れや運休で会社の始業時刻を遅らせてもいいですか

デスクに広げられたピンクのチューリップの花束。カメラ、ノート、万年筆、パソコンのキーボード。

台風の影響などで悪天候になると、列車やバスが遅れたり、運休になることもあります。それが平日のことなら、必然的に仕事の予定も変更せざるを得ません。

 

「公共交通機関の遅延で、始業時刻からだいぶ経ってからでないと、社員がオフィスに出勤できないこともあります。

かといって仕事の納期が迫っている場合もあるので、そんなときは始業・終業時刻を後ろにずらせないのでしょうか?

うちではフレックスタイム制をとっていないのでダメですか?」

 

コンサルティングでこんなご相談をいただくこともあります。

このような、いわゆる就業時間帯の繰上げ・繰下げは、変形労働時間制やフレックスタイム制にはあたりません就業規則に規定することで、実施することができます

 

そこで今回は、就業時間帯の繰上げ・繰下げとはどういったものなのか、詳しくみていくことにしましょう。

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社員の降格は会社の裁量で決めてもいい?

3つ積み重ねられたカラフルなマカロンが2列。

昇進とは、「係長→課長→部長」といったように、企業内での職務上のポジションが上がることです

昇進にあたっては、企業内における権限と責任を伴うため、上のポジションになればなるほど、それらは大きく、重いものとなっていきます。

 

昇進によって、会社から経営権・人事権を分担され、会社と一体となって(もしくは会社の立場にたって)、業務の推進と部下となる社員のマネジメントを任されることになるからです。

 

このことから、昇進に関する人事は、原則として会社の経営権の裁量にゆだねられていることがわかります。では、降格についてはどうでしょうか。実は、降格については次の3パターンに分かれます。

  1. 企業内のポジション(職位)の降格または解任
  2. 人事制度による資格等級格付けの下位への変更
  3. ペナルティー(懲戒)としての降格処分

今回は、社員の降格は会社の裁量によって決めてもいいものなのか、上記の3つの場合に応じて、確認していきましょう。

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新入社員を子会社へ出向させるのはダメですか

浜辺の貝殻。砂にSummer recruitment activities!の文字。

いまは、求職者が有利な売り手市場なので、内定を辞退する学生もみられるようです。予定の採用人数を集めるために、夏採用というかたちで8月下旬ごろまで採用活動を続ける企業もあるようです。

そこで、次のようなご質問をいただくこともあります。

 

「うちの子会社は、就活生の知名度がないために採用活動で苦戦している。子会社の名前で求人をしても人材の獲得が難しいので、親会社である当社で募集して、採用してからすぐに子会社へ出向させるのは、何か問題がありますか?」

 

業績はよいのに学生の間では知られていない、といったこのような現象は、特にBtoB企業で起こりがちです。

 

そこで今回は、親会社による求人と子会社への出向において気をつけるべきことについて確認していきましょう。

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飲み会が労働時間になるとき、ならないとき

オレンジとカシスのカクテル。ミントの葉とレモンが添えられている。

昨年は記録的に暑い夏となりましたが、天気予報をみていると、今夏では極端に暑い日は少なくなりそうでほっとしています。

 

とはいえ夏といえば、社内や仕事関係者で暑気払いの会を催す機会も多いのではないでしょうか。そのためか、この季節はコンサルティングの中でも「飲み会」にまつわるご質問をいただくことがあります。

最近では、次のようなものもありました。

 

「部下から『テレビドラマで(登場人物が)会社主催の飲み会を勤務時間として申請していました。うちの会社ではダメなんですか?』と質問されて、なんと返せばいいのか困ってしまいました。法律的にはどうなるのでしょうか?社員への回答の根拠となるものを知りたいです。」

 

「飲み会」といっても、仕事にまつわる飲食の機会といえば、得意先の接待、会食付きの打合せ、取引先の開店パーティ、社内の送別会や忘年会・・・などなど、いろいろなものがあります。

そこで今回は、これらの飲み会(仕事関係の飲食の機会)が労働時間になるとき、ならないときについて整理していきたいと思います。

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社員に海外勤務を命じるとき注意するべき点とは

地球儀を指さす手。

海外支店の増員のため、社員に転勤命令を出す必要性が生じた。

海外との取引が頻繁に行われるようになり、数人の社員を現地へ派遣しなければならなくなった。

 

いざ業務上の都合で、社員に海外勤務を命じなくてはならなくなったとき、どのようなことに注意すればいいのか?と、戸惑われる経営者や管理職の方は多いのではないでしょうか。

 

海外で働くことに憧れや興味を持っている人の割合は、一般的にみても高いようですが、いざとなると「国内とは事情が違う海外転勤に社員が不安になり過ぎて、モチベーションが下がっていて困っている」といったお話を伺うこともあります。

 

そこで今回は、海外勤務を社員に命じるときに留意しなければならないことについて、①海外支店への転勤命令、②海外子会社への出向の2パターンに分けて確認していきたいと思います。

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正規の申請をしないで休んだ社員にとるべき対応とは

広げられたリングタイプのノートとペン。傍らに貝殻と熱帯植物の葉、麦わら帽子とサングラス。

【人事担当社員のあるあるお悩み】

うちの会社では、年休をとりたいときには定型の年休届に記入して、直属の上司に提出することになっている。そして各部署から人事部に年休届の用紙が集約されて、社員それぞれの年休日数を管理している。

 

ところが、ある部署でこの正規の申請をしないで休んだ社員がいるようだ。直属の上司には口頭で翌日休みたい旨を伝えたそうだが、「届出用紙を提出するように」との上司の注意を無視して、当日休んだらしい。日頃から仕事でルーズな面のあった社員のようで、その上司は「無断欠勤の処理でいいだろう!!」ともうカンカンで・・・

 

正規の届出がないために人事部へ休んだ情報が届かなければ、勤怠管理でミスを誘発しかねない。給料計算にも影響が出てえらいことになる。だからといって、ペナルティーとして無断欠勤にしてしまうのもいかがなものかと・・・人事担当としてどうすりゃいいの?!!

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このような正規の申請手続きをしないで休んだ社員に、会社としてどのように対応するとよいのでしょうか

今回はこの件について、詳しく確認していきましょう。

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同じ休みでも休日・休暇・休憩はどう違うの?

休日のブランチ。カットされたパウンドケーキにイチゴジャム。ミルクの注がれたガラスのコップ。花柄の紙ナプキン。

この梅雨の時期、休日でも外出せずに家のなかでのお楽しみタイムが増えます。しとしと雨音に耳を傾けながら、DVDや音楽鑑賞、読書など趣味の時間を過ごすのもいいですよね。

 

さて、そんな休日について、コンサルティングの中で実はよくいただくご質問に、「休日と年次有給休暇は同じものではないのですか?どう違うのですか?」というものがあります。

 

 確かに「仕事を休む」という行為では、休日と休暇も同じです。

これらに加えて、仕事中の休憩時間についても「仕事を休む」という意味でいっしょです。

 

これらの本来の意味合いは、実は、まったく違うものですが、たとえばお休みの日が人ごと、週ごとに異なるといったシフト制をとっている職場では、これらの管理が煩雑になりがちではないでしょうか。

けれど、もしも混同してしまうと(特に休日と休暇)、会社の年間休日数をミスカウントしてしまうおそれがあります。

では、休日、休暇、休憩はそれぞれどのように違うのでしょうか?

うっかりミスを防ぐためにも、今回はこれらを詳しく確認していきましょう。

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ランチタイムの電話対応は労働時間になる?

チーズと野菜のサンドイッチといちご。

限られた時間のお昼休みにオフィスの外に出るよりも、コンビニやファストフード店でランチを購入して、オフィス内で食べる社員さんも増えているようです。

 コンサルティング中の雑談で、こんなお話を伺ったことがあります。その話の流れで、次のようなご質問をいただきました。

 

「昼休み中に取引先から電話がかかってくることはあまりないのですが、電話が鳴ったときには、オフィスのデスクで弁当を食べている社員が出てくれます。こちらとしては助かるのですが、これは実は労働時間にあたって、残業代計算などに入れないといけないのでしょうか?」

 

お昼休みは貴重なリフレッシュタイムであり、本来ならおいしくお弁当をパクついているだけでいいはずなのに・・・と人事担当者として懸念されているご様子でした。

 

これは、みなさんの職場でもよく見られる光景かもしれません。

そこで今回は、ランチタイム中の電話応対は労働時間にあたるのかどうかについて確認してみましょう。

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社員が復職するときOK・NGの判断基準とは

雨上がりのなかのアジサイ。

6月は梅雨で蒸し暑くどんよりしたお天気の日もありますが、しっとりした空気に緑の香りも漂っていて初夏の訪れを感じます。

 

春先に体調不良で休職した社員の復職について、そろそろ考えなければならない職場もあるかもしれません。

 

「社員が職場に復帰したいと言ってきたとき、本人はきっと『自分はもう大丈夫だ』と主張するでしょう。とはいっても、実際には完全に回復していないケースも多いと思います。会社としてどう対応するべきでしょうか?」

 

よくご相談いただく内容です。会社として社員の健康管理に留意する必要があるので、このように懸念されるのも当然でしょう。

 

社員が復職するにあたって、その可否の判断基準はどうなるのでしょうか。また会社がその判断を行ってもよいのでしょうか。

今回は、これらについて詳しく確認していきましょう。

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毎年の賞与支給はお決まりのもの?

ピンクの砂時計。傍らにおもちゃのお札とコイン。

本日、6月10日は何の日でしょうか?

 

時の記念日?はい。時間は大切にしたいですよね。

他には?そうです、夏のボーナス!(←今回のテーマは「ボーナス」です)。今日が賞与の支給日にあたる企業も多いのではないでしょうか。

 

この賞与、多くの社員にとっては「支給されて当たり前のもの」という感覚かもしれません。

 

たとえば毎年6月と12月に賞与が支給されてきたとします。

それでは、毎年賞与を支給していると、これは慣行化されてしまうのでしょうか。

 

さらに言えば、業績が振るわない年に賞与を減額したり、もしくは不支給とすることはNGなのでしょうか

今回は、毎年の賞与支給はお決まりのものとして慣行化するのかどうか、について確認していきましょう。

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社員の親が書いた退職願は有効ですか?

12色のクレヨンと画用紙。

先日テレビをつけると、ドラマをやっていました。たまたま目にしたシーンは、(親が薦める)結婚相手と結婚してほしい父親が、婚姻届にサインしようとしない娘に向かって、「私が(父親が)婚姻届に署名捺印しておく」というようなセリフを放つところでした。

 

そこで思い出したのが、以前にいただいた「社員の親御さんが書いた退職願を会社として受理してもいいのでしょうか?」というご相談についてです。

社員さんが入院されたため、代わりにご家族が退職願をお書きになり、会社へ提出されたとのことでした。

 

ちなみに前述のテレビドラマでは、婚姻届にサインしたのは父親であった(娘の意思ではない)ことが結婚相手の知るところとなり、結果として破談となる(親の書いた婚姻届は無効になる)ストーリーでした。

では、「親が書いた退職願」は有効になるのでしょうか

今回は、退職願をめぐる問題について会社はどう対応するとよいのか、確認していきましょう。

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フレックスタイム社員は早朝の会議に出なくていい?

この春から働き方改革関連法が施行されたこともあり、柔軟な職場環境づくりに尽力される企業は多いのではないでしょうか。

 

社員がライフスタイルに合わせて働けるよう、その選択肢を提供するべくみなさん知恵を絞られているなか、次のようなご質問をいただくこともあります。

 

「緊急の案件を打ち合わせるため、部署全体のミーティングを早朝に行わないといけないこともあります。そんなとき、フレックスタイム制が適用される社員には、早朝会議への招集をかけてもいいのでしょうか?」

 

フレックスタイム制においては、始業・終業時刻をいつにするかを社員の自由に委ねられるので、早朝の会議に出なくていい?いや、そもそも招集してはいけない?と悩まれるのでしょう。

今回は、この件について詳しくみていきましょう。

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単身赴任の経済的ダメージを会社はどこまで考えるべきか

一人暮らしの部屋。ベッドとデスク。グリーンを基調としている。

大型連休明けでせわしなかった仕事がひと段落つき、新年度からのスタートもようやく軌道に乗ってきた頃ではないでしょうか。

 

オフィスでは、この春から転勤で新しい環境に身を置く人もいたかもしれません。転勤といえば、以前に、次のようなご相談をいただいたことがありました。

 

「人事異動で転勤する社員が単身赴任することになりました。当社では、引っ越し費用の全額のほか、単身赴任の場合は月額3万円の手当を支給しています。ですが転勤先が都心部のために物価が高くて今までよりも給料の手取りが減る、手当を増額してほしい、との訴えが本人からありました。どう対応するべきでしょうか?」

 

単身赴任する社員の経済的負担について、会社はどこまで考慮するべきなのか、どの企業においても人事担当者が頭を悩ませる問題かもしれません。

今回は、この件について詳しくみていきましょう。

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休まない社員を強制的に休ませてもいいですか

オフィスのコピー機。花が活けられた花びん。ストローの刺さったテイクアウトのコーヒー2つ。

今年は長めのゴールデンウィークでした。

仕事の再開にさっそくエンジンをかける人、まだもう少し休んでいたいと思う人、早くも夏休みに向けて仕事のダンドリを始める人・・・休み明けの職場での社員さんの様子をみると、休みに対する考え方は人それぞれであることが伺えるのではないでしょうか。

 

コンサルティングの中でも「仕事が心底好きで、めったに年休をとらない社員がいます。ちゃんと休みなさい、と本人に伝えても『休んでも家でやることが特にない』と返ってきて、どうするといいのか悩んでいます」という話をお聞きすることが最近よくあります。

 

この春から、会社には社員に少なくとも年5日の年休を取得させることが義務付けられていますので、このように休もうとしない社員への対応に頭を悩ます管理職、上司の方が増えてきているのかもしれません。

 

そこで今回は、休まない社員を強制的に休ませてもいいのか?について詳しくみていきたいと思います。

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「近代中小企業」5月号(2019年5月1日発行)に寄稿しました

「近代中小企業」5月号(2019年5月1日発行)の表紙

いよいよ新しい時代の幕開けです。

新しいステージに向かって走り出したくなるような、前向きな気持ちになります。

 

さて、そんな記念すべき本日5/1発行の中小企業経営研究会「近代中小企業」5月号(2019年5月1日発行)に寄稿しました。

 

「近代中小企業」5月号では、「労働時間と待遇のガイドライン」とのテーマで特集企画が組まれています。

 

この4月1日から、時間外労働に罰則付きの上限規制を設けるなどの労働基準法改正等を盛り込んだ、働き方改革関連法が施行されました。

 

そこでこの機会に、中小企業の「長時間労働の是正 → 時間外労働の上限規制」「多様で柔軟な働き方 → 有給休暇の義務化」「雇用形態による格差の是正 → 正規・非正規雇用間の待遇の見直し」などを真剣に考えてみましょう、という内容になっています。

 

わたくし高島は、「職場で陥りがちな 〝残業マインド〟に効くクスリ」というタイトルで4ページにわたって記事を書かせていただいています。

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会社を欠勤したとき年休を消化するルールにしてもいいですか

デスクの上のパソコンのキーボード。傍らに観葉植物、ホッチキス、クリップ、ペン、花の絵のノート。

この4月から、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される社員に対して、年休日数のうち年5日の年休を取得させることが会社に義務付けられています

 

ただでさえ週休二日制で会社の営業日が少ないなか、年休の消化をこれ以上進めるのは難しい・・・と悩まれている職場も多いのではないでしょうか。

 

そのため、「家庭の都合や自分の体調不良で会社を欠勤したとき、この欠勤日を自動的に年休日にするルールにしてはダメですか?」とのご質問をいただくこともあります。

 

そこで今回は、欠勤日を自動的に年休とするルールは法的にOKなのか?について確認していきたいと思います。

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出向社員に適用される就業規則はどっち?

木目調のデスク。鉢植えのグリーン、革の手帳、白いマーカーペン。

改正法の施行に伴って、この春に就業規則の見直しを行われる企業も多いでしょう。

就業規則を見直すにあたって、少なくとも一度は話題に上るのが出向社員への就業規則の適用についてです。

 

出向社員は、出向元企業の社員であると同時に、出向先の社員でもあります。ですから、出向社員には出向元と出向先のどちらの企業の就業規則が適用されるのか?とのご質問をよくいただきます。

 

ある具体的な事項について出向元と出向先企業の就業規則の規定が異なっている場合、どちらの規定が適用されるかによって、出向社員の労働条件に少なくないインパクトを与えることになるからです。

 

そこで今回は、出向元と出向先企業の就業規則の適用関係について確認していきましょう。

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労働時間・休日・休暇の1日はイコールではない

デスクに置かれた白いマグカップ。傍らに本。

最近は日の入り時刻が遅くなり、18時を過ぎてもまだ明るいですね。日(昼)が長くなるにつれて、季節が夏に変わっていくのを感じます。

 

日といえば、労働時間、休日、年次有給休暇では、同じ「1日」という概念であっても、それぞれ考え方や取扱いが異なることをご存知でしょうか

 

もともと勤務シフトに夜間勤務がある場合や、トラブルシューティングのため徹夜勤務が発生した場合など、この「1日」をどう考えるかで社員の働き方が変わってくるのでマネジメント上注意が必要です

 

今回は、労基法の「1日」の概念と、労働時間、休日、休暇それぞれの取扱いについてみていきましょう。

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仕事に必要な資格の試験勉強は労働時間になりますか

リングタイプのノート。水玉模様の手帳。エメラルドグリーンのペン。

春らんまんの美しい季節です。

活動的な気持ちになり、何かを始めたくなりますね。

仕事に必要な資格の試験勉強をスタートさせるにもよいときです。

 

「当社の仕事に必要な資格を、できるだけ多くの社員に取得してもらいたいと考えています。『会社がとれというなら試験勉強しますが、その時間に残業代はつきますか』という社員からの質問には、どう対応するべきですか」

 

このご相談、経営者や管理職の方からとてもよくいただくものです。

 

仕事への意欲を高めるために、資格試験へのチャレンジをすすめる会社と、資格試験へのチャレンジを対価でもって認めて欲しい社員。

 

心情的にはどちらも理解できるのですが、法律上ではどう考えるといいのでしょうか。

今回は、資格試験の勉強が労働時間にカウントされるのかどうかについてみていきましょう。

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試用期間は新入社員を育てる期間

積まれたノートの上に置かれた黒縁の眼鏡。ゴールドのクリップ。パソコンのキーボード。バラが活けられた白の花びん。

いよいよ4月、何かが始まる予感に満ちた季節がやってきました。

新社会人の真新しいスーツ姿をみると、こちらまで気の引き締まる思いがします。

新入社員の会社や仕事への適性をみるために、試用期間を設けている場合は多いでしょう。

 

セミナーや研修のなかで、この試用期間について

「この新入社員とはもう一緒にやっていけそうもない、と感じた場合には試用期間中であれば、簡単に辞めてもらえるのですか」

との質問をいただくことがあります。

 

試用期間は新入社員側の問題、として捉えがちかもしれません。

実はこの期間は、上司や先輩社員が〇〇するべき期間でもあるのです(答えは記事のタイトルにありますが・・・)。

今回は、上司や先輩社員が試用期間にやるべきことについてみていきたいと思います。

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「近代中小企業」4月号(2019年4月1日発行)に寄稿しました

高島が執筆しました、雑誌掲載の記事に関するお知らせです。

 

4/1発行の中小企業経営研究会「近代中小企業」4月号(2019年4月1日発行)に寄稿しました。

今回の記事は、前号「近代中小企業」3月号(2019年3月1日発行)掲載分の続編になります。

 

「職場で遭遇する“どっちが正しいの?”~これからは、コミュニケーション+α 法律の知識を身につける時代~」(後編)というタイトルで記事を書かせていただいています。

 

今回も「職場のあるあるトピックス」をもとに、職場ですれ違いがちなコミュニケーションの具体例を解説しています。

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仕事後の後片付け・整理整頓、ダンドリに残業代はつきますか?

テイクアウト用のコーヒーカップ。Lサイズ、Mサイズ、Sサイズが並んでいる。

いよいよ年度末、この1年間で溜まった資料や書類などを片付けて、新たな気持ちで新年度を始めたいですね。

 

片付けや整理整頓といえば、以前にとある企業の管理職の方からこんなお話を伺いました。

 

「仕事場が整理されていると、翌朝出勤しても気持ちよく仕事にとりかかれます。その分効率よく仕事ができるので、部下たちには、仕事が終わったらしっかり片付けて、整理整頓された状態にして帰ってほしい。でも、あまりやかましく言うと『それって残業代がつきますか?』と返ってきたりします(苦笑)

 

そこで今回は、仕事が終わったあとの、翌日に向けた仕事のダンドリは労働時間としてカウントするのか、しないのかについてみていきたいと思います。

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制服通勤を禁止するとき注意したい労働時間マネジメント

ボーダーカットソー、黒のスカート、お洒落スニーカー、ノート。

3月も半ばを過ぎ、街中ではスプリングコート姿をよく見かけます。

個人的には、朝晩の寒さに冬物のコートが活躍中ですが・・・

 

さてコートといえば、「コートの下に制服を着ていくので、コートの季節は一本遅くの電車で通勤できる」という話を聞いたことがあります。

以前、この制服通勤について人事部の管理職の方からご質問をいただきました。

 

「会社に着たら仕事をする、仕事が終わったらダラダラ居残っていないで帰る。オンとオフをしっかり切り替えるため、制服通勤を禁止しようと考えています。マネジメント上で注意する点はありますか?」

 

制服での通勤を認めないとなると、当然会社で制服に着替えることになります。そこで問題となるのは、会社で制服に着替える更衣時間をどう考えるかです

今回は、この更衣時間を労働時間にカウントするのか、しないのかについてみていきたいと思います。

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仕事の途中で歯医者に行ったらその日の労働時間はどうなる?

水の入ったグラス。歯磨き粉のチューブ。白と青のストライプの歯磨き粉が載った水色の歯ブラシ。

とある職場のAさん、今日は朝から少し落ち着きがありません。

どうやら親知らずがズキンズキン痛むようです。

パソコンに向かうも時間を追うごとに痛みが強くなり、居ても立っても居られなくなりました。

 

そこで上司と同僚に事情を話して許可をもらい、仕事を抜け出して歯医者さんに向かうことにしました。

 

歯医者さんから戻ってきたAさん、応急処置をほどこしてもらって落ち着きを取り戻したようです。

「さあ、歯医者さんに行った分の仕事の遅れを取り戻さなくっちゃ!

張り切って終業時刻後も仕事に取り組む様子です。

 

このように私用外出から戻ったあとで残業した場合、1日の労働時間としてはどのようにカウントするとよいのでしょうか

今回はこの件についてみていきましょう。

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社員の給料にあたるもの、あたらないもの

木目調のデスク。観葉植物、シルバーの腕時計、コーヒーの入ったマグカップ、めがね。

3月に入りましたが、朝夕はまだまだ冷え込みが厳しく、三寒四温の言葉どおりの今日この頃ですね。

この春からの実施に向けて、就業規則をはじめとする規程の見直しにあたられている企業も多いかもしれません。

 

最近は、海外出張も増えてきていることから、それについての規程も別途作成する場合もあるようです。

旅費の水準は、それぞれの企業での出張の実情に応じて考えるべきですが、「社員の給料に関わることなので慎重になります」といったお声を伺うことがあります。

 

実費弁償的なものは労基法で定める賃金にあたらないのですが、このように混同してしまっているケースは意外と多いのではないでしょうか(これには理由があるのですが)。

 

そこで今回は、出張の旅費・日当は社員の給料にあたるのかをはじめ、そもそもどのようなものが社員の給料にあたるのか、またはあたらないのかをみていきたいと思います。

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「近代中小企業」3月号(2019年3月1日発行)に寄稿しました

「近代中小企業」3月号(2019年3月1日発行)の表紙

本日(3/1)発行の、中小企業経営研究会「近代中小企業」3月号(2019年3月1日発行)に寄稿しました。

 

「近代中小企業」3月号では、「私にとって“平成”とはどんな時代だったのか?」とのテーマで特集企画が組まれています。

 

20世紀後半の第三次産業革命から、まだまだ道半ばの第四次産業革命にいたる、激動ともいえる時代であった「平成」ももうすぐ新元号となります。

経営環境のみならず労働環境、生活環境までもがこの30年で、大きく様変わりしました。

そして、これから新しい時代にどう判断し、変化に対応していけばよいのか。

働く人の役に立つトピックスが掲載されています。

 

わたくし高島は、「職場で遭遇する“どっちが正しいの?”~これからは、コミュニケーション+α 法律の知識を身につける時代~」(前編)というタイトルで、見開き2ページにわたって記事を書かせていただいています。

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半日単位年休をうまく活用するコツ

ゴールドに青いフォルムの腕時計をはめた腕。

みなさんの会社では、半日単位年休をじょうずに運用されているでしょうか。

 

コンサルティングをしていると、半日単位年休の存在自体を知らないというケースに、意外と多く出会います。

また、半日単位年休と時間単位年休の違いがわからない、といったこともよくお聞きします。

 

後で詳しくお伝えしますが、時間単位年休は法律上の年休制度ですが、半日単位年休は法律上の制度ではありません。

 

そのため両者をちゃんと区別する必要はありますが、年休取得に関する選択肢の幅が広がります。

 

そこで今回は、

  1. 半日単位年休と時間単位年休の違い
  2. 半日単位年休の取扱い
  3. 就業規則で定める半日単位年休の活用法

これらについてみていきたいと思います。

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出向先による再出向の命令はできますか?

オフィスのデスク。ノートパソコンの前に置かれたブルーライトカットの眼鏡。マグカップ、手帳。

とある企業では、関連グループの数社で合同プロジェクトを運営することになりました。

プロジェクト推進担当のAさんは関連会社に出向中です。ところがプロジェクトが進むにつれ、その規模は当初よりも大きなものになっていきました。

 

そこでプロジェクト全体を円滑に進めるため、中心的な役割を担当しているAさんを、さらに別の会社に出向させたほうがよいのではないか?といった話が持ち上がりました。 

Aさんの出向先の人事部では、その話を聞いて大慌てです。

 

プロジェクトを運営する現場では、Aさんをさらに別会社へ出向させることが、ほとんど決定事項として動きだそうとしているとのことだったからです。

 

今回は、「出向してきた社員を他社に再出向させることはできるのか?」について詳しくみていきたいと思います。

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母校の創立100周年記念事業HPにお祝いメッセージを寄稿しました

お祝いのケーキ。ピンクのクリームでバラの花がデコレーションされている。

母校である大阪府立生野高等学校の「創立100周年記念事業HP」にお祝いのメッセージを寄稿しました。

 

創立100周年記念事業実行委員の方には、この栄えある機会にメッセージのご依頼をいただきましてありがとうございました。

 

「卒業生には母校を誇りに感じてもらい、在校生には夢への後押しに」ということでしたので、当事務所の代表プロフィールでも触れていますが、いまの社会保険労務士という仕事に出会ったいきさつや高校時代の思い出を書かせていただきました。

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出向社員の年休日数をどうカウントするか?

赤、白、黄のチューリップが布張りのノートの上に横たえられている。

この4月から法改正によって年次有給休暇の取扱いが変わるので(詳しくは、過去記事「法改正で年5日休むため会社と社員でやるべきこと、捨てること」をご覧ください)、最近年休の取扱いについてご質問をいただきます。

 

そのなかには、

「この春から子会社へ出向する社員の年休日数は、どうカウントすればいいですか?」

と、出向社員の年休の取扱いに関するものもあります。

 

ちょうど今は新年度の人事異動を検討する時期でもあるので、人事担当者の方は「今の会社で発生している年休を出向先の子会社でも使えるのか?」などと、頭を悩ませることもあるかもしれませんね。

 

そこで今回は、出向社員の年休日数をどうカウントするとよいのかをみていきたいと思います。

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問題行動を起こした採用内定者の内定を取り消せますか?

応接室。クッションの置かれたソファとテーブル。テーブルのうえに観葉植物。

暦の上では立春を迎え、春が始まりますね。

もうしばらくすると卒業式のシーズンです。新入社員を迎える準備で大わらわの企業さんも多いのではないでしょうか。

 

この時期にご相談をいただくのが、採用内定者の内定取消し問題です。

 

「もし、採用内定者が入社日までになにか問題となるようなことを起こしたとき、会社として内定を取り消してもいいのでしょうか?」

 

採用内定者には2パターンあり、法律的には「採用予定者」と「採用決定者」に区分されます。

(詳しくは、過去記事「採用内定者に就業規則の適用はアリかナシか」をご覧ください)

 

内定の取消ができるかどうかについては、「採用予定者」と「採用決定者」とに分けて検討する必要があります

今回は、これについて詳しくみていきましょう。

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採用内定者に就業規則の適用はアリかナシか

デスクの様子。ノートパソコン、財布、ペン、スマホ、ノート、ヘッドフォンが並んでいる。傍らに観葉植物。

みなさんの会社の就業規則の1ページ目を開いてみてください。

 

そこには、「この規定は、就業規則に定める当社の従業員に適用する」と、就業規則の適用範囲が定められていると思います。

 

さて、ここで問題です。

いったい何時の時点から、「当社の従業員」に該当するのでしょうか?

入社してから?それとも試用期間が終わってから?

・・・そこで取扱いに悩むのは「採用内定者」ではないでしょうか

 

採用されることが内定しているとはいえ、「当社の従業員」かというとどうもしっくりこない・・・。

 

では「当社の従業員」にあたらないのなら、就業規則は適用されないのか?

でも、これから採用されるわけであり・・・・・・思考が堂々巡りになってしまいますね。

 

そこで今回は、採用内定者に就業規則の適用はアリなのか、それともナシなのかをみていきたいと思います。

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採用の応募書類で気をつけたい個人情報の取扱い

応募書類と応募封筒。傍らに万年筆、黒インク、ピンクのバラ。

1月は、一般的に採用市場が活発な時期です。12月期決算の企業では年度初めということもあり、また新卒者と入社時期を同じ4月に合わせられるよう、多くの募集をこの1月にかけるからです。

 

企業の採用活動では、当然のことながら、さまざまな書類の提出を応募者に求めることになります。採用の応募書類に関して、企業の採用担当者さんからよく伺う質問に次のようなものがあります。

 

「採用の応募書類というのは、ハッキリ言って、個人情報が満載ですよね?個人情報の保護に気をつけないといけないのはわかっていますが、具体的にはどのように取扱うと法律的に正しいのですか?」

 

確かに応募書類にはたくさんの個人情報が記載されていますし、採用面接を実施すればそれ以外からも個人情報を得ることになります

 

今回は、採用活動で応募者から提出される書類の取扱い方について、詳しくみていきたいと思います。

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時間単位年休を仕事の合間や遅刻の穴埋めに使ってもいいですか

デスクの上の観葉植物、ノートとぺン。

年次有給休暇は、もともと日単位による取得しか認められていませんでした。そんななか、平成22年4月1日施行の改正労基法によって、労使協定による時間単位の年次有給休暇制度が新しく認められました。

 

制度のスタートから10年近く経ちますが、就業規則のコンサルティングの中で経営者や管理職の方からよくお伺いするのは、次のようなものです。

 

「社員に『時間単位年休を仕事の合間にとったり、遅刻したときの穴埋めに使ってもいいですか?』と聞かれたら、どう対応していいのか悩みます。職場を出たり入ったりすると職場のセキュリティに支障が出そうなので、できれば仕事の合間に年休をとってほしくない。遅刻の穴埋めに年休を使うことで、職場の規律が乱れてしまわないか心配だ。」

 

この問題は次の2点に集約できます。

  1. 時間単位年休を仕事の合間でとることを制限できるのか
  2. 時間単位年休を遅刻に充当しなければならないか

そこで今回は、これらについて詳しくみていきたいと思います。

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仕事後に出張先へ移動するとき残業代の対象になりますか

スマホで顧客からの連絡を確認するビジネスマン。

2019年がスタートしました。今日からいよいよ通常モードでお仕事開始ですね。

 

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さっそくエンジンをかけて仕事に取り掛かるも、夕方近くに地方の営業所から緊急トラブル発生の一報が。追って届いた報告によると、的確な対応のためには現地に赴かなくてはいけない模様だ。翌日の朝イチから対応にあたるには、交通の便を考えると今日中の現地入りが望ましい

担当者には終業時刻後に新幹線で現地へ向かってもらわなくてはならないが・・・。

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思いがけない緊急事態が発生、ピンチをチャンスに変えるためにも素早い対応が求められます。そこで新年早々ではありますが、担当社員に出張を命じ、こちらでの仕事に目途を付けてから終業時刻後に新幹線で目的地へ向かってもらうことにしました。

 

さて、このように仕事が終了してから終業時刻後の出張旅行は労働時間にカウントされ、また残業代の対象となるのでしょうか

経営者や管理職の方におかれては、終業時刻後に新幹線で遠方に向かう社員の心情を考えると、ますます判断に迷われるのではないでしょうか。

そこで、今回はこのシチュエーションについて確認していきたいと思います。

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パートの契約終了、残った年休を買い上げないとダメ?

パン屋さん。焼きあがった色々なパンがかごに盛られている。ギンガムチェックのキッチンクロス。

今年の年末年始は、カレンダーの並びから長めの連休を予定されている企業も多いかもしれません。とはいえサービス業においては、一年のうちでもっとも忙しい時期です。短期パート・アルバイトの増員を図る場合もあるでしょう。

 

雇用期間の定めのあるパートタイマーであっても、採用してから6ヵ月間継続して勤務し、その間8割以上の出勤率であった場合には、年休請求権が発生します。

 

そこでよく問題となるのが、パートの契約更新が行われると思って年休を取得しなかったものの、会社の経営上の都合や仕事量の減少によって実際には更新がなされなかった、というような場合です。

 

このようなときに、たとえば「年休を買い上げてほしい」という申出がパートタイマーからあったとしたら、会社としてはどのように対応するべきでしょうか。

今回は、パートの契約終了の際に残った年休についての取り扱いを会社としてはどのように考えるとよいか、詳しくみていきましょう。

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労働時間の管理はタイムカードで行わないとダメですか?

朝のオフィスの風景。太陽の光が窓辺から差し込んで、デスクトップのパソコンを照らしている。

会社には、社員がどのくらい働いたのか、労働時間を把握する義務があります。

会社の労働時間を把握する義務について、実はとてもよくいただく質問に次のようなものがあります。

 

「社員がいつ出勤してきて、またいつ帰ったのか、労働時間を把握して管理するのは、タイムカードでしか認められていないのですよね?そんな風に法律で決まっているのですよね?」

 

・・・ちょっとした誤解もあるようです。

 

そこで今回は、労働時間の把握や管理はタイムカードで行わないといけないのか、について詳しく確認していくことにしましょう。

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年休の時季変更権はどんなとき、いつまでに行うのか

ノートパソコン、雑誌、ペン立てがデスクに並んでいる。外国の形式の画像が取り込まれたデスクトップ。

法定年休は、社員の年休取得の申出によって成立します。

会社は、「事業の正常な運営を妨げる事由」がない限り、社員が希望するその日に年休を付与しなければなりません。

 

「事業の正常な運営を妨げる事由」があるときには、その日でない日を年休とするように指示する、会社の時季変更権の行使が認められています。

この「事業の正常な運営を妨げる事由」については、個別の具体的な状況において客観的に判断しなければなりません

 

そこで年休の時季変更権について、管理職の方から「どんなときに行使すると正当だと認められるのですか?」「部下から年休の申請があってから、いつまでに行使するといいのですか?」といった質問をよくいただきます。

 

ちょうど年末年始のお休みのタイミングにあわせて、年休取得の申請件数も増える時期でしょう。

今回は、年休の時季変更権をどんなときに、またいつまでに行うとよいのかについてみていくことにしましょう。

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管理職の役職手当と割増賃金の関係を就業規則に定めていますか?

テーブルのうえに積み重ねられた4冊のテキスト。黒の表紙。その上にりんごが三つ乗っている。

社内では労基法で定めるところの「管理監督者」として処遇してきたが、労働基準監督官の判断によると「労基法に定める管理監督者には該当しない」とのことだった。

(もしくは裁判で「該当しない」と判決された。)

この社員には、時間外や休日労働の対価的な意味も込めて、今まで役職手当を支払ってきた。管理監督者に該当しないということなら割増賃金の支払いが発生するが、今まで支払ってきた役職手当を割増賃金に充当できるのだろうか・・・

 

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まず、管理監督者に該当するかどうかの具体的な判断基準については、過去記事「どのくらいの役職につくと管理職扱いになりますか」をご覧ください。

 

では、前述の「管理監督者に該当しない」と判断された場合の役職手当を割増賃金に充当できるのかどうかという問題については、賃金関係のコンサルティングをしているとよくいただく質問です。役職手当を割増賃金に充当できないということになると、企業経営に少なくないインパクトを与えることになるからです。今回はこの問題について、就業規則の書き方のポイントとあわせてみていきましょう。

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就業規則に記載がないままの変形労働時間制は要注意

オフィスのデスクでノートパソコンを広げる女性社員の指先。傍らに手帳とスマホが置かれている。

一カ月単位の変形労働時間制を職場で採用するときの要件は、就業規則に定めることです。

 

けれど就業規則に一カ月単位の変形労働時間制のことが書かれておらず、記載なしのままで実施されていて、しかも慣例的に長年にわたって行われている・・・また社員の方からも特に異議が上がっていない・・・。

このようにいわゆる労働慣行として変形労働時間制が実施されているケースも、時にはあることでしょう。

 

就業規則に記載がないまま実施してきた変形労働時間制に関して、次の2点についてご相談がよくあります。

 

  1. 労働慣行となっている変形労働時間制は適法か
  2. 1日8時間、1週40時間をオーバーした分の割増賃金はどうなるか

今回はこれらについて確認していきたいと思います。

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残業の自己申告制をうまくいかせるコツ

デスクの上の観葉植物を照らす太陽の光。傍らにノートとペン、コーヒーの入ったマグカップ。

事務職をはじめとするホワイトカラーの仕事は、その成果が必ずしも時間に比例するものではありません。ここが工場でものを製造する仕事とは異なる点でしょう。よって、もともと労働時間の厳格な管理になじまないという性質があります。

 

そのためホワイトカラーの職場では、残業時間の管理について「自己申告制」をとるケースがあります

けれどこの自己申告制という、残業時間を把握する方法について、

「自己申告制をとっているのはいいものなのか?」

「うちでやっているのは実は有効な方法ではないのでは?」

と、不安げな面持ちで質問をされる管理職の方も、実は多くいらっしゃいます。

 

そこで今回は、

  1. 残業の自己申告制は有効なものか?
  2. 自己申告制をスムーズに運用させるには?

この2点にフォーカスして、残業の自己申告制についてみていきたいと思います。

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出向社員の不安解消は会社の義務

日差しが差し込むデスク。ノートブックとペン、カップ&ソーサ―が並んでいる。

出向によって、賃金や休日、労働時間などの労働条件が変わることは考えられるシチュエーションです。

身近な例でいうと、今の会社(出向元)とは異なって土曜日も出勤しなければならないといったこともあるでしょう。

 

出向先での労働条件が出向元に比べて低下することが見込まれるとき、社員にとっては不安があるでしょうが、会社としては我慢してもらう・・・しかないのでしょうか。

そうすると、出向先での社員のモチベーションが落ちてしまうことが懸念されます

社員に出向を拒否されることになれば、事態はこじれる一方です。

 

こんなとき、社員の不安感を取り除いて出向先でもパフォーマンスを発揮してもらうために、会社はどのように対応するとよいのでしょうか

今回は、出向による労働条件の低下に対して会社が行うべき是正措置についてみていきたいと思います。

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法改正で年5日休むため会社と社員でやるべきこと、捨てること

積み重ねた書籍の上に載せられた小ぶりのピンクの花の鉢植えとコーヒーの入ったマグカップ。

このほどの労働基準法改正によって、年10日以上の年次有給休暇が付与される社員に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、会社が時季を指定して取得させることが必要となりました。なお、これに違反すると所要の罰則が科されます。

来年(2019年)4月からすべての企業において実施となり、中小企業も例外ではありません。

 

とはいえ年休取得をめぐっては、「自分が休むと仕事が回らない」「ただでさえ毎日残業なのに、休めば納期に間に合わない」「休んだ分だけ成果をあげるチャンスを逃す」といった社員さんの声が現場から聞こえてくるかもしれません。

 

仕事が増え続ける職場において、年休取得への不安感を捨ててしっかり休みながらも今までと変わらないもしくはそれ以上の結果を出すには、会社と社員の双方が意識を変えていく必要があります

 

そこで今回は、法改正の概要をみながら、年5日以上休むため会社と社員でやるべきこと、反対にやらずに捨てることについてみていくことにしましょう。

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社員の非行調査中に退職金を支払わないのはダメですか

青いリボンのギフト。お餞別。

10月も最終週、秋が深まっていよいよ冷え込んできました。気がつけば、今年も残り2か月あまりとなりました。

 

企業の総務・人事担当者さんから、「通常業務に加えて、年内に退職する社員の退職金の計算、年末調整などが待っているので、12月に向けて気が重いです(笑)」といったお話を伺う季節でもあります。

その話の流れでよく伺う質問に、次のようなものがあります。

 

「もし、退職する社員に、実は陰で会社が不利益を被るようなワルさをしているらしい、みたいな噂が社内でたって、会社として事実確認に乗り出すとします。事実確認の調査をしているうちに、その社員の退職日がきた場合、退職金は支払わないといけないものですか?」

 

退職金は退職社員にとって「先立つもの」なので、その支払いをめぐる問題が発生することも少なくありません。

 

そこで今回は、社員の非行調査中に退職金の支払いを見合わせることはできるのか、また無用な問題発生を回避するため就業規則に明記しておくべきことについてみていきたいと思います。

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転職オファー殺到のエース社員、引き抜きへの会社の対応は?

分かれ道が示されたアスファルトとスニーカーを履いた足元。

世の中のIT化によって、新しい仕事の枠が広がってきています。

たとえば自社のECサイトなどWebサービスの企画、Webサービスの問い合わせに対応するコールセンターの立ち上げ、IT対応オフィスの提案などがあります。そのため業界を問わず求人ニーズがあり、転職市場も活性化しているようです。

 

会社にとって中核的な業務をこなし、みんなの中心的役割をつとめるエース社員は他社にとっても欲しい人材であることは間違いありません。そこでエース社員が同業他社から好条件の処遇や重要ポストなどの転職オファーをもって「引き抜かれる」ケースも起こりがちです。

 

そこで、「就業規則で引き抜きによる転職を禁止することはできないのか?」とのご相談をいただくこともあります。

 

今回は、引く手あまたなエース社員の引き抜き転職を会社は果たして禁止することができるのか、会社のとるべき対応についてみていきたいと思います。

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振替休日は社員の指定で個別に取ってもいいですか?

仕事グッズが並べられたデスク。リング式ノート、眼鏡、ハット、Tシャツ、ノートパソコン、ペン、カメラ、ペン立て、スマホ、コーヒーの入ったマグカップ、スマホ、バッテリー。

 来年のGWは10連休となる見通しなので、ニュースなどで話題になっています。確かに1か月の3分の1がお休みになるのはインパクトがありますね。

 

休日といえば、振替休日にまつわる質問をとてもよくいただきます。ご質問で多いトピックには、

  1. 振替休日をいつにするかを社員が指定してもいいのか?
  2. 振替休日は会社一斉にとらないといけないのか?

といったものがあります。

前述のとおり、来年のGWは10連休となる見通しなので、たとえ随分前から仕事の段取りをつけていたとしても、突発的な何らかの事情で社員が出勤せざるを得ないこともあるかもしれませんよね。

 

そんなときにはどのように対応するとよいのでしょう。そこで今回は、上記の2点について確認していきたいと思います。

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2018/10/5「ヒトで会社を伸ばす社内体制の作り方~社員が生き生きと動く就業規則を作ろう~」講演

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

先週の金曜日10月5日に、京都商工会議所・宇城久区域商工会議所・商工会広域連携協議会の主催によるジョブカード制度普及推進セミナーで、講演をさせていただきました。

講演のテーマは「ヒトで会社を伸ばす社内体制の作り方~社員が生き生きと動く就業規則を作ろう~」です。

 

京都商工会議所(京都府地域ジョブ・カードセンター)さんのHPでも、開催レポートをアップされています。こちらからどうそ

 

社員がイキイキ自ら行動するようになると、そこには仕事の押し付け合い、やらされ感といったものは減り、本当の意味で生産性の高い働き方ができるようになります。

 

そんな職場には、世間的に人材争奪戦が繰り広げられる中であっても、「自分も仲間に加わってここで働きたい」と、本気で(仕事やプロジェクトに)取り組みたい人が集まってきます。

 

そうすると各人のエネルギーが掛け算になって、人数以上の効果を生み出すことも期待できます。

イキイキ働きたい人がたくさん集まった会社が成長しないわけはないのです。

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雇用契約の継続or中断でパートの年休日数はどう変わる?

窓際のデスクにノートパソコンとタブレットが並んでいる。ノートが広げられている。窓の外は緑がいっぱい。

人材活用の多様化を背景に、今や短時間勤務のパート社員の活用は、小売業やサービス業だけでなくさまざまな業種で広がっています。

 

パート社員にとっては家事や育児との両立のために、企業にとっては経営上の事情や業務量の減少などからパートの雇用契約を継続もしくはいったん中断と、柔軟な対応をとるケースも多いと思います。

 

そこで判断に迷うということで、よく質問をいただくのがパートの年休管理についてです。

  1. パート契約の「継続」とはどんな場合のことを言うのか?
  2. パート契約を「中断」したとき、付与日数はどうなるのか?

 

これらをよくよく考えると、そういえばこんな場合は・・・と、頭にクエスチョンマークが飛び交いませんか・・・?

下半期が始まる10月、パート契約の更新時期にもあたるこのタイミングに、先の2点についてぜひ確認しておきましょう

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妊娠した社員からの相談、会社はどう対応するべきか

チューリップの花束、コーヒーの入ったカップ&ソーサ―、ノートがテーブルに並んでいる

最近では、結婚・出産などのライフイベントを迎えても、働き続ける女性社員が多くなりました。

子育てと仕事の両立のため、会社として育児支援制度の充実に取り組まれているケースもあるでしょう。

 

妊娠した社員からこれからの働き方について相談があったとき、「業務が忙しくてバタバタするとやはり身体の負担も大きいだろう」との配慮から、就業時間や休みの面だけでなく仕事内容についても、負担の軽い仕事内容に変更してもらったほうがいいのではないか?と、悩まれる管理職の方もいらっしゃるかもしれません。

 

現場をマネジメントする立場であれば、妊娠した社員本人のやる気と体調を考えながら、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか

 

そこで今回は、女性社員から妊娠の報告を受けたとき、

  • 負担の軽い仕事への変更や人事異動(配転)
  • 妊娠の報告を受けたときの対応

これらについて、会社として留意すべき点を詳しくみていきましょう。

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グループ企業間の人事異動で気をつけたい出向と配転の違い

にぎやかなデスクの上。クロック時計、花びん、観葉植物、筆入れ、ペン、メモ書きなどが所狭しと並んでいる。

朝夕はようやく秋らしくしのぎやすい気候になりました。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋・・・と、いろんな楽しみが盛りだくさんの時季ですが、同時に転勤・人事異動のタイミングでもあります。

 

子会社・関連会社への技術指導や、また社員のスキルアップのために親会社から子会社へ人材を送り出すなど、グループ企業間で人事交流が行われている場合もあるでしょう。

 

「プロジェクト運営をはじめグループ企業同士で強いつながりがあるので、人事異動、人事交流をもっと行っていこうという流れにある。この際に転勤(配置転換)と出向の違いをちゃんと理解しておきたい」との質問をいただくこともあります。

 

確かに、グループ企業内の関係性が密接であると、本来出向として対応するべきなのに単なる転勤として取り扱ってしまうなど、出向と配転を混同してしまいがちです。そこで今回は、グループ企業内の人事異動における出向と配転の違いについて、確認していきたいと思います。

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徹夜で現場対応にあたるとき、労働時間をどうカウントする?

夕暮れ時の建築現場。足場が組まれている。

台風や大雪という悪天候時には、事業を継続させるための現場での対応が必要となってきます。突発的な災害の復旧や支援などの場合だけでなく、サーバー攻撃によるシステムダウンへの対応や大規模なリコールなどの場合も同様です。

 

事前に想定しえない事象の発生時には緊急対応の業務が増え、刻一刻と変わる状況のもと調査や情報伝達などが求められます。業務の停滞が許されない状況であると、夜通しで作業を行わなければならないこともあるかと思います。

 

そんな徹夜で現場対応にあたらなければならないとき、勤怠管理において労働時間をどうカウントすればいいのか?と取り扱いに迷われることはないでしょうか。

 

徹夜での継続勤務については、次の2パターンに分けて考えると、勤怠管理がスムーズになります

  1. 平日の朝から晩まで作業が続き、なおも翌日の始業開始時にまで及んだとき
  2. 前日の作業が長引いて翌日の法定休日に及んだとき

では、さっそく詳しくみていきましょう。

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仕事中デイトレードを行う社員にとるべき会社の対応とは

茶色のデスクの上にノートパソコンとタブレットが置かれている。

就業時間中に自分のデスクで、会社のパソコンを使ってデイトレードを行っている社員がどうやらいるらしい、との社内の噂を耳にした。

デイトレードを行うのは、午前中のほんの10分間程度のことだから会社にバレない、と吹聴しているらしい。

また、それなりの利益を出していると周囲に自慢しているそうだ。

就業時間中に、しかも会社のパソコンを使って株取引を行うなんて、相当な懲戒処分にあたるんじゃないのか?

とはいえ、噂が本当なのか確認をとって慎重に事に当たらなければ。

いったい会社としてどんな対応をとるべきなのか・・・

 

***

就業時間中に行われた株取引。もし、それが噂のとおり事実であるなら、懲戒処分を考えるべきなのか、またどの程度のものにするべきなのか。とるべき会社としての対応に迷われることもあるかもしれません。

そこで今回は、

  1. 就業時間中の株取引を会社はどう考えるか?
  2. 懲戒処分の程度をどう考える?

これら2点を通じて、会社の取るべき対応についてみていきたいと思います。

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「近代中小企業」9月号(2018年9月1日発行)に寄稿しました

「近代中小企業」9月号(2018年9月1日発行)の表紙

本日発行の、中小企業経営研究会「近代中小企業」9月号(2018年9月1日発行)に寄稿しました。

 

「近代中小企業」9月号では、「過去を振り返れば未来が見える『昭和・平成・次世代の仕事』として特集企画が組まれています。

 

技術進歩が目覚ましい平成時代ですら、新元号の未来では、昭和と同様に考え方が否定されてしまうものなのか。

時代変遷の考察と、あえて進化をしない仕事の魅力が紹介された内容となっています。

 

わたくし高島は、「社内行事・働き方・つながり・・・昭和スタイルで社員が伸びる」というタイトルで、4ページにわたって記事を書かせていただいています。

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会社が副業の勤務日数や労働時間を制限するのはダメですか?

カフェで仕事中の女性。コーヒーをお供にノートパソコンのキーボードを操作している。傍らにサングラス。

社員は、基本的には、労働時間以外のプライベート時間を自由に使うことができます。

そのため最近では、裁判例をみても副業自体を一方的に禁止することはできないとの考え方が主流を占めます。 

けれど、限りなく副業を認めた場合、オーバーワークで本業の最中に居眠りをしたり、集中力を欠いてミスを連発するなどの不都合が生じることがあります。

ライバル企業での副業によって重要な機密情報が漏えいすれば、会社に大きなダメージを与えることにだってなります。

 

コンサルティングをしていると、

「社員の健康面が心配なので、副業での勤務日数や労働時間をある程度制限したり、どんな仕事を副業にするのか、仕事内容や勤務先を届けてもらおうかと考えています。何か問題はありますか?」との質問をいただくこともあります。

そこで今回は、

  1. 副業に勤務日数や労働時間の制約を設けてもいいのか
  2. 副業の仕事内容などを会社に届け出てもらってもいいのか

について、詳しくみていきたいと思います。

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10/5(金)「ヒトを活かし企業を活性化するポイント~あらゆるビジネスチャンスはヒトを通してやってくる~」セミナーに登壇します

お知らせです。

 

10/5(金)15:00~16:30、文化パルク城陽にて開催される「ヒトを活かし企業を活性化するポイント~あらゆるビジネスチャンスはヒトを通してやってくる~」セミナーに、高島が登壇します。

 

京都商工会議所・宇城久区域商工会議所・商工会広域連携協議会の主催によるセミナーです。

 

「ヒトが生き生きと働くために必要な環境をどのようにして作り、いかに企業の持続的発展につなげるか」をメインテーマに、企業がジョブ・カード制度を利用するメリットについてお伝えすることを目的としています。

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仕事前の机ふき・湯茶準備で気をつけたい男女の扱いと労働時間

白磁の急須と茶器。日本茶が入っている。木のお盆。つつじの花。

毎朝、仕事が始まる前に女性社員がみんなのデスクの上を水拭きして、給茶機をセットしてお茶の準備をする・・・ひと昔前では見慣れた朝のオフィス風景かもしれません。

最近では次のような質問をいただくことがあります。

 

「なんとなく昔からの慣例で、以前は女性社員が始業時刻前に簡単な掃除をしたり、お茶の準備をしてくれていました。時代が変わって、男女差別ではないか、との声が聞こえてからはその習慣もなくなりました。そうすると今や、オフィスの机には書類の山が積み上がり、キャビネットの周りも文房具やらがとっ散らかっている状態で、なんとかしたいと思っています。今は、ハラスメントやコンプライアンスをきちんと考えておかないといけない時代なので、そのあたりを確認しておきたいのですが・・・」

 

このお話のなかでハラスメントやコンプライアンスの問題として、整理・確認しておくべきは次の2つです。

  1. 仕事前の机ふき・湯茶準備でハラスメントについて気をつけるべき点は?
  2. その時間は労働時間としてカウントするか?

今回は、これらをしっかりチェックしていきましょう。

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社員の届出ミスvs会社の支払い義務、諸手当の支給はどうなる?

自分のデスクでノートパソコンに向き合って作業する男性社員。

「届出を忘れていたので、要件に合致する手当をずっともらっていなかった。さかのぼって手当をもらえませんか?」

 

多くの企業では、就業規則(賃金規程)で家族手当や住宅手当、通勤手当をはじめとする諸手当の支給条件が規定されていると思います。支給条件に合致した場合には、社員が所定のフォーマットへ記入し、会社へ届出を行うことによって、会社は本人に手当を支払う・・・という流れが通常考えられます。

 

ところが、「こどもが生まれたのに、届出をしてこない社員が多くて。周りの社員のなんとなくの世間話や噂を聞いて、慌ててこちら(担当者)が本人に確認するんです・・・」

といった話もよくお聞きします。社員さんから冒頭のような申出があり、対応に戸惑った経験のある人事担当者の方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

担当者が気を回して本人に確認できたときはいいですが、毎度うまくいくとは限りません。もともと所定の届出を行わなかった社員本人に、落ち度があることは確かです。では、冒頭の例のように本人の届出ミスがあった場合、会社はさかのぼって手当を支給しなくていいのでしょうか?

今回はこのあたりについて詳しくみていきたいと思います。

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法内残業の命令を拒否する部下と仕事を抱え込むリーダー

オフィスの会議室の机で作業を行う男性社員。窓から太陽の光がまぶしく差し込んでいる。

最近の働き方改革の流れから、労働時間マネジメントに関するご相談をいただきます。

 

ある時刻以降の残業を禁止して次の始業時刻以前の勤務を認めない、といったいわゆる勤務間インターバルを設けるなど、健康、仕事、プライベートのバランスをうまくとれるよう知恵をしぼる職場もあることでしょう。

 

そんな長時間労働の見直し策が求められるなか、仕事の采配、スケジュールのやりくりに頭を悩ますチームリーダーもいるようです。

先日もある企業で、リーダー職の方からそのようなお話を伺いました。

 

「会社から労働時間短縮のお達しがあるのはわかっていますが、やらなくてはいけない仕事が終わらないのに帰ることはできません。チームメンバーに残業をお願いしても、いい顔をしてくれません。

早く帰りなさい、と会社からも言われているので強くも言えず、リーダーとして手一杯です・・・そもそもうちの会社は、所定労働時間が7時間なので、1時間残業しても他の企業とかわらないんじゃないかと思います。それなのに残業を嫌がるなんて、どうかと思います。

そのあたり法律的にどうなんですか?」

 

この話での法律的なポイントは、いわゆる法内残業の場合の、残業命令を拒否することに正当性はあるのかどうか、ということです。

今回はこのあたりについて詳しくみていきましょう。

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残業前の腹ごしらえは労働時間になるのか休憩時間か?

ピザが盛られたお皿。赤と白のチェック模様のテーブルクロス。唐辛子、トマト、たまねぎ、パプリカ。

朝から夕方までずっと仕事に没頭、気がつけばもう終業時刻。けれど今日は迫った納期のために残業だ。ああ、でも小腹がすいて仕事に集中できない。コンビニでパンでも買って腹ごしらえしよう・・・

 

みなさんの職場では、残業前にこのようなシチュエーションはみられませんか?

管理職や人事総務担当者の方々にとっては、この腹ごしらえの時間まで労働時間としてカウントするのか、それとも休憩時間として残業申請の時間から差し引くべきなのか、勤怠管理をするうえで対処に困ることもあるかもしれません。

 

残業前に小腹を満たしたい気持ちはとてもよくわかりますが、食べ物をつまむとホッとして、つい時間が過ぎてしまうのもよくあること。

それで帰る時間が遅くなるのなら、本末転倒ですよね。

仕事のメリハリをつけるためにも、労働時間なのか休憩時間なのか、線引きをきちんとしたほうが時間を有効に活用できそうです。

そこで今回は、残業前の夕食時間は労働時間とするのか、休憩時間として扱うのか、またその線引きはどうすればいいのかについて、みていきたいと思います。

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取れなかった年休への対応策―年休の積立制度とは

牛の貯金箱。ユーロ札が入れられている。

「うちの会社もようやく完全週休2日制に踏み切りました。休みが増えたのは社員にとってもいいと思うのですが、今後は年休を取るのが難しくなってしまって、どうしたらよいものか・・・。

いっそのこと、取れなかった年休を貯金みたいに積み立てることはできないものですかね?」

 

年休の取得率アップ、ましてや完全取得への道は遠くて悩ましい、とのご相談をいただくことがあります。

 

取れずじまいで年休の残日数がたくさん生じたり、かといって完全消化をめざして無理にでも年休を取得させようとすると、「じゃあ仕事が残ったままでもいいと言うんですか?!」と社員からの反論が・・・このような年休をめぐる課題、みなさんの職場ではありませんか?

 

特にいまの時季は夏休みもあるので、仕事を滞りなく進めることを考えると、さらに年休取得が難しくなる、といった事情もあるかもしれません。

 

このような問題への対応のひとつとして、「年休の積立制度」があります。

今回は、この年休の積立制度の内容や運用上の注意点などをみていくことにしましょう。

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仕事が終わってからの健康診断は残業代の対象?

赤と黄色のパプリカ。セロリのグリーン。健康的。

ここ一か月の間に地震や台風、局地的な豪雨が相次いで発生しました。雨が上がると今度は照り付けるような太陽の日差しで猛暑の日々・・・。会社としては、社員の健康管理がとても気にかかるところではないでしょうか。

 

社員の健康維持のために、会社には一定の健康診断を行う法律上の義務があります。この健康診断について、

 

「就業時間中に健康診断を受けることができる社員もいるのですが、業務の都合でどうしても時間外に受けたいという社員がいます。これは時間外労働として残業代の対象となるのでしょうか?残業代が出るなら、就業時間中は仕事をして、時間外に健康診断を受けたいと言い出す社員が出てきそうで、悩みます・・・」

 

とのご相談をいただくことがあります。

労働時間とは、社員が会社の指揮命令下のもとで仕事を行う、拘束された時間のこと。

とすれば健康診断は、残業代の対象になるかどうかの前に、そもそも労働時間としてカウントされるもの??との疑問も浮かんできませんか。

そこで今回は、健康診断義務にかかる法的な性質を踏まえながら、このあたりについて詳しくみていきたいと思います。

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ゲリラ豪雨で帰りが遅くなった社員の労働時間はどうなる?

どしゃぶりの雨でピンクのレインブーツと雨傘が濡れている。

夏になると、梅雨や台風の影響でしばしば大雨になります。

ゲリラ豪雨の影響で立ち往生となり、商品の配達に出かけた社員の帰社がいつもより遅く、終業時刻をとっくに過ぎていたとき。この場合、配達員の社員の労働時間をどうカウントすればいいのでしょうか。

 

このような、帰社が遅くなった社員の労働時間についての質問をよくいただきます。お聞きしていると、営業社員の事業場外みなし労働時間の場合と混同されていることも多いようです。

 

またゲリラ豪雨などではなく、会社に戻る途中で私用を済ませていたがためにどうやら遅くなったようだ・・・という場合はどうカウントするといいのか悩ましい・・・とのお話を伺うこともあります。

 

そこで今回は、

  • ゲリラ豪雨等による交通渋滞、交通事故、道に迷うなどで遅くなった場合
  • 配達や帰社の途中、私用やサボリで遅くなったと推定される場合

これらのケースで、配達担当の社員の労働時間をどうカウントするのかについて、みていきたいと思います。

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現場へ直行するときどこまで通勤、どこから労働時間?

ノートパソコン、観葉植物、カメラ、万年筆、眼鏡がデスクの上に並べられている。

前回の記事(「朝から応援勤務で他店舗へ行くのは出張?それとも通勤?」)では、朝に自宅から直接、他の店舗や事業場へ応援勤務に行くのは出張にあたるのか、それとも通勤時間にあたるのかについて詳しくみてきました。

これに関連して、「自宅から作業現場に直行直帰するような場合は、どのように考えるといいですか?」との質問もよくいただきます。

 

通常ならいったんオフィスに出勤して、上司の業務命令によって目的地へ出発するところですが、時間的なロスを省き効率的に仕事を進めることを考えて、自宅から上司の指示による目的地へ直接出かけるとき(またそこから自宅へ直帰するようなとき)

 

これはよくあるシチュエーションだと思いますが、いざどこまでが通勤時間でどこから労働時間なのかを考えると、判断に迷うところではないでしょうか。そこで今回は、よく質問をいただく

  1. 途中で集合して目的地へ行くとき
  2. 作業現場へ直行直帰するとき

いつものようにオフィスへ出勤しない、これらのシチュエーションで、「どこまでが通勤でどこから労働時間なのか?」について詳しくみていきたいと思います。

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朝から応援勤務で他店舗へ行くのは出張?それとも通勤?

坂道にある花屋さんの店舗。ピンクと白のストライプのファサード。

複数の店舗や事業所を運営している企業では、人手が足りないときや、緊急事態が発生したときには、臨時の対応を行わなければなりません。

社員にいつもの勤務先とは異なる場所へ応援勤務を命じて、駆けつけてもらわないといけないこともあると思います。

トラブル等ではなくても、遠隔地の現場へ作業に行く必要のある企業では、同様のシチュエーションが考えられるでしょう。

 

そんないつもと違う場所へ直接出勤するとき、そこまでの往復の移動時間は、「通勤時間」にあたるのか、「出張としての労働時間」にあたるのか、という質問をいただくことがあります。

 

特に「いつもと違う場所」が遠方にあると、社員さんに通常よりも早起きして自宅から出かけてもらわなければなりません。そこで、どのように勤怠管理をして、どんな説明をすれば社員に納得してもらえるのか・・・と悩まれているようです。

 

そこで今回は、朝に自宅から直接、他の店舗や事業場へ応援勤務に行くのは出張にあたるのか、それとも通勤時間にあたるのか、詳しくみていきたいと思います。

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研修・セミナーが労働時間になるとき、ならないとき

デスクの上に、花束、メモ帳とペン、ペーパーバック、眼鏡、ワッフルが添えられたカップ&ソーサ―が置かれている。

「これから社員には、スキルアップのためにうちの会社内部で企画したものだけではなくて、外部の機関が実施しているセミナーやビジネス・スクールにどんどん参加してもらおうと思っています。ただ、そのセミナー受講中は労働時間になるのですか、ならないのですか?」

 

今いる社員に能力をのびのび発揮してもらうため、セミナーや研修、講習の受講を企画・検討されることもあるでしょう。

 

そこで、社員が参加する研修や講習は、どんな内容のものでも労働時間になるのか、ならないのか、その判断のポイントを知りたい、との質問をよくいただきます。

 

また、終業時間後に実施されるセミナーであれば、残業代の支払いの有無など勤怠管理で頭を悩ませる、との声をお聞きすることもあります。

労働時間になるかどうか、判断のポイントは大きく分けて2つあります。

  • セミナーの内容(担当業務に関連するものなのか?)
  • 業務命令か否か(自由任意参加なのか?)

今回はこれらを詳しくみていきましょう。

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年休の利用目的を社員に書かせるのはダメですか?

デスクのうえのノートパソコン。眼鏡、コーヒーの入ったカップ&ソーサ。メモ帳とペン、スマホ、カメラ。

コンサルティングのなかで、総務人事担当の管理職の方から、次のような相談がありました。

 

「うちの会社では、社員が年休を取るときには、所属の部長にあてて申請用紙を提出することになっています。

申請用紙は以前から同じフォーマットを使っているのですが、気がかりな点がひとつあります。それは、年休の利用目的を社員に書かせる欄があることです。

たまに社員から『必ず書かないといけないのですか?』と質問されることもあるのですが、そもそも会社が年休の利用目的を聞いてもいいのでしょうか?

法律的にダメなのであれば、フォーマットを早く変更しないといけませんし・・・」

 

年次有給休暇の申請用紙における「利用目的」の記入欄。このような年休届のフォーマットを使われている会社もあるかもしれません。

利用目的の記載欄を設けること自体には、問題はありません。けれどその運用いかんでは、違法となることもあります。

今回は、年休の利用目的を社員に書かせてもいいのかどうかについて、詳しくみていきましょう。

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どのくらいの役職につくと管理職扱いになりますか

並んで出勤する男性管理職と女性管理職

会社組織において一定の管理監督的地位にある社員については、労働時間や休日・休憩等の適用が除外されるので、会社に残業代(割増賃金)の支払い義務はありません。

 

コンサルティングで企業の方とお話ししていると、

「A社では課長になると管理職扱いになって残業手当の支給がなくなるそうですが、B社では主任になると管理職扱いになると聞きます。管理職にあたる、あたらない、の基準がよくわかりません。一体どのくらいのポジションに就くと、管理職扱いになるのですか?」

といった質問をよくいただきます。

 

残業代等の支給の有無が判断される「一定の管理監督的地位」とは、その職務権限と実際の処遇によって決まることになります。

そこで今回は、

  • 労働時間等が適用除外される管理職とは?
  • 管理職にあたる、あたらない、の具体的な判断基準

これらについて詳しくみていきたいと思います。

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人事担当者が悩みがちな賃金実務のよくあるギモン

半円状に並んだ紫、桃、橙、緑、青、黄の6色のマーカーペン。

人事担当者にとって、毎月必ず発生する賃金実務。

給与計算もそのひとつですが、他部署の人からみると「誰にでもできるルーティンワーク」と思われがちなのかもしれません。

 

けれど、給与計算をはじめとする賃金実務は、実はそんなに単純な仕事ではありません。給与から控除される税金や保険料の知識も必要ですし、自社の賃金体系をしっかり把握しておかなければなりません

 

このように賃金実務は、決して単純作業などではなく、社員一人ひとりのコンディションをみるクリエイティブな仕事だと思います。

新年度からよりスムーズに業務を進めたい、ということでこのところ賃金実務にまつわる法律問題についてよく質問をいただきます。

よくいただくのが次のような内容です。

  • たとえば「19時03分」とタイムカードの打刻があれば、本当に1分単位で残業の計算をしないといけないですか?
  • 給与の振込先金融機関を会社が指定するのはダメですか?

残業計算が煩雑になる、振込先がたくさんあると手間がかかる、などどれも担当者の頭を悩ませる課題です。

また、会社のコスト面にも関わってきます。今回はこれらについて確認していきましょう。

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セクハラと誤解されない生理休暇への対応

デスクトップ型パソコン。傍らにカラフルな背表紙の洋書、白い花の鉢植え、スマホなどが並んでいる。

以前、女性の経営者からいわゆる生理休暇の取扱いについて質問をいただきました。その方の相談案件ではなくて、「先日の交流会で知り合いの男性経営者から、生理休暇の申請への対応に困っているそうでアドバイスを求められて。こういった内容はなかなか聞きにくいみたい。」とのことでした。

 

男性の経営者・管理職にとって、生理休暇に関する取扱いには戸惑いがある、もしくは何か触れてはいけないもの、などといった意識があるのでしょう。最近では、「セクハラとの誤解を受けないか?」「妙な空気が職場に漂わないか?」と伝え方に迷う男性経営者・管理職は多いかもしれません。

 

またコンサルティングをしていると、「他の会社では生理休暇を取る人なんているのですか?周りの人から特別な目で見られそうです」といった声を、参加者の女性社員さんから伺うこともあります。

 

女性からも男性からも何やらタブー視されがちな生理休暇の取扱い。それは、この制度自体をよく知らないがゆえのこともあるのではないでしょうか。そこで今回は、職場で誤解を生まない生理休暇の取扱いについてみていきたいと思います。

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就業時間中でもスマホを使いたい社員、禁止したい会社

ノートパソコン、スマホ、イヤホン、コーヒーの入ったカップ&ソーサ―

とあるメーカーB社さんでは、オフィスで仕事をしながら私物のスマートフォンを使用する社員が多くみられます。 

特に最近、Aさんはスマホの着信があるたびに席を離れることが多く、席にいるかと思いきやスマホを操作してLINEのやり取りをしている様子。それを見た課長はイライラを募らせています。

一方、Aさんにもなにやら事情があるようです。

 

【課長の思い】

Aさんは最近スマホばかりいじって落ち着きがない。普段は真面目に仕事をやっているので、みたところ仕事に遅れはないようだが・・・。注意指導したいところだが、スマホを職場で使っている社員は他にもいるし、なんせうちの部長がヘビーユーザーだ・・・。とはいえAさんの振る舞いをみて、スマホで頻繁に席をはずす社員が他にも出て来やしないか心配だ。どうすればいいのか?

 

【Aさんの思い】

私がスマホを持って席を立つたびに、課長の視線を感じる・・・申し訳ないなぁ。でもこの春、うちの子が小学校に入ったばかり。

学校でどんなことが起こったのか把握しておきたい。最近、通学路でちょっとした事件があったところで、ママ友同士の連絡のやりとりは欠かせない。いつもきちんと仕事をやっているので、今は大目にみてほしい。

 

プライベートな事情があって仕事中もスマホを使用したい社員勤務時間中は仕事に集中してもらうためにスマホの私用を禁止したい上司

みなさんのオフィスではこんな光景はありませんか?

こんなとき、会社としてどのような対応をとるといいのでしょうか。詳しくみていきましょう。

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連休明けの体調不良、そのとき休職ルールは万全ですか

朝食のテーブル。クロワッサン、いちご、コーヒー。傍らにスマホ。

ゴールデンウィークも明けて、5月からいよいよ新生活の本番ですね。とはいえ、4月からの新しい環境での緊張が緩まることで、連休明けに体調不良を訴える社員もいるかもしれません。

 

このゴールデンウィーク明けは毎年恒例の五月病シーズン。中には抑うつや無気力、不眠や疲労感などの症状から欠勤が続く社員に対して、メンタルヘルス不全を原因として会社が「休職」を命じるケースもあるでしょう。

 

会社としても休んで療養することで不調をリセットし、仕事に復帰してもらいたいところです。

そのため休職制度を設けている企業もあると思いますが、職場復帰だけでなく職場復帰後も継続して働いてもらうための対策を、会社として立てておく必要があります

そこで休職に関するルールについて、よくご相談いただくのは次のような内容です。

  • 復帰後にリハビリ勤務する社員の賃金をどう考えるといいのか?
  • 休職期間中の人材マネジメントをどう考えるといいのか?

今回は、これらを詳しくみていきましょう。

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労働時間の効率化で残業代が少なくなるのは不利益変更?

赤色の目覚まし時計、額縁、本、観葉植物の鉢植えが壁際に並べられている。

五月晴れの空が心地よいゴールデンウィーク前半ですね。まとまったお休みを設定している企業もあるかもしれません。

労働時間を社員が勤務する労働日数でみると、労働日数は休日数を決めることになります。

 

このように会社における労働時間制度とは、労働時間の配分を決める仕組みのことです。つまり、社員の働きによる労働力の「量」と「タイミング」を決めることになります。

社員にとっても、自分の生活のために使える時間を左右するので、業務の繁閑に応じた適正な労働時間の設定は、基本的に生活と仕事の両立のしやすさを決めるものといえます。

 

実は、コンサルティングをしていると、次のような質問をいただくことがあります。

 

「変形労働時間制の導入で労働時間の短縮につながるとはいえ、残業時間が減るとその分残業代も減りますよね。そこで社員から残業代が減るのは自分たちにとって不利益じゃないのか?との質問がありました。これは労働条件の不利益変更にあたるのでしょうか?」

 

労働力の需要の変動に応じて年間の労働時間の配分をあらかじめ決めておく変形労働時間制や、社員自身が仕事の進捗に応じて出勤時間を選ぶフレックスタイム制などの導入で効率良く働くことができる。けれど残業時間が減少すると、それに伴って残業代も減少するのは確かです。

 

そこで今回は、労働時間の合理化が進むことで、残業代が減少することは不利益変更にあたるのかどうかについてみていくことにしましょう。

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2タイプの在宅勤務を知っていますか?

ノートパソコンを広げながらカフェでコーヒーブレイク中。カーネーションとフリージアがテーブルに置かれている。

新年度のスタートを機会に、この4月から労働時間と勤務場所の柔軟化・多様化に乗り出した企業もみられます。

たとえば、フレックスタイム制や短時間勤務(労働時間)、サテライト・オフィスや在宅勤務制(勤務場所)などの導入です。

 

労働時間や勤務場所を選べるようになると、生活とのバランスを保つ働き方を希望する社員のニーズに対応できますし、時間や場所に制約があって、働きたくても働けなかった人たちにも働き手となってもらいやすくなります。社員だけでなく企業にとっても、潜在的な労働力を掘り起こすというメリットがあります。そのため導入を検討中の企業も多いかもしれません。

 

そんな労働時間と勤務場所の柔軟化・多様化について、コンサルティングのなかで、「在宅勤務になると社員としての身分はなくなり、いわゆるフリーランスになるのですか?」との質問をいただくことがあります。

実は、在宅勤務には次のように2つのタイプの就業形態があります。

  1. 在宅雇用
  2. 在宅就業

似たような言葉で、どこがどう違うんだ?と思われるかもしれません。今回は、この在宅勤務の2パターンの違いについて確認していきましょう。

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名刺やポイント還元は会社vs社員どちらのもの?

オフィスの談話室。グレーと赤のソファ。テーブルに観葉植物と2冊の本が並んでいる。

4月も半ばを過ぎて、そろそろ新しい環境に馴染んできたのではないでしょうか。オフィスでも新入社員が配属されて、いろいろ試行錯誤の日々もようやく落ち着いてきたころですね。

 

新入社員から質問攻めにあったけれど、うまく答えることができなかった・・・ということもあるかもしれません。こんな質問にはどう答えると良かったのか?とは、この季節によくいただくご相談です。 

返答に困った例として、よくお聞きするのが次のような内容です。

  • 名刺は本人が持つものなのに、肩書は自分で決めることができないのか?
  • 仕事で物品を購入した際、お店のポイント特典を自分のものにしてはいけないのか?

会社に入社したということは、その会社の社員の地位を得たということです。ですから、会社と社員との間にはいろいろな法律関係が発生することになります。そこで日常の仕事をやっていくなかで、「これは会社のものなのか、それとも本人(社員)のものなのか?」と、ふと判断に迷うのはありえることだと思います。

そこで今回は、会社と社員の関係性に着目して、名刺やポイント還元は会社のものか、それとも社員のものなのかについて、詳しくみていくことにしましょう。

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職場をぎくしゃくさせない懲戒処分への対応

打合せのデスクの様子。社員4人分のそれぞれのビジネスツールがデスクに広げられている。資料、スマートフォン、タブレット、コーヒーの入ったマグカップ。

部下をもつ人は、仕事の現場で直接メンバーを指揮するので、日頃から人材マネジメントも任されることになります。

 

ですから、部下をもつ人には、会社の業績を伸ばすために努力やチャレンジを促すよう、部下を教育・指導することが求められます。そうした上司の活動のひとつに、信賞必罰としてのペナルティー(懲戒処分)があります。

 

そこで、ペナルティーに関する知識を備えておくことが大切です。人材マネジメントにおいて必要な法律上の知識がないために不適切な対応をとってしまい、その結果、職場の人間関係がぎくしゃくする・・・というのはとても残念ですよね。

また、そもそもペナルティーは教育的指導として行うもの。本人のプライバシーにも配慮しなければなりません。

そこで今回は、

  • そもそもペナルティー(懲戒処分)とはどういうこと?
  • ペナルティー(懲戒処分)の公表とプライバシーをどう考えるか?

これらについて詳しくみていきたいと思います。                                                        

新年度もスタートしたばかりです。せっかくの前向きなムードを維持するために、職場の人間関係をぎくしゃくさせないペナルティーへの対応について確認しておきましょう。

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ハラスメントにならない人事評価のポイント

オフィスの窓辺。鉢植えの観葉植物が並んでいる。

4月に入り、色とりどりの花々も咲き始めて、なんとなく気持ちまでウキウキしますね。

 オフィスではフレッシュな新入社員に刺激を受けつつも、部下をもつ人は身の引きしまる思いをされていることでしょう。

最近は、従来のような管理職でなくとも「チームリーダー」といった肩書で部下をもち、人材マネジメントを行う人が増えてきています。

 

そのため、部下をもつにあたって必要な法律上の知識を身に付けさせたい、基本的な事項を押さえてもらいたい、と経営者の方から伺うこともあります。

部下をマネジメントする立場になると、部下の人事評価を行う機会も多くなりますが、知識が足りないためにいわゆるセクハラやパワハラ、マタハラとなってはいけないから、とのことでした。

 

そこで今回は、ハラスメントにならない人事評価のポイントとして、次の3点をみていきたいと思います。

  1. 人事評価を正しく行うための条件
  2. 部下の年休をどう取り扱うか?
  3. 妊娠、出産した社員への対応

しっかり確認して、すっきり新しい年度のスタートをきりましょう!

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国民の祝日に社員を出勤させてもいいですか?

オレンジのガーベラや小手毬の花が活けられた休日のテーブル。紅茶の入ったカップ&ソーサ。ケーキの載った皿。

3月後半に入っても寒の戻りで着る服に迷う日が続きましたが、春分の日を過ぎてようやく春らしい陽気になりました。

 

さて、春分の日は国民の祝日のひとつですが、「春分の日も社員に出勤してもらわないと、年度末の納期に間に合わない状況です。でも祝日を休日にしないで、出勤させてもいいのでしょうか?」との、まさにこの記事タイトルにあたる質問を以前いただいたことがあります。

 

祝日の取り扱いをどうすればいいのか、判断に迷うケースは実際によくあるかもしれません。

そこでよくいただく質問内容をもとに、祝日、また似たケースとして会社独自の特別休日(創立記念日など)の取り扱いについて整理してみましょう。

  1. 国民の祝日を必ず休日にしないといけない?
  2. 国民の祝日に出勤させると割増賃金はどうなる?
  3. 会社独自の特別休日(創立記念日など)に届出は必要か?

今回は、これらについて詳しくみていきたいと思います。よくよく考えてみると、間もなくの(少し気が早い?)ゴールデンウィークには、国民の祝日が続きますよね。この機会にぜひ確認しておきましょう。

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新入社員への指導がパワハラにならないか心配です

真心のハートを運ぶ車のクレイ模型がデスク上に載っている。その背面に観葉植物のグリーンが爽やかさを添えている。

新年度のスタートを目前に、新入社員の受け入れ準備で忙しい時季ですね。この季節によくいただくのが、「新入社員への指導がパワハラと受け取られないか、不安感がある」というご相談です。

 

上司や先輩社員は、単に部下へ業務命令をすればよいというものではありません。就業規則を守ってコンプライアンスにかなった命令を出し、職場を円滑にマネジメントする責任と義務があります。

 

また企業社会での通念としても、部下を持つ社員には、新人や後輩社員へ職場における仕事のやり方、職場のルールやマナーについて指導・教育することが求められています。

 

ですから部下のモチベーションを落とさないよう、どんな言動がパワーハラスメントとなるのか、事前に把握しておきたいと思われる管理職、マネジャーやリーダーの方がたくさんいらっしゃるのだと思います。

 

そこで今回は、

  1. なぜ会社がパワハラ対策をしないといけないのか
  2. どこまでが教育指導でどこからがパワハラになるのか
  3. どんな言動がパワハラになるのか

これらについて確認していきましょう。

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新年度の準備で気をつけたいパートの年休管理

満開の桜。太陽の光が差し込んでいる。

3月も折り返し地点に差し掛かりました。いよいよ新年度の準備で、総務・人事部門においては大忙しの毎日ではないでしょうか。

 

特にたくさんのパートタイマーが働くオフィスでは、契約更新の手続きが大変、との声をよく伺います。

新年度からの勤務体制や本人の私生活とのバランスを考慮したうえで、勤務日数を変更することもあるでしょう。

 

週所定労働時間が30時間未満のパートタイマーの年次有給休暇の日数は、その勤務日数(週所定労働日数)に応じて比例付与されます

ですから契約変更があると、年休管理に煩雑さを感じられることも多いようです。

 

そこでパートの年休管理について、質問をいただくことがあります。

よくいただく質問の内容は次の2点です。

  1. パートが年休で1日休むと当然「有給」となるが、いくら払うべきなのか、またその計算根拠は?
  2. 新年度の契約を更新するにあたって、パートの週の勤務日数を変更した場合、年休をいくら付与するといいのか?

今回はこれらを詳しくみていきましょう。

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休日の接待ゴルフは休日労働?単なるプレー?

グリーンに載ったゴルフボール。パターとゴルフシューズ。

長かった冬が終わり、春らしい暖かな陽気に誘われて、お出掛け気分も高まります。

そんな春は、ゴルフのベストシーズンなのだそうですね。

 

たとえば休日に、取引先との接待ゴルフ大会が開催されることもあるかもしれません。

日本の企業社会において、いわゆる社用ゴルフは、取引先との関係性をスムーズにする社交として慣行になっています。

 

実際にこの場が、新規得意先を開拓したり、受注アップなどの販売促進や営業取引の継続など、ビジネスにおける重要な役割を果たしている面もあるでしょう。

 

 

「ゴルフコンペ開催の費用は、会社の交際費として会社側が負担している。だからそのコンペが休日に行われた場合、休日労働になるのでは?」

 

このような質問を、今の季節になるとよくいただきます。

そこで今回は、休日に開催される接待ゴルフ大会に参加するとき、労働時間にカウントされるのかどうかについてみていきましょう。

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休日の社内行事が労働時間になる人、ならない人

テニスコート。プレー中の女性。

日差しが和らぎ、ようやく春の兆しが感じられる今日この頃です。

経営計画発表会やキックオフミーティングを兼ねて、春に社員旅行などのレクリエーションを計画されるエピソードを、お伺いすることがあります。

 

業務上スケジュールを調整していると、これらの社内行事を休日に開催せざるを得ないこともあるでしょう。

そこで次のような質問をいただきます。

「全員参加としたいのですが、休日に行事を実施するとこれも休日労働になるのですか?」

 

つまるところ、社内行事は労働時間としてカウントされるのか?それともされないのか?ということに行きつきますが、その判断には、次の3点がポイントになります。

  1. 仕事と認められるものなのか
  2. 単に参加するだけなのか
  3. 準備、運営、後始末などを担当するのか

今回は、それぞれについて詳しくみていきましょう。

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2018/02/22「会社が伸びる就業規則と採用コンセプトの作り方」講演

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

先日、共創の会さま主催の異業種交流会で、基調講演をさせていただきました。

講演のテーマは「ヒトで会社を伸ばす!~会社が伸びる就業規則と採用コンセプトの作り方~」です。

 

就業規則や人事制度のコンサルティングをしていると、業種や規模を問わず、あらゆる企業にとって人材は欠かすことができない大切な要素だな、といつも思います。

商品を作ったり、取引先を開拓したり、いろいろなビジネスチャンスやご縁も人を通じてやってきます。経営にかかわるリソースとして「ヒト・モノ・カネ」と言いますが、この順番が大切です。

けれど今は、人材不足に悩む企業も増えています。


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終業後のミーティングや飲みニケーションは労働時間?

ガラスのグラスが2つ並んでいる。

2月も折り返し地点を過ぎ、年度末が近づいてきました。

今季の目標達成に向けて、終業時刻後に振り返りのミーティングが行われる様子もオフィスで見られるのではないでしょうか。

 

このように「反省会」「懇談会」「会議」などいろいろなネーミングによる会合で、社員が職場に居残ってディスカッションするといったことは通常よくあると思います。

 

けれどそれらにかかる勤怠管理を考えると、

「どちらかというと、自主的な打ち合わせに近い雰囲気だ」

「会議はいつもお菓子を食べながら、まったりと進行する」

など、よくよく振り返ってみると、終業後のこれらの活動は労働時間にあたるのか?と、判断に迷うことはありませんか。

 

またこれらの活動が終わったあとに懇親会が開かれるのもよくあるケース。これは労働時間になるのか?、それでは得意先の接待の場合はどうなるのか?・・・考え出すとますますわからなくなってきますよね。そこで今回は、

  1. 終業後の打ち合わせやミーティングは労働時間になるのか?
  2. 接待や宴会をはじめ終業後のいわゆる飲みニケーションは労働時間になるのか?

この2点について整理していきましょう。

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2018/02/07「上司と自分のワークスタイルを理解して関係性を築く方法」講演

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

先日、関西文化学術研究都市推進機構さま主催の、若手研究者交流会で講演させていただきました。

講演テーマは「上司と自分のワークスタイルを理解して関係性を築く方法」です。

 

普段、就業規則や人事制度のコンサルティングを通じて、社員のチカラを育て、会社を伸ばす仕組みづくりのサポートをしていますが、多くのケースで上司と部下の関係性がポイントになることを痛感します。

 

職場の仕組みづくり、というと法律やシステム運用といった面だけにフォーカスされることが多いかもしれません。

けれど実は、これらだけを扱っていてもなかなかスムーズに問題が解決しないのもよくある話です。


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紹介採用で社員にインセンティブを与えるときの注意点

白のデスクに広げられた資料の雑誌。観葉植物。

大手企業ではAIやIoTの導入で業務の効率化を進める動きがあり、それを受けてIT技術者の求人も増加傾向にあるようです。専門分野に詳しい即戦力を獲得するため、企業の規模を問わず採用競争は厳しくなりそうですね。

 

人手不足の時代、IT人材に限らず人材確保に頭を悩ますケースは多いかもしれません。

そこで採用方法を広げるために、社員が自分の知人や友人を紹介する「紹介採用(リファラル採用)」を検討する企業もみられます

 

会社としては何とかして人材を確保したいので、協力してくれた社員にインセンティブを与えて紹介採用を促進したい思いがあるかもしれません

 

けれど何をもってインセンティブにするといいのか、またそれは法律に適っているのか、判断に迷うこともあるのではないでしょうか。

今回は、紹介採用に協力してくれた社員へのインセンティブについて、実務上注意しておくべき点を確認していきましょう。

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社員が在宅勤務を選んだときの労働時間マネジメント

自宅の部屋。アンティーク調の椅子にひざ掛けがかかっている。観葉植物が癒し。

記録的な大雪から、列車や車の立ち往生が各地でみられますね。

鉄道ダイヤが乱れると、通勤ラッシュに影響が出ることもあるかもしれません。

 

交通機関の混雑で通勤への支障が予想されるとき、オフィスへ出勤せずに、自宅で仕事をする「在宅勤務」の制度があるといい、と考える企業も増えてきているようです。

大雪や台風のとき、また家庭や業務の事情など、都合に応じて勤務先へ行かずに働ける選択ができれば、時間を有効活用でき、非常時でも仕事を継続できるなど、社員と企業の双方に大きなメリットがあります。

 

とは言え、在宅勤務をはじめとするテレワークを導入するには、セキュリティや労務管理の面でハードルが高いと思われることも多いのではないでしょうか。

最近、「テレワークでの情報漏洩に備える損害保険」がプレスリリースされていましたが、働き方改革推進の流れを受けて、多方面から対策が進むかもしれませんね。

 

そこで今回は、テレワークにおける在宅勤務の労務管理、特に頭を悩ませがちな労働時間マネジメントについて、詳しくみていきたいと思います。

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社員が体調不良で休むとき問われる会社の対応

お皿に盛られた輪切りのレモン。水色のテーブルクロス。

強い寒波の影響で、厳しい冷え込みが続く毎日ですね。

 

冷えや乾燥、室内外の寒暖差から体調を崩す社員が出てくるかもしれません。具合が悪いまま仕事をしていると普段よりもパフォーマンスは落ちますし、何より本人の健康状態が心配です。

休んでしっかり体調を整えてもらいたいところですよね。

 

けれど次のようなとき、会社としてどんな取り扱いをしてよいのか迷う、とのご相談を受けることがあります。

  • 病気で欠勤した社員が、後日年休に振り替えたいと申し出てきた。必ず聞いてあげないといけないのか?
  • 体調が良くなったので、午後から出社してきてさらに残業する社員。残業代の支払いはどう考えるといいのか?
  • 休んでいる社員を会社に呼び出さなければならない緊急事態が発生。果たして呼び出していいものなのか?

今回はこれらのように、社員が体調不良で休むとき会社のとるべき対応について確認していきたいと思います。

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出張中はどこまで労働時間にカウントするか?

黄色の落ち葉の上の旅行カバン。ポラロイドカメラとデジタルカメラ。

年明け早々、取引先へ新年のあいさつ回りを兼ねて、遠方へ出張に出かける機会も多いかもしれません。

 

出張期間は会社の業務命令に基づくものであっても、法律上の労働時間という観点からみると、「拘束時間=労働時間」とは一概にいえません

オフィス内で仕事をしている時のように、上司が直接的に労働時間マネジメントをできる状況にはなく、会社の業務命令による拘束時間とはいえ抽象的なものだからです。たとえば新幹線の座席で小説を読んだり、ウトウト居眠りをしたり、駅弁を食べたりすることは普通に想像できるシチュエーションですよね。

 

けれど、これらは果たして労働時間と言えるのだろうか・・・と考え出すと、頭の中でクエスチョンマークが飛び交いませんか?

特に出張中の勤怠管理や残業計算で「どこまでが労働時間?」と、頭を悩ませることはありませんか?

実際に次のような質問をいただくこともあります。

  • 出張の往復で新幹線や飛行機に乗っている時間は、労働時間なのか?
  • 出張期間中の休日はどう対応すればいいのか?
  • 休日に出張の場合は休日労働になるのか?

今回は、これらについて詳しくみていくことにしましょう。

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残業命令VS社員のプライベート、優先されるのはどっち?

バカンスの麦わら帽子。青字の模様のバンダナ。

2018年の幕が開けました。今日あたりから、本格的に仕事を開始される会社さんも多いのではないでしょうか。

その分年末年始のスケジュールがタイトで、仕事納めまで忙しい日々を送られていたかもしれませんね。

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そんな仕事が目いっぱい詰まった、とあるメーカーのA社さん。そこへ取引先から緊急のオーダーが入りました。残業で対応すれば、なんとか先方の要望に応えることができそうです。

そこで営業課長がある社員に残業を指示したところ、「仕事帰りに空港で家族と待ち合わせして、今夜の便で海外旅行に行くんです。だから残業は無理です。」とのこと。「お先に失礼します!」と終業時刻と同時に、笑顔で退社してしまいました。

 

当社の就業規則には、「社員は、業務命令として、所定外労働及び休日出勤を命じられたときは、正当な理由なくこれを拒否することはできない」とあります。「就業規則に書いてあるのに!仕事を残してさっさと帰るなんて!本来なら懲戒処分にあたるんじゃないのか?!」と、緊急の仕事を前に課長は渋い顔です。

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さてこんなとき、残業命令と社員の私用はどちらが優先されるのでしょうか。また社員の主張する「海外旅行」は、就業規則に規定される「正当な理由」にあたり、残業を拒否できるのでしょうか。それとも懲戒処分の対象となるのでしょうか

次から詳しく見ていきましょう。

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賃金の見直しは諸手当のチェックから始まる

ボードゲーム。紫、緑、黄、赤の駒。

多くの企業では、月給が基本給と諸手当で構成されているのではないでしょうか。そこで賃金がテーマのコンサルティングでは、制度自体を見直すときは、まず手当についてチェックすることをお勧めしています

 

なぜなら、手当の目的や意義がよくわからないまま「昔から出しているのでなんとなく」支給しているケースも多く、それらを整理してから基本給の検討を進めるほうが、スムーズに制度を見直せるからです。

 

また、世間では同一労働同一賃金の議論が高まっており、「なぜその手当を(正社員に、あるいはパートに)支払うのか」と、正社員とパートの諸手当のあり方を吟味しなければならないときが来ています。

 

近年の人材マネジメントの傾向としては、生計補助的な意味合いのある家族手当や住宅手当などはできるだけ廃止する方向にあります。けれど一方で、会社が社員の生活のことを考慮している、という手当の持つメッセージ性が損なわれる点も考えなければなりません。そこで今回は、賃金制度を見直すときのファーストステップとして、

  • 手当を支給する目的や意義を再確認し、
  • それらをよく検討した結果として手当をやめるとしたら、
  • どんなことに気を付けなければいけないのか?

について、確認していきたいと思います。

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新しい賃金制度へ移行するステップ

芝生のグリーンに舗装された道を歩く男性。ジーンズと革靴の足元。

人事制度(人事評価と賃金制度)を刷新したいとは考えているものの、今の体制から新しい制度へうまく移行できるのか心配だ

給料が上がる人はうれしいかもしれないが、反対に下がる人に対してどう対応すればいいのか。社員のみんなは果たして納得してくれるのか。

クリアしなければならない問題を考えると、うちの会社が制度を新しくするのはハードルが高いことなのだろうか、と考えてしまう。

 

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人事制度を新しく改定するとき、こんな不安はありませんか?

コンサルティングをしていると、実はこのようなお声をよく耳にします。特に賃金は人材マネジメントの中核となるものであり、どのように扱うかで会社の成長に大きくかかわってきます

 

 人が日常生活を送るうえでお金は必ず必要なものなので、社員のやる気に少なくない影響を与えるからです。社員に理解してもらえるよう、丁寧かつ迅速な対応が求められます。そこで今回は、新しく構築した賃金制度へ移行する3つの手順についてみていきましょう。

  1. 新しい資格等級へ移行する
  2. 新しい給料へ移行する
  3. 法律的な条件をクリアする

みなさんの新しい制度に対する、不安のハードルが下がるヒントになればと思います。

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課題がわかる賃金分析の3つのポイント

鉢植えから芽生えた若葉。

自社に合った賃金制度をつくりたい、と経営者の方からよくお伺いします。とは言っても、今の制度にどんな問題や課題があるのか具体的にはわからない。だからどういった制度が自社には合って、合わないのか、何を基準に見極めるといいのか・・・などと思案されていることも多いようです。

 

そこでまずは自社の賃金実態がどうなっているかを把握することから始めてみましょう。月給、賞与、年収総額について、年齢や役職、人事評価などの観点から詳しくみてみると、どんなことがネックとなっているのか、検討しなければならない問題や課題に気付くことができます。

 

では、現状の賃金実態をつかむための分析ポイントを、詳しくみていきましょう。ポイントは大きく分けて次の3つです。

  1. 世間水準と比較してみる
  2. 人事評価や役職に見合っているか確認する
  3. モデル賃金を設定してみる

これらを確認するプロセスで、自社に合った賃金制度のカタチが見えてくると思います。

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経営者が知っておきたい賞与の話

ブルーのリボンのかかったギフトの包み。

今年も残すところ1か月あまりとなりました。12月といえば冬のボーナス、賞与の支給日を間近に控えた企業も多いのではないでしょうか。

 

年収は月給と賞与によって決まりますし、年収に占める賞与のボリュームは大きいもの。企業にしては、賞与には会社の業績をみながら総額人件費の管理を行うとともに、社員の年収も管理する機能があります

 

社員の年収管理で大きな役割を持つ賞与ですが、

 「年俸制にすると、賞与を調整弁にして年収管理するわけにはいかないですよね?」

 との質問をいただくことがあります。

 

そこで今回は、年俸制における場合も含めて、賞与と年収管理の関係について詳しくみていきたいと思います。実は、賞与と年収管理の関係に着目することで、賃金制度の現状課題を見つけることもできるのです。

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資格等級と月給をどうリンクさせる?

紺の腕時計、スマホ、ペン、キーボード、マウス、手帳。

人事制度を整備するとき、資格等級にもとづいて社員それぞれの月給を決めるにはどうすればいいのか、そんなご相談をよくいただきます。

 

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これからの人材マネジメントのトレンドは、職務や役割を基軸にしたものになっていく、ということはわかりました。貢献度のレベルが近い社員を集めてグループにしたものが、「資格等級」なんですね。資格等級のつくり方のイメージも大枠はつかめました。この資格等級にもとづいて賃金を決定する。そのためには、今いる社員を資格等級に当てはめないといけないですよね。これが、どう当てはめていいのかわかりません。今すでに担当してやってもらっている仕事もあることですし・・・。

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せっかく作った資格等級も結局活用できないままになってしまうのでは、との不安もよくお聞きします。

そこで今回は、資格等級にもとづいて月給を決めるには、具体的にどのようにするといいのかをみていきたいと思います。

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月給を決めるとき考えたいポイントとは

青空のもとのバスケットボールゴール。

賃金制度のコンサルティングをしていると、「どんなことに気を付けて、社員の月給を決めるといいのですか?」との質問をいただきます。

 

まず会社として考えるべきは、「その人件費は適正かどうか」ということです。つまり目標とする利益(もしくはせめて赤字にならない)をしっかりと出せて、企業の支払い能力に合っているどうかを検討する必要があります。

 

このことをお伝えすると、続いて次のようなことを伺います。

「適正な人件費を考えるということですね。そうやって昇給額を考えていくと、若手社員の昇給水準をどうしても低く抑えないといけませんよね。採用時の賃金設定に悩みます。」

 

社員の役割や貢献度に見合った賃金を決定することが、これからのトレンドであるしても、若手社員やベテラン社員の月給を考えるとき、場合によっては、年齢や勤続年数についての「オプション」を検討してみてもいいかもしれません。

では、次から詳しくみていきましょう。

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