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休職中の社員はどのくらいまで回復すると職場復帰になるか?

ラグのうえに置かれたパソコンのキーボード、コーヒーの入ったマグカップ。ページが開かれた白紙のノートとボールペン。クッション。観葉植物のグリーン。

休職とは、社員側の事情により業務に従事することが「できない」または「不適当な事由」が生じた場合に、社員との労働契約関係を維持しながら、会社が一定期間の就労義務を免除する処分のことをいいます。

 

長期にわたって正常な勤務ができないのであれば、本来なら直ちに普通解雇事由にあたるところを、退職を猶予して休職期間に傷病が回復することを待って、社員を保護することが目的です。(社員には解雇を猶予される代わりに、療養に専念する義務があるといえます。)

 

ただ問題となるのは、休職期間が満了したときの社員の回復状況です。無理な職場復帰によって、症状が悪化することにでもなれば、元も子もありません。

 

そこで今回は、会社として社員がどの程度の状態まで回復すれば復職できると判断するべきなのか、詳しく確認していきたいと思います。

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職種限定の採用でなければどんな部署への異動もOK?

便箋と銀の万年筆。コーヒーの入ったカップ&ソーサ。ピンクのデイジーの花。

特に職種を限定せずに採用した場合、入社後はどんな部署や職種にでも異動させても問題ないでしょうか。入社してから“そんなこと聞いてなかった”“思っていたのと違う”と言われるのも採用担当としてツライので・・・」

 

今年は、新型コロナウィルスの影響で採用計画を大幅に変更せざるを得ず、冬の訪れを感じるこのごろになっても、採用活動を積極的に行っている企業もあるでしょう。

 

入社後の社員の配置転換にまつわるご相談は、通常でもよくいただきますが、特にいまは対面での採用活動が難しいので、企業説明に苦慮する場面もあるのではないでしょうか。なんとなくの雰囲気や、あいまいな言い回しでは誤解を招きかねないので、きちんと説明の根拠を事前に把握しておきたい、とのお声を伺うこともあります。

 

そこで今回は、特に職種を限定せずに採用した場合であれば、どのような部署、職種への異動命令も認められるのかどうか、詳しく確認していきたいと思います。

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営業車でのセールスや営業日報の作成はみなし労働時間制になる?

手のひらサイズのメモ帳のわきに並べられた色鉛筆。黄色、黄緑、オレンジ。おもちゃのミニカー。

うちの会社の営業部では、会社の営業車を使って取引先を訪問している。1日の予定業務が終わってからは会社に戻り、営業日報を作成して上司に報告するのがお決まりとなっている。

営業社員はみなし労働時間制の対象となっているものの、この状況では労働時間をカウントできるのでは・・・?実は、みなし規定の適用を受けないのではないだろうか??

 

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オフィス外での仕事では、何時から何時までが休憩時間なのか、手待ち時間なのか、といったことが具体的には把握できません。そのため事業場外において行う仕事であって、実労働時間がつかめない場合には、会社からあらかじめ別段の指示がない限り、「通常の労働時間働いたものとみなして処理する」というみなし制が認められています

 

とはいえ、冒頭のような例はよくあるシチュエーションであり、判断に迷うところではないでしょうか。

そこで今回は、営業社員のタイムマネジメントについて、会社の営業車を使っての営業活動や営業結果の報告の義務付けがみなし労働時間制の対象になるのかどうか、詳しく確認していきたいと思います。

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出勤率8割で年休発生―休んでも出勤扱いになるのはどんな日?

パソコンのキーボードの前に置かれたかじりかけのドーナッツの皿。コーヒーの入ったマグカップ。マスキングテープ。カスミソウ。

「生理休暇で休んだ日は、法律では出勤扱いにならないそうですが、うちの会社では出勤扱いになると聞きました。それはホントウですか?」

 

労基法では、所定期間内の全労働日における8割以上の出勤率を年休取得の要件としています。

そこで部下や後輩から、このような年休の付与条件にかかわる質問をされたとき、あなたは経営者・上司・先輩として、彼ら・彼女らがきちんと納得するよう答えることができるでしょうか?

 

そのため、会社としては法律上の年休付与の出勤率を計算するにあたって、出勤とみなされる日、全労働日から除外される日をきちんと把握しておく必要があります

 

冒頭の質問内容でいうと、いわゆる生理休暇で休んだ期間について、労基法上では出勤したものとはみなされません。ただし、当事者(会社と社員)の合意によって出勤したものとみなすことは差し支えありません

そこで今回は、法律上の年休計算にあたって出勤とみなされる日とはどんな日なのか、詳しく確認していきたいと思います。

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「近代中小企業」11月号(2020年11月1日発行)に寄稿しました

「近代中小企業」11月号(2020年11月1日発行)表紙

本日11月1日発行の、「近代中小企業」11月号(2020年11月1日発行)に寄稿しました。

 

「近代中小企業」11月号では、「今、社員を守るための方策」とのテーマで特集企画が組まれています。

 

今般のコロナ禍により、テレワークなど働き方に大きな変革がもたらされました。また、集客減から事業所を休業したケースもみられます。

家賃、人件費などの固定費の支出が続いて、経営に大きな影を落としている企業も少なくありません。

 

しかし、このような時だからこそ新たな視点の福利厚生などで、社員の支援や雇用事業者としての義務を実行する必要があり、その方策や対策を考えてみましょう、という内容になっています。

 

わたくし高島は、「ウィズコロナの通勤事情!出勤の選択肢を増やす施策」というタイトルで4ページにわたって記事を書かせていただいています。

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なぜ会社は社員の労働時間を把握しなければダメなのか?

デスクに広げられたノートと万年筆、書籍。耐熱ガラスのカップ&ソーサにいれられたローズヒップティー。プラカップに入ったブルーベリー。観葉植物のつる。

社員がタイムレコーダーを打ち忘れることが頻繁にあると、「どうして会社は、社員の労働時間をいちいち把握しておかないといけないのか・・・」とため息交じりについこのようなことを考えてしまう・・・これは、人事担当者にとってよくある話ではないでしょうか。

 

社員がタイムレコーダーを打刻している、していないにかかわらず、実際に社員がその日に仕事をこなして働いているのなら、会社は労働時間を把握してタイムマネジメントを行わないといけないからです。

 

言い換えると、「タイムレコーダーの打ち忘れは本人のミス」という理由で、欠勤扱い(労働時間はゼロカウント)にすることはできない、ということになります。

 

そのため、上司や人事担当の方にとっては少々「モヤッ」としてしまうかもしれません。また、社員にとっても「毎朝タイムカードを押すのは面倒だ」との思いがあるかもしれません。

そこで今回は、なぜ会社は社員の労働時間を把握しなければダメなのか、またその根拠はどんなところにあるのかについて、詳しく確認していきたいと思います。

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何か月もの給料カットは社員の減給処分として有効なのか

レトロな銀の置時計。白紙のメモ帳と銀の万年筆。小さな花のブーケ。

「“役員報酬を〇か月にわたって減俸する”といったことを企業の不祥事による謝罪会見などで見聞きします。こういった処分は、役員ではないフツーの社員にも適用されますか?」

 

不祥事に対する経営陣の責任の取り方として「報酬額〇%カット〇か月間」といった報道発表があると、冒頭のような疑問が頭に浮かぶことはないでしょうか。コンサルティングのなかでの雑談でも話題にあがることがあります。

 

労基法では、就業規則で減給の制裁を規定する場合において、その減給の最高限度を定めています減給の額があまりに多額となって、社員の日常生活を脅かすことがないようにするためです。

 

では、社員に対する減給処分「月給〇%カット〇か月間」は有効になるのでしょうか、それとも認められないのでしょうか。さっそく詳しく確認していきましょう。

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急な納期変更やトラブル発生で計画年休日を変更できますか

休日のティータイム。トレイに載ったいちごが入ったフルーツティー。カスミソウのブーケ。

「たとえば取引先からの急な納期変更や突然の機械トラブルに見舞われたとき、計画年休日が目前に迫っていると事態に対応できませんよね。そんなとき、計画年休日を変更できるのですか?」

 

年休の「計画的付与」とは、社員のプライベートな事情で自由に取得できるよう一定の日数を留保しながら、これを超える日数については、会社と社員の間での労使協定によって計画的付与を認めることとしたものです。

 

欧米諸国と比べて年休取得率がきわめて低い水準になっている状況から、取得率をアップさせるためにできた制度だとはいえ、業務上の突発的な出来事と計画年休日が重なってしまうような事態を考えると、とても悩ましいですよね。

 

コンサルティングで年休取得率アップの方策を検討していると、冒頭のようなご質問をいただくことがあります。

そこで今回は、会社が計画年休日を変更することは認められるのか、詳しく確認していきたいと思います。

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パート社員の就業規則でも正社員の意見を聴かないとダメですか?

バインダーファイルに綴じられた白紙のレポートパッドとピンクのボールペン。意見聴取。紅茶のはいったピンクのカップ&ソーサ。ピンクのガーベラ、カーネーション、バラの花。

「パート社員用の就業規則は、パート社員の代表に意見を聴取するだけでいいですよね?正社員にも聴かないとダメなのですか?」

 

就業規則を作成・変更する権限と義務は会社側にありますが、社員の過半数で組織する労働組合もしくは社員の過半数を代表する者の意見を聴かなければならないことが、労基法によって定められています。

 

そのプロセスで就業規則を社員に周知するとともに、就業規則の内容を合理的なものにしようとするのが目的です。

 

いまの時代では、さまざまな雇用形態の社員が同じ会社で働くのはごく当たり前のことです。労働契約の内容の多様化に対応するため、就業規則を雇用形態別に作成することもあるでしょう。そのため、冒頭のような質問をいただくことがあります。

 

そこで今回は、パート社員の就業規則はパート社員の意見を聴くだけでいいのか、詳しく確認していきましょう。

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この手当は残業代の計算に含めないとダメですか?

パソコンのキーボード。リーディンググラス。水玉のクリアファイルと青のリング式ノート、メモ帳と青のボールペン。観葉植物のグリーン。

「残業代を計算するときに、〇〇手当や××手当も含めないといけないですか?」

 

割増賃金、いわゆる残業代の計算で問題となるのは、(割増賃金計算の)基礎に算入される賃金と除外される賃金です。残業代の単価が変わってくるからです。そのため、賃金にまつわるコンサルティングをしていると、先のようなご質問をよく伺います。

 

労基法では、割増賃金の基礎から除外される賃金の種類が限定されています(限定列挙)。つまり、それ以外の賃金は必ず計算に含めなければなりません。なお、除外される賃金は7種類ありますが、その中でも特に「住宅手当」の取扱いに注意が必要でしょう(誤解されているケースが多くあります)。

 

そこで今回は、割増賃金の基礎賃金について、どういった賃金が算入されて、どういった賃金が除外されるのか、具体的に詳しくみていきたいと思います。

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出向先での不正発覚、懲戒処分を行うのはどっち?

白とゴールドの文房具。パソコンのキーボード、トレイに入ったボールペン。白紙のノートとボールペン。ダブルクリップ、腕時計、ガラスの器に入ったゼムクリップ、ストライプと水玉のマスキングテープ。

ある企業では、経理部の社員を関連会社の経理部に出向させていました。ところが、その出向社員が出向先企業で帳簿などの経理関係書類を不正操作していたことがわかりました。

 

横領の事実が発覚したからには、懲戒処分となるのは明らかです。ですが、これはあくまで出向先企業で起きた事案です。出向元企業としては、懲戒処分の決定に関わることはできないのでしょうか。

 

「懲戒処分を行うのは出向元の当社なのか、それとも出向先の関連会社なのか?」両社間での協議はうまくまとまらず、ごたごたしている状況のままで・・・

 

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出向社員は、出向元企業の社員であると同時に、出向先の社員でもあります。そのため、出向社員に対する懲戒について判断にとまどうケースもみられます。そこで今回は、出向先での違反行為に対する懲戒処分に会社(出向元・出向先とも)はどのように対応すべきなのについて、詳しくみていきたいと思います。

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仕事の準備や後始末が労働時間になるのはどんなとき?

テーブルに置かれた手帳、メモ帳、本。ピンクのボールペン。りんご。無造作に置かれた花々。

「会社に着いてからの制服や作業服への着替え、朝の掃除や整理整頓、仕事が終わってからの片づけは労働時間にカウントされますか?」

 

実際に作業をしている時間(会社の指揮命令下にある時間)が労働時間にカウントされるのは、誰もが頷けると思います。

でも、それらに付随する前後の時間については・・・・??

判断に迷うことは多いのではないでしょうか。コンサルティングのなかでも、冒頭のようなご質問をよくいただきます。

 

「〇〇〇の場合は労働時間にあたらないけれど、×××なら労働時間になる」というような覚え方をしていると非常に煩雑ですし、「じゃあ△△△のときはどうなるの?」と、イレギュラーなケースに対応できませんよね。

 

そこで今回は、実作業に付帯する作業時間が労働時間になるのはどんなときなのか、その「判断基準」について確認していきたいと思います。

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単身赴任したくない社員、会社の対応はどうする?

2人前前の朝食。新婚生活。サラダ、ミニパン、目玉焼き、ウインナー、フルーツ。コーヒーの入ったカップ&ソーサ。

「結婚したての社員が、地方支社への転勤命令を拒否しています。配偶者は仕事の都合で一緒に行けないそうで、単身赴任をしたくないとのことです。会社は夫婦の事情も考えないといけないですか?」

 

今では夫婦共働きは珍しいことではなく、仕事の都合、こどもの教育、家の管理などのため、家族と別居して単身赴任せざるを得ない場合も十分ありうることです。そのため、冒頭のようなご相談をお聞きすることもあります。

 

会社側としては、「夫婦が別居せざるを得ない転勤命令が、人事権の濫用とみなされないか(転勤命令が無効にならないか)?」ということが、最も気にかかるところではないでしょうか。

 

そこで今回は、単身赴任をしたくないとの理由による転勤命令の拒否は果たして認められるのか(夫婦別居となる転勤命令は人事権の濫用となるのか)、会社のとるべき対応について確認していきましょう。

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育休明けの退職、支給した賞与を返還させてもいいですか

テーブルに広げられたバインダーとボールペン。ピンクのバラの花束。白のカップ&ソーサ。

仕事のできるAさん、上司からの信頼は厚く、同僚や後輩からも慕われている。育休を取得後も職場に復帰する意思があり、復職後の活躍をみんなで心待ちにしていた。

それなのに、育休明けすぐに退職してしまった・・・

後輩のお手本のような存在だったAさんだけに、「復職するといって育休を取っても、(育児と仕事の両立が)いざ無理となったら辞めてもいっか、Aさんもそうだったし」といった、いい加減なムードになってしまうのは避けたい

 

Aさんには復帰後の期待も込めて、育休期間中にも一定の賞与を支給したが、今後は育休明けすぐに退職した場合には、これを返還させるのはどうだろうか。就業規則にも規定することで、示しをつけよう・・・

 

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職場への復帰後の活躍を期待していただけに、育休明けの退職にショックを受ける会社側の心情も理解できないことはありません。ただ、育休期間中に支給した賞与を会社に返還させることに問題はないのでしょうか。さっそく、詳しく確認していきましょう。

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年休の買い上げが有効になるとき、ダメなとき

クラシックな目覚まし時計とじょうろ。観葉植物のつる。

「会社が社員の年休を買い上げることは法律的にダメですよね。でも、有効になるときもあるらしいですね。どんな違いがあるのですか?」

 

年休の買い上げとは、社員が取得できなかった年休の残日数を会社が一定の金銭で買い取り、行使できなかった年休請求権(年休の残日数)に応じて、会社が補償的な取扱いをすることをいいます。

 

ただ、年休はそもそも社員の心身の疲労を回復させ、働くためのモチベーションを支えることを目的としています。年休と金銭をバーターにしては、心身の休養と疲労回復は果たせません

そのため、労基法では買い上げによって年休を実際に与えない行為を禁止しているのですが、年休の買い上げが法律違反になるのは、有効期間内の法定日数分のものについてのみです。

 

年休の買い上げについてざっとお話しするとこのようになるのですが、やはり実務上ではややこしく感じられることも多いようで、冒頭のようなご質問をよくいただきます。

そこで今回は、年休の買い上げがどんなときに有効になって、また法律違反としてダメなのか、詳しくみていきたいと思います。

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育休中の社員の人事評価を会社はどう考える?

オフィスのデスク。ノートパソコンに置かれたリーディンググラスとスマホ。鉢植えの観葉植物。コーヒーの入ったマグカップ。

「上期の人事評価が5段階評価で最高ランクのS評価の社員がいます。ただ、下期については評価期間中ちょうど育休を取得していたので、勤務実績がありません。そこで年度の評価として、最低ランクのD評価をつけてしまうと、法律的にはダメなのでしょうか?」

 

会計年度の上期・下期と連動して、人事評価を行っている企業は多いのではないでしょうか。業績(社員の努力)とインセンティブの関係がわかりやすいからです。

 

そのため、半期の評価期間と育児休暇期間がかぶっている場合、出勤していない社員に対する評価をどうするべきなのか、悩まれるケースも多いようです。評価いかんによっては、育児・介護休業法が禁止する「不利益な取扱い」に抵触するのではないか?というのが、いちばんの懸念事項でしょう。

 

そこで今回は、育児休業中の社員の人事評価を会社はどう考えるべきなのかについて、詳しくみていきたいと思います。

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パート、アルバイト、契約社員の違いはなんですか?

デスクに広げられたノート、手帳、イヤホン、ボールペン。

「正社員以外の社員には、パートやアルバイト、契約社員などがありますよね。これらにはどんな違いがあるのですか?法律上の区別はありますか?」

 

社会構造の移り変わりから、現在は働き方が多様化しています。

いまでは、さまざまな雇用形態の社員がひとつの会社で働くことは、ごく一般的なことです。

 

そのため、パートやアルバイトなど、いろいろな名称で呼ばれる「期間雇用の社員(=not正社員)の定義が知りたい」とのご質問をいただくことがあります。求人広告を出そうとするときに、ふと疑問に思われることが多いようです。

 

それぞれの企業における雇用戦略と業務内容に応じて、正社員やパート社員などを適切に組み合わせて連携を図っていくことは、これからの時代の人材マネジメントの課題のひとつといえます。

そこで今回は、期間雇用の社員の雇用形態はどのように違うのか、について詳しくみていきたいと思います。

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リストラのときでもシニア社員の継続雇用は若手より優先される?

マーブル調のテーブルに置かれた資料と手帳、ボールペン。あぶるクリップ、コーヒーの入ったマグカップ。

「企業には65歳までの継続雇用が法律で義務付けられていますよね。経営不振でリストラしなければならないときでも、定年後の高年齢者を再雇用しないといけないのですか?」

 

新型コロナウィルス関連の経営破綻など、世界中に広がる感染は経済活動にインパクトを与えています。そこで、このリストラと高年齢者の継続雇用措置のバランスは、企業として気がかりなところではないでしょうか。このような疑問が生じるのも無理はありません。

 

たしかに、定年後のシニア社員の雇用継続はキープしておき、これからの企業の再建に必要な中堅社員や、会社の将来を担う若手社員をリストラしなければならない、というのでは、企業経営は立ち行かないでしょう。社会一般の雇用制度のあり方としても疑問が残ります。

 

そこで今回は、経営不振によるリストラのなかでもシニア社員を継続雇用しなければならないのか、また、人員整理の優先順位をどう考えるべきなのかについて、詳しく確認していきたいと思います。

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フレックスタイム制なら会社は時間管理しなくていい?

木目調のデスクに広げられたノートパソコン、ノート、ペン、コーヒーの入ったマグカップ、ポプリの入ったガラスの瓶。

「フレックスタイム制は社員の自主性にまかせるものなので、アバウトな管理でよいと聞きました。会社として社員の時間管理をしなくてもよい、ということですか?

 

最近は、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐために時差出勤や、マイカーでの通勤を勧める場合もあるでしょう。また、台風や大雨などで悪天候になると、公共交通機関の遅延によって、始業時刻を過ぎても出勤できないこともあるかもしれません。

 

そのため、業務効率を考えるとフレックスタイム制を導入しようか・・・と検討されている経営者や人事担当の方もみられます。時間に対する社員の自己管理意識を向上させるという点でも、フレックスタイム制にはプラス効果があります。

 

そのため冒頭のようなご相談をいただいたりするのですが、結論からお伝えすると、フレックスタイム制の場合であっても、会社には社員の労働時間を把握する義務があります

 そこで今回は、フレックスタイム制と時間管理の関係について、詳しくみていきたいと思います。

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定時を過ぎてからの仕事はすべてサービス残業?

デスクのうえに置かれた手帳。パソコンのキーボード、黒の目覚まし時計、小さな鉢植えの観葉植物。

今日も定時を過ぎてから、30分も残業した。単純に計算して1か月(の営業日が)20日だとしても、毎日ならトータルで10時間にもなる。10時間といったら、結構な時間じゃないか。それなのに、18時までの残業は申請しないのがうちの会社では常識のようだ。こんなのザ・「サービス残業」ってやつじゃないか。やってられないや・・・

 

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この春、学校を卒業して入社したばかりの新入社員Aさん。慣例になっている「サービス残業」に不満を抱いているようです。Aさんの会社の就業時間は、朝の9時に始まって、途中1時間の昼休憩を挟み、夕方17時半で終わりの7時間30分労働です。

 

つまり、「17時半から18時までの所定時間外の働きに対して賃金が支払われない」というのがAさんの認識です。・・・ですが、これは正しい認識ではありません。

では、いわゆる「サービス残業」とはどのような状態のことをいうのでしょうか。さっそく詳しく確認していきましょう。

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将来の転勤について誓約書をとっておくといいですか

パソコンのキーボードの前に置かれたメモパッド。コーヒーの入ったマグカップ。ノートのうえに置かれた腕時計。観葉植物のグリーン。

「将来の転勤や配置転換について、いざその時になって社員から拒否されないために、誓約書をとっておいたほうがいいですか」

 

働く場所は社員にとって重要なので、コンサルティングのなかでこのようなご質問をいただくことがあります。

労基法では、社員の入社時に絶対的明示事項は書面の交付により明示しなければならないことになっています。「就業の場所・従事業務」もそのうちのひとつです。

 

最近では、新型コロナウィルスの感染防止のためテレワークを実施するのなら、就業の場所などについて労働契約を変更しないといけないのか?、などと疑問に思われた経営者や管理職の方もいらっしゃるかもしれません。

 

はたして社員の労働条件にかかる「就業の場所」をどう考えるといいのでしょうか。そこで、配置転換や転勤に応じる旨の誓約書を入社時にとっておけば、なにか特別な効力が発生するのでしょうか?さっそく詳しく確認していきましょう。

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36協定の時間外労働のなかに休日労働は含まれますか

広げられたノートとピンクのボールペン。赤いリンゴが2つ。りんごのスライスを浮かべた紅茶。ガラスの瓶に活けられたユリの花。

「時間外労働の上限は原則、月45時間、年360時間ということですが、この時間外労働時間のなかに休日労働も含まれるのですか?」

 

法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて社員に時間外労働や休日労働をさせる場合は、36協定の締結(+労基署への届け出)が必要です。

 

36協定を結ぶにあたって、その内容についてよくご質問をいただくのが、「時間外労働時間」と「休日労働」の関係です。

 

特に今年は、4月から時間外労働の上限規制が中小企業にも適用されるので、「休日労働が時間外労働に含まれるなら、月45時間の上限を超えてしまうかもしれない」と、心配される経営者、管理職の方からの声をたびたびお聞きしました。

そこで今回は、36協定において「休日労働」は時間外労働時間に含まれるのかどうかについて、詳しく確認していきたいと思います。

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35%アップで割増計算する休日労働の日とはどんな日?

ノートパソコンの前に置かれたスマホ、メモ帳、鉛筆、紅茶の入ったマグカップ。オレンジピンクのバラ、オレンジのデイジー。

「納期に間に合わないので社員を日曜日に働かせるなら、3割5分増しで給料を計算しないといけないのですよね?」

 

この問いに対する正誤判定としては、「惜しい!(8割がた正解?)」という回答になるでしょうか。なぜなら週休2日制によって、週2日の休日がある場合には、そのうち1日分の休日に社員を働かせても、もう1日分の休日が確保されている限り、法律上の休日労働にあたらず、割増賃金を支払う必要もないからです。

 

このように時間外労働や休日労働の割増賃金について、コンサルティングのなかで質問をいただくことはわりと多くあります。「休日労働の日に徹夜勤務をさせるときはどう考えるといいのか?」など、特休日労働の取扱いがよくわからない、というお声をよくお聞きします。

 

そこで今回は、3割5分増で割増賃金を計算することになる休日労働とは、いったいどんな日なのかを確認していきたいと思います。また、あわせて休日に徹夜勤務となる場合についてもみていきましょう。

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代休は必ず付与しないとダメですか

デスクに広げられたカレンダーと万年筆。ダリアの花、デイジーの花。

「仕事の都合で社員に休日労働をしてもらうことになりました。代休をいつ取得できるのか、と社員から質問があったのですが、かならず付与しないといけないのでしょうか?

 

以前、企業の管理職の方からこのようなご相談をいただいたことがあります。その方が以前勤めていた会社では代休制度がなかったので、質問に戸惑われたそうです。一方、質問した社員さんのほうでは、必ず保証された権利として代休を取得できる、との認識であったようです。

 

実は、この代休は法律上の制度ではありません。それぞれの企業において定めた任意のものです。会社の就業規則に定めることによって、はじめて社員に代休の付与を求める権利が発生します。

 

ただ、冒頭のようなご相談をいただくことは割合多く、誤解されているケースは多いのかもしれません。

そこで今回は、代休は必ず与えなければいけないのか、について詳しく確認していきたいと思います。

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当日の電話での年休請求をどう取り扱う?

デスクの置かれたレトロなオレンジ色の電話。ノートパソコン、スマホ、メモ帳、えんぴつ、紅茶の入ったカップ&ソーサ、観葉植物の鉢植え。

始業時刻前の職場に「今日は休ませてください」と電話があったときに、年休をどう取り扱えばいいのか困惑する、というお話をコンサルティングのなかでよく伺います。

 

実は、法定の年次有給休暇の取得は、「この日に休暇をとりたい」いう社員の意思表示だけで成立します(会社の時季変更権の行使を解除条件としています)。年休日を決めてその旨を伝えさえすれば、会社からの承認は必要ない、ということです。

 

言い換えると、会社の時季変更権の行使がない限り、社員はそのまま休んでもよいことになります。当日は、労働義務の免除という法的な効果が生じ、適法な休暇として成立します。

ただし、このように法律で決められた社員の権利を主張できるのは、あくまでも事前に年休申請があったときの話です。

 

そこで問題になるのは、当日の朝になって「年休をとりたい」と電話があった場合です。当日の申請は、法的には事前申請ではなく事後申請になるからです。今回は、当日の朝になって「休みたい」との電話があったとき、年休の取扱いをどうすればよいかをみていきましょう。

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上司が社員の居残り残業を放置していてもいい?

白のサマーセーター、腕時計、カメラ、手帳、コーヒーの入ったマグカップ、眼鏡。

上司が時間外労働を命令していなくても、部下の社員が居残り残業をしている・・・職場でわりと見られる光景ではないでしょうか。

 

ちょうどいまなら、新型コロナウィルスの影響で平常通りに行かなかった雑務の処理や担当業務の整理、諸々の連絡などのため、終業時刻後もデスクに向かう・・・という姿もあるかもしれません。

 

上司が部下の居残りを知りながらも、残業を中止させずにほったらかしにしていた場合、残業命令があったものとみなされるのでしょうか。つまり、労働時間としてカウントされるのかが問題です。

 

この状況が恒常的なものであれば、法律にもとづく時間管理が問題になるだけでなく、社員の健康状態が心配です。特にいまは、遅くまでの仕事による疲労で、身体の免疫力を落とすようなことは避けるべきですよね。

今回は、社員の自主的な残業を放置した場合、法律的に労働時間マネジメントはどのように考えられているのか、確認していきたいと思います。

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年休の出勤率、短時間社員の場合はどう計算する?

トレイにのせられたコーヒー。広げられたノートとシャープペンシル。黒ぶちの眼鏡。ガラスの小瓶に活けられたマーガレットの花。

育児や家族の介護、大学院への通学、通院による治療・・・などの事情がある場合、一定時間以上の勤務は難しくなります。そんな社員の事情に対応するため、短時間勤務制度を導入する企業もあります。

 

短時間社員は、同じ企業の他の社員と比べて所定労働時間が短いわけですが、そのため年休の適用で問題となることがあります。それは、年休の発生要件である出勤率についてです。

 

年休の発生要件として「全労働日の8割以上の出勤」が求められます。この出勤率を算定するにあたって、「労働日」とは、まる一日(通常の所定労働時間)の出勤のことを指すのでしょうか?

そうだとすると、短時間社員の場合、8割出勤はかなりキビシイのではないでしょうか。

 (これは、短時間社員だけでなくパート社員、嘱託社員など、働く労働時間数が少ない社員すべてにかかわってくる問題です。)

 

そこで今回は、短時間社員をはじめ労働時間の短い社員の出勤率をどのように計算するのか?について確認していきましょう。

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パートが年休で休んだ日の給料はいくらになりますか

カントリー調のカフェショップ。メニューの書かれた黒板。カフェでのパートタイムジョブ。

年次有給休暇は、文字通り「有給休暇」なので、年休の取得日にはもちろん給料が支払われることになります。「そんなの当たり前だ」と思われる人がほとんどでしょう。

 

ですが、「年休で休んだ日あたりの給料の額は?」と聞かれると、即答できる人はそう多くないかもしれません。特に月給制で給料を支払っている企業、またそこで働いている人の場合はそうだと思います(その理由は後述しますね)。

 

そこで問題となるのが、時給制で働くパートさんの場合です。「年休で休んだ日の給料はいくらになりますか?」とパートさんに聞かれて、はじめて疑問に思った、というお話を実際に経営者や管理職の方からよくお伺いします。

 

そこで今回は、パート社員の年休日の給料はどう計算するのか?について、確認していきたいと思います。

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時間単位年休の取得をどのように記録管理すればいいですか

パソコンのキーボードの前に置かれたピンクの花型のカップ&ソーサ。無造作に置かれた薄いピンクのバラのつぼみとカスミソウ。メモ帳。

「社員が時間単位年休を取得したとき、年休の残日数をどんなかんじで年休管理簿に記録していくといいですか?」

 

新型コロナウィルスの影響もあって、いまは職場での働き方についても柔軟なスタイルを検討していかなければならない状況です。取得状況の記録がややこしいから、という理由で時間単位年休の導入にためらいがあるとすれば、もったいないと思います。

 

たしかに、職場に時間単位年休制度を採り入れた場合、年休管理の記録簿の取扱いは、今までのように「年度当初の残日数-取得日数=残日数」というわけにはいきません。

 

日単位での取得分と時間単位での取得分が入り混じることで従来のように単純ではなくなるので、注意しなければなりません。そのため、コンサルティングのなかで冒頭のようなご質問をいただくわけです。

それではさっそく、時間単位と日単位年休の管理をどのようにしていくとよいのか、確認していきましょう。

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自宅待機の新入社員の試用期間はいつからスタートする?

自宅のデスク。木製の日替わりカレンダー。額縁のアート。花柄のノート。レンギョウの花。

新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、企業では新入社員の入社式を控える、もしくは今年は入社時期そのものを遅らせているケースも多くみられるようです。

 

採用決定者に入社日が到来してからも自宅待機を命じている場合、試用期間はいったいいつからスタートするのか?と、判断に迷われることもあるのではないでしょうか。

 

今年については感染拡大を防ぎ、新入社員(を含む社員とその家族)の命を守るために、自宅待機を命じるケースが多いと思われますが、世の中の経済状況が芳しくないときには、企業の業績悪化のため新入社員に自宅待機を命じざるをえない場合もあるかもしれません。

 

普段のときでも、新入社員はこれから始まるオフィスライフを目の前にして、不安を感じやすいものですよね。そのうえ、入社する会社からの情報がほとんど入ってこなければ、ますます不安な気持ちを募らせてしまうことになります。

そこで今回は、自宅待機中の新入社員と適切なコミュニケーションをとっていくためにも、新入社員の試用期間はいつからスタートするのか、について確認していきたいと思います。

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中途入社の社員に試用期間は適用されますか

デスクの上に置かれたノートパソコン。ふせん、to-doリスト、チェックリストがびっしり貼られたメモ帳。スマートフォン。ボールペン。コーヒーの入ったマグカップ。

試用期間は、「新しく学校を卒業した人の新規採用にまつわる問題」として、通常考えられています。というのも、試用期間は新入社員の教育を行うとともに、向き不向きの判定を行うという2つの機能を持っているからです。

 

では、新規学卒者ではない中途採用入社の社員には、試用期間の適用はないのでしょうか?

実は、これはコンサルティングをしていると、実際によくいただくご質問の内容です。

 

たしかに、最初から管理職として、部長や課長などの役付で採用する場合などもあります

 

・・・それなら普通の平社員での中途入社の場合は試用期間の適用があって、役付社員の場合なら適用がないのか・・・?同じ中途採用でも対応が分かれるということか・・・??

このように判断に迷われるケースが多いようです。そこで、今回は、中途入社の社員にも試用期間の適用があるのかどうか、詳しくみていきたいと思います。

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上司が主催の勉強会は労働時間にカウントされますか

オフィスのデスクに並べられた数種類のファイル。ボールペン。白のマグカップ。観葉植物。

新年度がスタートすると、メンバーの能力を伸ばすために、社内で勉強会や研修を実施する機会がこれから増えてくるのではないでしょうか。

 

仕事に必要な知識や新しいスキルを、一定の期間内でかつ効率よく身につけてもらうことを目的とされているのだと思います。

 

こういったグループ活動が自主的に行われている企業もあるでしょう。部署の課長や部長をはじめとする、管理職が勉強会のリーダーとなって、開催の音頭をとるケースもあるかもしれません。こんなとき、「勉強会は課長からの業務命令?」「あくまで社内の同好会レベルの話?」と判断に迷いませんか?

 

つまり、問題となるのは「労働時間にカウントされるのかどうか」ということです。

そこで今回は、課長など管理職が主催する勉強会は労働時間にカウントされるのか、されないのか、しっかり確認していきたいと思います。

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新型コロナをきっかけにこれから職場の働き方をどうする?

窓辺に飾られたフラワーアレンジメント。ピンクの桜。

新型コロナの影響を受けて、社会の変化がすさまじく進んでいるのを感じます。従来の社会を支えていた価値観が、がらりと根底から見直されようとしています。

 

職場での働き方も例外ではなく、柔軟に対応していかざるをえない状況です。今まで通りのことが叶わなくなって、不安や不満、嘆きの言葉がふと口をついて出るのも無理はないと思います。

 

ただ、現在ある問題点を指摘して、「昔はこれでうまくいっていたのに・・・」と嘆いてばかりいても、事態は何もかわりません。できれば、前を向いて一歩踏み出して、その状況が良くなることに目線を合わせて、これからの「最適な状態」を考えていきたいですよね。

 

 

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業績悪化の企業への出向を社員が断りそうで心配です

オフィスの窓辺のフリースペース。ノートパソコン、スマホ、マイボトル、観葉植物の鉢植え。

諸般の事情から縮小営業を余儀なくされてきた、グループ子会社の業績悪化がすすんでしまい、今期の赤字転落は避けられない状況になった。

 

通常営業に向けてさまざまな対策に臨んでいるものの、状況次第では今後の対応に変更を迫られる可能性もある。

 

そこで優秀な社員を親会社から送り込んで、子会社の立て直しを図りたい。・・・とはいえ、「不本意な人事」ということで、社員が拒否してきそうで心配だ・・・

**

 

経営状態の芳しくないグループ子会社への出向命令に対して、社員の拒否が想像に難くないだけに頭を悩ませる経営陣

こんなとき、会社はどのように対応するべきなのでしょうか。また、そもそも社員は出向命令を拒否することはできるのでしょうか。

さっそく確認していきましょう。

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社員が自己破産すると会社のとる対応は解雇or異動?

光の差し込む窓辺に置かれたテーブル。ラナンキュラスが活けられた花びん。白のマグカップ。手帳。陶器でできたサボテンの置物。

「ローンやクレジットなど複数の業者から借金をしていて、返済が困難になって(いわゆる多重債務)自己破産を申し立てる社員が職場にいるとわかったとき、会社としてどのような対応をとるべきでしょうか?」

 

こんなご相談をいただくことがあります。

 

多重債務、自己破産というワードを聞くと「ギャンブル?」「お酒?」「浪費癖?」といったイメージを持たれるかもしれません。

けれど、不況など経済環境の変化に伴う収入の減少によって生活費や教育費などを補うために借金を重ねた・・・というケースは少なからずあるようです。

 

冒頭のお話では、業者(債権者)から職場に電話が頻繁にかかってきたため、本人に確認したところ事情が明らかになったとのことでした。

 

一般的に、社員が自己破産した場合は、企業の信用問題にかかわるので会社としては解雇を含め当然退職になるものと考えられがちです。少なくとも、人事異動は検討するべきでは?と判断に迷われる場合も多いでしょう。

そこで今回は、自己破産した社員への会社の対応について、「解雇」と「人事異動」の場合に分けて詳しく確認していきましょう。

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フレックスタイム社員の年休管理できていますか?

窓辺に積まれた書籍と手帳。その上に置かれたカメラ。傍らにガラス瓶に活けられたカスミソウ。

年度末に向かって、年次有給休暇の取得にまつわるご相談をよくいただきます。法改正により、年10日以上の年次有給休暇が付与される社員に対して、年休日数のうち年5日の年休を取得させることが会社に義務付けられたことも、理由のひとつかもしれません。

 

突発的な災害や、事前に想定しえない事象の発生時に、社員にかかる通勤の負担を軽減するため、フレックスタイム制の導入を考える企業もみられます。ご相談のなかには、フレックスタイム社員の年休管理に関するものもありました。

 

「フレックスタイム社員のなかに、実際に働いた時間が清算期間中の総労働時間に足りない者がいます。年休を取得したことにして、総労働時間に足りない分を穴埋めすることはできますか?」

 

つまり、フレックスタイム制において、実際に労働した時間が清算期間における総労働時間として決められた時間に比べて不足が生じた場合に、年次有給休暇でそのマイナス時間を清算できるのか?というご質問です。

一見すると理屈に合ったやり方のように思えますが、これは法律的には可能なのでしょうか?さっそく詳しくみていきたいと思います。

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社員の退職願VS会社による懲戒解雇、どちらが優先される?

デスクのうえに置かれた腕時計。コーヒーの入ったマグカップ。カスミソウが生けられた花びん。

会社には、ビジネスを推し進め、企業を存続させていくために、企業秩序を守ることが必要です。そのため、企業秩序を乱す社員に対して、会社がその回復のために懲戒処分を行うことは当然の権利として認められています。

 

ただし懲戒処分を行うには、あくまでも本人が会社に在籍していることが前提です。したがって、退職した元社員に対する懲戒処分は、法的な根拠を欠くため無効となります。

 

そもそも「元社員」を企業の外に追い出す必要性がないので、懲戒解雇(懲戒処分のなかで最も重い処分)も必要ありません。

 では、社員が退職願を会社に提出してきた後に、本人の違反行為が発覚した場合はどうでしょうか?

 

「すでに退職願を出している社員は懲戒解雇の対象となるのか」という点が問題になります。

そこで今回は、社員の退職願と会社による懲戒解雇では、どちらが優先されるのか、そして会社としてはどのような対応をとるべきなのかについて、詳しくみていきたいと思います。

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法律でいう「配転」「転勤」とはどんな場合のこと?

ひざ掛けのうえに置かれた数冊の雑誌。手帳。りんご。テイクアウトコーヒー。

業務運営上の都合から社員の就業場所や担当業務を変更することは、会社の人事権として認められています

とはいえ、「社員は会社のいうことにはなんでも”YES”と従わないといけない」というわけではありません。

 

つまり、会社の命令による配転や転勤は無制限に許されるわけではなく、その命令権の行使に合理性がなく、権限の濫用にあたるときは無効になります。

 

このようなときは、法律上の争いとして裁判所の審理に従うことになります。ただし、配転や転勤が「労働契約の(要素の)変更」として認められる場合に限られます。(それ以外の場合は裁判所ではねられます。)

 

では、法律上の紛争として扱われる「配転や転勤」とはどんな場合のことをいうのでしょうか?さっそく確認していきましょう。

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間違いやすい年俸制における残業代の計算

デスクに広げられたメモ帳。紫とピンクのボールペン。水色のビーズでデコレーションされた電卓。赤のフリージア。

社員の年収は、月給と賞与によって構成されています。年収に占める賞与の比率は高いので、企業にとっては賞与が年収管理のポイントといえます。

 

そこで「まず年収を決めてから、月給や賞与に振り分けるといいのでは?」という発想から、年俸制という概念があります。

 

ですが、年俸制にしたからといっても、労基法の定める管理監督者などに該当しない限り、会社は残業代(割増賃金)を支払わなければなりません。また、大前提として社員がどれだけ働いたのか、労働時間を把握しておく義務があります

 

ここで問題となるのは、年俸制における残業代の算定基礎となる賃金についてです。年俸制の賞与部分は、この算定基礎となる賃金に含まれるのでしょうか?

ともすれば間違いやすいポイントといえます。さっそく詳しく確認していきましょう。

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フレックスタイム制で気をつけたい遅刻・早退の取扱い

水彩画模様のノートブック。おもちゃのインスタントカメラ。

通勤電車での混雑を避けて、自分のパフォーマンスが最も上がると思うときに社員が出勤できるよう、フレックスタイム制の導入を検討する会社もあるでしょう。

 

フレックスタイム制とは、一定期間における総労働時間を労使協定で定めておき、社員がその範囲内で毎日の始業・終業時刻を選択して働くことのできる制度です。社員が生活と仕事のバランスをうまくとり、効率よく働けるようにするのを目的としています。

 

このようなフレックスタイム制の導入を検討すること自体はとてもよいことなのですが、皆勤手当や精勤手当といった、この制度になじまない手当が存在していたりするなど、制度と給料体系の理屈が一致していないケースもよくみられます。

 

さて上記に挙げた手当について、なぜ「制度と理屈があっていない」のかお気づきでしょうか?ポイントとなるのは、遅刻と早退の取扱い方です。

そこで今回は、フレックスタイム制導入の検討にあたって、気をつけるべき遅刻と早退の取扱い方について確認していきたいと思います。

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辞める社員の年休請求は認めなくてもいいですか

2020年のダイアリー。虹色の絵具調プリントの表紙。えんぴつ。

寒さもすこししのぎやすくなりました。春の訪れまであと少しのようですね。

 

春といえば旅立ちのシーズンですが、年休の日数がたくさん残っている社員が年度末に退職することになったとします。

年度末の忙しさで退職前に年休をとることができなかった場合、その社員の年休請求権はどうなるのでしょうか

 

年休は原則として社員の希望通りに与えなければなりませんが、退職予定者の場合には、年休の残日数があっても退職日を迎えると行使することができません

 

コンサルティングをしていると、退職が予定されている社員に対しては、「年休取得の申出があっても年休を与えなくてもよいのではないか?」との意見を伺うこともあります。

(これにはちゃんと理由があるので後述しますね)

そこで今回は、退職予定者の年休請求を会社は認めなくてもいいのか、どのように対応するべきなのか、について確認していきたいと思います。

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どんなときなら年休の時季変更権をつかえますか

テイクアウトコーヒーと鉢植えの春の花々が入った紙製のBOX。

「現場を束ねるリーダー社員が、どんなときなら時季変更権をつかっていいのか?と悩んでいます。年休申請を原則すべて認めるとなると、その分をフォローしようとリーダー社員の負担増となっているようです。時季変更権がつかえるときの具体例を知りたいです。」

 

年休取得の義務化の流れもあってか、コンサルティングをしていると、マネジメントの負担増に悩む管理職のお話を伺うことがあります。

 

事業運営のため会社に認められた年休の時季変更権は、どんなときでも行使できるものではありません。社員の希望通りに年休を与えることが、年休取得にまつわる基本的な原則だからです。

 

したがって、時季変更権は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限定して認められます。では、「事業の正常な運営を妨げる場合」とはどんな場合をいうのでしょうか?そこで今回は、時季変更権の行使が認められる「事業の正常な運営を妨げる場合」とはどんな場合なのか、詳しく確認していきたいと思います。

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入社時に必要書類を出さない社員への対応はどうする?

テーブルの上のピンクのダリア。メモをはさんだピンク色のダブルクリップ。スマホ。

「採用が決まったあと入社時に、所定の必要書類を提出しない者がいた場合、会社としてどのように対応するといいですか?書類の内容は家族関係などプライベートに関わるものなので、強く言っていいものか、対応に悩みます

 

 

就業規則のコンサルティングのなかで、「採用選考時の提出書類」と「採用決定時の提出書類」をきちんと分けておきましょう、といったことをお話ししていると、このようなトピックをお伺いすることがよくあります。

 

企業は採用選考において、選考のため必要となる適正な書類を、応募者に求めることになります。さらに採用決定時には、会社の手続きで必要ないろいろな書類の提出を、追加して求めるのが通常です。

 

そこで今回は、採用選考時と採用決定時の提出書類の区別に触れながら、採用決定(入社)時に必要書類を提出してこない社員への対応について、確認していきましょう。

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遠方への転勤命令、家庭の事情を会社はどのくらい考えるべきか

家庭のキッチン。シンクのうえに並べれられた色とりどりの野菜。オーブンレンジ。冷蔵庫の中をのぞくエプロン姿の女性。

経営状況によるやむを得ない事情から、もしくは合理化をはかるため、事業所を統廃合するとき、現在の人員を他の事業所や工場へ配置転換せざるを得ない場合もあるかもしれません。

 

ただ、その転勤先が遠方にあり、現在の住まいからの通勤が困難だとすれば、社員にかかる負担が会社としては気がかりです。

 

「社員には会社の事情をしっかりと説明して、転勤についての同意を得ようと考えています。でもやはり、本人以上にご家族の心情を思うと、本人の家庭の事情をどの程度まで考えてあげるべきでしょうか?」

 

このように会社として、人事権の濫用とならないよう社員の不利益を軽減するべく、どの程度までの措置をとればいいのか、悩まれることは多いのではないでしょうか。

そこで今回は、遠方への転勤に際して、会社は家庭の事情を斟酌するべきなのか、するとしてもどの程度の措置をとれば権利濫用とならないのか、について詳しくみていきましょう。

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海外出張中のケガに労災保険は使えますか?

広げられた世界地図のうえを飛ぶ飛行機のミニチュア。赤と水色、銀色のフォルム。

テレビ会議やウェブツールなどの導入により、社内会議にまつわる国内出張は一般的に減少傾向にあるようです。一方で、月1回程度~年5回以上の頻度の海外出張は増えてきているそうです。

思い返してみると、今の時期はハイシーズンではないにもかかわらず、ビジネスで海外へ出かけるとのお話を伺うこともあります。

 

そこでよくご質問いただくのが次のようなトピックです。

「社員を海外に出張させたり、海外の支店や現地の企業に派遣する場合で、もしも事故にあったり、ケガをしたときに、国内と同じように労災保険はつかえるのでしょうか?」

 

物理的に遠く離れた赴任途中や赴任先での社員の事故やケガは、経営者や管理職にとって、大変気がかりなことですよね。

 

海外での就労は、大きく区分すると海外出張と海外派遣の2パターンになります。それぞれ海外での労災保険の適用はどうなるのか、詳しく確認していきたいと思います。

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法律で決められた年休と会社が決めた休暇はどう違うの?

休日の朝のテーブル。カラフルなマカロンが盛られたガラスの皿、ミルクの入ったグラスが置かれたトレイ。桜の枝。

休暇とは、労働義務のある日に「働かなくていいですよ」と就労義務が免除された日のことです。このような休暇は、「法定休暇」と「会社休暇」の2パターンに区別されます

 

法定休暇は、法律で社員に必ず付与しなければならないと決められたもので、年次有給休暇や産前・産後休暇などがあります。

 

会社休暇は、就業規則などに定められることによってはじめて成立する、その会社オリジナルのものです。たとえば冠婚葬祭のための慶弔休暇や、勤続年数の節目に与えるリフレッシュ休暇などが挙げられます。

 

この法定休暇と会社休暇は、休暇が発生する要件や法律上の効果がそれぞれ異なっています

 

特に日常のオフィスで「どう違うのか?」と問題になるのは、法定の年次有給休暇と会社休暇の違いについてでしょう。

そこで、今回はこれらの違いについて詳しく確認していきましょう。

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お正月休みの販促活動、労働時間はどうなる?

ケーキショップのディスプレイ。色とりどりのショートケーキ。いろんなデコレーションのホールケーキ。

2019年末から2020年初にかけては、年末年始6日間の前後の土日も休みになるので、お正月休みは通常より3日多い企業も多かったのではないでしょうか。

 

とはいえ長めの9連休ということで、やむを得ずこの期間に社員へ出勤を命じなければならないケースもあったかもしれません。

たとえば得意先や顧客のもとを訪問するなどの販促活動やPR活動、マーケティングのための調査やデータの収集活動、メディアの取材、月末の集金・・・など、いろいろ具体的な業務が考えられます。

 

これらの業務は通常のオフィス外で行われるものですが、お正月休みに社員に従事してもらった場合、休日労働と事業場外労働のみなし労働時間は適用されるのか?という問題があります。

 

そこで今回は、休日に社員が事業場外業務に従事した場合の取扱いについて確認していきましょう。

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年休を消化してから産前休暇に入るのはダメですか

1歳のバースデーパーティー。黒とイエローのバルーン。

「12/10から産前休暇ですが、いま残っている年休を(12/10から)消化して、そのあとで産前休暇に入りたいのですが・・・」

 

労基法では、産前産後休暇中における賃金について有給とすべきことを義務付けていません。その取扱いは当事者間の自由にゆだねられ、就業規則に有給の定めがない限り無給になります(ただし健康保険による出産手当金が支給されます)。

 

生活に影響を与えるため、女性社員から前述のように「産前休暇の一部を年休に替えたい」との申出も少なからずあるようです。

会社としては、「こどもが生まれたあと復職してからのために、年休を残しておいたほうがよいのでは?(年休よりも産前休暇を優先してほしい)」との思いがあり、この女性社員からの年休の申出を断るべきか、とのご相談でした。

 

そこで今回は、「年休を消化してから産前休暇に入りたい(産前休暇の一部を年休に替えたい)」との社員からの対応に、会社としてどのように対応するべきかについて、詳しく確認していきましょう。

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営業時間の短縮がパートの賃金に与える影響とは

カフェの壁に掛けられた白の時計。クラシックな文字盤。丸型の時計。

複数の店舗を運営している企業では、人手不足の対応策として営業時間を短縮する動きがみられます。労働時間の短縮につなげるため、変形労働時間制を導入する職場もあるでしょう。

 

変形労働時間制のなかでも特に一年単位の変形労働時間制をとる場合には、月によって所定労働時間が大きく異なってきます。そのため「月間の労働時間の長短によって、賃金単価が変動するのでは?」とのご質問をいただくこともあります。

 

結論から申し上げると、月給制の社員にとって、月間の所定労働時間が異なったとしても賃金に影響しません。けれど日給や時給で賃金が計算されることの多いパートにとって、影響は少なくありません。

 

そこで今回は、労働時間(営業時間)が短くなることによって、パートの賃金(日給・時給)はどのような影響を受けるのかについてみていきましょう。

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年末年始の挨拶回り、社有車の番は休憩時間になる?

テーブルのうえに置かれたピンクのミニカー。クラシックカー。

仕事をするうえで、営業先や取引先と良好な関係を築くことは大切です。そのため、クリスマスを過ぎたあたりから挨拶回りをされる企業も多いことでしょう。

 

年末年始の挨拶回りに社有車で出かけるとき、特に運転者には盗難防止のため、車両を監視する義務が生じますもし、社員が管理を怠って社有車を盗まれでもしたら大変だからです

(盗難された車両により交通事故が起きた場合、車が会社の所有物であることから、会社は多大な損害を被るおそれがある)。

 

この場合、人材マネジメントの観点から問題となるのは、盗難防止などのために車両を監視している時間を果たして休憩時間といえるかどうかです。

 

そこで今回は、年末年始の挨拶回りなど社有車での外出において、車両の監視義務と休憩時間の関係をどう考えるとよいのかについて、詳しく確認していきましょう。

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子育て社員の労働時間を会社はどう考える?

チェックのナプキンのうえに広げられた手作り弁当。のりで目鼻をつけたおにぎり。ウインナーやポテトサラダのおかず。

「職場では、疲労困憊で毎日がいっぱいいっぱいの様子の子育て社員がいます。このままだと体調が心配なので、無理せずに働けるようにしたい。子育て社員の労働時間をどのように設定するといいですか?

 

労働時間の設定は、今いる人に少しでも長く勤めてもらい、優秀な人材を確保するために、企業経営にとって重要なテーマだといえます。

 

そこで、子育て中の社員が抱える「仕事と家事を両立させないといけない」とのプレッシャーを和らげ、前向きに仕事に取り組んでもらい、そして健康的に毎日を送ることができるよう、子育て社員の労働時間マネジメントについてご相談をいただくことがあります。

 

子育て社員への対応には、「育児のための所定労働時間の短縮措置」と「育児時間」について理解しておく必要があります。

今回は、育児のための所定労働時間の短縮措置と育児時間、この2つの関係について詳しく確認していきたいと思います。

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「週刊ポスト 12/6号」 取材協力しました

「週刊ポスト12/6号」(2019年11月25日発行)表紙

11月25日(月)発売の「週刊ポスト 12/6号」(小学館)では、「『#Koo too』に続く『#ノーバックフォーミー』とはどういうムーブメントなのか」というテーマで企画が組まれています。

「#ノーバックフォーミー」ムーブメントの中、企業で男性は「女性の生理」にどう対応していけばよいのかについて、取材協力させていただきました。

 

>>「週刊ポスト 12/6号」号(最新号)*電子雑誌もあるそうです

 

>>「#ノーバックフォーミー」とは

 

「週刊ポスト」では、時代を先取りするビジネスマンの情報参謀として、時代を切り取るスクープや、政治・経済・事件・芸能・スポーツ・・・など新鮮な情報を提供されています。激動の時代をどう読むかの視点を読者に提供し、さらに次なる時代がどんなものかを予見する、ニュース週刊誌です。興味をお持ちになられましたら、ぜひ全国書店・ネット書店でお買い求めください^^

 

 

【追記】

※記事の内容がオンラインでご覧いただけます>>Newsポストセブン

※記事の内容が楽天ニュースに掲載されました>>Rakuten Infoseek News

※記事の内容がヤフーニュースに掲載されました>>YAHOO!JAPANニュース

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1日単位のフレックスタイム制をうまく活用するコツ

水玉模様のえんぴつ。白の画用紙。ハート形のかすみ草。

朝の冷え込みでふとんから出たくなくなる季節になってきました。あと1時間ふとんの中にいたいけれど仕事があるし・・・誰もが抱える寒い季節の葛藤ですよね。

だからというわけではないと思いますが、コンサルティングのなかで次のようなご相談をいただくことがあります。

 

「毎日の出社や退社の時刻を社員本人に、自由に決めてもらうことはできますか?」

 

始業・終業時刻を社員本人の自己選択によるものにするには、「1日単位のフレックスタイム制」という方法があります。

これは、法律上のフレックスタイム制にはあたらず、社員本人の自己選択による自動的な始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ制度です

 

ただし、これを運用するには注意しなければならない点がありますので、さっそく詳しく確認していきましょう。

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法定休日の日曜日に出勤すると社員はトクをする?

デスクに立てかけられた数冊のノート。広げられたノートと万年筆。傍らに置かれたスマートフォン。観葉植物のグリーンのつる。

法定休日に働くと割増賃金率が高くなりますよね?そのため社員から『休日出勤するなら同じ休みでも、土曜日より日曜日に出たほうがトクだ(土曜日に出るとソンをする)』という声があがっていて対応に困っています」

 

土・日曜日の週休二日制をとっている企業は多いと思われます。そこで、日曜日を法定休日として就業規則で特定していたとき、このようなお話をコンサルティングのなかでお伺いすることがあります。

 

1週1日の労基法で定める休日を付与しながらも、特定された法定休日に働かせたばかりに3割5分増の割増賃金を支払わなければならない・・・というのは、なんとなく腑に落ちませんよね?

 

そこで今回は、日曜日に働かせると、土曜日の会社で定めた所定休日に休みを与えていたとしても労基法上の休日労働になるのかについて、詳しく確認していきたいと思います。はたして法定休日の日曜日に出勤すると、社員にとっておトクになるのでしょうか?

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振替休日の社員による指定制と代休はどう違うの?

オフィスのテーブルに置かれたノートパソコン、ノート、ボールペン、スマートフォン。観葉植物の鉢植え。窓の向こうの緑。

代休(代償休日)とは、休日労働の事実が生じた後に、その代償として休日を与えることです。

いったん発生した休日労働の事実は消し去ることはできませんが、社員に休息の機会を与えることで、社員の健康を守ることができます。

 

この代休と似たものとして「振替休日の社員による指定制」があります法律上は、振替休日と代休の両者では明らかに異なりますが、一般的に同じものとみられがちです。

 

そのため企業における実務でも、振替休日の社員による指定制と代休は厳密には区別されておらず、ごちゃまぜになっているケースも多いようです。結果として、その企業の慣行的な取り扱いによって処理されることがほとんどでしょう。

 

そこで今回は、振替休日の社員による指定制と代休の違いについて改めて確認していきたいと思います。

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社員の退職後に不正発覚、懲戒処分と退職金はどうなる?

箱から散らばったカラフルなクレヨン。画用紙。

懲戒処分とは、「企業秩序の違反に対して会社によって課せられる制裁罰のこと」として考えられています。企業秩序を乱したことに対するペナルティーですから、あくまでも会社に在籍していることが前提です。

 

では、社員が退職した後にその社員による不正が発覚した場合、懲戒処分はできるのでしょうか。「すでに辞めてしまった社員のことを言っても仕方がない」と思われる経営者や管理職の方もいらっしゃるでしょう。ご心中、察するに余りあります。

 

ただ、退職した社員について「懲戒処分にするべきなのか?」という悩みが深くなるのは、退職金の不支給もしくは返還についての問題があるときです。

 

そこで今回は、社員の退職後に違反行為がわかったとき、会社として懲戒処分と退職金の問題にどう対処するといいのか、について詳しくみていきましょう。

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社員の不正で問われる上司の指導責任

手帳。メモ。黒の革ベルトの腕時計。クリップ。指輪。卓上サイズの観葉植物。

最近、同僚の動きがおかしい。帳簿などの経理関係書類を、どうも不正操作しているような気がする。

だが現場を実際に目撃したわけではないので、はっきりしたことは分からない。こんな状態で上司に報告はできない・・・

 

**

同僚の不正行為をうすうす感じていた経理部員のAさん。その後、抱いていた疑念が事実だったことがわかりました。

では、同僚の不正行為を上司に報告や相談をしなかったAさんは、「不正を見逃した」として懲戒処分の対象となるのでしょうか?

 

ここでポイントとなるのは、Aさんがこの不正を行った社員に対して管理監督する職務上の注意義務を負っていたのかどうかです。

 

そこで今回は、職場で不正行為が発覚したときに問題となる管理職の指導責任とはどういったものなのか、について詳しくみていきましょう。

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週休2日制で土曜日に出勤すると休日労働?

木目調のテーブルに広げられたノートパソコン、付箋、クリップ、ペンケース、ボールペン。仕事中。

労基法において休日は、週1日を原則としています(例外として4週4日休日制)。よって、この法定休日を上回った、会社が決めた法定外の休日に働いたとしても、労基法上の休日労働にはなりません

 

「ええっ!じゃあ、うちの会社は週休2日制なので、土曜日に出勤してもらっても休日労働にはならないんですね・・・休日労働の割増賃金(3割5分増)で給料計算していました・・・」

 

コンサルティングのなかで、休日と休日労働の関係についてお伝えすると、企業のご担当者からこのようなリアクションをいただくことがよくあります。

 

テレビドラマなどでは、がらんとした休みの日のオフィスに出勤して「あ~こんないい天気の日に【休日出勤】か・・・」といったボヤキのシーンはよくみられますから、労基法上の扱いと混同してしまうのも無理はありません。

そこで今回は、週休2日制における休日労働の取扱いについて、詳しく確認していきましょう。

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「CHANTO」11月号 取材協力しました

「CHANTO」11月号カバー表紙

10月7日(月)発売の「CHANTO」11月号(主婦と生活社)では、「夫や子どもにどう伝える? 仕事への影響はどうカバーする? 働くママの生理とのつきあい方」というタイトルの企画が組まれています。

その中のワンコーナー「生理休暇のしくみ」について、取材協力させていただきました。

 

「CHANTO」では、働くママのための生活実用誌として、働く女性に役立つ情報を提供されています。

ラクちん時短レシピや収納アイデア、便利グッズ紹介など情報が盛りだくさんです。

編集部さんから送っていただいた掲載誌を読みまして、いろんな家事ノウハウに「なるほどなぁ~~」と私も思わず唸ってしまいました(笑)。

 

興味をお持ちになられましたら、ぜひ全国書店・ネット書店でお買い求めください!

 

「CHANTO」11月号(最新号)の立ち読みはこちらからどうぞ♪

 

カバー表紙は松坂桃李さんです!

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懲戒処分を決めるまで社員を自宅待機させてもいいですか

白いデスクのうえ。ノートパソコン、マウス、コーヒーの入ったマグカップ、ピンクのペン、メモ帳、クリップ、観葉植物。

少人数のアットホームな経営から人数を増やして規模を拡大していくときなど、会社をステージアップさせる機会に、「懲戒処分の基準を見直したい」とのご相談をいただくことがあります。

 

社内外における態度や姿勢を改めて気を引き締めたい、というのがその意図です。そこで、次のようなご質問をよく伺います。

 

「たとえば重大な違反行為があったとして、会社が懲戒解雇を決めるまでの間、その張本人が出社すると職場の雰囲気がぎくしゃくすると思います。本人もばつが悪いでしょうし、周囲もどう接すればわからないでしょう。そんなときは本人に自宅待機を命じてもいいのでしょうか?」

 

懲戒には、1つの違反行為に対しては1つの処分を下すものとするルールがあります。つまり、同じ違反行為を2回懲戒処分にすることは禁止されているのですが、「出勤停止からの懲戒解雇」という処分は、この二重処分の禁止にあたらないのでしょうか。

 

今回は、懲戒処分を決めるまでの自宅待機は二重処分にあたるのかどうかについて、確認していきましょう。

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休憩時間の自由利用を制限できるときとは

デスクに立てかけられたメモ帳。トレイにのったアップルパイ。コーヒーの入ったカップ&ソーサ。便箋と万年筆。卓上サイズの観葉植物。

「うちの会社の今の就業規則をみると、昼休み休憩の外出は許可制にしています。社内に食堂があるので、昼食を買いにわざわざ外へ出かける必要性はないのですが、これで問題はないのでしょうか?」

 

昼のランチタイムなどの休憩時間とは、社員が労働時間の途中に権利として、仕事から離れることを保障されている時間のことです。

したがって、社員は休憩時間中においては仕事から離れて、自由にその時間を利用できるのは当然だといえます。

 

そのため、会社が社員の当然の権利を侵害していることになってはいないか?と、疑問をお持ちになった経営者や人事担当者の方から、コンサルティングのなかで、休憩時間にまつわるご質問をいただくことがあります。

 

結論からお伝えすると、休憩時間の利用について、「職場の規律を守るために必要な制限」を設けることは、休憩本来の目的を妨げない限り問題ありません。そこで今回は、休憩時間の自由利用を制限できるときとは、どんなときなのかについて詳しくみていきましょう。

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社員が退職願を撤回できるのはどんなときか

マーブル調のデスクのうえに広げられたノートパソコンとメモ帳、ボールペン。ピンクのガーベラのコサージュ。

ドラマを見ていると、その終盤で、主人公から預かっていた退職願を上司が「これはもういらないよな」と本人に突き返し、涙ながらに主人公が退職願をビリビリ破り捨てる・・・といったシーンがあります。

 

これをオフィスでの日常に置き換えると、「社員はどんなとき退職願を撤回できるのか?」という疑問がふと浮かんできます。

 

退職願は、社員からの一方的な解約の意思表示である「辞職」と、会社との合意に基づいて雇用契約を解約しようとする「合意解約」の2パターンに分かれます。

 

実は、この「辞職」と「合意解約」では会社のとるべき対応も変わってきます

そこで今回は、この退職願の2パターンの違いについて詳しく確認していきたいと思います。

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出向社員に給料の支払い義務があるのはどっち?

半分に割れた果物。ライムとマンゴー。ノートと鉛筆。カラフルな付箋。

9月に入っても、日中の大阪は夏を思わせるような暑さです。日ごとに空が青く澄んでいるのをみて、かろうじて秋の気配を感じます・・・

さて、秋といえば人事異動の季節。10月からの配置転換・出向を検討している企業もあることだと思います

 

出向社員は、出向元企業に在籍したまま出向先企業で、業務に従事することになります。

では、出向前には出向元企業から支払われていた給料や賞与は、出向後はどちらの企業から支払われることになるのでしょうか?

 

また、出向元企業と出向先企業では、昇給基準も異なるでしょうが、どちらの基準によるのでしょうか?

 

賃金は重要な労働条件のひとつであり、社員の関心も高いトピックです。

そこで今回は、出向社員に対する賃金や賞与の支払い義務はどちらにあるのか、また昇給基準はどう考えるのか、について確認していきましょう。

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ミスした社員からの減給の申出に会社はどう対応するか

水色のマグカップがひっくりかえって仕事の書類がコーヒーまみれ。めがねと電卓。

失敗や挫折の経験は、次に進むためのステップです。逆に「失敗がない」というのは、新しいことにチャレンジしていないからだともいえます。ところが・・・

 

「営業部のエース社員が取引先との大事なイベントでミスをしてしまいました。取引先に迷惑をかけることになり、本人も責任を感じています。そのため『今月の給料から(迷惑料として)引いてほしい』との申し出があったのですが、どう対応するべきでしょうか」

 

仕事上の失敗に思い悩んだ社員からの減給の申出に、「反省も十分しているようだが、『けじめ』として本人の意向を汲むべきなのか・・・?」と、戸惑う経営者や管理職の方からご相談をいただくことがあります。

 

そこで今回は、ミスした社員からの減給の申出に会社はどう対応するべきなのか、減給に関する労基法の規制を確認しながら、詳しくみていきましょう。

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女性社員が育児時間を請求したとき会社のとるべき対応とは

ベビー服とおもちゃ、お椀とスプーン&フォーク。置時計。

「妊娠した女性社員から『出産後、1日2回の育児時間を連続してとれますか』と質問されて、そんな制度があるのかとびっくりした」

 

就業規則のコンサルティングのなかで、「育児時間」の項目にさしかかると、このようなお話を男性の経営者や管理職の方からお伺いすることがあります。

 

かつては結婚・出産などのライフイベントを迎えても、働き続ける女性社員は多くありませんでした。そのため、育児時間に関する質問を受けることもなくその存在を知らずにいた、というケースは多いようです。

 

「育児時間」とは、1歳未満の子どもを育てる女性社員が、昼休みなどの休憩時間のほかに1日2回それぞれ少なくとも30分、授乳など育児のための時間を会社に請求できる、というものです。

 では、冒頭のような質問を受けたとき、「1日2回を連続してとるのはダメだ」「この時間帯にとってはダメだ」など制限を会社が設けることはできるのでしょうか。今回は、会社の育児時間の与え方について詳しくみていきましょう。

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消費税法改正に伴うご請求に関するお知らせ

緑の芝生上に置かれたお盆。イチゴとミント、氷の入ったガラスのウォーターポット。グラスに注がれたソーダ―。イチゴ、ミント、ストロー。

お客様各位

 

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

 

さて、このたび当事務所では 2019年10月1日に予定されている消費税法改正に伴い、提供サービスの消費税率を【8%適用から10%適用へ】変更いたします。

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2019/8/22吹田商工会議所建設部会「人材採用セミナー」

セミナー登壇中の高島あゆみ

先週8月22日に、吹田商工会議所建設部会の主催による「人材採用セミナー 若者をGETする」に登壇しました。

 

参加者のみなさんは、建設業の経営者や管理職の方々でした。

建設業界では高齢化と若者離れがみられるなか、人材の確保は業界的に大きな課題と言えます。

特に重視したいのは、若年層の人材です。

 

そこで「欲しい人材を獲得するための採用コンセプトの作り方」をテーマに、具体的な事例を交えてお話しさせていただきました。

 

というのも、採用コンセプトの作り方と伝え方を知らないせいで、せっかく魅力のある企業なのに、広告費のロスや採用のミスマッチといった問題が起きているからです。

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列車の遅れや運休で会社の始業時刻を遅らせてもいいですか

朝食のプレート。ライ麦パン、固ゆでたまご、トマト、クレソン、チーズ。

「台風の影響などで悪天候になると、列車やバスが遅れたり、運休になることもたびたびです。始業時刻からだいぶ経ってからでないと、社員がオフィスに出勤できないこともあります。 

とはいえ、仕事の納期が迫っている場合もあるので、そんなときは始業・終業時刻を後ろにずらせないのでしょうか?うちの会社ではフレックスタイム制をとっていないのでダメでしょうか?」

 

最近、コンサルティングでよくいただくご相談です。職場にフレックス制を導入していないと、始業・終業時刻を動かすことはできないのでしょうか?

 

結論からお伝えすると、就業規則に規定すれば、いわゆる就業時間帯の繰上げ・繰下げを実施することができます。これは、変形労働時間制やフレックスタイム制にはあたらないからです。

そこで今回は、就業時間帯の繰上げ・繰下げとはどういったものなのか、詳しくみていくことにしましょう。

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社員の降格は会社の裁量で決めてもいい?

デスクに積まれた書籍。その上にマグカップのコーヒーが置かれている。傍らに電卓、手帳、万年筆。

昇進とは、「係長→課長→部長」などのように、企業内での職務上のポジションが上がることです。昇進にあたっては、企業内における権限と責任を伴います。上のポジションになればなるほど、それらは大きく、重いものとなっていきます。

 

昇進によって、会社から経営権・人事権を分担され、会社と一体となって(もしくは会社の立場にたって)業務の推進と部下のマネジメントを任されることになるからです。

 

このことから、昇進に関する人事は、原則として会社の経営権の裁量にゆだねられていることがわかります。では、降格についてはどうでしょうか。実は、降格については次の3パターンに分かれます。

  1. 企業内のポジション(職位)の降格または解任
  2. 人事制度による資格等級格付けの下位への変更
  3. ペナルティー(懲戒)としての降格処分

今回は、社員の降格は会社の裁量によって決めてもいいものなのか、上記の3つの場合に応じて、確認していきましょう。

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新入社員を子会社へ出向させるのはダメですか

12色別の12本のネクタイ。

いまは、求職者が有利な売り手市場なので、内定を辞退する学生もみられるようです。予定の採用人数を集めるために、夏採用というかたちで8月下旬ごろまで採用活動を続ける企業もあるようです。

そこで、次のようなご質問をいただくこともあります。

 

「うちの子会社は、就活生の知名度がないために採用活動で苦戦している。子会社の名前で求人をしても人材の獲得が難しいので、親会社である当社で募集して、採用してからすぐに子会社へ出向させるのは、何か問題がありますか?」

 

業績はよいのに学生の間では知られていない、ということでこのような現象は、特にBtoB企業で起こりがちです。

 

そこで今回は、親会社による求人と子会社への出向において気をつけるべきことについて確認していきましょう。

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飲み会が労働時間になるとき、ならないとき

オードブルをテーブルに並べてワイングラスで乾杯。4人で赤ワイン。

「テレビドラマで会社の飲み会を勤務時間として申請しているシーンをみた社員から、”うちの会社ではダメなんですか?”と質問されて、しどろもどろになってしまいました。法律的にはどうなるのでしょうか?社員が納得するような根拠はありますか?」

 

今の季節は社内や仕事関係者で暑気払いの会を催す機会も多いのではないでしょうか。そのためか、コンサルティングの中でも「飲み会」にまつわるご質問をいただくことがあります。

 

「飲み会」とひとくちにいっても、仕事にまつわる飲食の機会といえば、得意先の接待、会食付きの打合せ、取引先の開店パーティ、社内の送別会や忘年会・・・などなど、いろいろなものがあります

 

そこで今回は、これらの飲み会(仕事関係の飲食の機会)が労働時間になるとき、ならないときについて整理していきたいと思います。

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社員に海外勤務を命じるとき注意するべき点とは

世界地図に目的地を赤いピンでとめる指先。スマホ、ノート、えんぴつ。

海外支店の増員のため、社員に転勤命令を出す必要性が生じた。

海外との取引が頻繁に行われるようになり、数人の社員を現地へ派遣しなければならなくなった。

 

このように業務上の都合で、社員に海外勤務を命じなくてはならなくなったとき、どのようなことに注意すればいいのか?と、戸惑われる経営者や管理職の方は多いのではないでしょうか。

 

海外で働くことに憧れや興味を持っている人の割合は、一般的にみても高いようですが、いざとなると「国内とは事情が違う海外転勤に社員が不安になり過ぎて、モチベーションが下がっていて困っている」といったお話を伺うこともあります。

 

そこで今回は、海外勤務を社員に命じるときに留意しなければならないことについて、①海外支店への転勤命令、②海外子会社への出向の2パターンに分けて確認していきたいと思います。

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正規の申請をしないで休んだ社員にとるべき対応とは

麦わら帽子とサングラス。輪切りになったオレンジ、ライム、レモン。ページが開かれたメモ帳と鉛筆。

【人事担当者のよくある悩み】

うちの会社では、年休をとるには定型の年休届に記入して、直属の上司に提出することになっている。そして各部署から人事部に年休届の用紙が集約されて、社員それぞれの年休日数を管理している。

 

ところが、ある部署でこの正規の申請をしないで休んだ社員がいるようだ。直属の上司には口頭で翌日休みたい旨を伝えたそうだが、「届出用紙を提出するように」との上司の注意を無視して、当日休んだらしい。日頃から勤務態度がルーズな社員のようで、その上司は「無断欠勤の処理でいいだろう!!」と怒りが収まらない様子・・・

 

正規のルートで人事部へ休んだ情報が届かなければ、勤怠管理でミスを誘発しかねない給料計算にも影響が出てえらいことになる。だからといって、ペナルティーとして無断欠勤にしてしまうのもやりすぎではないだろうか・・・人事担当としてどう対応すればいいんだろうか・・・(休んだ社員と怒りの上司の間で、板挟みになってツラい・・・)。

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このような正規の申請手続きをしないで休んだ社員に、会社としてどのように対応するとよいのでしょうか

今回はこの件について、詳しく確認していきましょう。

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同じ休みでも休日・休暇・休憩はどう違うの?

お休みの日のティータイム。木製の器に盛られたいちご。耐熱ガラスのマグに入れられた紅茶。クッキーを添えて。

この梅雨の時期、休日でも外出せずに家のなかでのお楽しみタイムが増えます。しとしと雨音に耳を傾けながら、DVDや音楽鑑賞、読書など趣味の時間を過ごすのもいいですよね。

 

さて、そんな休日について、コンサルティングの中で実はよくいただくご質問に、「休日と年次有給休暇は同じものではないのですか?どう違うのですか?」というものがあります。

 

 確かに「仕事を休む」という行為では、休日と休暇も同じです。

これらに加えて、仕事中の休憩時間についても「仕事を休む」という意味でいっしょです。

 

これらの本来の意味合いは、実は、まったく違うものですが、たとえばお休みの日が人ごと、週ごとに異なるといったシフト制をとっている職場では、これらの管理が煩雑になりがちではないでしょうか。

けれど、もしも混同してしまうと(特に休日と休暇)、会社の年間休日数をミスカウントしてしまうおそれがあります。

では、休日、休暇、休憩はそれぞれどのように違うのでしょうか?

うっかりミスを防ぐためにも、今回はこれらを詳しく確認していきましょう。

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ランチタイムの電話対応は労働時間になる?

オフィスのデスクに並べられたテイクアウトのランチ。エビピラフとチキンサラダ。紙コップにストローのささった冷たいコーラ。

限られた時間のお昼休みにオフィスの外に出るよりも、コンビニやファストフード店でランチを購入して、オフィス内で食べる社員さんも増えているようです。

 コンサルティング中の雑談で、こんなお話を伺ったことがあります。その話の流れで、次のようなご質問をいただきました。

 

「昼休み中に取引先から電話がかかってくることはあまりないのですが、電話が鳴ったときには、オフィスのデスクで弁当を食べている社員が出てくれます。こちらとしては助かるのですが、これは実は労働時間にあたって、残業代計算などに入れないといけないのでしょうか?

 

お昼休みは貴重なリフレッシュタイムであり、本来ならおいしくお弁当をパクついているだけでいいはずなのに・・・と人事担当者として懸念されているご様子でした。

 

これは、みなさんの職場でもよく見られる光景かもしれません。

そこで今回は、ランチタイム中の電話応対は労働時間にあたるのかどうかについて確認してみましょう。

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社員が復職するときOK・NGの判断基準とは

白の一輪挿しが2つ。それぞれに活けられたピンクとブルーのアジサイの花。

6月は梅雨で蒸し暑くどんよりしたお天気の日もありますが、しっとりした空気に緑の香りも漂っていて初夏の訪れを感じます。

 

春先に体調不良で休職した社員の復職について、そろそろ考えなければならない職場もあるかもしれません。

 

「社員が職場に復帰したいと言ってきたとき、本人はきっと『自分はもう大丈夫だ』と主張するでしょう。とはいっても、実際には完全に回復していないケースも多いと思います。会社としてどう対応するべきでしょうか?」

 

よくご相談いただく内容です。会社として社員の健康管理に留意する必要があるので、このように懸念されるのも当然でしょう。

 

社員が復職するにあたって、その可否の判断基準はどうなるのでしょうか。また会社がその判断を行ってもよいのでしょうか。

今回は、これらについて詳しく確認していきましょう。

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毎年の賞与支給はお決まりのもの?

デスクに置かれた花柄の表紙のスケジュール帳。鉢植えの観葉植物。黒インクのびん。シャープペンシル。

今日、6月10日が賞与の支給日にあたる企業は多いのではないでしょうか。この賞与、ほとんどの働く社員にとっては「支給されて当たり前のもの」という感覚かもしれません。

 

たとえば毎年6月と12月に賞与が支給されてきたとします。

それでは、毎年賞与を支給していると、「毎年必ず6月と12月に賞与を支給しないといけない」と、慣行化されてしまうのでしょうか?

 

それなら、業績が振るわない年に賞与を減額したり、もしくは不支給とすることは、法律的にダメなのでしょうか?

不確実性の高い現在、いつもいつも右肩上がりで業績が伸びていくとはかぎりません。賞与の支給がお決まりのもの、ということなら、経営者的には支給すること自体がリスクとなってしまいますよね。

 

そこで今回は、毎年の賞与支給はお決まりのものとして慣行化するのかどうか、について確認していきましょう。

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社員の親が書いた退職願は有効ですか?

12色のクレヨンと画用紙。

先日テレビをつけると、ドラマをやっていました。たまたま目にしたシーンは、(親が薦める)結婚相手と結婚してほしい父親が、婚姻届にサインしようとしない娘に向かって、「私が(父親が)婚姻届に署名捺印しておく」というようなセリフを放つところでした。

 

そこで思い出したのが、以前にいただいた「社員の親御さんが書いた退職願を会社として受理してもいいのでしょうか?」というご相談についてです。

社員さんが入院されたため、代わりにご家族が退職願をお書きになり、会社へ提出されたとのことでした。

 

ちなみに前述のテレビドラマでは、婚姻届にサインしたのは父親であった(娘の意思ではない)ことが結婚相手の知るところとなり、結果として破談となる(親の書いた婚姻届は無効になる)ストーリーでした。

では、「親が書いた退職願」は有効になるのでしょうか

今回は、退職願をめぐる問題について会社はどう対応するとよいのか、確認していきましょう。

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フレックスタイム社員は早朝の会議に出なくていい?

この春から働き方改革関連法が施行されたこともあり、柔軟な職場環境づくりに尽力される企業は多いのではないでしょうか。

 

社員がライフスタイルに合わせて働けるよう、その選択肢を提供するべくみなさん知恵を絞られているなか、次のようなご質問をいただくこともあります。

 

「緊急の案件を打ち合わせるため、部署全体のミーティングを早朝に行わないといけないこともあります。そんなとき、フレックスタイム制が適用される社員には、早朝会議への招集をかけてもいいのでしょうか?」

 

フレックスタイム制においては、始業・終業時刻をいつにするかを社員の自由に委ねられるので、早朝の会議に出なくていい?いや、そもそも招集してはいけない?と悩まれるのでしょう。

今回は、この件について詳しくみていきましょう。

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単身赴任の経済的ダメージを会社はどこまで考えるべきか

テーブルに置かれたキッチン小物。バスケット。白のケトル。アルミ製の缶に植えられた観葉植物のグリーン。

大型連休明けでせわしなかった仕事がひと段落つき、新年度からのスタートもようやく軌道に乗ってきた頃ではないでしょうか。

 

オフィスでは、この春から転勤で新しい環境に身を置く人もいたかもしれません。転勤といえば、以前に、次のようなご相談をいただいたことがありました。

 

「人事異動で転勤する社員が単身赴任することになりました。当社では、引っ越し費用の全額のほか、単身赴任の場合は月額3万円の手当を支給しています。ですが転勤先が都心部のために物価が高くて今までよりも給料の手取りが減る、手当を増額してほしい、との訴えが本人からありましたどう対応するべきでしょうか?」

 

単身赴任する社員の経済的負担について、会社はどこまで考慮するべきなのか、どの企業においても人事担当者が頭を悩ませる問題かもしれません。

今回は、この件について詳しくみていきましょう。

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休まない社員を強制的に休ませてもいいですか

オフィスのコピー機。花が活けられた花びん。ストローの刺さったテイクアウトのコーヒー2つ。

今年は長めのゴールデンウィークでした。仕事の再開にさっそくエンジンをかける人、まだもう少し休んでいたいと思う人、早くも夏休みに向けて仕事のダンドリを始める人・・・休み明けのオフィスの様子をみると、休みに対する考え方は人それぞれであることがわかります。

 

コンサルティングの中でも「仕事が心底好きで、めったに年休をとらない社員がいます。ちゃんと休みなさい、と本人に伝えても『休んでも家でやることが特にない』と返ってきて、どうするといいのか悩んでいます」という話をお聞きすることが最近よくあります。

 

この春から、会社には社員に少なくとも年5日の年休を取得させることが義務付けられていますので、このように休もうとしない社員への対応に頭を悩ます管理職、上司の方が増えてきているのかもしれません

 

そこで今回は、休まない社員を強制的に休ませてもいいのか?について詳しくみていきたいと思います。

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「近代中小企業」5月号(2019年5月1日発行)に寄稿しました

「近代中小企業」5月号(2019年5月1日発行)の表紙

いよいよ新しい時代の幕開けです。

新しいステージに向かって走り出したくなるような、前向きな気持ちになります。

 

さて、そんな記念すべき本日5/1発行の中小企業経営研究会「近代中小企業」5月号(2019年5月1日発行)に寄稿しました。

 

「近代中小企業」5月号では、「労働時間と待遇のガイドライン」とのテーマで特集企画が組まれています。

 

この4月1日から、時間外労働に罰則付きの上限規制を設けるなどの労働基準法改正等を盛り込んだ、働き方改革関連法が施行されました。

 

そこでこの機会に、中小企業の「長時間労働の是正 → 時間外労働の上限規制」「多様で柔軟な働き方 → 有給休暇の義務化」「雇用形態による格差の是正 → 正規・非正規雇用間の待遇の見直し」などを真剣に考えてみましょう、という内容になっています。

 

わたくし高島は、「職場で陥りがちな 〝残業マインド〟に効くクスリ」というタイトルで4ページにわたって記事を書かせていただいています。

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会社を欠勤したとき年休を消化するルールにしてもいいですか

デスクのうえに置かれたノートパソコン、コーヒーの入ったマグカップ、観葉植物のグリーン。広げられた手帳のうえに置かれた眼鏡と万年筆。

「社員が家族の事情、もしくは自分の体調不良で、前もって年休申請ができずに会社を欠勤することになったとします。そんなとき、この欠勤日を自動的に年休日にして積極的に年休を消化する、というルールにしてはダメですか?」

 

この4月から、すべての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される社員に対して、年休日数のうち年5日の年休を取得させることが会社に義務付けられています

 

ただでさえ週休二日制で会社の営業日が少ないなか、年休の消化をこれ以上進めるのは難しい・・・と悩みを抱える職場も少なくないようです。そこで、コンサルティングのなかで冒頭のようなご相談をいただくことがあります。

 

そこで今回は、欠勤日を自動的に年休とするルールは法的にOKなのか?について確認していきたいと思います。

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出向社員に適用される就業規則はどっち?

白紙ページの広げられたノートとボールペン。コーヒーの入った白のマグカップ。オレンジピンクのデイジーとバラの花。

改正法の施行に伴って、この春に就業規則の見直しを行われる企業も多いでしょう。

就業規則を見直すにあたって、少なくとも一度は話題に上るのが出向社員への就業規則の適用についてです。

 

出向社員は、出向元企業の社員であると同時に、出向先の社員でもあります。ですから、出向社員には出向元と出向先のどちらの企業の就業規則が適用されるのか?とのご質問をよくいただきます。

 

ある具体的な事項について出向元と出向先企業の就業規則の規定が異なっている場合、どちらの規定が適用されるかによって、出向社員の労働条件に少なくないインパクトを与えることになるからです。

 

そこで今回は、出向元と出向先企業の就業規則の適用関係について確認していきましょう。

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労働時間・休日・休暇の1日はイコールではない

デスクに置かれた白いマグカップ。傍らに本。

最近は日の入り時刻が遅くなり、18時を過ぎてもまだ明るいですね。日(昼)が長くなるにつれて、季節が夏に変わっていくのを感じます。

 

日といえば、労働時間、休日、年次有給休暇では、同じ「1日」という概念であっても、それぞれ考え方や取扱いが異なることをご存知でしょうか

 

もともと勤務シフトに夜間勤務がある場合や、トラブルシューティングのため徹夜勤務が発生した場合など、この「1日」をどう考えるかで社員の働き方が変わってくるのでマネジメント上注意が必要です

 

今回は、労基法の「1日」の概念と、労働時間、休日、休暇それぞれの取扱いについてみていきましょう。

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仕事に必要な資格の試験勉強は労働時間になりますか

リングタイプのノート。水玉模様の手帳。エメラルドグリーンのペン。

春らんまんの美しい季節です。ワクワク、ウキウキ活動的な気持ちになり、何かを始めたくなりますね。

仕事に必要な資格の試験勉強をスタートさせるにもよいときです。

 

「当社の仕事に必要な資格を、できるだけ多くの社員に取得してもらいたいと考えています。『会社がとれというなら試験勉強しますが、その時間に残業代はつきますか』という社員からの質問には、どう対応するべきですか」

 

実は、これは経営者や管理職の方からよくいただくご相談内容です。

 

仕事への意欲を高めるために、資格試験へのチャレンジをすすめる会社と、資格試験へのチャレンジを対価でもって認めて欲しい社員。

 

心情的にはどちらも理解できるのですが、法律上ではどう考えるといいのでしょうか。

今回は、資格試験の勉強が労働時間にカウントされるのかどうかについてみていきましょう。

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試用期間は新入社員を育てる期間

積まれたノートの上に置かれた黒縁の眼鏡。ゴールドのクリップ。パソコンのキーボード。バラが活けられた白の花びん。

いよいよ4月、何かが始まる予感に満ちた季節がやってきました。

新社会人の真新しいスーツ姿をみると、こちらまで気の引き締まる思いがします。

新入社員の会社や仕事への適性をみるために、試用期間を設けている場合は多いでしょう。

 

セミナーや研修のなかで、この試用期間について

「この新入社員とはもう一緒にやっていけそうもない、と感じた場合には試用期間中であれば、簡単に辞めてもらえるのですか」

との質問をいただくことがあります。

 

試用期間は新入社員側の問題、として捉えがちかもしれません。

実はこの期間は、上司や先輩社員が〇〇するべき期間でもあるのです(答えは記事のタイトルにありますが・・・)。

そこで今回は、上司や先輩社員が試用期間にやるべきことについてみていきたいと思います。

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「近代中小企業」4月号(2019年4月1日発行)に寄稿しました

高島が執筆しました、雑誌掲載の記事に関するお知らせです。

 

4/1発行の中小企業経営研究会「近代中小企業」4月号(2019年4月1日発行)に寄稿しました。

今回の記事は、前号「近代中小企業」3月号(2019年3月1日発行)掲載分の続編になります。

 

「職場で遭遇する“どっちが正しいの?”~これからは、コミュニケーション+α 法律の知識を身につける時代~」(後編)というタイトルで記事を書かせていただいています。

 

今回も「職場のあるあるトピックス」をもとに、職場ですれ違いがちなコミュニケーションの具体例を解説しています。

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仕事後の後片付け・整理整頓、ダンドリに残業代はつきますか?

テイクアウト用のコーヒーカップ。Lサイズ、Mサイズ、Sサイズが並んでいる。

いよいよ年度末、この1年間で溜まった資料や書類などを片付けて、新たな気持ちで新年度を始めたいですね。

 

片付けや整理整頓といえば、以前にとある企業の管理職の方からこんなお話を伺いました。

 

「仕事場が整理されていると、翌朝出勤しても気持ちよく仕事にとりかかれます。その分効率よく仕事ができるので、部下たちには、仕事が終わったらしっかり片付けて、整理整頓された状態にして帰ってほしい。でも、あまりやかましく言うと『それって残業代がつきますか?』と返ってきたりします(苦笑)

 

そこで今回は、仕事が終わったあとの、翌日に向けた仕事のダンドリは労働時間としてカウントするのか、しないのかについてみていきたいと思います。

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制服通勤を禁止するとき注意したい労働時間マネジメント

ボーダーカットソー、黒のスカート、お洒落スニーカー、ノート。

3月も半ばを過ぎ、街中ではスプリングコート姿をよく見かけます。

個人的には、朝晩の寒さに冬物のコートが活躍中ですが・・・

 

さてコートといえば、「コートの下に制服を着ていくので、コートの季節は一本遅くの電車で通勤できる」という話を聞いたことがあります。

以前、この制服通勤について人事部の管理職の方からご質問をいただきました。

 

「会社に着たら仕事をする、仕事が終わったらダラダラ居残っていないで帰る。オンとオフをしっかり切り替えるため、制服通勤を禁止しようと考えています。マネジメント上で注意する点はありますか?」

 

制服での通勤を認めないとなると、当然会社で制服に着替えることになります。そこで問題となるのは、会社で制服に着替える更衣時間をどう考えるかです

今回は、この更衣時間を労働時間にカウントするのか、しないのかについてみていきたいと思います。

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仕事の途中で歯医者に行ったらその日の労働時間はどうなる?

スタンドにたてられた薄いグリーンの歯ブラシ。フェイスタオルとプラスチックのコップ。ガラスの鉢に活けられたグリーン。窓から朝日が差し込んでいる。

とある職場のAさん、今日は朝から少し落ち着きがありません。どうやら、放置していた親知らずがズキンズキン痛むようです。

パソコンに向かうも時間を追うごとに痛みが強くなり、仕事はおろか、居ても立っても居られなくなりました。

 

そこで上司と同僚に事情を話して許可をもらい、仕事を抜け出して歯医者さんに向かうことにしました

 

歯医者さんから戻ってきたAさん、応急処置をほどこしてもらって落ち着きを取り戻したようです。

「さあ、歯医者さんに行った分の仕事の遅れを取り戻さなくっちゃ!」

張り切って終業時刻後も仕事に取り組む様子です

 

このように私用外出から戻ったあとで残業した場合、1日の労働時間としてはどのようにカウントするとよいのでしょうか。今回はこの件について、詳しく確認していきましょう。

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社員の給料にあたるもの、あたらないもの

木目調のデスク。ノートパソコン、手帳、メモ、ボールペン、スマホ、電卓。デスクに散らばったゼムクリップ。鉢植えのサボテン。観葉植物のグリーン。

3月に入りましたが、朝夕はまだまだ冷え込みが厳しく、三寒四温の言葉どおりの今日この頃ですね。

この春からの実施に向けて、就業規則をはじめとする規程の見直しにあたられている企業も多いかもしれません。

 

最近は、海外出張も増えてきていることから、それについての規程も別途作成する場合もみられます。旅費の水準は、それぞれの企業での出張の実情に応じて考えるべきですが、「社員の給料に関わることなので慎重になります」といったお声を伺うことがあります。

 

実は、出張旅費など実費弁償的なものは労基法で定める賃金にあたりません。ですが、給料と実費弁償的なものを混同してしまっているケースは意外と多いのではないでしょうか(これには理由があるのですが)。

 

そこで今回は、出張の旅費・日当は社員の給料にあたるのかをはじめ、そもそもどのようなものが社員の給料にあたるのか、またはあたらないのかについて、詳しく確認していきましょう。

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「近代中小企業」3月号(2019年3月1日発行)に寄稿しました

「近代中小企業」3月号(2019年3月1日発行)の表紙

本日(3/1)発行の、中小企業経営研究会「近代中小企業」3月号(2019年3月1日発行)に寄稿しました。

 

「近代中小企業」3月号では、「私にとって“平成”とはどんな時代だったのか?」とのテーマで特集企画が組まれています。

 

20世紀後半の第三次産業革命から、まだまだ道半ばの第四次産業革命にいたる、激動ともいえる時代であった「平成」ももうすぐ新元号となります。

経営環境のみならず労働環境、生活環境までもがこの30年で、大きく様変わりしました。

そして、これから新しい時代にどう判断し、変化に対応していけばよいのか。

働く人の役に立つトピックスが掲載されています。

 

わたくし高島は、「職場で遭遇する“どっちが正しいの?”~これからは、コミュニケーション+α 法律の知識を身につける時代~」(前編)というタイトルで、見開き2ページにわたって記事を書かせていただいています。

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半日単位年休をうまく活用するコツ

ゴールドに青いフォルムの腕時計をはめた腕。

みなさんの会社では、半日単位年休の制度をじょうずに運用されているでしょうか。

 

コンサルティングをしていると、半日単位年休の存在自体を知らないというケースに、意外と多く出会います。

また、半日単位年休と時間単位年休の違いがわからない、といったこともよくお聞きします。

 

後で詳しくお伝えしますが、時間単位年休は法律上の年休制度ですが、半日単位年休は法律上の制度ではありません。 

そのため両者をちゃんと区別する必要はありますが、年休取得に関する選択肢の幅が広がります。

 

そこで今回は、次の3点についてみていきたいと思います。

  1. 半日単位年休と時間単位年休の違い
  2. 半日単位年休の取扱い
  3. 就業規則で定める半日単位年休の活用法
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出向先による再出向の命令はできますか?

オフィスのデスク。ノートパソコンの前に置かれたブルーライトカットの眼鏡。マグカップ、手帳。

とある企業では、関連グループの数社で合同プロジェクトを運営することになりました。

プロジェクト推進担当のAさんは関連会社に出向中です。ところがプロジェクトが進むにつれ、その規模は当初よりも大きなものになっていきました。

 

そこでプロジェクト全体を円滑に進めるため、中心的な役割を担当しているAさんを、さらに別の会社に出向させたほうがよいのではないか?といった話が持ち上がりました。 

Aさんの出向先の人事部では、その話を聞いて大慌てです。

 

プロジェクトを運営する現場では、Aさんをさらに別会社へ出向させることが、ほぼ決定事項としてまさに今、動きだそうとしているとのことだったからです。

 

そこで今回は、「出向してきた社員を他社に再出向させることはできるのか?」について詳しくみていきたいと思います。

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母校の創立100周年記念事業HPにお祝いメッセージを寄稿しました

お祝いのケーキ。ピンクのクリームでバラの花がデコレーションされている。

母校である大阪府立生野高等学校の「創立100周年記念事業HP」にお祝いのメッセージを寄稿しました。

 

創立100周年記念事業実行委員の方には、この栄えある機会にメッセージのご依頼をいただきましてありがとうございました。

 

「卒業生には母校を誇りに感じてもらい、在校生には夢への後押しに」ということでしたので、当事務所の代表プロフィールでも触れていますが、いまの社会保険労務士という仕事に出会ったいきさつや高校時代の思い出を書かせていただきました。

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出向社員の年休日数をどうカウントするか?

デスク周りの風景。パソコンのキーボードの上に散乱したゼムクリップ。ペン立て。電卓。付箋。財布。

この4月から、法改正によって年次有給休暇の取扱いが変わります。そこで最近、年休の取扱いについてのご質問をよくいただきます。

(詳しくは、過去記事「法改正で年5日休むため会社と社員でやるべきこと、捨てること」をご覧ください)

 

そのなかには、「この春から子会社へ出向する社員の年休日数は、どうカウントすればいいですか?」と、出向社員の年休の取扱いに関するものもあります。

 

ちょうど今は新年度の人事異動を検討する時期でもあるので、人事担当者の方は「今の会社で発生している年休を出向先の子会社でも使えるのか?」「いったんリセットすることになるのか?」などと、頭を悩ませることもあるかもしれませんね。

 

そこで今回は、出向社員の年休日数をどうカウントするとよいのか、について詳しく確認していきましょう

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問題行動を起こした採用内定者の内定を取り消せますか?

応接室。クッションの置かれたソファとテーブル。テーブルのうえに観葉植物。

暦の上では立春を迎え、春が始まりますね。

もうしばらくすると卒業式のシーズンです。新入社員を迎える準備で大わらわの企業さんも多いのではないでしょうか。

 

この時期にご相談をいただくのが、採用内定者の内定取消し問題です。

 

「もし、採用内定者が入社日までになにか問題となるようなことを起こしたとき、会社として内定を取り消してもいいのでしょうか?」

 

採用内定者には2パターンあり、法律的には「採用予定者」と「採用決定者」に区分されます。

(詳しくは、過去記事「採用内定者に就業規則の適用はアリかナシか」をご覧ください)

 

内定の取消ができるかどうかについては、「採用予定者」と「採用決定者」とに分けて検討する必要があります

今回は、これについて詳しくみていきましょう。

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採用内定者に就業規則の適用はアリかナシか

太陽の光いっぱいのガーデン。クロスがかけられたテーブル。分厚い書籍とそのうえに置かれた眼鏡。

みなさんの会社の就業規則の1ページ目を開いてみてください。

 

そこには、「この規定は、就業規則に定める当社の従業員に適用する」と、就業規則の適用範囲が定められていると思います。

 

さて、ここで問題です。

いったい何時の時点から、「当社の従業員」に該当するのでしょうか?

入社してから?それとも試用期間が終わってから?

・・・そこで取扱いに悩むのは「採用内定者」ではないでしょうか

 

採用されることが内定しているとはいえ、「当社の従業員」かというとどうもしっくりこない・・・。 では「当社の従業員」にあたらないのなら、就業規則は適用されないのか?

とはいえ、これから採用されるわけなので「見込みの従業員」として準用されるのだろうか・・・?など、思考が堂々巡りになってしまいますね。

そこで今回は、採用内定者に就業規則の適用はアリなのか、それともナシなのかをみていきたいと思います。

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採用の応募書類で気をつけたい個人情報の取扱い

デスクに広げられた便箋と万年筆。傍らに積まれたノートと手帳。ひと房のブルーベリーの小枝。

「採用の応募書類は、個人情報が満載です。個人情報の保護に気をつけるといっても、具体的にはどのように取扱うべきですか?」

 

新卒者と入社時期を同じ4月に合わせられるよう、1月に募集をかける企業は多く、意外とこの時期は採用市場が活発です。

 

企業の採用活動では、当然のことながら、さまざまな書類の提出を応募者に求めることになります。そのため、企業の採用担当者さんから採用の応募書類に関して、冒頭のようなご質問をいただくことがあります。

 

確かに応募書類にはたくさんの個人情報が記載されていますし、採用面接を実施すればそれ以外からも個人情報を得ることになります

 

そこで今回は、採用活動で応募者から提出される書類を企業はどのように取扱うべきなのかについて、詳しくみていきたいと思います。

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【社労士事務所Extension】

社会保険労務士 高島 あゆみ

〒542-0082 大阪市中央区島之内1-13-28 ユラヌス21ビル1F