先日の会議で、みんなが無理なく働ける職場にしていこう、仕事はグッと集中して生産性アップを目指そう、ということになった。そこで、昼休みまでズルズル仕事する人や逆に就業時間中に頻繁にトイレ休憩やお茶休憩に行く人がいるのは問題じゃないか、という話に。「就業規則で禁止しては」という案が出たが、問題ないのかな?
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育児中や介護中でも働きやすい環境を整えるため、長時間労働を見直すべく、休憩時間はしっかり休息をとり、就業時間は集中して仕事をしよう、と下半期の目標が決まりました。
とはいえ、今までフツーに行われてきた「昼休みに仕事」「トイレ休憩」「お茶休憩」をいきなり就業規則で禁止したり、制限したりして大丈夫?と慎重になる人事担当者さんです。
そこで今回は、就業規則で休憩時間中の仕事や就業時間中のトイレ休憩・お茶休憩を禁止したり、制限することに問題はないのか、詳しく確認していきたいと思います。
休憩時間とはどんな時間か
労基法では社員の疲労回復のため、会社は労働時間の途中に休憩時間を与えなければならないとしています。
労基法が定める休憩時間とは、社員が権利として仕事から離れることが保証された時間のことで、会社から業務命令を何ら受けることなく、会社の指揮命令下から完全に解放されている時間のことをいいます。社員が仕事から完全に解放されて、自分の自由に利用できる性質の時間だといえます。
昼休み中の来客応対を当番制で行うケースもよくありますが、その時間は労働時間にあたります。来客接遇や電話応対等は通常業務にあたり、その当番のため職場に居残っているのは、いわゆる手待ち時間として考えられます。
会社の指揮命令のもと、いつでも業務に対応できるような状態で待機しているため、仕事から離れることを権利として保障された休憩時間とはいえません。
また休憩時間は「自由な時間」とはいえ、職場の建物や施設などの管理上必要な規制やルールを破ったり、職場の秩序を乱したり、同僚の社員の休憩を妨害するような行動をとることは許されません。休憩時間は、仕事や会社による指揮命令下から解放されているだけで、労働時間の途中であることには変わりはないからです。
実務的にどうなる?
では、就業規則で「昼休みに仕事」「トイレ休憩」「お茶休憩」を禁止したり、制限したりすることに問題はないのでしょうか。
まず、労基法では会社に休憩時間の付与義務を課しています。社員が昼休みにも仕事をして休憩を取らずにいるのは、社員の疲労回復という休憩時間の趣旨を考えても良いとはいえません。
会社は労基法を遵守するべく、就業規則に労働時間や休憩時間をはじめとする職場のルールを定めており、会社が就業規則に則って「休憩時間にきちんと休みなさい」と注意・指導することは、休憩時間の自由利用の原則に反せず適切であり、社員はこれに従う義務があります。
次に、就業時間中にトイレに行く回数を制限することについて、トイレに行くことは生理現象であり必要不可欠であるため、就業規則で制限することの合理性は原則として認められにくいでしょう。体調不良でもないのにやたらとトイレ休憩に行く社員がいるなら、就業規則で制限するというよりは、上司が声をかけて理由を聞いたうえで、業務進捗の管理や指導を行いたいところです。
お茶休憩について、たとえば就業時間中に何度もオフィスの休憩スペースに行き、自販機で飲み物を買って一息ついたりするのであれば、法定以上の休憩時間を認めている状態といえます。長時間労働の是正を目標とするため、このようなお茶休憩を禁止することは合理性が認められる余地があります。
とはいえ、今まで日々の習慣として認められてきたお茶休憩を突然禁止することは、社員にとって受け入れがたい面もあるでしょう。そのため、「職場の生産性向上のため休憩時間はしっかり休息をとり、就業時間は集中して仕事をしよう」との目標をしっかり社員に説明し、職場で共有したうえで実行することが求められるでしょう。
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【念のため確認:労働時間の途中に休憩時間を与えること】
- 労働時間が6時間以下 → 会社に休憩時間の付与義務ナシ
- 労働時間が6時間超 → 少なくとも45分の休憩を付与
- 労働時間が8時間超 → 少なくとも1時間の休憩を付与
※労働時間が8時間ちょうどの場合には、45分間の休憩時間で足ります。
労基法の定める休憩時間の長さは最低ラインのものであって、最長時間の規制はありません。また1回にまとめて付与することまでは求めていないため、分割して付与することも可能です。
■この記事を書いた人■
社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ
「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。
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