社員から育児休業の申請があった。ただ、育児をしながら働き続けるのは難しいと感じているらしく、職場復帰する気はないとのこと。・・・育休って、仕事と育児を両立させるための制度だよね?復職しないのに育休を取る必要ってあるの?
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社員から育児休業の申出を受け、休業期間の終了後に復職するつもりがない社員にも育児休業を認めないといけないのか、ギモンが頭をよぎる直属の上司です。
育児休業は働きながら育児をする社員をサポートする制度なのだから、職場復帰しないのなら制度の対象外ではないの?と考えています。
そこで今回は、復職する気がない社員に対しても会社は育児休業を認めなければならないのか、詳しく確認していきたいと思います。
育児休業とは
育児休業とは、社員が原則1歳未満のこどもを養育するために一定期間会社を休める制度です。育児休業の申出は、それにより一定期間労働者の労務提供義務を消滅させる意思表示とされ、たとえ就業規則に育児休業に関する規定がなかったとしても、社員は法律に基づき育児休業を取得することができ、会社は休業の申出を拒むことはできません。
対象となる子は、「原則として1歳に満たない子」です。社員と法律上の親子関係がある「子」であれば、実子、養子を問いません。男性が事実婚の妻の子に対して育児休業をする場合には、申出時点において認知を行っていることが必要です。また、保育所への入所を希望しているけれど、入所できない等の特別な事情がある場合、子が最大2歳に達するまで取得できます。
利用回数は、子1人につき原則2回となります。2022年(令和4年)10月1日から、男女ともそれぞれ2回に分割して取得することが可能となりました(保育所への入所を希望しているが、入所できない等の特別な事情がある場合、再度の取得が可能)。
利用期間は、原則として子が1歳に達するまでの連続した期間です。配偶者が育児休業をしているなどの場合は、子が1歳2か月に達するまで、出生日以後の産前・産後休業、育児休業、産後パパ育休期間を合計して1年以内の休業が可能です(パパ・ママ育休プラス。保育所への入所を希望しているが、入所できない等の特別な事情がある場合、子が最大2歳に達するまで取得が可能)。
復職しない社員は育休の対象になるの
育介法では、育児休業等の目的を「雇用の継続」としているので、職場復帰する気のない社員の育児休業の申出は、この趣旨に反するようにも思えるかもしれません。
同法の定める育児休業の対象となる社員は、原則として1歳に満たない子を養育する男女の社員(日々雇用を除く)とされ、パート社員など(有期労働契約の社員)は申出時点で次の要件を満たすことが必要です。
- 子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと。
また、労使協定を締結している場合、次の社員は育児休業の対象外となります。
- 継続雇用1年未満の社員
- 申出の日から1年(1歳以降の休業の場合は、6か月)以内に雇用関係が終了することが明らかな社員
- 1週間の所定労働日数が2日以下の社員
このように、法律上では「復職するつもりがない」ことを理由に会社が育児休業の申出を拒むことは認められていません。また、申出の時点では職場復帰する気があっても、育児休業中に事情によりそれがかなわなくこともあるかもしれませんが、会社が休業を取り消したり、職場復帰を強制することもできません。
まとめると、育児休業の対象となる社員であれば、復職の意思がないことを明らかにしていたとしても、育児休業の申出を会社は拒否することはできません(もちろん職場復帰を説得することはできます)。
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育児休業の申出については、本文の通りです。
ちなみに育児休業給付については、育児休業終了後の職場復帰を前提とした給付金なので、育児休業の当初からすでに退職を予定している人は、育児休業給付の支給対象となりません。
この趣旨に沿い、育児休業給付を受給中の人が、2025(令和7)年4月1日以降にやむを得ず離職することになった場合は、離職日まで支給対象とするよう取扱いが変更されました。
■この記事を書いた人■
社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ
「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。
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