悪天候で飛行機が欠航となったので、出張中の社員が帰れなくなった。やむを得ず現地で延泊することになったが、この費用は会社持ちなのか、それとも本人?
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出張先のホテルで延泊することになった社員。何もすることがないのだからその日は年休にしてもらって、ホテル代も本人負担でいいのでは・・・との考えが頭に浮かぶ上司です。
とはいえ、延泊は本人の希望ではなくやむを得ない事情(悪天候)によるものなので、勤怠の扱いについても判断に迷います。
そこで今回は、悪天候で出張帰りの飛行機が欠航となった場合、現地のホテルでの延泊代やその日の勤怠についてどうするべきなのか、詳しく確認していきたいと思います。
延泊日の勤怠はどうなる?
悪天候による飛行機の欠航でやむなく出張先で延泊する場合、その日の社員の勤怠はどのように扱うべきでしょうか。
労働時間とは、「社員が会社の指揮下に置かれる時間」であり、会社から指示命令を受けて、会社の業務を行っている時間のことをいいます。
そのため延泊でホテルに滞在中、出張報告書等の作成を命じるなど何らかの業務の指示を与えた場合、会社の指揮命令下に置かれている時間といえるため労働時間にカウントされます。
一方、ホテル滞在中に会社として何らの業務の指示を与えていないということであれば、会社の指揮命令下に置かれている時間とはいえないので、労働時間にはカウントされません。
労働の対価である賃金請求権は発生せず、会社側の支払い義務もなくなるため、その時間に応じて賃金を減額するのはノーワーク・ノーペイの原則により適法となります。
なお、会社の責めに帰すべき事由(会社都合)による休業の場合、社員は働くことができないので、その休業期間中の社員の生活を保護するため、会社が社員に対して休業手当を支払わなければなりません。ですが、悪天候のため飛行機が欠航となり、やむなく出張先で延泊となったわけですから、会社として最大の注意を尽くしても避けることのできないものといえ、会社の責めに帰すべき事由にはあたらず、休業手当の支払いも必要ありません。
実務的にどうする?
前段でお伝えしたように、悪天候のためやむなく出張先で延泊中に、会社として何らの業務の指示を与えていない場合、賃金を減額するのはノーワーク・ノーペイの原則により適法となりますし、会社の責めに帰すべき事由にはあたらないので休業手当の支払いも不要です。
とはいえ社員にしてみれば、会社の業務命令で出張したのに、悪天候で飛行機が飛ばずに現地に足止めとなり、ホテルに拘束され、結果として延泊中の賃金も支払われない・・・という事態に対して「扱いひどくない?」との思いを抱く可能性があるのは想像に難くありません。
最近では、出張用ノートパソコンの会社貸与は、セキュリティ確保や業務効率化を目的として一般的となっています。場所を問わずに仕事することが可能なため、延泊中に何らかの業務を指示し、勤務してもらい、賃金を支払うことが妥当といえます。
冒頭の例のように、社員の同意が必要ですが、延泊日を年休にしてもらう方法も可能です。ただ、延泊費用(ホテル代)については、そもそも会社の業務命令で出張したわけなので、悪天候による飛行機の欠航で延泊した場合であっても会社が負担するべきと考えられます。
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ちなみに出張旅費の支給方式は、「証拠方式」と「定額方式」の2パターンに大別することができます。
- 証拠方式・・・出張者が提出する証拠書類に基づき支給額を定め、実費弁償という旅費の原則による。証拠書類の確保が難しく、必要費用の判定が難しい点も。
- 定額方式・・・標準的な実費額をもとに計算した定額を支給。出張者も担当者も手続きは簡単だが、標準額を決めることがそもそも難しいという点も。
■この記事を書いた人■
社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ
「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。
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