かかりつけ医で受けた健康診断の費用は会社負担?

テーブルに置かれたトマトサラダのボウル。健康管理。

先月実施した定期健康診断、Aさんはかかりつけ医で受けたいとのことで、その結果の証明書類を会社へ提出してもらうことになっていた。さっき結果書類を持ってきてくれたけど「費用はもちろん会社持ちですよね」と笑顔で領収書も提出してきた(゚д゚)!どうすればいいの?

 

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会社には社員に健康診断を受けさせる義務がありますが、例外があります。それは、会社の指定する医師の診断を受けることを社員が希望しない場合です。

 

その社員には自分で希望する医師の健康診断を受けて、その結果の証明書類を会社へ提出しなければならない義務が課されることになります。

 

会社の健康診断義務は免除されるわけですが、かかりつけ医のところで受けた健康診断の費用はどうなるの・・・?と戸惑う人事担当者さんです。

 

そこで今回は、自分が希望する医師のところで受けた健康診断の費用は会社が負担しなければならないのか、詳しく確認していきたいと思います。

健康診断は会社と社員ともに義務がある

パソコンのキーボードと聴診器。

会社には社員に健康診断を受けさせる義務がありますが、社員にも自分自身で健康状態を保つよう、自己保健義務による受診義務があります。

 

「使用者に対する労働者への健康診断実施義務(安衛法)」と「労働者の協力義務ないし受診義務(安衛法)」の規定が法律上の根拠となります。健康診断は会社と社員の両方に義務づけられたもの、ということができます。

 

会社と社員双方の責務として、協同して健康診断にあたることになるので、所定労働時間中に健康診断が実施された場合はそのまま労働時間となり、終業時刻後の所定時間外に実際された場合には、そのまま労働時間にならないという、折半的な処理となります。

 

行政通達では、健康診断は会社と社員が協力して実施されるものとして、下記の旨が示されています。

  • 健康診断は業務遂行と関連して行われるものではない
  • よって受診時間は当然会社が負担するものではなく、会社と社員で話し合って決めるもの
  • ただし社員の健康は仕事に欠かせないものなので、受診時間の賃金を会社が支払うのが望ましい

会社側の健康診断義務の例外は、会社の指定する医師の診断を受けることを社員が希望しない場合です。会社の健康診断義務は免除され、その社員には自分の希望する医師の健康診断を受けて、その結果の証明書類を会社へ提出しなければならない義務が課されることになります。

 

自分が希望する医師のところへ行って健康診断を受ける時間は、医師選択の自由権を行使するものであって、会社の指揮命令下に置かれた拘束時間ではないので、労働時間にカウントされません。

健康診断の費用負担はどうなる

病院の待合室。一人掛けソファが並んでいる。グリーンの鉢植。

健康診断そのものにかかる費用については、安衛法で会社に健康診断の実施の義務を課している以上、当然に会社が負担するべきものと通達で示されています。

 

では、会社の指定する医師の健康診断を受けることを社員が希望せず、かかりつけ医をはじめとする自分の希望する医師の健康診断を受ける場合、その費用についてはどうでしょうか。

 

この場合について通達では、健康診断の費用を会社と社員のどちらが負担するかは明らかにされていません。ですが会社の指定する医師の診断を受けることを社員が希望しない場合、会社の健康診断義務は免除されるため、その費用は会社が負担する必要はないと考えられます

 

また「せっかく健康状態を検査するなら人間ドックを受けたい」という社員もいるかもしれません。人間ドックで受診した項目については、会社は健康診断を実施する必要がありません。とはいえ前述のように、社員は人間ドックの結果の写し等を会社に提出しなければなりません。なお、人間ドックは法定健診の項目を上回る検査であり、会社に実施の義務がないため、会社が費用を負担する必要はないと考えられます。

 

いずれにせよ、社員の間で誤解が生じないよう、就業規則で健康診断や人間ドックの費用負担について明確に定めておくことがポイントとなるでしょう。

 

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社員の健康管理への意識を高め、自覚を促すため、就業規則に「社員は日頃から健康の保持増進に努めること」「会社が実施する健康診断は必ず受診すること」「体調不良を感じた時には進んで医師の診療を受けること」など、自己保健義務を規定することも併せて大切です。

青色の格子模様のクロスに無造作に置かれた紫色のチューリップたち。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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伸びる会社の就業規則作成コンサルティング。テーブルに置かれた赤色のバラの花瓶と目覚まし時計。
社員を伸ばす人事制度構築コンサルタント。5人のスーツ姿の男女が談笑している。

無料コンテンツ。ページがめくられた本。ガラスの小瓶に飾られた四つ葉のクローバー。

【社労士事務所Extension】

社会保険労務士 高島 あゆみ

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