社員が突如病気になり、入院することになった。本人からは退院したら復職したいとの連絡があったので、診断書の提出を依頼したところ「1年以内の復帰は難しい」との診断結果が。当社の休職期間は最長12か月なので、どう対応すればいいのか・・・
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在籍している経験豊富な社員に長く勤めてもらいたい、と考える人事担当者さんです。
とはいえ治療に専念してもらうためにも、1年以内の復帰がかなわないのなら、はじめから休職制度を適用せずに解雇処分とするほうがいいのだろうか?と深く思い悩んでいます。
そこで今回は、休職期間内に職場復帰できる見込みがない社員に会社はどのように対応するべきか、詳しく確認していきたいと思います。
休職と解雇の関係
休職とは、社員側の事情によって仕事に従事させることができない、または不適当な状況が発生した場合に、会社がその社員に対して労働契約関係そのものは維持させながら、一定期間の就労義務を免除することをいいます。
休職について定めた労働法上の規制はなく、休職の取扱いについてはあくまで会社が独自に決めるものです(逆に言えば、休職は社員の当然の権利ではない、ということです)。
一般的に休職は「解雇猶予の制度」と解釈されています。正常な勤務ができない状態にあるなら、労働契約で約束した労務提供ができないということであり、社員の債務不履行になるからです。
つまり本来なら、普通解雇事由の「傷病により長期にわたり業務に耐えられないとき」に該当するところを、休職期間に療養して将来的に労務提供できる状態に治ゆすることを期待して、解雇を猶予するものです。
休職期間が満了しても復職できないときは、解雇または退職の猶予期間が経過したということで、期間満了時に退職または解雇となります。就業規則で私傷病による欠勤が長期にわたる場合、「休職」とし、「休職期間中に休職事由が消滅せず復職しないときは自然退職とする」旨を定めるのは、これらのことを規定しています。
実務的にどうなる?
前段でお伝えしたように、本来は直ちに解雇事由となるべきところを一定の猶予期間を置いて、回復状態を待つというのが休職制度です。休職制度の利用によって、傷病が回復する可能性があることが前提となっています。
そのため、休職しても休職期間中に傷病が回復する可能性がまったくないような場合は、休職を適用する前提にありません。休職を適用せず解雇することも許容されると考えられます。
ですが、休職によって傷病が回復する可能性が少しでもある場合には、解雇を猶予するべくまずは休職を適用するべきです。休職を適用しないで行われた解雇は、解雇権の濫用ということで無効と判断される可能性が高いでしょう。
休職を適用する余地があるのか、つまり休職期間に傷病が回復する可能性があるのか否かということですが、この判断は専門的な知識が必要となるので大変難しい問題です。そこで実務上は、回復する可能性がまったくのゼロであることが明らかであるとき(←極めて例外的な場合)を除いては、直ちに解雇するのではなく、まずは休職制度を適用することが妥当でしょう(休職期間中に回復しなかったときには自然退職となる)。
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会社にとっては、休職は単に職場復帰を待つだけではなく、職場復帰後も継続して雇用するための制度です(そのため社員には解雇を猶予される代わりにきちんと療養に専念する義務がある)。
休職制度の趣旨についてあやふやな理解でいると、休職中の社員に適切ではない、曖昧な態度をとってしまいがちです(のちのちのトラブルのもと)。
会社と社員の間で制度の趣旨について、しっかり共有して前向きな職場復帰策を考えたいですね。
■この記事を書いた人■
社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ
「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。
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