大学3回生を対象に来年からインターンシップをやろう、との案が持ち上がった。「夏季休暇の時期に報酬をちゃんと払って働いてもらうといいんじゃないか」との話だが、夏休みなら他にアルバイトをしている学生は多いはず。1日の労働時間が長くなって、うちのインターンシップでの報酬に残業代が発生するんじゃ?
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労基法では「労働時間は異なる職場で働く場合でも通算する」との旨が定められているため、インターンシップの学生がバイトを掛け持ちすることで、通算の労働時間が法定労働時間を超えるケースがあるのでは、と懸念する人事担当者さんです。
とはいえ、インターシップとは、一般的には、学生が企業等において実習・研修的な就業体験をする制度のことで、原則的に労働契約を前提としていないため、対応に迷っています。
そこで今回は、掛け持ちバイトとの通算でインターシップが法定労働時間を超える場合に時間外割増は必要なのか、詳しく確認していきたいと思います。
そもそもインターンシップ生は労働者なのか
日本ではインターンシップについて、「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」として幅広くとらえられています。インターシップの学生が労働者にあたるかどうかは、通達によって下記のような旨が示されています。
- インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり会社から指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しない
- 直接生産活動に従事するなどその作業による利益・効果がその職場に帰属し、かつ、職場と学生との間に使用従属関係が認められる場合には、その学生は労働者に該当する
- この判断は、個々の実態に即して行う必要がある
つまり、会社と学生の間に使用従属関係があれば、労働関係法令(労働条件通知、労働時間等、割増賃金、最低賃金など)が適用されるということになります。会社は、実施するインターンシップがどんな内容かを把握し、インターンシップ生が労働者に該当するかどうかを判断しておく必要があります。
【 チェックポイント(下記のような実態があれば労働者にあたる )】
- 見学や体験的な要素が少ない。
- 会社から業務に関わる指揮命令を受けている。
- 学生が直接の生産活動に従事し、それによる利益・効果がその職場に帰属する。
- 学生に対して、実態として何らかの報酬が支払われている
冒頭の例では、「報酬をちゃんと払って働いてもらう」とあるので、「労働者」に該当することになります。
掛け持ちバイトのインターシップ生の労働時間はどうなる?
労基法では「労働時間は異なる職場で働く場合でも通算する」との旨が定められており、また「同一企業の異なる職場で働く場合だけでなく、異なる企業の職場で働く場合も労働時間は通算する」との旨も定められています(同じ日にA社とB社の両方で働くと、労働時間は通算されるということ)。
冒頭の例において、インターンシップ実施の職場での所定労働時間と掛け持ちバイトの職場での所定労働時間とを通算して法定労働時間を超える場合は、時間的に後から労働契約を結んだ企業におけるその超過分が時間外労働となります。その時間外労働の取扱いは、その職場における36協定に従うことになります。
つまり、インターンシップの契約が掛け持ちバイトの契約より後で結ばれたのなら、インターンシップ実施の企業に時間外割増の支払い義務が生じます。
同じ日における異なる企業での労働時間を通算する場合、その職場での労働時間と当人からの申告等により把握した、他の企業における職場での労働時間を通算することになります(当人からの申告等がなかった場合には、労働時間の通算は必要とされません)。
冒頭の例の企業がインターンシップを実施する際には、学生に掛け持ちバイトの有無を確認し、掛け持ちバイトアリの場合はその労働時間を把握しておく必要があります。
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インターンシップの学生が「労働者」に該当するのであれば、労基法等の法規を遵守しなければなりません(時間外割増など)。
そのときインターンシップ実施にかかるコストについては、インターシップ生が掛け持ちバイトとの通算で法定労働時間を超える場合、時間外割増の支払い額がどのくらいになるかも考えておく必要があります。
コスト面で時間外割増の支払いを回避したいのであれば、労働時間をどう設定するかを検討することになります。
■この記事を書いた人■
社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ
「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。
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