![白のクロスがかけられたテーブルに無造作に置かれたバラのブーケ。ページが開かれた洋書。コーヒーの入ったカップ&ソーサ。](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=535x1024:format=png/path/s6f1e3f4dce7a8c9c/image/i72dad35f567cd445/version/1689663555/%E7%99%BD%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%81%8C%E3%81%8B%E3%81%91%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%E3%81%AB%E7%84%A1%E9%80%A0%E4%BD%9C%E3%81%AB%E7%BD%AE%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%83%90%E3%83%A9%E3%81%AE%E3%83%96%E3%83%BC%E3%82%B1-%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%8C%E9%96%8B%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%B4%8B%E6%9B%B8-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%85%A5%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97-%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B5.png)
「営業職、現場職、事務職ではそれぞれ仕事内容が違うから、新人の職場や仕事に慣れるペースが同じはずがない。それなのに試用期間の長さが一律でいいのかな?職種別に試用期間の長さを設定するほうがいいんじゃないの?」(メーカー勤務 営業課長 談)
試用期間は新入社員が仕事や職場にうまく適用できるのか、向き不向きの判定を行うとともに、教育を行う期間でもあります。
試用期間では冷静なジャッジメントも必要ですが、新人を職場や仕事になじませることも大切なので、仕事内容を考えないで試用期間の長さが同じでいいのか?とギモンを覚える課長さんです。
そこで今回は、試用期間の長さを職種別に設定しても問題ないのかについて、詳しく確認していきたいと思います。
試用期間とはどんな期間?
![オフィスの応接テーブル。向かい合った椅子。テーブルの上に観葉植物の鉢植え。](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=535x1024:format=png/path/s6f1e3f4dce7a8c9c/image/i5a96b41cc616687b/version/1689663515/%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%BF%9C%E6%8E%A5%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB-%E5%90%91%E3%81%8B%E3%81%84%E5%90%88%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%A4%85%E5%AD%90-%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AB%E8%A6%B3%E8%91%89%E6%A4%8D%E7%89%A9%E3%81%AE%E9%89%A2%E6%A4%8D%E3%81%88.png)
採用面接では、社員としての適格性を適切に判断するのは簡単ではありません。そのため、試用期間を設けて実際の働きぶりや言動をみることによって、最終的に社員として雇用するかを決定することになります。
試用期間は新入社員の教育を行うとともに、向き不向きの判定を行うという2つの機能を持っています。
社員として会社に貢献するために必要な基本知識や仕事のやり方、技術を習得させつつ、職場での人間関係に順応できるのか、またそこで能力を発揮できる資質を備えているのかを判定する期間だということです。
教育指導と適格性判断が試用期間の目的なので、本採用の拒否・解雇については、まず会社が実施した教育がこれらの目的にかなっており、社会的にみて妥当であることが前提です。
きちんと教育が行われていれば、たやすく修正できる言動や振る舞いを何にも指導せず放置していたのに、それらを指摘して解雇事由とするのは許されません。
また「職場環境への順応性」「能力の発揮」とはいっても、その学歴、就くべき職種を考慮したうえで、それらの平均と比べてどうなのか、という視点で判断する必要があります。
職種ごとに試用期間の長さを変えてもいいの?
![深紅のチューリップ。hello springと書かれたメッセージカードと黒のサインペン。](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=535x1024:format=png/path/s6f1e3f4dce7a8c9c/image/i1c9469724b7bb910/version/1689663470/%E6%B7%B1%E7%B4%85%E3%81%AE%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97-hello-spring%E3%81%A8%E6%9B%B8%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%A8%E9%BB%92%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%B3.png)
結論からお伝えすると、仕事内容を勘案して職種ごとに試用期間を設定することに特に問題はありません。試用期間について「〇〇か月でないとダメ」といった法的な規制はないからです。
試用期間制度を定めるかは、原則として、企業の自由であって実際のところ様々でしょう。ただ、試用期間中の労働契約が法律的にどんなものであるかというと、一般的には「解約権留保付の本採用契約(社員として不適格とジャッジしたときは解約できる権利が留保されている労働契約)」として解釈されています。
試用期間中の働き手は、解約権が留保されているという不安定な地位に置かれているので、試用期間の長さは合理的なものでなければなりません。不必要に長い場合は、公序良俗に違反すると判断されることもありますから注意が必要です。
また、求人募集や採用段階において試用期間の明示は法的な義務とはされていません。とはいえ、試用期間は重要な労働条件のひとつとして、企業において設定されるものです。法的な義務はないとはいえ、職種別に試用期間の長さを定めていることを明確にしておくことで、後々「そんなこと知らなかった」「職種ごとに違うなんて不公平だ」といったいらぬ誤解を招かないでしょう。
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仕事に必要知識を学び、職場環境や人間関係に慣れて本当の戦力となるには、経験者採用でも2~3年かかるのが普通です。
当然ながら新卒者の場合だと、さらに時間はかかるでしょう。
だからこそ、試用期間の設定を含めた採用戦略は中長期的に考えたいですね。
![プールサイドのテーブルに置かれたオレンジジュースのグラス。](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=414x10000:format=png/path/s6f1e3f4dce7a8c9c/image/id7e8e9333282ac2e/version/1689663392/%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E3%81%AE%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%E3%81%AB%E7%BD%AE%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9.png)
![社会保険労務士高島あゆみ](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=120x1024:format=jpg/path/s6f1e3f4dce7a8c9c/image/i5b738016b27a74ee/version/1689663357/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%8A%B4%E5%8B%99%E5%A3%AB%E9%AB%98%E5%B3%B6%E3%81%82%E3%82%86%E3%81%BF.jpg)
■この記事を書いた人■
社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ
「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。
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