商品到着待ちの時間を休憩時間としてはダメですか

スーパーの陳列棚。缶詰、カップ麺などが所狭しと並べられている。

商品の到着が遅れていて、棚に陳列できずに待っているだけ、何もすることがない。ところが、やっと商品が搬入されてきたら、「昼休憩の時間だから」とパートさんもアルバイトくんもランチに行ってしまった。

おいおい、午前中は何もすることがなかったのだから、休憩しているのと一緒じゃないの。私ひとりで陳列作業するのっておかしい!

(小売業 リーダー職26歳 談)

 

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店舗へ商品が到着しないのでそれを待っている時間は、休憩時間と同じようなものなのだから、その分ランチ休憩を削って商品の陳列を優先してほしい・・・というのが、リーダー社員の心の叫びです。

 

その気持ちはよく分かるのですが、注意しないといけないのは、休憩時間かどうかの判断基準についてです。

というも、休憩時間とは単に作業に従事しない時間をいうのではないからです。そこで今回は、商品の到着を待つ時間を休憩時間としていいのか、ダメなのか、休憩時間かどうかの判断基準について詳しく確認していきたいと思います。

休憩時間ってどんな時間?

たのしいお弁当タイム。オムライス弁当。デザートにぶどう。

労基法が定める休憩時間とは、社員が権利として仕事から離れることが保証された時間のことで、会社から業務命令を何ら受けることなく、会社の指揮命令下から完全に解放されている時間のことをいいます。

 

つまり、社員が仕事から完全に解放されて、自分の自由に利用できる性質の時間をさします。

 

もちろん、「自由な時間」だからといって、職場の建物や施設などを管理するうえで必要な規制やルールを破ったり、職場の秩序を乱したり、同僚の社員の休憩を妨害するような行動をとってはダメです。

 

休憩時間とはいっても、仕事や会社による指揮命令下から解放されているだけなのであって、まだ労働時間の途中であることには変わりはないからです。

休憩時間かどうかの判断基準は「自由かどうか」

トレイに並んだハンバーガー、厚切りフライドポテト、アイスコーヒー。

店舗へ商品が到着しないのでそれを待っているような時間は、一見すると休憩時間のように思われますが、実はこの時間は「手待ち時間」にあたります

 

手待ち時間とは、現実に作業に従事してはいないものの、会社から「さあ、作業を始めよう」と号令がかかると、ただちに仕事にとりかかれる体制で待機している時間をいいます。

 

この時間は、会社からの就労要求に応じるために一定の拘束下で待機しているものですから、仕事から完全に離れることを保障された時間ではありません。よって、この時間は休憩時間ではなく労働時間にカウントされることになります。

 

たとえば、下記のような例が挙げられます。

  1. 流れ作業的に順次加工を行っている作業場で、前工程から材料がながれてこないのでそれを待っている時間
  2. お店の店員がお客さまの来店を待っている時間
  3. 土木工事の現場でコンクリート打設のため、作業員が生コン車の到着を待っている時間

れらの時間は、勤務時間中ではあるものの実際には作業を行わずに次の作業にかかるまで待機している時間です。確かに実際に作業をしていないという点では空白の時間といえますが、会社の指揮命令下にあり、いつ材料が流れてきても、いつお客が来店しても、いつ生コン車が到着しても、すぐに支障なく作業が行える態勢で待っている時間でもあります。

 

完全に仕事から解放されている状態ではないので、休憩時間とはいえません。つまり、出勤を命じられ、一定の場所に拘束されているので労働時間としてカウントされます。これらの手待ち時間を休憩時間とするには、「〇〇時〇〇分から〇〇時〇〇分まで休憩」などと、時間を定めて仕事から解放することがポイントとなります。

 

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勤務時間中のどこに休憩時間を設けるかを特定することは、労基法において求められていませんが、就業規則で休憩時間の時間帯を示しておくほうが働き手のみんなにとってわかりやすいですよね。

 

「休憩時間は正午から午後1時までの1時間」などと、明確にできるとベストですが、業種や職種によっては、業務の都合上いつもその通りにいくとは限りません。

 

そのため、「業務の都合により休憩時間を変更(繰り上げ・繰り下げる)することがある」との旨を就業規則に定めておくといいと思います。(冒頭のリーダーさんの悩みも解消されそうです^^)

ワッフルとコーヒー。ミモザの花。メモ帳とボールペン。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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