![ノートパソコンの上に置かれたスマートフォン。ページが開かれた洋書の上に無造作に置かれたピンク色のバラの花たち。コーヒー入ったピンク色のマグカップ。](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=535x1024:format=png/path/s6f1e3f4dce7a8c9c/image/i3b5c689f493a63cb/version/1696678459/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%91%E3%82%BD%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AB%E7%BD%AE%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3-%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%8C%E9%96%8B%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%B4%8B%E6%9B%B8%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AB%E7%84%A1%E9%80%A0%E4%BD%9C%E3%81%AB%E7%BD%AE%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%AF%E8%89%B2%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%A9%E3%81%AE%E8%8A%B1%E3%81%9F%E3%81%A1-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E5%85%A5%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%AF%E8%89%B2%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97.png)
「療養中の社員が復職前にリハビリ出勤を希望しています。リハビリ出勤で出社した場合、通常の給料を支払うものなのでしょうか。リハビリ出勤中にもしケガでもしたら、労災は適用されるのでしょうか?」
正常な勤務ができるまでには健康状態が回復していない社員を対象に、短時間の出勤や軽作業などからはじめ、リハビリ的な働き方で復職の支援を行う(試し出勤制度)企業もあるでしょう。
このリハビリ出勤の制度について、厚労省は「処遇や災害が発生した場合の対応、人事労務管理上の位置づけ等あらかじめ労使間で十分検討すること」として、法的な位置づけは明らかにしていません。
そのため、社員の病状の回復につながるなら・・・という思いがある反面、会社として職場の受入れ態勢をどうすればよいのか不安だと、冒頭のようなご相談をいただくことがあります。
そこで今回は、給料面をはじめリハビリ出勤の取扱いをどのようにするといいのか、確認していきたいと思います。
リハビリ出勤と休職期間の関係
![ページが開かれた分厚い洋書。観葉植物のグリーンの葉っぱ。コーヒーの入ったカップ&ソーサ。](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=535x1024:format=png/path/s6f1e3f4dce7a8c9c/image/i4b3b2d7244eb1739/version/1696678460/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%8C%E9%96%8B%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%88%86%E5%8E%9A%E3%81%84%E6%B4%8B%E6%9B%B8-%E8%A6%B3%E8%91%89%E6%A4%8D%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%91%89%E3%81%A3%E3%81%B1-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%85%A5%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97-%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B5.png)
企業の方からお話を伺っていると、そもそも休職中にリハビリ出勤を実施してもいいのか?と迷われるケースも多いようです。
通常では、就業規則の定めによって、休職期間中に病状が悪化するなど完全復帰できない状態が続き、期日に到達すると休職期間満了(自然退職)となります。
そんな休職期間中にリハビリ出勤を行うと、「勤務の開始」ということで休職期間の中断や復職の扱いとなり、その結果として断続的な休職とリハビリ勤務を繰り返すことにはならないか?との懸念を、会社として持たれるのは当然でしょう。
これについて、判例では「(リハビリ出勤は)病態の回復促進をさらに図り、早期に通常勤務に戻ることができるよう、6か月以内の期間に限って適用される勤務軽減措置の特例」との旨を示しています。
そのため、特例措置を受けていた期間中は、病気が治ゆして勤務したという扱いにはできず、リハビリ出勤前後の期間は休職期間として通算されると解釈されています。
まとめると、リハビリ出勤は休職期間のままなので、本来の業務に就くことができる状態に回復しなかったときは、リハビリ出勤の期間を休職として通算することになり、休職期間が満了したときは退職となります。
給料や労災の取扱い
![壁時計と観葉植物のグリーンの葉っぱ。](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=535x1024:format=png/path/s6f1e3f4dce7a8c9c/image/i87352e01dfbd8788/version/1691549839/%E5%A3%81%E6%99%82%E8%A8%88%E3%81%A8%E8%A6%B3%E8%91%89%E6%A4%8D%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%91%89%E3%81%A3%E3%81%B1.png)
前段でお伝えしたように、判例からリハビリ出勤は通常の勤務とはいえないので、休職期間中に実施してもよいということになります。
ただ気がかりなのは、リハビリとはいえ会社に出社して軽作業などを行うわけですから、通勤災害や労災は適用されるのか?という問題です。
これについては、リハビリ出勤は本来の通常勤務ではなく職場復帰訓練中なので、出社する行為自体も訓練と同じであり、通勤(勤務するために住居と会社の間を往復する)とはいえないと解釈されています。
このことについてリハビリ勤務を希望する社員本人の理解がなければ、のちのちトラブルに発展する可能性が考えられます。
そのため、リハビリ出勤制度にかかる条件(復職に向けた訓練のため無給であること、そのため仕事ではないこと、休職期間のままであること等)を本人が承認したうえで、「復職支援制度(試し出勤制度)利用申請書」等の名称による書面を提出してもらい、希望による申し込みをもって行う、という流れにするなどの配慮が会社側に求められるでしょう。
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「メンタルヘルス関連の取り組みが大切だとはわかっていても、社内のマンパワーが不足していてハードルが高い」という場合もあるでしょう。そんなとき、行政のサポートや厚生労働省が提供しているツールを活用するのはひとつの方法です。
下記にリンクを貼っておきますので、参考になさってください。
■独立行政法人労働者健康福祉機構
・都道府県にメンタルヘルス対策支援センターを設置して、相談に応じています。
https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1156/Default.aspx
■厚生労働省ツール「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
・休職中の社員が復帰するにあたり、復帰の段階に応じて必要となる基本的な項目や内容をまとめた書式例を提示しています。
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/101004-1.pdf
![大輪のひまわりとバラのブーケ。](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=400x10000:format=jpg/path/s6f1e3f4dce7a8c9c/image/i0099b4d7d8faa4b6/version/1691548677/%E5%A4%A7%E8%BC%AA%E3%81%AE%E3%81%B2%E3%81%BE%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%A8%E3%83%90%E3%83%A9%E3%81%AE%E3%83%96%E3%83%BC%E3%82%B1.jpg)
![社会保険労務士高島あゆみ](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=118x1024:format=jpg/path/s6f1e3f4dce7a8c9c/image/i920f794f48794fb1/version/1628302282/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%8A%B4%E5%8B%99%E5%A3%AB%E9%AB%98%E5%B3%B6%E3%81%82%E3%82%86%E3%81%BF.jpg)
■この記事を書いた人■
社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ
「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。
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