お正月休みの販促活動、労働時間はどうなる?

ケーキショップのディスプレイ。色とりどりのショートケーキ。いろんなデコレーションのホールケーキ。

2019年末から2020年初にかけては、年末年始6日間の前後の土日も休みになるので、お正月休みは通常より3日多い企業も多かったのではないでしょうか。

 

とはいえ長めの9連休ということで、やむを得ずこの期間に社員へ出勤を命じなければならないケースもあったかもしれません。

たとえば得意先や顧客のもとを訪問するなどの販促活動やPR活動、マーケティングのための調査やデータの収集活動、メディアの取材、月末の集金・・・など、いろいろ具体的な業務が考えられます。

 

これらの業務は通常のオフィス外で行われるものですが、お正月休みに社員に従事してもらった場合、休日労働と事業場外労働のみなし労働時間は適用されるのか?という問題があります。

 

そこで今回は、休日に社員が事業場外業務に従事した場合の取扱いについて確認していきましょう。

みなし規定の対象となる事業場外労働とは

カフェのテーブル。コーヒーとラテの入ったマグカップ。カップケーキとフォーク。

オフィスの外に出て業務に従事するとなると、労働時間の把握が難しくなります。

こんなときは労働時間をみなし制により計算できます。みなし労働時間とは、「その日の実際の労働時間にかかわらず、その日はあらかじめ決めておいた時間労働したものとみなす」制度です。この事業場外労働のみなし労働時間制の対象となるには、前提条件が2つあります。

 

1つ目の条件は、会社を出て(事業場外)の仕事であること。いわゆる外勤・外交・外務労働を意味するものであって、屋外での労働を意味するものではありません。たとえ建設工事の現場は屋外だとしても、それは場所的、時間的、業務内容的に直接の会社の指揮監督下にあり、組織化された一つの事業場内の業務といえるからです。

 

続いて2つ目の条件は、会社の具体的な指揮監督や時間管理が及ばず、労働時間のカウントが困難である、というシチュエーションであること

 

たとえ会社を出て(事業場外)の仕事であったとしても、

  • グループを組んで社外での仕事だが、メンバーにリーダーがいて労働時間の管理ができる
  • 携帯電話などで随時、会社から指示を受けながら働いている
  • 外出前に会社で訪問先・帰社時刻などその日の仕事について具体的な指示を受ける→会社を出発して指示通りに働く→再び会社に戻る 

・・・といったようなシチュエーションでは、みなし労働時間制の対象になりません。

休日にみなし規定は適用されるのか

喫茶店で打ち合わせ中のスーツ姿のビジネスマン。コーヒーの入ったカップ&ソーサ。

事業場外労働のみなし労働時間制は、あくまでも「労働時間の長さ」の算定についての規定です。たとえ事業場外の労働であったとしても、それがお正月休みという休日にあった場合、労働時間の算定に「みなし規定」の適用があるのか?という疑問が生じます。

 

まず、労基法に定める法定休日(1週1日または4週4日)以外の、会社で法律を上回って定めている法定外の「所定休日」については、通常の労働日と同じと考えますので、みなし規定の適用は差し支えありません

 

ただ、法定外の休日といっても会社が決める休日には変わりありません。つまり就業規則上は所定労働時間の定めがなされていない日にあたります。

では、就業規則において始業・終業時刻の定められていない休日に労働して、みなし規定の適用により「所定労働時間の労働をしたとみなす」といっても、当日の所定労働時間が定められていないのだから、みなしようがない・・・??のでしょうか。

 

休みに販促活動や取材、集金などの実労働が現実的に行われているのにもかかわらず、「みなしようがない=ゼロ時間」だったらやってられない!と、社員から反発の声が上がることは必至です。

 

そこで、このような場合どう取り扱うかというと、客観的に時間を算定するのが困難であるなら、結局は休日以外の通常の労働日と同様の労働時間だけ労働したものとみなされることになります。法定外の会社休日であろうと、労基法の定める法定休日であろうと考え方は同じです。会社としても社員の働きに見合った対処にしたいのですから、当事者の意思にマッチした民事的な取扱いだといえます。

 

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せっかくのお正月休みはゆっくり過ごしたいもの。けれど業務を円滑に継続して回していくために、社員の誰かに年末年始に出勤してもらわなくてはならないこともありえます。

正しく労働時間をカウントして、割増賃金などを支給するのはもちろんのことですが、「お疲れさま!〇〇さんのおかげで助かったよ」とぜひねぎらいの言葉をかけたいですね。

おつかれさまのコーヒー。ソーサーに「thank you」と書かれたクッキーが添えられている。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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