休憩時間の自由利用を制限できるときとは

デスクの上のノートパソコン。クロワッサン。ハートのラテアート。

昼のランチタイムなどの休憩時間とは、社員が労働時間の途中に権利として、仕事から離れることを保障されている時間のことです。

ですから、社員は休憩時間中においては仕事から離れて、自由にその時間を利用できるのは当然だといえます。

 

「うちの会社の今の就業規則をみると、昼休み休憩の外出は許可制にしています。社内に食堂があるので、昼食を買いにわざわざ外へ出かける必要性はないのですが、これで問題はないのでしょうか?」

 

コンサルティングのなかで、このような休憩時間にまつわるご質問をいただくことがあります。

結論からお伝えすると、休憩時間の利用について、「職場の規律を守るために必要な制限」を設けることは、休憩本来の目的を妨げない限り問題ありません

今回は、休憩時間の自由利用を制限できるときとは、どんなときなのかについて詳しくみていきましょう。

休憩時間の自由利用とは

休憩スペースでコーヒーを飲みながらスマホをかける女性社員。

休憩時間を自由に利用させるということは、仕事から解放された自由を意味します。つまり、休憩時間中は会社が社員を仕事から完全にフリーな状態にしなければならないということです。

 

よって、休憩時間中に職場体操を義務付けたり(←戦時中の就業規則には義務づけているケース多数あり)、来客の接遇のために居残りを強要したり、仕事の発生まで待機するよう命令することは、休憩時間の自由利用の原則に反します。

 

ただし、自由利用とはいえども絶対的なものではありません。

休憩時間中とはいっても、仕事や会社による指揮命令下から解放されているだけなのであって、いまだ労働時間の途中であることは言うまでもありません。

 

つまり、始業時刻から終業時刻に至るまでの拘束時間にあるわけなので、職場の建物や施設などの管理上の必要な規制やルールを破ったり、職場の秩序を乱したり、同僚の社員の休憩を妨害するようなことは禁止されます。

 

また、そもそも休憩時間は次の仕事に向けたエネルギーを蓄えるため休息をとる時間なので、飲酒など仕事の再開ができなくなるような行為を禁止したりなど、必要な規制を設けることはやむを得ません。

職場の秩序と環境の維持に必要なこと

会社の食堂スペース。木製の丸テーブルと椅子。

前段でお伝えしたことをまとめると、会社が休憩時間を制限できるときは、次の3つを目的とするときです。

  1. 建物設備などの維持保全、休憩施設の管理のため
  2. 職場の秩序を維持するため
  3. 次の仕事の再開に備えて十分な休息をとるため

このような観点から、解釈例規でも「休憩時間の利用について事業場の規律を保持するために必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し支えない」との旨が示されています。

 

また、冒頭にもあるように休憩時間中の外出を所属長に申請する許可制にすることも、

「職場内で自由に休憩できる場合には必ずしも違法にはならない」との旨が通達されています。

 

職場のセキュリティを考えると、休憩時間中も人の出入りを管理するため、外出を許可制にすることは十分考えられる措置です。ただ、職場の敷地内に食堂が用意されていない場合など、運用上で不都合が生じることもあるでしょう。

 

許可制にするには、それにふさわしい理由と対応が必要になりますから、それぞれの職場の事情を踏まえたうえでしっかり考えたいですね。

ミートソーススパゲッティ。少女の笑顔。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

≫詳しいプロフィールはこちらから

伸びる会社の就業規則作成コンサルティング。ノートパソコン、ペン、スマホ、付箋。
社員を伸ばす人事制度構築コンサルティング。ノートパソコンに打ち込む社員の指先。

無料コンテンツ。ピンクを基調としたノート、ペン、クリップ、コーヒーの入ったカップ&ソーサ。
社会保険労務士高島あゆみへのご依頼はこちらからどうぞ。

「トップページにもどる」ボタン