ランチタイムの電話対応は労働時間になる?

チーズと野菜のサンドイッチといちご。

限られた時間のお昼休みにオフィスの外に出るよりも、コンビニやファストフード店でランチを購入して、オフィス内で食べる社員さんも増えているようです。

 コンサルティング中の雑談で、こんなお話を伺ったことがあります。その話の流れで、次のようなご質問をいただきました。

 

「昼休み中に取引先から電話がかかってくることはあまりないのですが、電話が鳴ったときには、オフィスのデスクで弁当を食べている社員が出てくれます。こちらとしては助かるのですが、これは実は労働時間にあたって、残業代計算などに入れないといけないのでしょうか?」

 

お昼休みは貴重なリフレッシュタイムであり、本来ならおいしくお弁当をパクついているだけでいいはずなのに・・・と人事担当者として懸念されているご様子でした。

 

これは、みなさんの職場でもよく見られる光景かもしれません。

そこで今回は、ランチタイム中の電話応対は労働時間にあたるのかどうかについて確認してみましょう。

休憩中の対応が労働時間になるとき、ならないとき

窓辺に面したオフィスの応接室。白のソファとテーブル。白い花が活けられた花びん。

昼休み時間中の会社への訪問客に案内してお茶を出したり、取引先等からの電話応対のために社員の間で、当番制をとる場合もあるでしょう。

 

この場合、その当番制の業務に従事している時間は、労働時間にあたります

 

来客接遇や電話応対などは通常業務にあたり、それらのため当番としてオフィスに居残っているのは、いわゆる手待ち時間として考えられます。つまり、会社の指揮命令のもと、いつでも業務に対応できるような状態で待機しているわけですから、仕事から離れることを権利として保障された休憩時間ではありません

 

ただし、社員のなかでも管理職は、労基法において休憩時間の適用が除外されています。

そのため、管理監督のポジションにある人が昼休みなど休憩時間中の来客応対にあたっている企業もみられます。

 

また、「監視又は断続的労働に従事する者」で、会社が労働基準監督署の許可を受けた場合にも、同様に労基法において休憩時間の適用が除外されています。具体的な職種として、受付や守衛等がこれにあたり、これらの担当者に昼休みなどの休憩時間中の応対をお願いすることも、問題ありません。

オフィスでの居残りを頼みたいときには

オフィスの休憩スペース。ソファ、いす、テーブル。観葉植物とクッション。

以上のことをまとめると、休憩時間中の来客接遇、電話対応のために社員にオフィスに居残って待機してもらう必要がある場合は、次の3つのいずれかの方法によることになります。

  1. (当番制などで)労働時間として応対してもらう
  2. 管理職が代わりに応対する
  3. 受付、守衛などの担当者(監視・断続的労働に従事する者)に応対してもらう

なお、当番制などをとらずオフィスに居残ることを強制していない場合で、ランチタイムにたまたまオフィスに居合わせた社員が電話を受けたりすることもあるでしょう。

 

この場合で、電話応対や来客接遇の時間がわずかであり、社員本人による自由意思(会社の指示命令ではない)で行う場合には、労働時間にはあたりません。

 

このような状況において、裁判例でも「社員に休憩時間中に仕事を行わなければならないという職務上の義務を課していたとまではいえない場合には、社員が顧客の来訪や電話に応対することがあったとしても、それだけで休憩が保障されていなかったとはいいにくい」との内容が示されています。

 

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お昼休みのランチタイムは午前から午後への仕事をつなぐ、大切なリフレッシュタイムです。ここでほっと一息をいれることが午後からの仕事の充実度につながります。

ランチタイム中の電話や来客の頻度によって、その対応の運用方法を検討したいですね。

赤のギンガムチェックのランチクロスのうえに広げられたパン。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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