試用期間は新入社員を育てる期間

積まれたノートの上に置かれた黒縁の眼鏡。ゴールドのクリップ。パソコンのキーボード。バラが活けられた白の花びん。

いよいよ4月、何かが始まる予感に満ちた季節がやってきました。

新社会人の真新しいスーツ姿をみると、こちらまで気の引き締まる思いがします。

新入社員の会社や仕事への適性をみるために、試用期間を設けている場合は多いでしょう。

 

セミナーや研修のなかで、この試用期間について

「この新入社員とはもう一緒にやっていけそうもない、と感じた場合には試用期間中であれば、簡単に辞めてもらえるのですか」

との質問をいただくことがあります。

 

試用期間は新入社員側の問題、として捉えがちかもしれません。

実はこの期間は、上司や先輩社員が〇〇するべき期間でもあるのです(答えは記事のタイトルにありますが・・・)。

今回は、上司や先輩社員が試用期間にやるべきことについてみていきたいと思います。

試用期間中は教えて育てる期間でもある

赤のソファ。積まれた本。紅茶の入ったカップ&ソーサ。クッション。

試用期間というのは、新入社員側からすると、正式にその会社の社員として本採用される前のテスト期間です。

試用期間の長さは、実務的には3か月から6か月が妥当です。

 

この期間中に、新入社員の行動に特段の問題がなければ、そのまま本採用となります。

もし、会社が社員としての適格性に欠けると判断した場合は、解雇することができます。

 

ですが、もちろん自由に解雇できるわけではありません。

試用期間中の解雇の有効性は、正社員の場合に比べて少々緩やかに判断されるとはいえ、「客観的に合理的な理由」がなければ解雇は無効となります。

 

このことから、試用期間中は、新入社員に社員としての適格性があるかどうかを判断する期間であるとともに、教育期間でもあることがいえます。

当社の社員として不適格であるから本採用を拒否し、解雇するという場合にも、その期間において上司や先輩社員がどのように教育し、指導したかが問われるからです。

教えても改善の見込みがあるかどうか

日差しの中に咲き誇るピンクの花。水やり中のじょうろ。

では、本採用を拒否し、解雇するとき、どんな場合であると解雇の正当性が成り立つのでしょうか。

 

それは、「いくら教えてもダメ、これ以上はとても無理」と上司や先輩社員がギブアップするくらい、仕事のやり方や職場でのふるまいについて根気よく、何度も働きかけてみたけれども改善する様子が一向に見られない、という場合です。

 

まとめると、試用期間は新入社員の教育を行うとともに、向き不向きの判定を行うという2つの機能を持っています

 

つまり、会社の社員としてその会社に貢献するために必要である、ごく基本的な知識や仕事のやり方、技術を習得させる。

それとともに職場での人間関係へすんなり順応できるのか、またその環境において能力を発揮できる資質を備えているのかを判定する期間だということです。

 

この教育指導と適格性判断が試用期間の目的ですから、本採用の拒否・解雇については、まず会社が実施した教育がこれらの目的にかなっており、社会的にみて妥当であることが前提となります。

 

たとえば、きちんと教育が行われていれば、たやすく修正できるであろう言動、行動パターンにおける欠点を何ら指導せず放置しておいたのにも関わらず、それらを指摘して解雇事由とするのは許されません。

 

また職場環境への順応性や能力の発揮といっても、その学歴、就くべき職種を考慮したうえで、それらの平均と比べてどうなのか、という視点で判断しなくてはなりません。

 

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新入社員を育てることは、上司や先輩社員の大切な役割のひとつです。

そこで真面目な方ほど、熱心に指導しているつもりが「パワハラとしてとられないか?」と悩んでしまうこともあるかもしれません。

新入社員が委縮してしまうと、教育もうまくいかなくなってしまいます。

 

短所や弱点は誰にでもあるものです。良いところを伝えたうえで、克服してほしいところについて「〇〇だけでなく××もできるとさらにステップアップできるよ」と、期待を込めて伝えるようにしたいですね。

ページが広げられた本のうえの白いマグカップ。傍らにピンクのバラの花束、マカロン。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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伸びる会社の就業規則作成コンサルティング。ノートパソコン、ペン、スマホ、付箋。
社員を伸ばす人事制度構築コンサルティング。ノートパソコンに打ち込む社員の指先。

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