振替休日は社員の指定で個別に取ってもいいですか?

デスクに広げられたカレンダー。傍らにノートパソコン、スマホ、手帳、新聞、コーヒーの入ったマグカップ、目覚まし時計が並んでいる。

政府の発表によると、皇太子殿下の御即位に際して、御即位の日である5月1日と即位礼正殿の儀が行われる10月22日について、来年限りの祝日とし、祝日に挟まれる4月30日と5月2日も休日の扱いにする検討が進められているとのことです。

 

そうすると来年のGWは10連休となる見通しなので、ニュースなどで話題になっています。確かに1か月の3分の1がお休みになるのはインパクトがありますね。

 

さて休日といえば、振替休日にまつわる質問をとてもよくいただきます。ご質問で多いトピックには、

  1. 振替休日をいつにするかを社員が指定してもいいのか?
  2. 振替休日は会社一斉にとらないといけないのか?

といったものがあります。

 

前述のとおり、来年のGWは10連休となる見通しなので、たとえ随分前から仕事の段取りをつけていたとしても、突発的な何らかの事情で社員が出勤せざるを得ないこともあるかもしれませんよね。

いざそんなとき、対応に慌てふためくことのないよう、今回は上記の2点について確認していきたいと思います。

いつに振替休日をとるか社員が決めてもいいのか

デスクに広げられたカレンダーをペンで指し示す男性社員の手先。

振替休日とは、あらかじめ休日と出勤日をカレンダー上で交換して、休日を移動させて変更しておく措置のことです。

 

この場合、出勤日と交換する休日について、カレンダー上いつの休日と交換するのか、必ずしも特定することまでは求められていません。労基法上の休日は、できる限り特定することが望ましいけれど、特定することは要件ではないからです。

 

ですから「今月2週目の日曜日は、4週間以内で他の出勤日と振り替えることで変更とします。振替休日はその範囲内で、社員のみなさんが指定する日とします」と、社内で合意形成することはOKです。

 

つまり、社員が一定期間中(休日は週1日が原則なので法定休日であれば所定の4週間以内)に振替休日を指定するかたちで、休日の変更を行うことは違法ではありません。

 

また、社員による振替休日の指定は事前に行われていることが望ましいですが、以下の要件を満たしているのであれば、事後の指定でも有効となります。

  1. (社員による指定が)事前に休日振替の措置であることが明示して行われること
  2. 所定期間内に指定されること

振替休日は社員一斉にとらないといけないのか

チームメイトでカレンダーを広げてミーティングしている。

結論からお伝えすると、休日の振替は会社全体ではなくて、社員それぞれについて行っても構いません。

「休日の振替は会社全体でやらないと法律に違反するのですよね?でもそうすると、部門ごとで都合が合わなくてうまくいきません・・・」といったご相談をお聞きすることがありますが、休日の振替は部署ごとでも、作業ラインごとでも、ひとりの社員に行っても、全く問題なくさしつかえありません。

 

休日は休憩のように事業場一斉で付与する必要はなく、社員それぞれについて毎週1日または4週4日付与すればいいものだからです。

ですから、たとえばサービス業で年中無休や24時間営業の会社では、社員一人ひとりに交代で休日を付与することになります(言い換えると、会社やお店の営業は「年中無休」「24時間営業」でいいですが、社員には交替で毎週1日または4週4日の休日を必ず付与しなければいけないということです)。

 

このように休日は社員個人に焦点をあてて付与されるものなので、その振替についてもちろん社員個人ごとでさしつかえなく、会社全体、事業場一斉で振替を行う必要はありません。

 

なお、就業規則で「会社全体で休日の振替を行う」旨を規定していた場合は、この休日振替の手続きに拘束されることになります。

けれど、たとえ会社がそれによらず「社員個人についての休日振替」を行ったとしても、労基法上は有効となります。

 

***

オフィスは土日のほうが静かなので集中できるというメリットから、平日と土日を振り替えて勤務できる制度をつくっている会社もあります。

けれどそもそもの休日振替の基本を理解していないと、「この会社は出勤に関して緩い」との誤った認識から制度が形骸化するおそれもあります。

まずは基本形をおさえることからはじめ、会社の業績アップにつながる柔軟な制度の構築を考えていきたいですね。

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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