採用面接でやってよいこと、やってはいけないこと

採用面接にやってきた求職者に、ホワイトボードの前で説明する女性の人事担当者。

ボーナス(賞与)といえば、最も注目されるトピックは「支給額の多い・少ない」だと思っていましたが、実は「会社員が転職を考えるタイミング」でもあるのだとか。まさに今ですね。

 

企業の採用ニーズを年間でみてみると、一般的に3~4月、9〜10月に新規求人が増えるようです。年度の区切りで退職する人の欠員補充や、下半期からの新規事業のスタートによる人材獲得で採用ニーズが高まるのでしょうね(これにあわせて転職を考えるのでしょうか?)。

 

企業の求人が増加していて、有効求人倍率もバブル期並みの水準である現状を踏まえると、下半期に向けて採用募集を予定しているのなら、今の時期から準備しておいても遅くはないでしょう。

 

採用活動については会社に広い裁量が与えられていますが、無制限に採用の自由が認められているわけではありません。そのため「採用面接でやってよいこと、やってはいけないことの違いがわからない」と悩んでいる採用担当者も多いかもしれません。

 

そこで今回は採用活動における注意点を確認していきましょう。

スムーズに適切な人材を迎える準備を始めませんか?

「選考の結果」として性別や年齢が偏るのはOK

面接官に深くお辞儀するリクルートスーツ姿の女性。

「性別や年齢を制限して採用するのはダメですよね?いろいろ規制があって今の時代は難しいですね」

 

採用募集に関してよくお聞きする話です。

障害者雇用については、法律(障害者雇用促進法)で一定以上の雇用が会社に義務付けられていますが、これを除いて、ほとんどの労働法では「雇用機会の平等」を求めているものです。

たとえば男女雇用機会均等法では、「性別を理由とした募集・採用の差別を禁止」しているのであって、「女性を必ず雇用すること」と定めているのではありません。

年齢についても同じです。「年齢にかかわらず雇用の機会を平等に与えること」が義務づけられているのであって、採用試験や面接の結果として、年齢が偏ることに問題はありません。

 

「では、20代男性ばかりを採用してもいいのですね?」

 

先の通り、自社の採用基準と照らし合わせ、経験やスキルを判断したうえで「面接・試験の結果として」採用した社員が20代男性のみとなっても、違法とはなりません。

ただし、採用基準のひとつに忘れてはならないのは顧客の視点です。たとえば今や、女性顧客の影響力はマーケットで無視できません。女性ユーザーが中心となる商品では、小売店でも女性が販売を担当した方が、顧客の気持ちをより理解して、相談しながら適切な商品を選んであげたりできるでしょう。商品・サービスの開発でも同じことが言えますね。不動産業界でも、女性営業職が増えてきていますが、女性が購入の決定権を握る機会も多くなっているからでしょう。

 

このように経営環境を踏まえて、「会社の課題を解決するために必要な人材の要件とは何か?」をしっかり考えたうえで、採用基準を設定すること。そしてそれに基づいて、入社の可否を判断することが大切です。

仕事に関係しない不必要な健康状態の調査はNG

ノートパソコンとメモ用ノートを携える面接官の男性社員。

会社の業績を伸ばしていくには、それぞれの社員に能力を発揮してもらう必要があります。

そのためにはもちろん健康であることが必要です。たとえばドライバーを担当してもらう予定なら、健康状態に不安を抱えていると事故発生のおそれがありますし、また海外の事業所へ赴任してもらう予定なら、それに耐えうる状態でなければ業務に支障が生じてしまいます。

 

ですから採用にあたって、社員が健康に働ける状態であるかどうかは重要事項です。

そこで、業務に関連する項目について必要な範囲であれば、事前に健康状態を調査することは認められています。

ポイントは、「業務上必要なものに限定すること」「本人の同意を得ること」「利用目的を採用選考に限定すること」です。

 

メンタル面での病歴を聞くことはタブーだと思われがちですが、その状態によっては仕事に支障をきたすおそれがあります。そこで採用面接において、メンタル面を含めた過去の病歴を聞くことは、原則認められています。ただし就職差別につながらないよう、あくまで仕事に必要な範囲内に留めるなどの配慮が必要です。

 

採用面接においても、やはり口頭では聞きにくいこともあるでしょうから、「回答したくない場合は、回答しなくてもよい」との前提で、健康状態のチェックシートを用意して、面接時に記入してもらうといいと思います。

 

なお、厚生労働省は「就職差別につながるおそれがある」として、「HIV」「B型・C型肝炎」等の感染情報については、業務上特に必要がない限り、一律に取得するべきではないと指導しています。

「やってよいこと、やってはいけないこと」のまとめ

面接室。長机に椅子が4脚。

採用面接におけるやってよいこと、やってはいけないことをまとめると以下の通り。

 

  • 法律で求められるのは、「雇用機会の平等」(障害者雇用を除く)。選考の結果、性別や年齢に偏りが生じるのは違法ではなく、OK。
  • 仕事に必要な範囲を超えて、健康状態を調査するのはNG。面接では仕事に関係する範囲で、本人の同意を得るなど配慮して聞くこと。

 

つまり、採用面接で入社を決める必要な情報の収集に集中するには、

  1. 採用基準を満たす、求める人材なのかどうかを確認する
  2. 不必要な質問をしない

ことが大切です。

 

そのためには、応募者へ質問するべき項目を事前に準備しておくことです。結果として、「こんなはずじゃなかった、気力も体力も持たない」「こんな仕事内容や職場の雰囲気と思っていなかった」と、本人と会社のミスマッチによる早期離職をあらかじめ防ぐこともできます。

 

さて、文中にある、健康状態のチェックシート(例)をご参考までにアップしておきます。

以下からダウンロードして、参考にしてみてください!

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健康状態チェックシート.pdf
PDFファイル 172.0 KB
社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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