マイルール社員に生産性を上げさせる方法

オフィスの打合せスペース。明るい窓。観葉植物。テーブルに鉢植えの花。白と黄色の椅子。

「なんであの人は毎日遅くまで仕事しているんだろう?」

 

そんな疑問が頭によぎるような部下、チームメンバー、同僚は、あなたの職場にはいませんか?

そんな彼(彼女)らはこだわりの強い自分の仕事のやり方、自分だけの「マイルール」に縛られているのかもしれません。

 

連日の残業は、本人にとっても楽しいことではないでしょうし、じわじわと健康が害されるのも心配です。もちろん会社にとっては、残業代、光熱費などコスト面で問題があります

 

マイルール社員に生産性を上げて仕事をしてもらうには、どうすればよいのでしょうか


マイルールをつくってしまう理由

マジックペンでシートに書き込もうとする男性の手先。カラーマジックペンと物差し。

本人の健康、会社にかかるコストなど、自分や周囲の人を決して幸せにはしないのに、連日の残業をもたらしてしまう「マイルール」。なぜ、人はそんなマイルールをつくってしまうのでしょうか。

その理由は、下記のように3つ考えられます。

 

1)安心して仕事したいから

「せかされて仕事したくない、自分のやり方と自分のペースで仕事したい」との欲求があります。その根底には、ミスして周囲に迷惑をかけては悪い、恥ずかしい、といった気持ちがあるのでしょう。

そのため、電話が鳴らない終業時刻以降のオフィスのほうが、居心地良く仕事ができるはず、と考えてしまいます。

完璧に仕事をこなしたい気持ちも理解できるのですが、問題は「効率よく仕事をこなして利益を出す」というコスト意識がないことです。

 

2)自分にしかできない仕事にしたいから

マイルールで自分にしできない仕事にしてしまえば、「他人に自分の仕事を奪われない」との考えを持っています。また、自分の仕事がなくなったら困る、との思いが強いため、不要不急のことや頼まれていないことにまで手を出してしまいます。つまり問題点としては、その仕事は「会社の業績を伸ばすため本当に必要なのものなのか?」という観点が抜け落ちていることです。

 

3)残業する理由がほしいから

労基法上、労働時間と賃金は密接な関係にあります。法律上の仕組みとして、「働く時間が長いほど高い残業代がもらえる」といった見方もできてしまいます。簡単にいうと、長時間働けば働くほど給料は高くなる、ということです。

また、現在となっては良いとはいいがたい慣習ですが、日本には遅くまで働いていることを「仕事熱心」「仕事(会社)への忠誠心がある」などと美徳としてとらえる向きがありました。残業する行為自体が評価されるなら、誰しも残業したくなってしまいますよね。なんだかんだ理屈をつけて残業する理由が欲しくなってしまいませんか?

ただ、現在では長時間労働が必ずしも会社の業績に直結する時代ではありません。つまり、ここでは「同じだけのアウトプットを以前より時間をかけずにこなすにはどうすればいいか?」との問題意識がないこと自体が問題です。

マイルールをやめさせる処方箋

足を組みながらスマホを操作する男性。

マイルールを手放してもらうには、マイルールをやめることでもたらされるメリットを理解してもらうことが大切です。前段での1)から3)に対応して、順番にみていきましょう。

 

1)の場合

自分のやり方が、チームや部署にとってプラスに働いているのか?の視点が、まず必要です。

ミスをしないために時間をかけることが、(事務職であっても)後工程にある人の時間的余裕を奪って、実は余計に迷惑をかけているかもしれません。ひとりで仕事を抱え込ませないために、各自の状況をチームで共有して、早くヘルプを出せる体制を整えたいところです。

またひとりで10時間かかっていた仕事を8時間で仕上げられるようになれば、アウトプットにかかるコストが下がった分の利益が出ます。マイルールにこだわるよりもうまくいったやり方、ノウハウを積極的にチームで共有したほうが、メリットがあるのは明らかです。

 

2)の場合

うまくいくやり方やノウハウを共有して、ひとりで10時間かけていた仕事を7.5時間でこなせるようになったが、それ以上の短縮はなかなか難しい。

そんな場合、仕事のプロセスで実はやらなくていいタスクが存在しているのかもしれません。またその仕事自体本当にやる必要があるのか?と考えてみることです。仕事がなくなると困るためにマイルールをつくってしまうのなら、「定期的に仕事を見直して、やる・やらない仕事を仕訳する」習慣を職場に設けるのもひとつの方法です。簡単にいうと、強制的に仕事から人をひきはがす習慣をつくる、ということです。

 

3)の場合

残業代について、賞与で調整するのもひとつです。むやみやたらな長時間労働によって残業代がかさんでしまったのなら、「むやみやたらな長時間労働」を賞与で査定する、ということです。賞与は自社独自のルールで決められるものですから、「当社は時間当たりの生産性を評価したい。仕事のやり方に工夫しよう」とのメッセージを送ることができます。

長い時間をかけることが必ずしもチームや部署に貢献するとは限らない、と理解してもらうため、「時間あたりの生産性を評価する」「チームで成果を上げることに貢献した人を評価する」と人事評価基準を同時に見直すことも必要となってくるでしょう。

就業規則に規定するなら

2冊積まれた書籍のうえに置かれたガラスの小瓶。そのなかに活けられたマーガレットとクローバー。

マイルール1)から3)の対処方法について、就業規則に規定することはできるのでしょうか。

たとえば1)の場合をみてみましょう。

 

ひとりで10時間かかる仕事を8時間で仕上げることを目標に置くとします。そして、おおむね20時をエンドにするといいような状況であったとします。

 

就業規則には、「午後8時以降に仕事する場合には、所属長から事前に時間外労働をする必要があるのかどうか、またかかる時間数についての許可を得ること」の旨を定めることで、マイルール社員へ仕事にかける時間のコスト意識を促すことができます。

 

マイルール社員がいると、いっしょに仕事をするうえで「なんだかなぁ~~(ため息)」と、効率よく仕事をこなすのが馬鹿らしい気持ちになってしまうこともあるかもしれません。

 

ですが、実は、マイルール社員の出現は仕事のやり方を見直し、変えていくよいチャンスです。

ぜひ職場の生産性を上げるため、仕事のやり方をみなす良い機会にしたいですね。

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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