残業削減の特効薬はあるか

ベンチに置かれた鉢植えと雑誌、コーヒーカップ。

年の瀬が迫ってきました。今年の仕事は年内に目途をつけたいので、「本当に終わるのか?」とここ最近はドキドキしながら仕事をしていますが(笑)、みなさんにおかれましてはいかがでしょうか。

 

年末の納期など、どうしても仕事を終わらせなければならないので、期間限定的に残業が続くことはありますよね。

けれどそれが毎度いつものことになっていたとしたら。

 

「残業禁止」やそれに伴う「ペナルティー」で解決する問題ではないかもしれません。けれど、ともすれば「残業削減に効く特効薬があるのではないか?」と手早く問題解決ができる手段を求めてしまいがちです。

 

今回は、残業削減の取り組みについて詳しくみていきたいと思います。

残業が減らないA社の悩み

山積みの段ボール箱を運搬して処理しようとする男性社員。

A社では、残業は事前申請によって所属長の命令で行っています。

けれど社員が申請するときに、所属長はあいにく外出中であったり、許可を書類のやりとりで行っているので所属長が決裁して許可書類をその社員に手渡すまで手間がかかってしまう。

そのためどうしても事後申請になりがちで、月々の目標値の残業時間上限30時間をオーバーすることもあり、何とかしたいとのこと。

 

そこで許可がない残業は一切認めず、許可がなく残業した場合や上限時間を守れなかった場合に本人と所属長を懲戒処分にすることを就業規則へ規定化してはどうか?と悩まれています。

 

もしかするとみなさんの会社でも、見られるシチュエーションかもしれませんね。


ペナルティーは根治療法になるか

ノートパソコンの前に砂時計とメモが置かれている。セピア色。

コスト管理や社員の健康管理面から言えば、残業時間の上限を30時間に設定することは好ましいですし、正しいことに間違いはありません。

 

けれど実際のところ、上限30時間では難しいこともあるかもしれません。

「長時間労働はいけないことだ」「残業をやめよう」「売上げが下がってしまった」では、会社の存続が危うくなってしまうからです。

 

また、かえって残業の実態を隠すなどあまり良いとは言いない慣習をつくってしまうかもしれません。

 

懲戒の対象となるのも疑問があります。前述のように納期がひっ迫して残業することもあるでしょうし、新人の頃などは仕事へがむしゃらに打ち込むことで、成長がグッと加速することもあるからです。

 

つまり問題なのは、残業する行為なのではなくて、残業を「恒常的に行ってしまう」ことにあります。恒常的な残業が発生する仕事のさせ方に問題があり、懲戒規定を設けることで解決するものではありません。

残業の削減は管理職にかかっている

円グラフや棒グラフで数値の推移が示された資料を見ながら、会議を進める上司と部下たち。仕事の見直し。

残業を削減しながらも利益を確保するには、管理職がメンバーと向き合い、一人ひとりを丁寧に指導・マネジメントしていかなければなりません。

単に懲戒規定を設けただけでは、目先の責任回避と思われるリスクもあります。

 

「できる人に仕事が偏っていないか」「優先順位をたてず無計画に仕事していないか」「チームで仕事が共有できているか」など、メンバーとコミュニケーションをとり、残業の状況把握を行うことが何より現実的な解決につながります。

 

前述のA社では残業の事前申請制が形骸化していることが、そもそもの悩みの発端でした。制度の有効性は運用ルールを実践することにかかっています。

ですから無理のない運用が継続のコツです。

たとえば、「残業が30分から1時間を超える場合に事前申請させる」や、「残業は原則19:00まで、これを超過する場合は事前申請させる」などと考えることもできます。

 

残業削減に特効薬はありません。社員の様子をみながら、じっくり腰を据えて取り組んでいきたいですね。

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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