社外研修でやってはいけない扱いとは

リングノート。びっしり書かれたメモパッド。スマホ。4本のカラーサインペン。

社員のチカラを伸ばし、育てることはどの企業にとっても必要不可欠なことです。毎日の業務の傍ら、一定の期間でスキルアップを図るため、研修の実施を検討することもあるでしょう。

 

企業における研修は、大きく分けて2つあります。ひとつは、社内で用意した研修プログラム等を実施する「社内研修」。もうひとつは、外部の専門家や企業に委託して実施する「社外研修」です。

 

今回は、社員を外部の教育機関へ研修に行かせる「社外研修」にまつわる、よくある疑問についてみていきたいと思います。

 

研修カリキュラムが終日行われる場合、「出張扱いにしてもよいのか?」またそれが休日に行われる場合、「休日労働扱いにするべきなのか?」・・・よくよく考えてみると、判断に迷いますよね。

 

実際に、社外研修に出席する予定の社員さんから質問があって即答できなかった・・・とのお声も企業のご担当者から伺います。

それでは、さっそく詳しく確認していきましょう。

社外研修の2つのパターン

研修の会場。階段状の赤いシート。

社外研修には、2パターンあります。ひとつは研修を外部の教育機関へ委託する場合、もうひとつは外部の教育機関が主催する研修に社員を参加させる場合です。

 

まず、外部の教育機関へ委託する場合からみていきましょう。

この場合、外部の教育機関は本来会社が行う研修を代行していますから、「会社=外部の教育機関」という位置づけになります。いわば社内で時間管理をされながら研修を受けているのと同じ扱いです。よって受講中の時間はカリキュラムに沿って、通常通り労働時間としてカウントする必要があります

 

外部の教育機関が主催する研修に社員を参加させる場合については、事業場外で仕事を行う場合と同様になります。社外で業務に従事するということなので、労働時間の算定が難しければ、会社を出てから研修を終えて帰社するまでの時間を出張期間とみなして出張扱いとなるでしょう。

 

ですが研修当日の集合時刻、受講時間など会社から具体的な指示がある場合、そのスケジュールを実施するため時間拘束を受けます。したがって、出張としてのみなし時間を適用することはできず、具体的なスケジュールごとの時間の算定が必要です。これが休日に行われたのなら、振替休日の措置を取っていない場合は、休日労働となり割増賃金(法定休日の場合35%増)の支払いが必要です。

研修の効果を高めるために

ガッツポーズする男性社員。赤いネクタイ。

前述を読まれると、「なんだか面倒だな」「研修の受講は本人のスキルアップにつながるのものなのに、会社がそこまでしないといけないのか?」と思われたかもしれません。

 

経営者、管理職のみなさんにおかれては、社員をやる気にさせて育てることを目的に、研修を実施されていると思います。

それはつまり単に成果を出させるだけではなくて、成果につながる行動を引き出したい、ということでしょう。

 

けれど納得できない処遇を受けて(この場合だと割増賃金が支払われないなど)、社員のやる気は起こるでしょうか?

 

やる気を引き出し自主的に会社が望む行動をとってもらうため、カリキュラムを練りに練った研修をせっかく行っても、納得性がなければその効果は期待できないでしょう。

せっかく投資したエネルギー(研修費用、時間、研修内容を検討する労力)が無駄になってしまってもったいない、と思いませんか?

 

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確かに納得性があっても、必ずしもやる気に直結するわけではありません。ですが、納得性はやる気を起こす土台となるものです。それがあってこそ会社との信頼関係がつくられます。

この信頼関係がなければ、会社へ貢献したいと思う人材は現れそうにありません。

 

信頼は日常的に納得できる、という実感の積み重ねで生まれます。労働時間マネジメントは、日常的な信頼の積み重ねの最たるものですから、その対応には十分気を付けたいですね。

デスクの上に置かれたノート。イヤホンの付いたスマホ。カフェラテの入ったカップ&ソーサ―。

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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