休日の研修は出勤日としてカウントするか

ノート型パソコンとページが開かれた研修のテキスト

新しく採用した社員を職場に配置しても、すぐに能力を発揮して会社に貢献する人材にはなりません。そもそも本人がやる気にならなければ、能力を伸ばすことは難しいので、会社としてはやる気にさせて育てることが必要です。

 

そこでスキルアップのため、社員に資格の取得や研修の受講を勧めたいが、労働時間などの扱いをどうすればいいか悩む、とのご相談をお聞きする機会が最近増えました。

「学びの秋」でもあるので、次年度の資格試験に向けて研修などの実施を考えている会社も多いようです。

 

研修期間の勤務時間や休日などの扱いについて、これから数回に分けて考えてみます。


研修と労働時間の関係

会議室の様子。ホワイトボード、長机、緑色の椅子。

業務を遂行するうえで必須であったり、また必須ではないけれどあれば業務を幅広くこなせるため、資格の取得を奨励している。有資格者の社員を講師として、資格試験に向けた勉強会を休日に実施して、社内の合格者を増やしたい。

 

このようにスキルアップのためとはいえ、本来の業務に支障がないよう、また落ち着いて集中できるように研修や勉強会を休日に行いたい、と考えられる会社も多いと思います。

 

けれど資格試験を受けて合格しなければ(従事する業務のレベルが上がらないので)昇進や昇格はなく、資格手当の支給もないので昇給もありません。

この場合、試験合格サポートの社内勉強会を、参加しないために受ける不利益のようにも思えます。

では休日に実施される社内勉強会は、労働時間としてカウントするべきなのでしょうか。

業務命令かどうかが分かれ目

給料明細と電卓、数枚の一万円札が机に並べられている。

この試験合格サポートの社内勉強会、もし会社が業務命令として参加を命じた場合には労働時間となります。ここが労働時間になるかどうかのポイントです。

 

実際は業務命令ではなく、自由参加としている場合がほとんどだと思います。またこの社内勉強会に参加しなくても受験自体はできますから、「不参加による不利益」とはなりません。つまりこの社内勉強会は、やろうと思えば独学でも勉強できるけれども、その効果を高めるためのサポートとして開催されているものであり、休日に行われているからといって割増賃金を支払うべき休日労働にはあたりません。

 

また試験当日が休日であったとしても、休日労働には該当しません。

受験しなければ昇給や昇格をはじめとする労働条件が、今以上に良くなることはもちろんありませんが、受験しなかったからといって、欠勤になったり不利益になることもなく、参加を強制されているわけではないからです。

魅力的な会社はキャリアアップを応援する

青空にハート形の白い雲が浮かび、虹がかかっている。

会社が人を育てるには、次の2つの方法があります。

  1. 実際の仕事経験を通じて実践的に学ばせる
  2. 研修や勉強会を通じて体系的に学ばせる

1.ではなかなか言葉で言い表せない細かなノウハウを伝達できるメリットがあり、2.では会社が個人のキャリアアップを支援する側面があります。

 

前述のように、休日に行われる自由参加の社内講習会をあえて休日労働扱いにする必要はありませんが、社員にキャリアアップを求めるからこそ、その行動をサポートする会社は社員にとってとても魅力的です。

会社が個人のキャリア開発に何らかの支援を行うことは、競争が激しい採用市場で、優秀な人材を獲得するためにも必要なポイントかもしれません。

 

人は単なる経営資源ではなく、感情を持って成長する存在です。

ですから人としての価値を認めてくれ、それをバックアップしてくれる会社で働く意欲がわきます。そして最終的には成長への投資が、会社の目的や戦略の達成へとつながるのです。

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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伸びる会社の就業規則作成コンサルティング。ノートパソコン、スマートフォン、ボールペン2本、ピンク色の付箋
社員を伸ばす人事制度構築コンサルティング。パソコンに集中して打ち込む社員。
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