休日の研修は出勤日としてカウントするか

オフィスのデスク。デスクトップ型のパソコン、キーボード、マグカップ。マウスのそばにデイジーの花。

「社員に仕事に必要な資格の取得をもっと頑張ってほしいし、積極的に研修の受講を勧めたい。しかし、研修などが会社の休日にあった場合、労働時間などの扱いをどうすればいいのか・・・?」

 

新しく採用した社員を職場に配置しても、すぐに能力を発揮して会社に貢献する人材にはなりません。

そもそも本人がやる気にならなければ、能力を伸ばすことは難しいので、会社としては社員のやる気を引き出して育てることが必要です。

 

そこで、社員のスキルアップに意欲的な経営者、管理職の方からご相談をいただくことがあります。

 

「学びの秋」でもあるので、次年度の資格試験に向けて、研修などの実施を考えている企業も多いようです。社員のステップアップを応援したいので、会社として社員に不利益の内容にしたい、とのお話をよく伺います。

そこで今回は、研修を休日に行った場合に休日出勤としてみるのかどうか、詳しく確認していきましょう。

研修と労働時間の関係

大きい窓から太陽の光が差し込む会議室。長机に置かれた鉢植えの多肉植物。

業務を遂行するうえで必須であったり、また必須ではないけれどあれば業務を幅広くこなせるため、会社として資格の取得を奨励している。そこで有資格者の社員を講師として、資格試験に向けた勉強会を休日に実施して、社内の合格者をもっと増やしたい。

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このようにスキルアップのためとはいえ、本来の業務に支障がないよう、また落ち着いて集中できるように研修や勉強会を休日に行いたい、と考えられる会社もあるのことでしょう。

 

ただ、資格試験を受けて合格しなければ(従事する業務のレベルが上がらないので)昇進や昇格はなく、資格手当の支給もない、ということであれば、どうでしょうか。

 

これは一見すると、社内勉強会に参加しなければ不利益(試験の不合格)を受けるようにも思えるかもしれません。つまり、実質的には「社内勉強会への参加は強制なのではないか?」との疑問が生じます。

それならば、休日に実施される社内勉強会は、労働時間としてカウントするべきなのでしょうか。

業務命令かどうかが分かれ目

デスクでコーヒーブレイク中の女性。コーヒーサーバ。観葉植物。赤いマニキュアが施された指先。

この試験合格サポートの社内勉強会、もし会社が業務命令として参加を命じた場合には労働時間となります。ここが労働時間になるかどうかのポイントです。

 

実際は業務命令ではなく、自由参加としているケースが多いのではないでしょうか。またこの社内勉強会に参加しなくても受験自体はできるのであれば「不参加による不利益」として取り扱われません。

 

つまり、この社内勉強会は、やろうと思えば独学でも勉強できるけれども、その効果を高めるためのサポートとして開催されているものであり、休日に実施されているからといって、割増賃金を支払うべき休日労働にはあたりません

 

また、試験当日が休日であったとしても、休日労働には該当しません。たしかに、受験しなければ昇給や昇格をはじめとする労働条件が、今以上に良くなることはもちろんありません。ですが、受験しなかったからといって、欠勤になるわけではなく、また賞与の査定などで受験しなかったことが不利益に働くわけでもないので、直接的な不利益な取り扱いとはいえません。参加を強制されているわけではないので、労働時間にはあたらず、休日に試験が実施されても休日労働にはならないのです。

魅力的な会社はキャリアアップを応援する

デニムに赤いスニーカー。青空のもと芝生のうえ。

会社が人を育てるには、次の2つの方法があります。

  1. 実際の仕事経験を通じて実践的に学ばせる
  2. 研修や勉強会を通じて体系的に学ばせる

1.ではなかなか言葉で言い表せない細かなノウハウを伝達できるメリットがあります。

2.では会社が個人のキャリアアップを支援する側面があります。

 

前段でお伝えしたように、休日に行われる自由参加の社内講習会をあえて休日労働扱いにする必要はありません。

 

ですが、社員にキャリアアップを求めるからこそ、その行動をサポートする会社は社員にとってとても魅力的です。(念のため、休日に行われる自由参加の社内講習会をあえて休日労働扱いにすることが「社員にとって魅力的」と言っているのではありません。)

 

会社が個人のキャリア開発に何らかの支援を行うことは、競争が激しい現在の採用市場において、優秀な人材を獲得するためにも必要なポイントかもしれません。社員へのキャリアアップ支援が会社としてのステイタスになる、ということです。

 

ヒトはカネやモノといった単なる経営資源ではなく、感情を持って成長する存在です。

 

人としての価値を認めてくれ、さらなる成長をバックアップしてくれる会社で「よし、いっちょやってみよう」と働く意欲がわきます。そして最終的には人材が成長することへの投資が、会社の目的や戦略の達成へとつながるのではないでしょうか。

 

会社の前向きな姿勢を社員にしっかり伝えたいですね。

木目調のデスクでタブレットを操作する女性。片手にコーヒーカップ。バラの活けられた花びん。

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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伸びる会社の就業規則作成コンサルティング。ノートパソコン、スマートフォン、ボールペン2本、ピンク色の付箋
社員を伸ばす人事制度構築コンサルティング。パソコンに集中して打ち込む社員。
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