人手不足を乗り切る再入社制度のポイント

白を基調としたスタイリッシュなオフィスのデスク。パソコンと花びん。

景気が回復基調にあって、どの業界でも人手不足でなかなか採用が難しい、との声をよくお聞きします。

ですから、結婚・妊娠・出産・介護などのライフイベントで退職した、有能な社員に職場復帰してもらいたい、と考える企業は増えてきているようです。

 

確かに自社で働いていた経験者であれば、扱う商材から社内の雰囲気まで理解していますし、会社にしてもすでに本人の性格やスキルを把握しているので、頼りになる働き手です。

 

最近は再入社について制度化した会社も、見受けられるようになりました。そこで今回は、再入社制度を設ける際に考えておきたいポイントをみていきましょう。

再入社の要件をしっかり考えておく

パソコンのキーボード。鍵(秘密)マークのキーが配列されている。

以前に働いていた会社へ再入社すること自体に、法的な問題はありません。

けれど制度として設けるのなら、再入社の要件を明確にしておくほうが良いでしょう。

 

たとえば退職時に再入社の合意を行ったことを隠して、競業他社へ転職して営業秘密に抵触した場合、トラブルに発展するリスクも考えられるからです。

 

この場合の対応としては、「競業他社に転職した場合は再入社を認めない」と退職理由を制限する要件を入れておき、また再入社の合意まではしないことでしょう。

 

その他に考えておくべき要件は、主に以下のようなことが考えられます。

  1. 会社は再入社の希望に必ず応じなければならないか
  2. 退職前と同じ待遇で再入社できるか
  3. 退職前の勤続年数
  4. 退職日からの経過年数

要件を個別具体的に検討しよう

指導を受けながら、パソコン作業を行う女性社員。

上記の要件を個別にみていきましょう。

 

1)について、再入社希望の申出があれば、会社が応じるかどうか判断の自由は残しておくと良いでしょう。必ず応じます、と会社の義務を規定すると、会社の経営状況などで応じられない場合には、損害賠償の対象となる可能性もあります。

 

2)についても同様に、退社前と同待遇を保障するものでない、とするほうが良いでしょうが、再入社のメリットが弱くなるのは事実です。ですから実務的には「必ずしも保障できないが配慮します」と示すことになるでしょう。

 

3)については、そもそも再入社制度の位置づけを考える必要があります。会社にとっての再入社制度のメリットのひとつとして、在職中にかけた育成・教育コストの活用があるでしょう。けれど在職期間が半年も満たなかった者であれば、新規採用とほぼ変わらないと思います。そのような人材でも再入社してもらう必要があるのかを考えておきましょう。

 

4)は退職してからあまりにブランクの期間が長いと、在職時の能力や意欲を推し図ることが難しくなります。会社のシステムなど仕事のやり方も以前とは変わっている可能性もありますから、再教育が必要かもしれません。どのくらいのブランクなら許容するのか、それともフォロー体制を整えるのか、など考えておきましょう。

双方にメリットある運用を

オフィスのデスク。窓から光が差し込んでいる。

再入社制度を設ける会社のメリットとして、

  • 迅速な採用が実現できる
  • 採用や教育、育成にかかるコストを抑えることができる
  • 社外での経験から新しい視点で業務に取り組むので、改善点が見つかりやすい

などが挙げられます。

 

社員にとっても、たとえばライフイベントに伴っていったんは離職したけれど、社会復帰を考えた場合、別の会社でゼロからスタートするよりも、今までのキャリアを効果的に活かすことができます。


要件をあらかじめしっかり考えておけば、会社と本人の双方にメリットのある制度として活用できるので、人手不足を乗り切るひとつの方法として検討してみるのもありですよ!

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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