年休の当日申請に会社はどう対応するといいのか

こどもが発熱したので、会社へ休む連絡を入れようとスマートフォンを操作する、部屋着姿の女性社員。

「こどもが急に熱を出したので・・・」

「ちょっと体調が悪くて・・・」

 

当日の朝に休みたい旨の電話連絡。

急なことで実のところ、人員配置に支障をきたすのだけれど、事情がわかるだけに対応に困る。

しかも度重なると、どこまで聞き入れなければいけないのか・・・

 

社員想いの経営者ほどよく悩まれる問題です。

当日朝の年次有給休暇の申請を欠勤扱いにしてもOKなのか、がご相談のポイントです。会社としてどう対応するとよいのでしょうか。

今回は、このあたりを詳しくみていきましょう。


当日朝の年休申請の取り扱い

会社はできる限り社員が「休みたい」といった日に年次有給休暇(以下「年休」)を与えるようにするべき、とされています。けれどどんな場合であっても、社員の申請した通りに年休を与えなければいけないわけではなく、会社には「時季変更権」が認められています。

 

前述のシチュエーションですと、年休の申請が当日の朝にあったので、時季変更権を行使することは不可能ですよね。始業時間の直前で、代替要員を確保しなければいけない状況を合わせて考えると、本人が休むことを欠勤として取り扱うことは問題ないでしょう。

 

ただし、就業規則で当日申請を認めていたり、年休への振り替えを事後に認めている場合は、このような取り扱いはできません。就業規則を確認しておきましょう。

午前8時を示す、オフィスの壁時計。

みんなが取得できるルールを考えよう!

オレンジ色の体温計。レモンウォーターが入ったグラス。

年休の取得ルールをきちんと就業規則に定めておかなければ、「取ったもの勝ち」になってしまいます。強く権利の主張をした方が得をする。真面目で仕事に責任感があり、義務を果たそうとする人ほど年休が取れずに消耗してしまう・・・なんてことは避けなければなりません。

 

年休はそもそもリフレッシュして、改めて気合を入れて仕事に取り組んでもらうためにあるものですから、たとえば「原則として○日前に申請する」など社内ルールを整備しておきたいですね。

 

とはいっても、病気やケガなど緊急の事情からやむを得ないこともあるでしょう。そのため「突発的な傷病やその他やむを得ない場合で、会社が認めた場合には事後速やかに届けることで年休に振り返ることができる」旨を決めておくといいですね。


ルールづくりは環境づくり

「ルールがあると社員を縛りつけることなりそうだから、決めたくありません」との声をお聞きすることもあります。けれどルールをつくることが直ちに社員を縛る、というわけではありません。

 

人は良くも悪くも環境によって変わります。まさに「環境が人を育てる」のだと思います。

ですから「こうすればみんなで協力して年休がとれる」「みんなリフレッシュもして、また会社を伸ばしていくことに頑張っていこう」とみんなが心の底から思える環境づくりが大切です。

 

そのためのルールづくり、と位置付けて、自社の年休取得のあり方を見直していただければと思います。

新芽。苗を植える

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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