代休は必ず付与しないとダメですか

デスクに広げられたカレンダーと万年筆。ダリアの花、デイジーの花。

「仕事の都合で社員に休日労働をしてもらうことになりました。代休をいつ取得できるのか、と社員から質問があったのですが、かならず付与しないといけないのでしょうか?

 

以前、企業の管理職の方からこのようなご相談をいただいたことがあります。その方が以前勤めていた会社では代休制度がなかったので、質問に戸惑われたそうです。一方、質問した社員さんのほうでは、必ず保証された権利として代休を取得できる、との認識であったようです。

 

実は、この代休は法律上の制度ではありません。それぞれの企業において定めた任意のものです。会社の就業規則に定めることによって、はじめて社員に代休の付与を求める権利が発生します。

 

ただ、冒頭のようなご相談をいただくことは割合多く、誤解されているケースは多いのかもしれません。

そこで今回は、代休は必ず与えなければいけないのか、について詳しく確認していきたいと思います。

そもそも代休とはどんなものか

休日の仕事。木目調のテーブル。木目柄のノートパソコン。コーヒーの入ったカップ&ソーサ。メモ帳とペン。

一般的に「代休」とは、休日労働をしたときにその代償として、社員の休息とプライベート時間の確保を目的として、後日与えられる休日のことをいいます。

 

このいわゆる「代休」の制度は、冒頭でお伝えしたとおり、法律上のものではなく、それぞれの企業において決められた任意のものです。

 

よって、このような代休制度を設けるかどうかは企業の自由であり、代休制度のない企業も多くみられます。

 

つまり、法律上は休日労働について、労基法で定められた割増賃金を支払ってさえすればよく、それ以上に代わりの休日を与えないといけないわけではありません。会社に代休付与の義務はないのです。

 

代休制度は、各企業において、就業規則で定めた場合にはじめて認められることになります。このような規定がなければ、社員に会社への代休の請求権は発生しません。

代休制度の運用について

デスクに置かれたキュービックパネル式のカレンダー。白のダリアの花。

就業規則の定めによって、はじめて社員に代休の付与を求める権利が生じる、というのは前段でお伝えしたとおりです。

 

では、就業規則で代休制度が定められているとき、「私はこの日に代休を取ります」と、年休のように社員から一方的に時季指定することはできるのでしょうか?

 

代休は、休日労働の代償として、本来は働く義務のある所定労働日に休むので、基本的に会社の許可や承認が必要となります。

とはいえ、就業規則に「原則として社員の希望する日に代休を付与する」との旨が記載されていれば、社員は会社に希望の代休日を決めて請求することができます。

 

就業規則に規定することで、代休請求権を社員に付与した場合には、社員の請求によることにしてもいいですし、会社の指定によることにしても構いません。

ただし、いずれの場合であっても年次有給休暇のように、社員の意思表示だけで(会社の承認を必要としないで)成立するものではなく、原則として会社の許可や承認を必要とするものとして通常は解釈されています。

 

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「社員が忙しくて結局、代休を取れなかった場合は、その代休を会社が買い取らないといけないのでしょうか?」

 

社員が代休を取れなかった場合の代休の残日数について、どう取り扱うべきなのかについても、コンサルティングでよくご相談いただく内容です。

 こんなとき、代休請求権を行使できる期間を決めておくことも可能です。言い換えると、その一定期間中に取得しなかった場合は、代休は消滅する旨をあらかじめ就業規則に定めておく、ということです。

 

代休はあくまでも、休日労働の代償として社員の休息と自由時間の確保を目的としており、(法律上の義務である)休日労働の割増賃金を支払った後の話だからです。

社員にとっても、一定期間の区切りを設けるほうが、休むタイミングをズルズル先延ばしにしなくなりますよね。会社が社員にリフレッシュの機会を獲得させるのに効果的だともいえます。

葉が青々としたモンステラ。オフィスの観葉植物。

社会保険労務士高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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