インターンシップ実施で気をつけたい3つのポイント

パソコンのキーボードを操作するインターンシップ生の指先。

インターンシップを検討中の会社さんからご相談がありました。

 

「最近は『思っていたような仕事じゃなかった』と、あっさり辞めてしまう新人もいるんです。だからインターンシップで職場の雰囲気やうちの仕事内容を知ってもらいたい。実習内容は見学とか体験的なものにして、日当もアルバイトくらいでと考えています。もし学生さんがケガでもしたら労災になりますか?」

 

インターンシップとは、学生に職場体験の機会を提供する制度のことです。

大学生がインターンシップに参加する時期は3回生の春・夏の長期休暇中に多く、ちょうどこの夏、実施中の会社さんもあるかもしれませんね。

けれど採用を意識してインターンシップを検討しても、気がかりな点があって実施には至らないケースも多いようです。私がよくお聞きする悩みは次の3つ。

  1. インターンシップ中のケガは労災になる?
  2. インターンシップでミスマッチを防ぎたいが実施する余裕がない
  3. そもそもインターンシップ生が集まるかどうか不安

今回はこのあたりについて具体的にみていきましょう。

インターンシップ中のケガは労災になる?

ドライバー、スパナ、ペンチなどの工具が並んでいる。

インターンシップ生が労災保険の適用対象となるかは、労基法上の「労働者」に該当するかどうかで決まります。ここで言う労働者とは、「職業の種類を問わず、事業等に使用される者で、賃金を支払われる者」のことです。

インターンシップ生の実習内容が見学や体験的なものであり、それに対する手当も実費弁償的なものであれば、労働者には該当しません。

一方、他の社員と同じように現場の指揮命令を受けて作業を行い、その対価としての手当を受けているような場合は、労働者と判断されます。

 

冒頭の相談内容では、インターンシップ生には見学・体験実習の程度でアルバイトくらいの日当を支給、ということでした。

そのインターンシップ生が、他のアルバイトや社員と同じ作業を現場の指揮命令を受けて行い、対価としてアルバイト賃金と同程度の日当を受けるのであれば、労働者と判断されます。よって労災保険が適用され、保険給付を受けることができます。この場合、労働保険料の算定・納付には、インターンシップ生の日当も賃金総額に含めなければならないのでお忘れなく!

 

一方、実習内容が単なる見学で、日当も交通費や昼食代の実費程度の金額であれば、労働者と判断されません。よって労災保険の適用対象となりません。企業には安全配慮義務があるので、よもやの事故に備えて賠償責任保険等への加入を検討することをお勧めします。

ミスマッチを防ぎたいが実施の余裕がない

男性のスーツと履歴書。

仕事の現場をリアルに体感できるインターンシップは、企業と学生の間で相互理解を深めることができるので、入社後のミスマッチ予防策として有効です。

けれど中小企業ではそのときの仕事の受注量いかんでは忙しすぎて、実施する余裕がないケースも多くみられます。

 

入社後のミスマッチを予防する方法は、インターンシップの実施だけではありません。内定者フォローや試行雇用契約(当初から期間の定めのない雇用契約を結ぶのではなく、試用を目的とする有期労働契約を結ぶこと)という方法もあります。そのためには採用コンセプトを採用募集の活動を行う前に、しっかり固めておくことも大切です。

採用コンセプトを簡単にまとめると以下の3点になります。

  1. ターゲットを明確にする
  2. 自社の魅力を伝える
  3. 自己選択できる情報を提供する

こうした情報を適切に届けることでミスマッチを避けることができます。

 

定着率を高めるには、採用コンセプトのなかでも3)の「自己選択できる情報提供」を応募者に対して行っておくことがポイントです。つまり応募者が自分で「この会社では自分に適した仕事ができるか?」を判断できるよう、自社の優れた良い面ばかりを強調して伝えない、ということです。そうすれば過度な期待を抱かせないので、入社後の失望を防ぐことができます。

そもそもインターンシップ生が集まるかどうか不安

スマートフォンを操作し、企業のSNSサイトをチェックする学生。

「学生も知っているような人気有名企業ではないのに、うちへインターシップに来たいと思う学生がそもそも集まるのか?どうしたらいいのか・・・」

 

独自の価値を追求している良い企業はたくさんあるのに、そんな企業へ優秀でやる気のある学生や若者が入社しないのは、社会にとっても損失です。

学生さんには就職人気ランキングはひとまず横に置いて、視野を広げていろいろな会社を数多くみてみることをお勧めしたいですね。

 

とはいえ働いた経験がないので、「企業研究」にも限界があるのかもしれません。ですから企業には、学生へいかに「働く現場のリアルな情報」を提供できるかがが求められるとも言えます。

 

そこでSNS(採用Facebookページなど)の活用は、コスト面でもコミュニケーション効率の面でもメリットは多いと思います。

もちろんSNSの運用を適切に行わなければ、トラブルに巻き込まれるおそれがあるのでリスク管理が必要ですし、社員への教育もしっかり行っておかなければなりません。

(SNSのリスク管理についてはこちら>>過去記事「SNSのリスクを回避するために会社がとるべき対応とは」

 

けれどSNSを活用したことで「ターゲットの学生や若年層に親しみを持ってもらえるようになった」と実感する企業は多いようです。企業のメリットとしては

  • 基本サービスの利用が無料
  • 拡散機能で一度に多くの学生にプロモーションができる
  • 職場や社員の雰囲気を伝えやすい
  • 内定者フォローができる

などが挙げられます。学生や若者にとっても情報を手軽に獲得できるメリットがあります。

 

リスクを踏まえて正しい知識で継続的に運用すれば、SNSを採用活動ツールとして役立てることができます。インターンシップの母集団を形成するのにも一役買うかもしれません。

 

「この会社がいい!働いてみたい!」とグッときてもらえるように、自社の魅力をリアルかつダイレクトに伝えられる方法(インターンシップの実施、採用コンセプトの明確化、SNSの活用など)を考えたいですね。

社労士事務所Extension 代表・社会保険労務士 高島あゆみ

■この記事を書いた人■

社労士事務所Extension代表・社会保険労務士 高島あゆみ

「互いを磨きあう仲間に囲まれ、伸び伸び成長できる環境で、100%自分のチカラを発揮する」職場づくり・働き方をサポートするため、社会保険労務士になる。150社の就業規則を見る中に、伸びる会社と伸びない会社の就業規則には違いがあることを発見し、「社員が動く就業規則の作り方」を体系化。クライアント企業からは積極的に挑戦する社員が増えたと好評を得ている。

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